今後の日本の経済などを考えると、余程の何かがない限り、民主党政権が日本をうまく舵取りしてくれる見込みは少ない。
それが嫌なら、必然的に、空き菅殿には退場して貰わなくちゃならないのだけれど、現時点でその為の方策は、剛腕殿に代表選を勝ってもらうか、剛腕殿に、民主党を衆院過半数割れになるくらいにまで、党を割って出ていって貰わなくちゃならない。
剛腕殿が勝ったとしても日本のためになるかどうかは、勿論別の話なのだけれど、ここではひとまず置いておく。
まず、剛腕殿が勝った場合、どうなるかについて考えてみる。
ひとつは、何度も拙ブログで取り上げているけれど、閣僚の人材を確保するための連立工作をするだろうと予想している。
剛腕殿の政見を信じる限り、あの内容を本当にやろうとすると、相当な実力者で閣僚を固めない限り、実現するのは難しい。国家予算２０７兆円の全面組み替えにしたって、省庁のひとつやふたつを潰すくらいの覚悟が必要ではないかとさえ。言うなれば、劇薬治療。
それほどのことをやるかもしれない剛腕殿の閣僚に、今の民主党内の人材で務まるとはとても思えない。
評論家の板垣英憲氏は８月２６日の自身のブログ記事にて、当時、話が進んでいたトロイカ体制維持のための内閣・役員人事案について述べている。次に引用する。
鳩山前首相が提示したのは２４日夜、ホテルニューオータニ６階ダイニングバーの個室で小沢前幹事長と約３時間会談し、「菅首相続投、強力内閣・役員人事案」として作成したものだった。
「菅首相、小沢幹事長」を軸に、連立する予定のたちあがれ日本の与謝野馨共同代表、みんなの党の渡辺喜美代表代表、新党改革の舛添要一代表、国民新党の亀井静香代表らが入閣する強力政権の布陣であったという。
小沢前幹事長は、公明党との連立も考えているので、この人事案に公明党の幹部名が入っていた可能性があるが、不明である。
一方、このなかに岡田克也外相、前原誠司国土交通相の名前はあったのに対して、「脱小沢」の急先鋒・仙谷官房長官と枝野幸男幹事長の名前はなかった。板垣 英憲（いたがき えいけん）「マスコミに出ない政治経済の裏話」より
これを見ると、剛腕殿の人事案は、自民党時代での閣僚経験者を多数入閣させる案だったことになる。
まぁ、この情報が何処まで本当なのかどうか確かめる術はない。だけど、剛腕殿のやりたいことを考えると、充分考えられる話ではある。
少なくとも、剛腕内閣では「まともな」大臣を任命しないと機能しないだろうと思われる。「ミスター検討中」な大臣をいくら据えたところで、一歩も動かない。次々と更迭する羽目になる。
だから、剛腕内閣は、どうしても連立に頼らざるを得ない。それができなければ、剛腕政権とて行き詰って、やっぱり解散することになる。
次に、剛腕殿が負けて党を割る場合。この時は、引き連れて出る人数が非常に重要な意味を持つ。
民主党が衆院過半数を割るくらいの人数、即ち、７０人規模以上で割って貰わないといけない。でなければ、昨日のエントリーでも触れたけれど、最悪の場合、空き菅殿が「野党案は全部丸飲みします作戦」を取って、剛腕殿一派の存在自体を無効化する可能性がある。
まぁ、野党案を全部丸飲みすること自体を民主党左派が嫌って、党が割れるという可能性が無くもないのだけれど、剛腕殿すら無効化されてしまうような状況で、態々政権与党を飛び出して党を割る勇気のある人物がいるとも思えない。
では、剛腕殿が７０人、１００人と引き連れて党を割るには、どのような条件が必要になるのか。
それは、剛腕殿に、まだまだ力があることを見せつけること以外にないだろうと思われる。剛腕殿は、自分についてくることの利益でもって、人を集めている所があるから、その利が無くなれば一遍に求心力を失う。
それには、剛腕殿は、政界再編できる見通しと数の力を見せておく必要がある。即ち、今の代表選で世論の支持なり、政策なり、具体的な目に見えるものを残しておかなくちゃいけない。
つまるところ、空き菅殿が指摘するところの「数と金」の力を見せなくちゃいけない。
