政策コンテストは政治家の能力を浮き彫りにする
今日は簡単に…
7月27日に政府は、臨時閣議を開いて、平成23年度予算の概算要求基準を閣議決定した。
その中で、国債費を除く一般歳出については、各省一律で前年度比10%削減をして、そこで浮いた1兆円を「元気な日本復活特別枠」として成長分野に重点配分するとしている。
削減対象は、社会保障費、交付税、マニフェスト政策を除いた約24兆円。各省庁は10%の削減相当分で特別枠の政策を要望できる。削減は各省庁の自主性に一任として、特別枠の予算配分の決定は、「政策コンテスト」で決めるという。
政策コンテストの具体的方法等はまだ何も決まっていないのだけれど、どうやら「事業仕分け」のように公開で、政策の優先順位をつけて、最終的に空き菅@けものへん殿が決定する方式のようだ。
国民からの支持がある「事業仕分け」のように、予算編成の過程を透明化して政治主導を強調することで、内閣支持率の低下に歯止めをかける狙いがあるとも言われているのだけれど、「事業仕分け」と「政策コンテスト」とでは、似ているようで、大きく違うことがある。
それは、否定と肯定の違い。
事業仕分けは、既に行なわれているもの、行なう予定だったものを仕分けて「やらない」又は「削減する」決定を行うのに対して、政策コンテストは、「やること」を決定するという違いがある。
事業仕分けは、実施が前提だったものを、なぜこのとおりに実施しなければいけないのかという理由を聞いて、良い悪いを勝手に判断するだけでよかった。ある意味、理由を問い詰めるだけでよかったから、言葉は悪いけれど、「吊るし上げ」が出来た。
だけど、政策コンテストとなると、そうはいかなくて、何故、「この政策を選んだのか」という理由が必要になる。やらない理由ではなくて、やる理由を説明しなければならなくなる。
仕分けとコンテストは違うもの。否定するのは簡単だけれど、肯定するのは難しい。
これは、政治家の資質を満天下に知らしめることになる。なぜかといえば、なぜ、その政策を選んだのか、という理由そのものが、その政治家としての、見識、能力、大局観を浮き彫りにするから。
如何なる理由で、その政策を選んだのか。何故今そうしなければならないのか。それを行うことで、どうなっていくのか。それを説明することそのものが、その政治家が、今の世界と日本をどう考えているかを指し示すことになる。
尤も、これはこれまで、国会での審議とか、委員会とかで議論されていた内容になるのだろうけれど、それが、もっと広く一般に公開されることになる。
国会中継とか委員会の内容や議事録をつぶさに読み込んでいる国民はそんなにいる訳じゃないから、政策コンテストを通じて、政治家の資質が明らかになること自体は、別に悪いことじゃない。
空き菅@けものへん殿が首相として、日本を何処に導いていこうとするかの一端を、この政策コンテストがあぶり出していくと思う。
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1兆円超の「元気な日本復活特別枠」 概算要求基準を閣議決定 2010.7.27 20:51
政府は27日臨時閣議を開き、平成23年度予算の概算要求基準を閣議決定した。国債費を除く一般歳出について各省一律で前年度比10%削減し、そこで生みだした1兆円超の財源を「元気な日本復活特別枠」として成長分野に重点配分する。一律削減をめぐっては一部閣僚が反発していたが、これまでの削減努力などへの配慮も盛り込むことで合意した。
午前の閣僚懇談会では、一部閣僚が要求基準の原案表現などについて修正を要求。これを受け入れ、午後の臨時閣議で要求基準の決定にこぎつけた。
概算要求基準では、国債費を除く一般会計の歳出の上限を22年度並みの約71兆円に抑制し、新規国債発行額も22年度の44兆円を上限とする。高齢化に伴う社会保障費の自然増1・25兆円は認める一方、経済危機対応などで22年度に約1兆円計上された予備費については検討項目とし、財源化へ含みを持たせた。
要求基準の閣議決定を受け、各省庁は8月末の概算要求時に、環境や医療といった成長分野やマニフェスト(政権公約)関連の予算を特別枠の範囲で要求し、既存の政策経費から10%削減された予算の取り戻しを図る。
URL:http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100727/fnc1007272056018-n1.htm
