安倍官房長官 「韓国側から射撃を受けたら、装甲の弱い海保巡視船は炎上、沈没もありある。ここで盧武鉉の『●×△』に付き合って隊員の生命を危険にさらすわけにはいかない。接舷しての阻止はやめることにする」
石川海保長官 「官房長官、隊員はもとより領海を守る任務に命をかけています。その隊員の生命保護を理由にしての接舷とりやめには承伏しかねます」
安倍官房長官 「分かった。それでは前言は取り消す。今回は、政治的・外交的な理由に基づく政治の判断として接舷はしないということにする。それならいいか」
石川海保長官 「それならけっこうです。了解しました」平成18年7月 韓国海洋調査船事件当時の内閣官房長官室でのやりとり
拓殖大学で開かれた同大創立110周年シンポジウムで、安倍元総理が、平成18年7月の韓国海洋調査船事件で、日韓で銃撃戦寸前であったことを明らかにした。
安倍元総理は韓国側が海軍の艦艇も周辺海域に派遣していたことを紹介し、当時、韓国の盧武鉉大統領から、日本の巡視船に対して、危害射撃命令がひそかに下っていた、との情報を掴み、韓国側の海洋調査を阻止すれば銃撃戦になると想定して、当時官房長官であった安倍氏は竹島周辺での阻止活動をやめたという。
冒頭の引用文は、安倍官房長官と石川海上保安庁長官との間で当時交わされたやりとりだそうなのだけれど、政治判断の何たるかを実に良く示している。
無闇に海保の隊員の人命を危険に晒す訳にはいかないとした安倍氏に対して、そんな理由では納得できないと応えた石川長官。それを受けて前言を撤回し、政治判断として止めることにするとした安倍氏、とそれならと、了解した石川長官。
このやりとりには、筋を通した海保長官の潔さと、政治家がきっちり責任を負う姿がある。
ここまで政治家がはっきりと責任を負ってくれるからこそ、海保長官も納得したのだし、部下の隊員達にも、説明できるというもの。
やはりこれが本来の姿であり、本当の意味での「政治主導」なのだと思う。
翻って、今回の尖閣沖衝突事件では、民主党政権は、船長と船員を逮捕したものの、中国の恫喝に怯えて、ホイホイと船長を釈放した挙句に、その責任を地検に擦り付けた。
一体民主党の何処に「政治主導」があるのか。これでは政治主導ではなくて「政治卑怯」ともいうべきもの。話にならない。
今月9日に、中国に拘束されていたフジタの社員の最後の一人であった、高橋定さん釈放されたけれど、裏で何らかの取引が行われた可能性は否定できない。
「尖閣衝突事件での日本の対応について」のエントリーでは、衝突ビデオの非公開とフジタの社員の解放はバーターしているのではないか、と予測したのだけれど、単なる偶然か、衝突ビデオの非公開を決めて間もなく、フジタの社員は釈放された。
とはいえ、それを証明するような証拠もないし、水面下での交渉内容が公開されることも有り得ないだろうから、この件に関しては、どこまでいっても推測の域を出ることはない。
巷では、先日の渋谷での大規模デモが効いたのだ説や、日本が漁船船長の拘束日数以下にはできなかったメンツ説等、色々言われているけれど、ひとまず釈放されたことは了としたい。
だけど、この件に関しては、日本政府として、何らかの対処をきちんととって置かないと、同じことが何度でも起こる可能性があることは忘れてはいけない。
仮に、国民に公開できない理由があるにせよ、今後、再発を防止する手立てを打っておかないと、今回の事件は、中国に脅されて、いいなりになった実績だけが残ることになる。
今後、また、何処かの日系企業の社員が拘束されたらどうするのか。最悪、経済制裁にまでなったら、どう対応する積りなのか。
財界含めて、日本全体の問題としてきっちり対策を練っておく必要がある。
それに、何より、肝心の尖閣問題は何一つ解決していない。
中国は今回の件で、目出度く、尖閣諸島の係争地化に成功したから、今度は意気揚々と自国領だと声高に宣言しては既成事実を積み上げてくる。
今まで以上に尖閣諸島にちょっかいを出してくることが予想される。今度出てくるのは漁船でなくて、武装した漁業監視船や軍艦かもしれない。
事実、9月24日から沖縄・尖閣諸島の周辺海域に中国の漁業監視船「漁政201」と「漁政203」の2隻が、11日以上に渡って尖閣諸島の接続水域内をうろうろしていた。
6日になって、2隻は、中国に引き返したけれど、その間、海保の巡視船が24時間体制で警戒・監視を行っていたという。
次は、監視だけで済まずに、銃撃されるかもしれないし、下手をすれば海保の巡視船が沈められてしまうことだって有り得る。
万が一、そういう状況下になったとき、民主党政権が政治家としての責任を持って、日本の舵取りをしてくれるのだろうか。
「嘘」と「言い逃れ」の政治をするのも、もういい加減にすべき。日本を取り巻く状況は、そんな悠長なものじゃない。
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4年前の「竹島事件」記事に関する補足と政治の責任
今朝の産経2面に「竹島周辺で銃撃戦寸前 4年前の韓国海洋調査船事件 安倍元首相『盧大統領が射撃命令』」という記事が載っていました。拓殖大でのシンポジウムで安倍氏が語ったことをもとに、野党担当の田中靖人記者が書いたもので、内容は以下の通りです。
《平成18年7月に竹島周辺海域で韓国が海洋調査を強行した事件で、韓国側が調査船に同行させていた海洋警察庁の警備艇に、日本の海上保安庁巡視船に対して射撃を許可していたことが9日、分かった。射撃許可は日本政府にも伝わっており、日韓で銃撃戦となる可能性があったようだ。
