「日本側に、即刻、無条件で解放することを強く促す。日本が独断専行するなら、中国は一歩、行動を進める。発生する一切の深刻な結果は、すべて日本側の責任だ。」温家宝首相 於:9/22 NY宿泊先のホテルにて
中国の温家宝首相は、ニューヨークの宿泊先のホテルで中国の外交官、中国系住民、留学生や中国企業の駐在員を前に、尖閣諸島衝突事件で日本側を痛烈に批難した。
また、アメリカのブログでは「日本は中国に「国際司法裁判所に訴える」と警告すべき」という意見があると、サーチナがこれ見よがしに宣伝している。
中国の口撃が、益々ヒートアップしている感があるのだけれど、これらは、やはり、「尖閣諸島係争地化戦略」の一環とみるべきだろう。
温家宝の批難にしても、公式会見というわけではなくて、中国系住民や企業の駐在員を相手の発言だから、中国系メディアを介して、国際世論を味方につけようとする魂胆がありあり。
それに対して、前原外相は、「尖閣はわが国固有の領土で、領土問題は存在しない。何かあったときには国内法にのっとって粛々と対応するだけだ」とこれまでの日本の立場を繰り返し、空き菅殿は「この問題は冷静に対応していくということで、それぞれの立場でそうした姿勢で対応してほしい」となるべく事を荒立てたくないようなコメントを続けている。
そして、仙谷官房長官に至っては、「大局的、戦略的話を含めて、早急にハイレベルの話し合いを行われた方がいい」とビビったかのような発言をしている。
だけど、何度も念を押すようだけれど、事を荒立てているのは中国の方であって、日本じゃない。従って、いくら日本が事を荒立てたくなくても、向こうにその気がなければ、何の役にも立たない。
その一方、中国の抗議レベルというか、批難発言している人が報道官、外相、首相と段々とその「格」が上がってきているから、もう少し引っ張れば、そのうち国家副主席や国家主席がお出ましになる可能性はある。だから、わざと粘って、中国のカードを全部さらけ出させてやる、という強かさがあってもいいとは思う。
それにしても、中国に言いたい放題言わせておいて、日本の政治家から何も反論らしい反論をしないまま、ハイレベルの協議なんてやってたら、「貴方様の言うとおりで御座います」と敗北宣言したも同然。
そうなったら、尖閣諸島が「係争地」として国際的に強く印象付けられてしまう上に、臣下の礼を取ることになる。完全に負け。
温家宝が強硬発言を、しかもアメリカでやってくれているのだから、日本としても、もう少し強いメッセージを出しておかないと、国際的に日本の言い分は認知されない。
特に、アメリカで発言できるのであれば、アメリカ人が瞬時に分かるメッセージにしてやれば、最大限の効果が見込めるし、そうすべき。
例えば、こういう具合。
「親愛なるアメリカ国民の皆様に問いかけたい。もしも、ハワイが中国の領土だ、と言われたら、貴方がたは一体どうするだろうか。尖閣諸島は日本のパールハーバーだ。中国の荒唐無稽な言い掛かりに対して、強く抗議する。パールハーバーを巡っては、過去いくつかの不幸な出来事があったが、今や、我々はそれを乗り越えて、強力な同盟関係を結んでいる。法治国家として、自由と平和のために、日本は全力を上げてこれを守り抜くことを決意している。自由と平和が蹂躙されることは決してあってはならないし、中国は自由と平和を踏みにじる国ではないことも知っている。日本は、アメリカに対して、同盟国としてこの件について支援してくれることに深く感謝の意を表したい。」
これくらい言ってやれば、単純かもしれないアメリカ人でも、何が起こっているのか直ぐに理解するだろう。
尖閣諸島は、係争地なんかじゃ全然なくて、それ以前の自由と平和を守るための戦いなのだという反論をする。
実際、漁船のやったことは、「公務執行妨害」だし、司法を政治的圧力で捻じ曲げることは、法治国家としてはあってはならないことだから。原則論まで遡るとそうなる。だから、それで反論する。
細かい証拠付きの反論は後でゆっくりやればいい。
向こうが向こうのルールを言い張るのなら、こっちはこっちのルールを盾にするまで。言い合いで中国が自分から折れることなんて有り得ないのは重々承知。だけど、これは、国際世論をどれだけ味方に付けられるかの勝負だから、たとえ、水掛け論であっても全然構わない。