その為には、剛腕殿は、代表選で大敗ができない。悪くても、スレスレで負けるくらいでないと、剛腕殿について党を出る議員はぐっと減る。畢竟、政界再編は起こらない。
ただ、当初は有利と見られていた、剛腕殿も、ここにきて雲行きが怪しくなってきているという報道もある。
産経新聞が９月４日に代表選の序盤情勢を調査したところによれば、民主党所属の国会議員で、空き菅殿支持が約１６０人、剛腕殿が１７０人超の支持を固めたとされている。
そして、中間派の旧民社党系グループ（約３０人）が空き缶殿支持の方針を打ち出す見通しらしく、そうなると、空き菅殿は、議員票で互角以上になる。
この報道が本当だとすれば、世論調査その他では、空き菅殿支持が６割から７割あることになっているから、国会議員票で大差をつけない限り、剛腕殿に勝ち目はない。
ＦＮＮが空き菅陣営の選対会議の内部文書を入手して、その内容を報道していたのだけれど、その文書には「勝負は５日まで! すべてに優先」とあった。
それに符号するかのように、４日になって、中間派の旧民社党系グループの空き菅殿支持の見通しを出している。
もしかしたら、代表選の大体の体勢は既に決まっているのかもしれない。
いずれにせよ、民主党の代表選は、どちらが勝っても、日本にとっては苦難の道であることは間違いない。
それは、「劇薬の剛腕」か「茹でガエルの空き菅」かの選択でもある。
ただ、ウルトラＣとしては、かつての自社さきがけ連立政権のように、谷垣自民党総裁や渡辺みんなの党代表を、担ぎ出して総理に首班指名する連立政権があることはあるのだけれど、そんなことが本当に出来るのかどうかは分からない。現時点では不確定要素が多すぎる。
今の日本の目の前には、荊の道が待ち構えている。どう進んでも棘が刺さるのであるのなら、どういう刺さり方がまだマシなのか。
それは、究極的には、政権云々ではなくて、国民の目が醒めること。
本当に国民ひとりひとりが、国のための政治はどうあるべきかを真剣に考えられるようになること。
鳩山も菅も小沢も駄目となれば、流石に国民の目も醒めて、真剣に政治家を選択するようになるのではないかと期待している。
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民主党代表選 FNNが菅陣営の選対会議の内部文書を入手 「勝負は5日まで!」民主党代表選。FNNが菅陣営の選対会議の内部文書を入手した。文書は、この週末の地方議員・サポーター票集めへのげき文だった。一方、小沢前幹事長は、議員1人ひとりを訪ねるどぶ板パフォーマンスに打って出た。
出来たてほやほやの議員会館を、1室1室くまなく回る小沢前幹事長。
田中 真紀子議員に「ネズミとかゴキブリ、どっちがお嫌いですか?」と聞かれた小沢氏は「どっちもあまり気にならないですね」と答えた。
これに田中議員は「気にならない? 政界でそういうのいっぱいいると思うけど」と話した。
小沢氏は、小沢支持派だけでなく、菅支持派の議員にもあいさつを行った。
一方、菅首相はエイズ治療の写真展を訪れた。
菅首相は「(薬害エイズは)わたしの厚生大臣の時に、その原因・責任を国としても認めて、そして全員の皆さんとの間で、和解ができた」と述べた。
自身の原点でもある、薬害エイズ問題で実績をアピールした。
その首相を支持している閣僚は、小沢批判で援護射撃を展開した。
菅首相支持の前原国交相は「アメリカ、沖縄と話をすれば、必ずいい案があるんだということを、まったく具体論なくおっしゃるということは、鳩山さんが苦しまれた、この10カ月は一体なんだったのだと」と述べた。
菅首相支持の野田財務相は「なんか官僚主導みたいなお話をされていました。これはかなり誤解をされているんじゃないかなと」と述べた。
こうした中、FNNは、菅陣営の選対会議の内部文書を入手した。
文書には「勝負は5日まで! すべてに優先」、「菅 伸子夫人が電話作戦できるようにリストを作成すること」などと、地方議員やサポーター票獲得のための戦略が事細かに書かれていた。
