試される前原大臣

 
「交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が有能ならば何一つ与えず返せ。交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が無能ならば大いに与え、歓待せよ。そうすれば、隣国では無能な者が重用され、有能な者が失脚する。そしてやがては滅ぶ。」
六韜

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尖閣衝突事件での、中国の恫喝がエスカレートしている。

先日には、中国から閣僚級の交流停止という対抗措置を取るとの発表があった。
※尤も、外務省によれば、対抗措置についての正式な連絡はないという報道もある

中国政府は、漁船船長の拘置延長がを受けて、事件の長期化に備えて、経済、軍事、外交の各方面での報復措置が検討されているという。

実際、中国企業の日本への一万人の観光旅行がキャンセルになったり、ガス田の試掘の構えとか、いろいろ仕掛けて来ている。

これまで以上に中国は強硬に出ているのだけれど、ひとつには、前原氏が外相に就任したということもあるように思われる。

前原氏は2005年12月に北京の外交学院で講演し「中国は軍事的脅威」と発言し、更に、中国軍幹部との会談でも、中国の軍備増強をめぐり激しい応酬を繰り広げたことから、中国では「対中強硬派」と見られている。

今回の衝突事件で、船長を逮捕、拘置していることも、当時、国土交通大臣だった前原氏の力が働いていると分析しているという。

そうしたことから、中国政府は、その前原氏が外相に就任したことを警戒しているようだ。

中国にとって、そうした手強い相手が全面に出てくるとなると、どういう態度をとることが考えられるか。

一番いいのは、その相手に早々に失脚して貰うこと。だから、そのように工作する可能性がある。

それは、恐らく、前原氏に対して、冒頭に引用した「六韜」の一節、すなわち、「隣国から使者が来て、もしその者が有能ならば何一つ与えず返せ」で対応してくるようなやり方。

平たくいうと、中国は、今回の事件では一歩も退かず、日本側に妥協させる形で、事をおさめさせることで、結果的に、前原大臣に手柄を立てさせない積りでいるだろうということ。

つまり、「何ひとつ与えず返せ」で応じてくる。



実際の動きとしては、中国は報復措置を次々と繰り出して、特に経済的報復を中心にやってくることが考えられる。

たとえば、中国に進出している日本企業に、いちゃもんをつけて、商売できなくさせたり、うんと税金を掛けたりして、締め上げる。

そうして、日本の経済界にダメージを与えて、日本の経済界から、日本政府になんとかしろとクレームをがんがん入れされることで、前原氏への風当たりを強くする。

そして、結果的に前原大臣が更迭されるように仕向けてくる。

更には、海外でロビー活動をして、尖閣諸島は中国領だと宣伝して、係争地化戦略を着々と進めてゆく。

これくらいのことは平気でやってくる。

今の与党で、対中強硬派と目される前原氏を跪かせるか、失脚させることができれば、日本なんぞ、鼻くそ以下の扱いになる。

だから、今、中国の方も、前原大臣を試している面がある。反日デモを抑制して見せたら、どう反応するか。尖閣諸島は中国領だとプロパガンダしたら、どう対応してくるか。ガス田を単独で試掘したらどうか。色々打診しては、その応答具合を見ようとしている。

前原氏が外務大臣でいる限り、中国は最後の最後まで、それこそ、米軍介入寸前まで、自分からは絶対退かない可能性がある。

中国は、前原大臣に対して、どこまで自分達に歯向かってくるのか、どこまで手ごわい存在なのかを見ている。と同時に、前原氏の力が、日本政府の中でどれくらいの位置を占めているかも、値踏みしている。

それにしても、自分からぶつかってきておいて、こちらが捕まえると、とたんに脅しを掛けてくる。友愛だの、東アジア共同体などと夢見たところで、これが現実。

この問題が長期化して、国内の経済界からの声に妥協して、空き菅殿が、前原大臣を更迭するようでは、日本はその程度だなと中国は思うだろう。

だから、最後の最後には、首相の判断が全てを握る。空き菅殿がそこまで理解しているかは分からない。

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画像「対中強硬派」前原外相に中国が強く警戒 

 【北京=佐伯聡士】中国の胡錦濤政権は、尖閣諸島周辺で海上保安庁の巡視船と中国漁船が衝突した事件が日中関係に影を落とすなか、「対中強硬派」と受け止められている前原誠司氏が外相に就任したことに警戒感を強めている。

 関係筋によると、中国側は衝突事件で日本側が船長を逮捕、拘置していることを「これまでにない強硬姿勢」とみており、海保を主管する国土交通省の大臣だった前原氏の力が背後で働いていたと分析している。

