
「中止は平和賞に対する罰で、ノルウェー人は中国で演じてはいけないと言われた」ノルウェー・ミュージカル「ある晴れた夜」作曲者
劉暁波氏へのノーベル平和賞の授与の余波が広がっている。
世界各国は続々と劉暁波氏への平和賞授与の支持を表明して、劉暁波氏の釈放を要求している。
当のノルウェー政府はというと、中国から、漁業相との会談をキャンセルされたり、北京で来月、開催される予定だった、ノルウェー人歌手のミュージカルが中止になったり、早くも「制裁」なるものを受けているけれど、全く屈する様子はない。
どこかの国とは大違い。
それにしても、突如中止になったノルウェーのミュージカル作曲者に「平和賞に対する罰だ」なんて言うのは、実に子供じみた発言であって、とても大国のそれとは思えない。
ノーベル平和賞の発表から僅か1週間足らずで、あっと言う間に世界中から批難の的になった中国。
中国外務省は「中国の司法制度を尊重せず、中国の政治制度を変えようとするのは大きな間違いだ」とか、「中国の発展を望まず、中国の政治制度が嫌いだから」とか、「中国の社会政治制度が正しいかどうかは中国の発展の現実が既に答えを出している」とか、はたまた、「中国のことは中国人が自分で決める。」とか「下心が何処にあるか疑う」なんて反発しているけれど、むきになって反論する辺り、相当動揺している様子が見てとれる。
それに、なんだかんだ反論したところで、その論旨は所詮、「中国のマイルールを尊重しろ」というものから一歩も超えていない。
だから、現時点で、世界的に諒とされている「人権」という世界的価値基準を突きつけられたら、まず勝てない。
それこそ、「世界観のない日本」のエントリーで紹介した、戦略の7階層ではないけれど「人権」という最上位の世界観と「中国国内法」という、一段下の政策レベルの階層との間で戦っている構図。
最初から世界観で負けている。
それほど、マイルールで生きていきたいなら、それこそ北朝鮮の様に、外界との連絡を断って、自由貿易圏から抜けたところで生きてゆくしかない。
そんなことが無理であることは、誰の目にも明らか。
尤も、中国のGDPが世界2位になる程大きくなくて、ずっと小さい、すなわち経済小国レベルであったなら、多少のお目こぼしもあったのかもしれないけれど、もうそうはいかない。大国は大国の責務がある。世界はそう見てる。
同じことは日本にも言える。
劉暁波氏へのノーベル平和賞の授与が発表された当初、世界中がそれを祝福し、中国の姿勢を批判するコメントを相次いで出すなかで、日本の空き菅殿ときたら、「ノーベル賞委員会がそう評価した。しっかり受け止めておきたい。」と他人事のコメントをしていた。
14日の参院予算委員会になって漸く、「釈放が望ましい」と表明したようだけれど、遅きに過ぎた感は否めない。
まるで、周りの様子をみて、このまま中国の肩を持ったら、自分にも矛先が向かってくるとんばかり、慌てて表明したようにさえ見えなくもない。
こういう姿勢は、世界から見ると、日本は自分の頭で物事を考えられないんだな、という姿に映っているのではないかと思う。
もっと言えば、日本程の経済、文化、科学技術など様々な分野の大国が、自分の頭で判断できないなんて、そんな馬鹿なことがあるのか、そう見られているかもしれない。
別に「八紘一宇」をもう一度やれ、なんて言わないけれど、もう少し、世界的価値観を尊守して、積極的に守ってゆくという姿勢なり表明なりは、あってもいいのではないかと思う。
まぁ、これは、一国平和主義の裏返しなのかもしれないけれど、日本だけ平和に過ごしていたいと思っていても、世界は決してそうは思わない。
麻生政権時に、サブプライム問題に端を発した金融危機で、IMFに10兆円をぱっと供出して、世界恐慌に陥るのを食い止め、ストロスカーン専務理事に「人類の歴史上、最大の貢献だ」と謝意を表明させたことから見ても、それは明らか。
日本がその気になれば、世界を大きく支えることができる。それだけの力がある。
日本の現政権は兎も角、世界は日本のトータルな国力に期待している部分がまだまだあることを、もっと意識してもいいと思う。