一方、東京・大田区では、菅首相支持を表明している議員が、3日夜、党員・サポーター集会を開催した。
首相の選対本部長を務める江田前参院議長も駆けつけた。
江田前参院議長は「(参院)議長までやったんだから、あんまりそんな生臭いところに頭を突っ込むんじゃないよと、ひんしゅくだよと、こういう声もあるんですが、この代表選、これをやっぱりきれいにすっとこう、乗り越えていかないと、民主党が大変なことになる」と述べた。
会場は盛り上がった。
終了後、早くも菅首相に迷うことなく、1票を投じたサポーターもいた。
菅首相に投票したサポーターは「今以上にもっと力強くご自分の力を、考えをアピールしていってほしいと思います」などと話した。
代表選告示後、初の週末を迎える両陣営。
4日は街頭演説で、世論に訴えかける予定となっている。
菅首相は「(意気込みは?)大いに頑張りたいと思ってます」と述べた。
一方、小沢氏は「きょうは四百何十件、会館回ったから、ちょっと肉体的疲労がありますけどね。一生懸命こなすってだけですね」と述べた。
(09/04 01:02)
URL:http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00183814.html
旧民社は「首相支持」へ 議員票互角、菅首相優位に 2010.9.5 01:30産経新聞社は４日、民主党代表選（１４日投開票）の序盤情勢を調査した。党所属国会議員の動向は、続投を目指す菅直人首相が約１６０人、小沢一郎前幹事長は１７０人超の支持を固めた。さらに、中間派の旧民社党系グループ（約３０人）が４日、週明けにも首相支持の方針を打ち出す見通しとなり、首相は議員票で小沢氏と並ぶ公算が大きくなった。全体の３分の１の地方議員や党員・サポーター票などは首相支持に傾いており、全体では首相が優位に立った。ただ、態度未定の国会議員は６０人以上おり、小沢氏は国会議員票の上積みや、サポーターらへの働きかけを強めている。
調査は、４１２人の国会議員や地方組織への取材、各所属グループの対応などを基にまとめた。
首相は自身の議員グループと前原誠司国土交通相、野田佳彦財務相らのグループの「主流３派」で議員票を固めた。
小沢氏は党内最大勢力の小沢グループ約１５０人に加え、第２勢力の鳩山グループ（約６０人）の支持を取り付けたが、２グループの合計２１０人には届いていない。小沢氏の影響下にあるとされる衆院当選１回の１４３人のうち、半数が小沢氏支持。２割以上は態度未定だ。選挙基盤の弱い新人議員に、早期解散に慎重な首相の姿勢が一定の評価を得ているようだ。
動向が注目されていた旧民社党系グループは４日、首相支持に向けて調整に入った。６日にも会合を開き、決定する考えだ。来春の統一地方選を控え、地方議員に小沢氏を支持しにくい機運が強いことや、小沢氏が在沖縄米軍海兵隊は「要らない」と述べるなど日米同盟を揺るがしかねない発言を続けていることで、懸念が広がっているとみられる。
地方議員の序盤調査では５割以上が首相に投票すると回答しており、小沢氏が勝利するには、国会議員票での大幅な巻き返しが必要になりそうだ。
代表選は、党所属国会議員票８２４ポイント（１人２ポイント）、地方議員票１００ポイント、党員・サポーター票３００ポイントの計１２２４ポイントの過半数で戦われている。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100905/stt1009050130000-n1.htm
この記事へのコメント
日比野
確かに剛腕殿を政局師としてみれば、そのとおりだと思うのです。ただ、その権力志向の人が「首相」になると、そこでゴール、双六で言えば「上がり」になってしまうと思うのです。
剛腕殿の今までの数々の言動が全て「双六の目」にしか過ぎなかったとすると、上がってしまった後でどうするのか。何をするのか。それがよく見えないのですよね。
ちび・むぎ・みみ・はな
「米中韓に No と言えない内閣」になる可能性大.