一律? コンテスト? ~ 11年度予算・概算要求基準に疑問 政治2010年7月29日 08:00
27日夕に閣議決定された「2011年度予算の概算要求基準」に対し、批判や疑問の声が上がっている。同基準では、成長戦略などに重点配分される1兆円超の「元気な日本復活特別枠」の財源として、既存経費を全省庁一律10%削減される。削減対象となるのは、社会保障費、交付税、マニフェスト政策を除いた約24兆円である。
その一律削減というやり方については、閣僚のなかからも批判が出ているという。民主党政権発足時から掲げられていた「予算の組み替え」論は、ある支出を削減、もしくは節約して引いた分を他の分野に充てるというものであり、「一律」という手法とは全く異なるからである。
また、各省庁は10%の削減相当分で特別枠の政策を要望できる。10%以上を削減した場合は、超えた分の3倍ほど上乗せで要望できる。削減は各省庁の自主性に一任。その意欲を高めるための仕組みという。そして、特別枠の配分決定は、公開の場で開かれる「政策コンテスト」で行なわれる。
この「政策コンテスト」について、元総務相官僚である武雄市長・樋渡啓祐氏は「予算査定を公開で行なうのは賛成。であるならば、各省庁と財務省主計局で行なう予算査定、折衝など、また、予算と比べればあまり目立たない税制要望、さらには、内閣法制局審査も『全て』公開で行なうべき」と自身のブログでコメントしている。さらに、「査定大臣」であることが求められているが、実際のところ、自民党時代と同じ「要求大臣」になっていると指摘している。霞ヶ関からは「ようやく大臣を取り込めた」との声も上がっているという。
URL:http://www.data-max.co.jp/2010/07/_11_9.html
予算配分は政策コンテストで 7月28日 5時9分
菅総理大臣は、来年度予算案の編成で、「事業仕分け」のように、公開で予算配分の優先順位をつける「政策コンテスト」を導入することで、政権浮揚を図りたい考えです。
政府は27日、来年度予算案の編成に向けて、歳出を今年度予算に比べて一律10%削減するよう各省に求めるとともに、成長戦略などに重点的に予算を配分する特別枠を設けることを柱とした概算要求の新たな基準を閣議決定しました。この特別枠の具体的な配分は、各省から要望として出された事業について、「事業仕分け」のように公開で優先順位をつける「政策コンテスト」を行ったうえで、最終的に菅総理大臣が決定することにしています。菅総理大臣は、国民から支持された「事業仕分け」と同様に、予算編成の過程を透明化して政治主導を強調することで、内閣支持率の低下傾向に歯止めをかけ、政権浮揚を図りたい考えです。しかし、「政策コンテスト」の具体的な方法はまだ決まっていないうえ、予算編成の過程を公開することで、かえって特定の団体からの陳情が強まり、メリハリがきいた予算案が組めなくなるのではないかという見方もあり、政府の思わくどおり運ぶかどうかは不透明です。
URL:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100728/k10013004871000.html
この記事へのコメント
とおる
政策コンテストは、政治主導?(政策を丸投げで、世間受けが良いのを選ぶ?)
sdi
しかし、去年の8月末の時点で麻生内閣が予算案の概算要求等をすべてすませていたのを彼らは忘れているか、見て見ぬふりをしています。
今年、民主党政権は「初めて」予算編成作業をこなすと言っても過言ではありません。概算要求からなにから全て、たたき台から予算案成立までの全工程を自力でこなさなくてはならんのです。
ITのジャンルの言葉でいえば、他人が書いた仕様書やソースコードを流用してプログラムを作ったことのないプログラマーがいきなり要件定義からはじめるプロジェクトを任されるようなものでしょう。
おそらく、今度は財務省の作った仕様書やソースコードから流用して作成するつもりのなのではないかと思います。
ちび・むぎ・みみ・はな
新規予算の提案と言うのは事務方との協力の下での長い準備が
必要な筈です. 当然そんな準備はないでしょうから, メディア
のサポートをもらうためにメディア対策費を入れるのでしょう.
秋葉原のツリーも完成するし, 地デジ関連で梃入れをすれば
喜ばないメディアはありません. 同時にネット規制を入れると
既存メディアはなおさら喜びますね.