中国が、まだ、これ以上続けるっていうのなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す。反論しておくことで、相手の言い分を打ち消しておく。それが大事。
一部には、戦争直前なのか、と緊張する人もいるかもしれない。だけど、国を預かる身であれば、当然そういうことだって、考慮しておかなきゃいけない。
それに、こういうメッセージは官僚には絶対出せない。政治責任を問われる事柄だから。
だからこそ、それをやるのが政治家の役目。そうであってこそ政治主導といえる。こういう肝心な事ができないで、政治主導などと嘯くのはちゃんちゃらオカシイ。
これくらいのことを中国にぶつけておいて、返す刀で、おもいやり予算はうんと増額して、陸自を南西諸島に駐屯させる等、防衛力強化の方針を矢継ぎ早やに決定する。
これらを、ぱっとやってのければ、アメリカも安心するし、日本にもリーダーシップがあるのだな、と思うだろう。
一部には、米中が組んで、日本に金をタカっているのでは、という意見もあるけれど、たとえそうだったとしても、ここはタカらせてでもやるべき。今回きちんと対処しておけば、同じ手は二度と使えなくなるから。
ここで崩れてしまったら、これから中国は何度でも同じ手で脅してくる。
一度くらいは政治家レベルでガツンと言ってやって、牽制しておかないといけない。もうそろそろ、そういう段階にある。
そうして、表でガンガンとやり合っておいて、裏からこっそり手を回す形で、中国とパイプのある議員が話をつけてくるというのが、まぁ落し所といえば落し所なのではないかと思う。
ただ、自民党政権ならいざ知らず、民主党の素人集団にそれを期待することは難しい。そもそもそんなパイプがあることすら怪しいし、唯一それが出来る可能性のある剛腕殿は排除されてしまっている。
もし、剛腕殿と田中真紀子氏をセットで特使として中国に派遣するのなら、中国も話をつけに来たなと即座に応じて決着する可能性はあると思う。
もしかしたら、どうにも行き詰って空き菅殿が、剛腕殿に泣きつくなんてこともなくはないけれど、今のところ、その見込みは低い。
何も反論しないまま、ハイレベルの協議なんて弱みを見せたら、中国は益々つけこんでくるだけだろう。


国連総会出席のため米ニューヨークに到着した温家宝首相は、宿泊先のホテルで中国の外交官、中国系住民、留学生や中国企業の駐在員を前に、尖閣諸島近海で中国漁船が拿捕され船長が逮捕された事件について、日本側を激烈な文句で非難した。中国新聞社が報じた。
■「尖閣諸島関連」写真特集
温首相は、船長の拘束を続けているなどの日本の一連の措置を「完全に違法で、理屈が通らず、中国人船長と家族を深刻に傷つけ、国内外の中国人全体の憤激を引き起こした」と主張。中国側は何度も厳正に交渉を行ったとして、「日本側が聞く耳を持たないなら、中国政府は、必要な対抗措置を取らざるを得ない」と述べた。
温首相は改めて「日本側に、(船長を)即刻、無条件で解放することを強く促す。日本が独断専行するなら、中国は一歩、行動を進める。発生する一切の深刻な結果は、すべて日本側の責任だ」と強硬策を続けると宣言した。(編集担当:如月隼人)
URL:http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0922&f=politics_0922_011.shtml

尖閣諸島(中国名:釣魚島)沖で、海上保安庁の巡視船が衝突した事件で、中国人船長の10日間の拘留延長を受けて、中国政府は19日、日中間の閣僚級交流の停止措置をとることなどを明らかにした。
アジア情勢に詳しい米国のブログ「zoneasia.blogspot.com」では、尖閣諸島における中国側の怒りはまだ続いているとつづっている。この衝突事件で拘留されている中国人船長(41)を釈放しなければ、中国側は強烈な対抗措置をとると警告していると説明。
筆者は、尖閣諸島付近の地下には天然のガス田があることを忘れてはならないとし、この論争はさらに激化するだろうと見ている。日中の外交的手腕では、この論議を解決できそうにないとの見方を示している。