そもそも剛腕どのが実はアメリカには大変弱いの
は湾岸戦争の歴史から明らか.
中韓にべったりなのも明らか.
明らかでないのは, 剛腕殿の政治目的.
彼は権力を握って何をしたいのか?
如何お考えですか?
ス内パー
すなわち偽腕勝利から首班選挙の間の空白期間に検察が偽腕起訴。
タイミングとしては勝利の翌日くらいがいいかな？
選挙の邪魔をしない気遣いと政治的なものに左右されない強さを両立させるなら。
これやった場合確実に民主党という船は崩壊します。
デメリットは政治的空白の発生、偽腕シンパの物理的排除が起きる可能性、応援団による異様なまでの検察パッシング発生ですかね。
まぁ１０月に報告予定とか牽制球投げられてる時点で可能性は極めて低いですが（苦笑）
白なまず
ひふみ神示 第05巻 地つ巻 第十七帖
まことの善は悪に似てゐるぞ、まことの悪は善に似てゐるぞ、よく見分けなならんぞ、悪の大将は光り輝いてゐるのざぞ、悪人はおとなしく見えるものぞ。
日本の国は世界の雛形であるぞ、雛形でないところは真の神の国でないから、よほど気つけて居りて呉れよ、一時は敵となるのざから、ちっとも気許せんことぞ、神が特に気つけておくぞ。今は日本の国となりて居りても、神の元の国でないところもあるのざから、雛型見てよく腹に入れておいて下されよ、後悔間に合はんぞ。九月二十三日、ひつ九のか三。
http://hifumi.uresi.org/05.html
sdi
私は剛腕殿のことを「日本一の政局家」だと評価しています。彼の外交政策の選択も「『今』、どの国に恩を売る(擦り寄る)と政局を有利に運べる(権力につながる)か」という点で考えてみると、湾岸戦争時のATMぶりや最近の訪中など一本筋が通っているように思えます。
剛腕殿は、中共から距離を置きアメリカに近づくことでどうやら親中離米から中米等距離に路線変更したように見えますが、米中間の関係や国際情勢の変化でまた変わるでしょう。ただ、基本として彼は「日本はランドパワーだ」派の人間だと思っております。
almanos
＞ウルトラCはもう一策あるような。
もう一つの可能性としては、東京国税局による告発。検察審査会がらみの記事は良く出てますけど、国税局がらみの報道は不自然なくらい無い。証拠固めが進行していて、隠滅を避けるために深く静かに捜査中なのかもしれません。よく考えると「権勢は振るうが責任は取らん」な小沢氏がなぜ表に出たか？ どちらにしろ国税局の告発が出たら終わりだから、でかい花火を上げようという心理もあるのではないでしょうか？ 代表になってから脱税容疑で逮捕なら間違いなく党も終わります。そして、忘れてはいけないのですが、民主党の人たち、金に汚い割にやり方が杜撰です。鳩山氏は言うまでもなく、管首相も金と下半身で自爆ブーメランを食らいそう。あの人どう見てもナルシストですからその手のトラブル抱えているでしょう。トロイカそろい踏みで終わるかもしれません。後に残る前原、岡田両氏は器が小さすぎますし、仙石氏はそれ以下。間違いなく泥沼で解散するしかなくなる。或いは自民と連立して一呑みにされるか。鳩山氏は、夫人が夫のアレっぷりに呆れて「成年被後見人」指定を申し立てるか方が先かもしれませんけど。昔禁治