【ロンドン=伊東和貴】ノーベル平和賞の受賞が決まった中国の人権活動家、劉暁波(リウ・シアオポー)氏の妻の劉霞さんが、北京の自宅で事実上の軟禁状態に置かれていることに関して、ノルウェー外務省のイメシュラン報道官は13日、劉霞さんの行動を制限しないよう中国政府に促していく考えを明らかにした。AP通信が伝えた。
北京のノルウェー大使館員が劉さんの自宅を訪ねようとして、中国当局に阻まれたことも公表。「軟禁を解き、自由を制限しないよう強く促す」と語った。ノルウェーの閣僚と中国高官の会談中止など中国政府からの度重なる「制裁」には屈せず、平和賞の正当性を強調する姿勢を示したものだ。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1014/TKY201010140113.html

中国外務省の馬朝旭報道局長は12日の定例記者会見で、中国の民主活動家、劉暁波氏のノーベル平和賞受賞決定に国際的な支持が強いことに対し「中国の司法制度を尊重せず、中国の政治制度を変えようとするのは大きな間違いだ」と反論した。
劉氏の受賞決定が発表されてから、同省報道担当者が記者会見するのは初めて。馬局長は、中国当局が劉氏の妻、劉霞さんを軟禁状態にしていることについては「知らない」と述べ、確認しなかった。
馬局長は8日にノーベル賞委員会が劉氏への平和賞授与を発表直後、国家政権転覆扇動罪で服役中の劉氏について「中国の法律を犯した犯罪者」と指摘し、賞の授与は「平和賞に対する冒とく」と強く批判する談話を出している。 (共同)
[ 2010年10月12日 17:20 ]
URL:http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20101012053.html

【北京共同】中国外務省の馬朝旭報道局長は14日の定例記者会見で、服役中の民主活動家、劉暁波氏へのノーベル平和賞授与決定を支持し、釈放を求める声が日本を含めた国際社会で広がっていることについて「下心がどこにあるのか疑う」などと述べて強い不快感を示した。
局長は「(一部の国家指導者や政府は)中国の発展を望まず、中国の政治制度が嫌いだから」として平和賞授与を支持しているのではないかと批判。その上で「中国の特色ある社会主義の道が成功しているかどうか、社会政治制度が正しいかどうかは中国の発展の現実が既に答えを出している」と述べ、中国政府の対応の正しさを強調した。
さらに「中国のことは中国人が自分で決める。ノーベル賞委員会の偏見を持った人たちに評価する権利はないし、ほかの人にも干渉する権利はない」とかみついた。
国際社会が授与決定の背景に中国の人権問題があるとみていることについても「劉暁波の問題は人権問題ではなく、国家の法律の尊厳の問題だ」と断じた。
2010/10/14 18:52 【共同通信】
URL:http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010101401000745.html

【ロンドン=伊東和貴】ノーベル平和賞が中国の人権活動家、劉暁波(リウ・シアオポー)氏に決まったことを巡って、中国がノルウェーへの「制裁」措置を次々と繰り出している。訪中したノルウェーの閣僚と中国政府高官の会合を取りやめたのに続き、12日には、北京で来月催されるノルウェー人歌手のミュージカルを中止に追い込んだ。制裁が文化交流にまで発展した形だ。
このミュージカルは「ある晴れた夜」と題し、ウェブサイトによると、肺の難病を抱えたノルウェー人マラソンランナーと足の不自由な中国人男性の友情を描いている。実話に基づく物語で2005年にも中国で上演され、今年は11月1、2日に北京で予定されていた。ノルウェーの著名な歌手に加え、中国のオーケストラやダンサーも演じることになっていた。
ミュージカルの作曲者は「中止は(劉氏への)平和賞に対する罰で、ノルウェー人は中国で演じてはいけないと(中国当局に)言われた」とロイター通信に語った。
平和賞を選考するノルウェーのノーベル賞委員会は政府から独立した存在。ノルウェー側は、その事実を何度も強調してきた。
しかし、中国政府はここにきて、ノルウェー政府の複数の高官が劉氏の授賞を祝福する発言をしたことも問題視。ノルウェーのバルグハンセン漁業・沿岸問題相と、漁業と食の安全を担当する2次官との間で13日に予定されていた会談をいずれも中止にした。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1013/TKY201010130120.html

