9月4日、剛腕殿は「ニコニコ動画」の公開生中継に出演した。それを視聴してみての感想。
まぁ、視聴された方は、個々に色んな感想を持たれたと思うけれど、筆者なりに感じたことは、たとえば、剛腕殿の支持母体の座談会か何かに剛腕殿が呼ばれて、気楽に話しているという印象を受けた。
剛腕殿がこんなに饒舌だったとは、意外な感に打たれたのだけれど、これは、ニコ動だからという訳でもないようで、9月3日の「スーパーモーニング」に生出演したときも、よどみない口調で、何を聞かれても即答していた。番組のコメンテーターである大谷氏をして、「われわれの方がよっぽど口べた」とまで言わせるほど。
こんなに話せるのであれば、最初からやればいいとも思うのだけれど、喋るべき時とそうでないときを意識して使い分けているのかもしれない。
ただ、ネットなどが発達して、情報の伝達が活発に行われる現在においては、一つの情報が、広く早く拡散してゆくのだけれど、情報の発信元と受け手の間に、中継器が挟まれば、挟まる程、つまり、編集がされればされるほど、情報の変質や減衰が起こってしまう危険がある。
これは、情報があっと言う間に拡散してゆく現代社会においては注意すべきこと。
今回の剛腕殿が出演した「ニコニコ動画」でも、番組の最後に、この中継を見て、剛腕殿のイメージが変わったかどうかと、視聴者アンケートしていたけれど、イメージが変わったという回答が61.5%、そうではなかったという回答が38.5%だった。
やはり、事実として、国民が政治家の「素の姿」を知らなさすぎる現状が、あるように思えてならない。
だから、ここを改善するだけでも、国民の政治への関心も大きく変わる可能性はあると思う。
以前「政治報道についての雑考」のエントリーで、これに関連したことに触れたことがある。次に引用する。
今のマスコミの現状は、特に政治報道に限ってみれば、その場その場の出来事や、イメージだけのニュースばかりで、その議員が、真に何をやりたくて、そして何をやっているか、という情報を提供することが殆ど無いように見える。
そんな「真なる」情報は、議員事務所とか後援会とかにしかなくて、その議員を応援する一部の人にしか共有されていない。
これは、テレビが広く一般に情報を普及する力を持っているにも関わらず、それを正しく使っていないということを意味してる。
というのも、たとえば、ある政治家に対するニュースひとつを取ってみても、テレビという媒体は、その場の局の判断に基づいた編集なり、色づけで、どのような印象にでも操作できてしまう怖さがあるから。
《中略》
現場を全部みて判断するのと、一部を都合良く切り取って流すのとでは全然印象が変わる。
勿論、放送時間の制約という問題はあるのだろうけれど、何時までもそんな放送しかできないのであれば、いっそのこと、今のような政治に対して、キャスターなりコメンテーターなりが、評論するスタイルのニュースなど止めてしまったらどうか。
その代わり、政治家一人当たり30分なりなんなりの枠を持たせて、自由に自分専用の番組をつくって、24時間特定チャンネルで、順番に流すほうが、よっぽどいい。
《中略》
なんとなれば、テレビ業界のディレクターなりスタッフなりをつけて、番組を作らせたっていい。企業にスポンサーになってもらうのではなくて、政党や政治家にスポンサーになって貰う。
自社の都合で、どこかの政党を持ち上げたり、叩いたりするのではなくて、その政治家専用の番組だと割り切って、基本的に持ち上げ報道だけにすれば、ある意味公平になる。
今のように、特定の誰かだけを賞賛したり、貶めたりするから、不公平感が生まれるのであって、皆、肯定的な報道をして、視聴者が、それを見て、自分で判断できる環境を提供することの方がよっぽど大事。
日本人がネガティブキャンペーンを嫌うのであれば、全員ポジティブキャンペーンにすればいい。
《中略》
できれば、1年なり2年なりスタッフ一堂を密着取材させて、その議員の専門分野に精通させてしまえば、スタッフの中から、一流の専門ジャーナリストが生まれるかもしれない。
勿論、政治家だって安穏としていられない。半月とか毎月1回、自分専用の番組が作られてしまうとなると、半年、一年もすれば、中身のない議員は、話すことがなくなって、あっという間に淘汰される。日比野庵本館 2/16「政治報道についての雑考」
と述べたことがあるのだけれど、今回のニコ生はこれにちょっと似たものがあると感じた。つまるところ、一人の政治家にリラックスして、自由に語ってもらうものを、多くの国民に見てもらっていない、若しくは、そもそも、そんな機会そのものがないということが、かなりあるのではないかと思う。
その意味では、後でアーカイブできて、何時でも視聴できるネット動画の類は、政治家と国民の間を縮めるツールには成り得る。
最初の内は、空気読まない質問とか、ツッコミが足らない質問に、気さくに応えるだけでも、既存マスコミが形成していたところの政治家のイメージが壊れる、又は良くなることがあるだろうから、それだけで、支持率が上がることもあるかもしれない。
それを持って、元から政治に興味を持っている、玄人にはウケが悪いことがあるかもしれないけれど、国民全体の政治に対する、感度や関心を高める為には、やらないよりはやったほうが圧倒的にいい。
ニコ生動画は、空き菅殿にこのネット放送への出演を依頼しているといっていた。是非実現していただきたい。