解決方法のひとつとして、国家間の紛争を処理するための国連の機関である、国際司法裁判所で審理してもらう可能性について示唆している。
尖閣諸島は、日清戦争中の1895年から日本が領有しており、国際的にも日本の領土として認められているが、中国も領有権を主張している。第二次世界大戦後は一時、米国の管理下に置かれたものの、1972年には沖縄県の一部として日本に返還された。
中国にとって尖閣諸島は台湾の領土であり、中国に属していると主張しているが、問題はそこにあると筆者は指摘している。中国と台湾は、双方ともが中国の正統政府を主張しており、国際的にも中華人民共和国(中国)と中華民国(台湾)という「2つの中国」が存在していると状況を解説。
筆者は、国際司法裁判で公判中に、台湾が中国とは別の国として、領有権を主張する可能性があり、もし台湾が中国の一部ではないと国際司法裁判所で判決が下されれば、中国は尖閣諸島と台湾の両方を失うと指摘している。
もちろん、判決を拒否することもできるが、中国は国際的な信頼を失うことになる。筆者の見方によれば、中国側は、台湾も魚釣島も失う事態は避けたいとし、日本が中国のけん制に抗議するために、現在すべきことは、国際司法裁判所に訴えると警告することだと述べている。
しかし一方で筆者は、日本はこの手段を選ばないだろうとみている。日本人は訴訟が好きではないとし、訴訟によって解決することよりも、より平和的な解決を望むだろうと推測。我々も事の成り行きを見守り、できればこの論争が平和的に解決されることを期待すると締めくくっている。(編集担当:田島波留・山口幸治)
URL:http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0921&f=politics_0921_008.shtml

【ニューヨーク時事】前原誠司外相は21日夕(日本時間22日朝)、ニューヨークの国連本部内で記者団に対し、尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件に関し、「尖閣はわが国固有の領土で、領土問題は存在しない。何かあったときには国内法にのっとって粛々と対応するだけだ」と重ねて表明した。
外相は同事件をめぐり「われわれは冷静に対応しているつもりなので、それ以上でもそれ以下でもない」と強調。中国側と対話の機会があれば、「対応したい」と前向きに応じる姿勢を示した。
さらに、「中国は大事な隣国で、戦略的互恵関係をしっかりつくり上げていかなければならない」と述べた。ただ、ニューヨーク滞在中に中国側要人と会談する予定はないとしている。(2010/09/22-09:43)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010092200164&m=rss

菅直人首相は22日午後、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件をめぐり、中国の温家宝首相が漁船船長の即時無条件釈放を求めたことについて「この問題は冷静に対応していくということで、それぞれの立場でそうした姿勢で対応してほしい」と述べた。訪米期間中の日中首脳会談については「特に新たな予定は考えていない」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。 (2010/09/22-14:36)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010092200505&m=rss

仙谷由人官房長官は22日午前の記者会見で、尖閣諸島沖での漁船衝突事件を巡り中国の温家宝首相が中国人船長の即時無条件釈放を求めたことについて、「大局的、戦略的話を含めて、早急にハイレベルの話し合いを行われた方がいい」と述べた。
菅直人首相は22日午後、国連総会に出席するため米国ニューヨークに出発するが、現地で日中首脳会談を早期に開き、問題の収拾について話し合うべきだとの考えを示したものだ。仙谷氏は国連総会での日中首脳会談について「チャンスがあればその種のアクションに出ていただければと思う」と期待を示したが、開催の見通しは立っていない。
URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100922-00000035-mai-pol

【北京時事】尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖での漁船衝突事件は22日、中国の温家宝首相が逮捕された漁船船長の無条件釈放を強く求めたことで、新たな段階に入った。中国首脳が乗り出し、菅政権に政治決断を迫った形で、中国は日本側への圧力を高めた。
温首相が訪問先のニューヨークで、「釣魚島は中国の神聖な領土」と語り、事件をめぐる日本の対応を批判する場面は、国営中央テレビが昼のニュースのトップで伝えた。22日は家族だんらんで祝う伝統的節句「中秋節」の休日で、中国の毅然(きぜん)とした態度を国民にアピールした。
事件発生から2週間が経過し、中国人船長の拘置期間も延長される中、「解決に時間がかかれば、胡錦濤政権の能力が問われ、批判されかねない」(中国筋)との声も聞かれる。温首相の登場は、事件長期化への中国側の焦りもうかがわせる。
温首相は「平民宰相」として国民の絶大な支持がある。このため、「日本側が温首相の要求を無視すれば、国民は黙っておらず、両国関係は一層悪くなる」(日中関係筋)という懸念もある。中国側は、発足間もない菅政権が、こうした国内事情に配慮した対中外交の道を選ぶのか、かたずをのんで見守っている。
ただ日本側は、「尖閣はわが国固有の領土。国内法にのっとり粛々と対応する」(前原誠司外相)との立場。「現段階では落としどころが見えない」(北京の外交筋)状況だ。 (2010/09/22-15:46)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010092200505&m=rss
この記事へのコメント
せみまる
almanos
後はODAと円借款を一時凍結すべきでしょう。実弾を遠慮なく撃つのです。文句を行ってきたら「侵略行為をする国に援助する国が存在したことがあるかね? 」と切り返せば良い。更に邦人企業には「中国からの全面撤退を勧める。損失はものによっては政府が補填する
ちび・むぎ・みみ・はな
> のなら、中国も話をつけに来たなと即座に応じて決着する
> 可能性はあると思う。
「金で話しをつけに来たと即座に応じて決着する」でしょう.
日比野庵殿は小沢氏を買い過ぎています.
この問題はアメリカの関与無しには無事に終りません.
しかし, 小沢ではアメリカは動かないか, もしくは普天間と
セットで「高い身代金」を要求されることになります.
安倍・麻生氏は既に動いているでしょうが, 表には出られない.
最終的には, 前原氏にかけるしかないでしょうね.
sam
sdi
もしかしたら、中国側はこれをまじめに落とし所に考えている可能性はないでしょうか。彼の国は一党独裁の人治社会なのは周知の通りです。司法ですら中国共産党の「指導」下にあります。それゆえ、司法の判断に政府が介入してそれを変更する、ということの重大さを認識していない可能性はあるのではないでしょうか?
>剛腕殿と田中真紀子氏
前者はともかく後者の必要性が理解できません。人治社会の中国に対して故田中角栄の遺産継承者という点を前面に押し出すためでしょうか?田中角栄と鄧小平の関係を田中真紀子が中共の要人の誰かと維持していれば効果はあるかもしれませんが、私は否定的です。
私は、田中真紀子氏は喋っていいこといけないことの(主として外交・安全保障の観点から)区別がつかないのではないか?、という評価をしています。911事件のとき、アメリカ政府の緊急避難の情報をマスコミに漏らしたり自分の持ってる情報の軽重がわかってない。交渉の席では逆に足を引っ張るのではないでしょうか。この点は父親も同じです。新潮45の7月号付録の田中角栄の演説CDの4トラック目16分あたりから聞いてみると判り
アキラ
この辺で、「貴国(中国)は法治国家なのか」と気概のある前原に言わせるべきだ。石原都知事位の厳しい対応をしないと、未来永劫中国になめられだけだ。
白なまず
クマのプータロー