 前原氏は民主党代表だった2005年12月、北京の外交学院で講演し、「中国は軍事的脅威」と発言。中国軍幹部との会談でも、中国の軍備増強をめぐり激しい応酬を繰り広げた。このため、中国では前原氏の「対中強硬派」のイメージが定着しており、今年6月に鳩山前首相の退陣を受けて菅首相が就任した際も、「菅氏はくみしやすい相手。タカ派の前原氏でなくて安堵(あんど)した」(中国筋)との見方が支配的だった。

(2010年9月17日19時50分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100917-OYT1T00936.htm



画像漁船衝突 日本、対応変えず…日中閣僚交流停止 毎日新聞 9月20日(月)9時40分配信

 中国漁船衝突事件を巡り、中国政府が閣僚級の交流停止という対抗措置を発表したことで、菅直人首相は米軍普天間飛行場移設問題に加え、新たな日本外交の“火種”を抱え込んだ。だが、日本側は「中国側による日本の法体系無視」(外務省幹部)として一歩も引かぬ構え。胡錦濤国家主席来日が予定されている11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに沈静化できるかどうかが焦点となる。【吉永康朗、北京・成沢健一】

 ◇APEC前の収束目指す

 「違法行為に対しては法に基づいて冷静に対応するということだ。粛々とやる以外、方法はない」。中国側が態度をエスカレートさせる中でも、外務省幹部は従来と変わらない立場を強調した。

 日本政府からすれば、今回の事態は、日本領海における公務執行妨害事件の処理でしかない。別の外務省幹部は「現場海域付近には、当該漁船以外にも何十隻も船がいて、不用意に日本領海に入って魚をとっている。海上保安庁が臨検すれば、ほとんどの船は出て行くが、今回の船はそうではなかった」と述べ、逮捕・送検された中国漁船船長の違法行為が極めて悪質だったと訴えた。

 日本側が恐れるのは、今回の事件を「外交上の配慮」を理由に中途半端な形で処理した場合、同様の事件が再発した時の対処がより困難になることだ。同幹部は「『日本は法律の枠内で適切に処理する国』ということを中国に知らせる必要がある」と語り、中国側に粘り強く理解を求める考えを強調した。

 前原誠司外相も日中両国間の関係悪化を懸念。前原氏は19日、東京都内で記者団に「良好だった日中関係に波風を立てるのは、お互いの国益にならない」と述べ、中国側に改めて冷静な対応を呼びかけた。

 日中関係が絡む外交日程として、11月に横浜でAPECが開かれる。胡主席訪日が予定され、本来なら日中首脳会談が行われるはずだが、船長が起訴されて裁判が長引けば、会議に影を落とす可能性もある。

 政府内には「日本の首脳と会談を行わないのに日本に来るのは胡主席にとっても体面が悪い」(外務省幹部)として、APECまでには中国側も関係修復に応じるとの見通しもあるが、財務、経済産業省などでは、「中国の強硬姿勢は予想以上」(財務省幹部)との戸惑いが広がっている。「中国はAPEC首脳・閣僚級会合への参加を見送る」との見立てだ。一方、日中関係筋は「中国もマルチ(多国間)とバイ(2国間)を分けて考えている。交流停止でマルチの場まで参加しないとは考えにくい」と語るが、胡主席とAPECの議長である菅首相との会談が見送られる異例の事態が生じる可能性は否定していない。

 ◇中国、さらに硬化も

 中国人船長の拘置期限延長を受け、中国政府は閣僚級以上の交流停止など新たな対抗措置を打ち出した。中国側は船長の帰国が実現するまで態度を軟化させることはないとみられ、東シナ海ガス田のうち日本も出資することが決まっている「白樺」(中国名・春暁)を巡り、中国による単独開発の再開など、さらに強硬な措置に出る可能性もある。

 衝突事件後、対日批判を展開してきた中国紙「環球時報」は、日本経済に打撃を与える対抗措置の必要性を訴えてきた。閣僚級以上の交流停止や航空交渉に向けた接触の停止といった措置は、まさにこうした狙いを込めたものと言える。

 日中航空交渉の再開については、前原外相が国土交通相だった8月に訪中して働きかけ、前向きな回答を引き出していた。航空交渉に向けた接触の停止は、対中強硬派とされる前原外相に中国が圧力をかけてきたとの見方も出ている。

 一方、白樺を巡っては、08年6月に日中両政府が日本側からも出資することで合意し、中国は掘削作業の着手を見合わせていた。衝突事件後、中国側の洋上施設に掘削作業のドリルとみられる機材が運び込まれたことが明らかになっている。

URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100920-00000002-maip-pol



画像中国から対抗措置の正式連絡なし 政府、情報収集急ぐ 2010年9月19日22時50分

 中国が19日夜になって「強烈な対抗措置」に言及したことについて、日本政府は情報収集に追われた。外務省関係者によると、中国側で報道された段階では北京の日本大使館など外交ルートを通じた中国側からの正式な連絡はなかったといい、中国側の真意を測りかねている。