民主党代表選で小沢一郎前幹事長は4日午後、東京・麹町でインターネットサイト「ニコニコ動画」の公開生中継に出演し、党員・サポーターに向けて自らの政策をPRした。
一方、菅直人首相は公邸で側近議員らと、態度未定の国会議員らへの働き掛け策など集票戦略を練った。
ネット中継で小沢氏は、普段の生活ぶりなどを紹介し、親しみやすさもアピール。「どちらが首相にふさわしいか」に対する視聴者の回答が菅氏21%、小沢氏78%と出ると、「こうやって意思疎通できるのは面白い」と満足げな表情を見せた。これに先立ち陣営が開いた東京・池袋駅西口での街頭演説では、菅政権について「役所を説得できていない。経験のある私が先頭に立ってやる」と意気込みを語った。
菅氏は福山哲郎官房副長官、寺田学首相補佐官と、支持拡大に向けた活動を再点検。演説やメディアで訴える政策についても意見を交わした。
URL:http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010090401000554.html

民主党代表選に立候補している小沢一郎前幹事長が2010年9月4日、動画サイト「ニコニコ動画」の生放送番組に出演した。
総理になったときに絶対にやりたいことは何かと問われた小沢氏は「大きな話になるが中央集権と地方分権ですね。国と地方の仕分け。必要なところは国家の権力を充実させたい」と答えた。一方で、地方に権限を移した場合に最初は混乱があるかもしれないが、しばらくして成熟した自治ができあがるのではないか、と持論を述べた。
また、ネットユーザーからの質問も寄せられ、インターネットメディアのメリットを問われると、直接メッセージを発信できることを挙げた。番組に出演した政治ジャーナリスト・上杉隆さんからは、ツイッター上で小沢氏の偽アカウントがあったことを知らされると驚きの表情で苦笑い。ツイッターは世界のリーダーが利用し、国民の声を聞く使い方もできるとの指摘には「いいですね。僕自身では操作ができませんが。スタッフもやれるようにしていきたい」とした。
URL:http://www.j-cast.com/2010/09/04075066.html

何を聞かれても即答する。よどみない口調。満面の笑み……。仏頂面のいつもの小沢一郎とは別の小沢一郎がそこいた。民主党代表選に出馬した小沢一郎前幹事長が今朝(2010年9月3日)の「スーパーモーニング」に生出演した。
◆「強制起訴されたら同意しますよ」
小沢を迎えたのは、鳥越俊太郎(ジャーナリスト)、大谷昭宏(ジャーナリスト)、 山口一臣(「週刊朝日」編集長)、三反園訓(テレビ朝日解説委員)のコメンテーター陣だ。
鳥越「いま表舞台に出てきたのはなぜか」
小沢「国民が政権を代えた。ここで失敗したら民主主義が危うい。予算編成や政権運営を見ても、自民党と同じじゃないかという感じを持たれている。交代が意味ないと思われたら終わり」
小木逸平アナ「政治と金で検察審査会が起訴となったら、同意(首相の同意が必要)するか」
小沢「同意します。やましいことはありませんから。検察の捜査で不正はないと証明されてる」
大谷「オレにオレが同意する(笑い)。検察が起訴できなかったものをたとえ起訴しても無罪でしょう。しかし、説明責任はあるのでは?」
小沢「政倫審はボクが作った。強制捜査権はないんだから、それ以上何を説明すればいいのか」
◆「仕組みを変えれば予算は出てくる」
小木「景気対策は?」
小沢「(菅首相のいう)雇用はその通り。そのために何をするかだが、予算の一律削減は今まで通りのやり方。役人にはそれしかできない。優先順位をつけて、政策経費を切ることは政治家だけができる。最終決定するのは総理大臣だけ」
山口「財政難について、菅さんと認識が違うようだが」
小沢「仕組みを変えればお金は出てくる。公共事業の補助金が地方は自由に使えない。自由に使えれば7割でいい。それでもっといい行政ができる」
大谷「マニフェストの実行は可能か」
小沢「可能です。要らないものを削る。予算を付けない」
山口「鳩山さん、菅さんができないことが、なぜ小沢さんならできるか」
小沢「おふたりの努力は否定しません。ただ、最後は総理の決断なんです」
子ども手当、女性の就労、円高、政治の透明性、雇用と格差、核の問題 から普天間まで、たっぷり1時間、言葉が途切れることはなかった。
三反園から最後に「女性の支持が低いですね」と言われて苦笑い。完全に小沢ペースだった。大谷も「われわれの方がよっぽど口べた」
URL:http://www.j-cast.com/tv/2010/09/03074935.html?p=all
この記事へのコメント
日比野
> 何を言っていたかは関係ない.
今言っていることと, 彼が実際に権力を再掌握した時に言う
こととは別物. これは小沢的常識だと思います
そのとおりですよ。これがあるから、小沢氏は、信頼されないし、嫌われたりするのだと思います。菅氏は、更に輪をかけて嘘つきですけれど、ちび・むぎ・みみ・はなさんの様に政治に関心ある人は、いざ知らず、多くの人は、それを知りません。
嘘は結果がでないと、あれが嘘だったかどうかわからないのです。嘘をつかれたら、次の選挙で落とすしかできない。
そして、これまでは、マスコミ経由の情報が主で、編集があったりして、更に実像がわからなくなってしまってる。だから、そこから、直さないといかんということです。
ちび・むぎ・みみ・はな
なぜでしょう? 日比野庵殿が小沢出馬で驚いた時から,
失礼ながら, 外している気がします. ここまで生き残って
いるのだから, 小沢氏の頭の回転が早いのは当然.
頭の良い嘘つきに自由に話させれば, 滑らかに, やる気も
ないことを本当らしく話すのは当然.
人の本性は突っ込んだり突っ込まれたり, 追い込んだり
追い込まれたりの中で現れると考えるのが一般常識と思う.
小沢氏が何を言おうと, 彼はその時の, 政略的にベストな
ことをやります. 何を言っていたかは関係ない.
今言っていることと, 彼が実際に権力を再掌握した時に言う
こととは別物. これは小沢的常識だと思います.