菅首相は14日の参院予算委員会で、ノーベル平和賞受賞が決まった中国の民主活動家・劉暁波(りゅうぎょうは)氏について、「釈放が望ましい」と表明した。
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で悪化した日中関係が改善に動き出す一方、国会などでは「中国に配慮しすぎだ」との批判も出ており、バランスを取るのに腐心しているようだ。
首相は14日夜、首相官邸で「基本的人権、表現の自由は、まさに普遍的な価値だ。そういう点で劉氏の釈放が望ましいと申し上げた」と記者団に説明した。
劉氏の受賞が決まった8日、首相は釈放の是非に触れなかった。中国とのさらなる摩擦を避けたいとの判断があったようだ。事実、中国はノーベル賞委員会のあるノルウェーとの交流中止などの措置を拡大している。だが、オバマ米大統領はじめ、国際社会では劉氏の早期釈放を求める声が広がっている。首相は14日、「私の発言が国益に影響を与えることに配慮し、言葉を選んだ」と説明した。
この日の首相答弁について、外務省幹部は「想定以上に踏み込んだ」と感想を漏らした。仙谷官房長官は14日の記者会見で、「(中国との)2国間で釈放を求めることにはならない」と述べ、中国に直接訴えるのは控える方針を示した。
(2010年10月14日21時05分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101014-OYT1T00467.htm
この記事へのコメント
almanos
グー
tyu
特別講演会が渋谷で開かれますので、ぜひお越しくださいませ。
08憲章作者にノーベル平和賞が与えられましたが、袁紅冰氏はノミネートの段階で協会に反対する書簡を出していました。
これは真に08憲章が意味することについて、中共の内部で何が起こっているかについて、氏から解説伺える機会です。
どうぞお見逃しなく。
衝撃の新刊『暴かれた中国の極秘戦略(原題、台湾大劫難)』の著者
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尖閣諸島沖漁船追突事件後、互いに譲らぬ日中外交!
邦訳『暴かれた中国の極秘戦略』著者、中国からの亡命作家・袁紅冰氏(現在オーストラリア在住)は近く来日、共産中国のグローバル拡張や、対日戦略の中核、2012年までの中国の政局などについて、日本読者に語る。
■日時:10月31日(日) 講演時間14時~16時
*中国語で講演、日本通訳付
■場所:東京都渋谷区道玄坂2-6-17 渋東シネタワー13階
■交通:JR、渋谷駅「ハチ公口」徒歩2分 東京メトロ、東急田園都市線渋谷駅2
ちび・むぎ・みみ・はな
> できる。それだけの力がある。
やる気の小沢氏と執行部の内ゲバが続く民主党.
今国会で何が行なわれているかが, 産経新聞やネット
以外では, 本当のところが分からないが,
恐ろしいことに, 国会(ネット)中継・議事録にも
情報統制の手を伸ばしている気配のある民主党.
民主的な政党の振りをしているが, 本質的には
違法・合法の区別のないマルキスト政党の民主党.
自虐の団塊の世代(付近)に担がれた民主党.
いまこそ世代交代で民主党政権をストップすべし.
世界を支えるためには, まず,
民主党政権をひきずり下ろすところから.
とおる
自分の領土だと決めれば、他国・国際法なんか「そんなの関係ねぇ~!」というような国家・人民だということを、もっと世界が知るべし。