 中国側報道の直後、福山哲郎官房副長官は日本政府としての対応を記者団に問われ、「事実関係を把握してからだ」と語った。外務省幹部も朝日新聞記者に「(中国政府からの)正式な申し入れは全くない。外に向かって言っているだけではないか。正式に言ってこなければコメントのしようがない」と述べた。

 日中間の閣僚級以上の交流の停止について、同幹部は「外相にそんな予定は入っていないし、他の閣僚も(閣僚級協議の)予定はない」と指摘。「(中国人船長の逮捕という)この一件だけをもって、中国が日中関係を縮小させようと思っているのなら残念なことだ」とも語った。

URL:http://www.asahi.com/politics/update/0919/TKY201009190254.html



画像中国、多方面で日本への報復検討…尖閣衝突 読売新聞 9月20日(月)20時53分配信

 【北京=佐伯聡士】尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖の日本領海内で起きた中国漁船衝突事件で、逮捕された中国人船長の拘置延長が決まったことを受けて、中国の胡錦濤政権は、経済、軍事、外交の各分野で具体的な対日報復措置の検討に乗り出した。

 船長の釈放が実現するまで、タイミングをはかりながら、報復措置を次々に打ち出し、「対日圧力」を強めていく方針だ。

 関係筋によると、胡政権は9月中旬に内部の対日工作会議を開いた。その場では、事件の長期化に備えて、経済、軍事、外交の各方面での報復措置が選択肢として挙がったという。

 経済面では、旅行社の訪日ツアー自粛、国家観光局による訪日渡航自粛勧告などが検討されている。いずれも、事件発生当時、国土交通相として海上保安庁を主管し、中国で「対中強硬派」とされる前原外相に対する圧力強化を狙ったものとみられる。実施されれば、中国人観光客で潤う日本には大きな打撃となる。 最終更新:9月20日(月)20時53分

URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100920-00000525-yom-int

この記事へのコメント

  • sdi

    今回の事故の発生は、中共が計画したものではなかったでしょう。今の彼らの本音はこんなところではないかと。
    「起きてしまったものはしょうがない。なら、これを奇禍として逆に成果をあげよう。」
    日比野殿の「前原潰し」は鋭い分析です。岡田前外相より中共指導部にとっては御しにくい交渉相手です。しかし、前原外相(前国交相)はデスマーチプロジェクトにばっかりまわされる火消しSEみたいな使い方をされてますね。
    私は「ひょっして、『海保潰し』を狙ってるkか?」と考えています。
    尖閣諸島海域における海保の活動を政治的判断で、停止もしくは抑制に追い込もうとしているのではないでしょうか?現在、尖閣諸島を日本が実効支配している根拠のひとつが当該海域における海保巡視船による警察権の行使です。これを公式発表無しでも事実上の停止に追い込めば、自国の漁船や海上警察が同海域に居座れます。竹島も第八管区の巡視船が韓国の海洋警察庁の船と睨み合っていれば、上陸して石碑をぶっこ抜いたり、基地を作ったりできなかったでしょう。
    ただ、日本側が粛々と日本の法律に乗っ取って処理を進めばそんな目論見は費えます。誰かさんが「政治的判断」で変な
    2015年08月10日 16:48
  • almanos

    空き管殿が前原氏を更迭するか? に関しては、仙石氏ら左派の動向に左右されるのではないでしょうか? 官僚、特に防衛と海保、警察は前原氏側でしょうから。仙石氏らを取るか、官僚を取るかが試される。ただ、前原氏は小沢との手打ちを手打ちするなら俺が出ると脅して潰した御仁です。そして、更迭すれば対外的に鼻くそ以下になるリスクがあるとしれば、けものへんな性格から考えるに「俺は鼻くそじゃねえ! 小沢と同じ事やりやがって! 」と意固地になる可能性が高い。後は新聞などで前原氏のおかげで支持率が上がれば決定的でしょう。おそらく、アメリカの後押しもあって、紛争寸前までいって何とか面子を取り繕おうとして出血しつつ中国が引く。という展開になるのではないでしょうか?
    2015年08月10日 16:48
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    > 中国は報復措置を次々と繰り出して、特に経済的報復を中心に
    > やってくることが考えられる。
    経済界もそろそろ民主党政権に嫌気がさして来ている頃ですので
    経済的報復を盛大にやってもらえると, 民主党の有難さが全共闘
    世代にも実感されて良いですね. 日本が支那離れをするためにも
    是非やって頂きたい.
    2015年08月10日 16:48

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