当時官房長官だった安倍晋三元首相が同日、東京都文京区の拓殖大学で開かれた同大創立110周年シンポジウムで明らかにした。
調査は18年7月5日、韓国海洋調査院所属の海流調査船「海洋2000号」が、竹島近海の日本側の排他的経済水域(EEZ)と竹島周辺の日本領海内で実施した。海上保安庁は巡視船を派遣し無線などで調査中止を求めたが韓国側が強行。警備艇が調査船と巡視船の間に割り込むなど、一時緊迫したが、物理的な衝突はなかった。
安倍氏は韓国側が海軍の艦艇も周辺海域に派遣していたことを紹介。「危害射撃命令が(韓国の)盧武鉉大統領からひそかに下った」と明らかにした。日本政府は、韓国側の海洋調査を阻止すれば銃撃戦になると想定。安倍氏は竹島周辺での阻止活動をやめたという。
安倍氏はこのほか、中国漁船衝突事件の中国人船長釈放について「こういう事案は官房長官が判断する(のが通例だ)。官房長官が海上保安庁と外務省を呼び細かい判断をする。(今回も)実際には(仙谷由人官房長官が)判断したと思う」と述べ、検察当局が釈放を判断したとする政府の見解を虚偽だと指摘した。》
これについて、私も最近、耳にして思うところがあったので、記事を補足してみようと思います。それは、政治の「判断」と「責任」というものがどういうものであるかを理解する一助になるかと思うからです。
ただ、正直迷ったのは、こういう風に安倍氏を取り上げると、いつも「お前が言うな」とか、私が安倍氏をかばっているとかどうだとか、そういう枝葉の議論ばかりが提起され、一つの実例、ケーススタディとして参考になるはずだと考える私の意図とは違う話に流れていくことが多いことについてです。そういう話はもううんざりという気分もあって、意味があると思うエピソードでも取り上げるのが面倒になっている部分もあるのです。
今回の件も、別に安倍氏が正しい判断をしたとか、偉かったとか言いたいのではなく、こういう時には政府や政府の要職にある政治家はどんなことを考え、どう判断するかということの貴重な証言だと思うのです。でもまあ、最初から「党派」でしか物事を見ない人には伝わらないのだろうなあ。しかしまあ、私のそういう個人的諦観はともかくとして、拓大で実際に安倍氏が語った言葉は次のようなものでした。
「私も官房長官等々をやっておりましたが、こういう(尖閣諸島沖での漁船衝突事件のような)事案が今までもありました。竹島でもありましたが、その時には官房長官が自分の部屋に海保の長官を呼んで、そしてまた、外務省も呼んで、そこで判断をしました。かなり細かい判断をします。
竹島の時には12海里の中に入ったらどうしよう、12海里の外だったらどうしようという判断をしました。その時には12海里に沢山の海保の船が、向こう側の海保の船が沢山いて、軍艦まで出してきた。最後には、危害射撃、つまり相手にも危害を加えてもいい射撃命令が盧武鉉から密かに下ったんです。
そこで、放射線の調査をする船が韓国からやってきてこの中に入るかどうか。入るまで阻止するけど、中で阻止をするかどうか。阻止をすると向こうが銃撃をする。そういうときにはどうするかは、全部、我々が判断しました。当然、海上保安庁の判断を越える判断です。
今回のことはまったくそうです。これを国が判断してない(と現政府は言う)。世界中は驚いてると思いますよ。どう考えてみたって、百歩譲ってああいう判断をする、間違ってると思いますけども、あの発表は官邸で発表すべきです。それを那覇の地検の分室で発表する。世界中がこれはおかしいんじゃないかと思います。実際、私は判断したんだと思います。実際はね。だからそこで嘘をついてはいけない」
…私が聞くところによれば、このとき、小泉純一郎首相は「この件は安倍君に任せるから」という対応だったそうです。ただ、事態はかなり緊迫していて、韓国の盧武鉉大統領は部下に「危害射撃」の許可を出したとのインテリジェンス情報が政府に入っていました。竹島は残念ながら事実上、韓国に「実効支配」されているのて尖閣と事情は異なりますが、まさに今回の事例と共通する領土・領海問題にどう対処するかという決断が迫られる場面だったわけです。
そこで、官邸の官房長官室で外務省、海保の最高幹部と協議した結果、安倍氏が下した判断は「接舷しての阻止活動はしない」というものでした。判断の背景には、「相手が中国だったら、外交は完全にゲームとしてとらえているから出方は分かる。こちらがこういう手を打てば、相手はこうするという予測が成り立つ。しかし、盧武鉉は韓国側の政府高官や軍人が当惑しているほどおかしな人物であり、何をするか分からない」という事情がありました。論理的思考や損得計算ではなく、わけのわからない飛躍した考えでめちゃくちゃしかねないということですね。
ちなみに、盧武鉉氏は意図してそう振る舞ったのではないでしょうが、外交交渉では相手国にこのように「何をするか分からない」と思わせることは重要です。北朝鮮なんか、それだけでここまでしのいできた部分がありますね。そして、官房長官室では、安倍氏と当時の石川裕己海保長官との間で、次のような緊張あふれる会話が交わされたといいます。
安倍氏「韓国側から射撃を受けたら、装甲の弱い海保巡視船は炎上、沈没もありある。ここで盧武鉉の『●×△』に付き合って隊員の生命を危険にさらすわけにはいかない。接舷しての阻止はやめることにする」
石川氏「官房長官、隊員はもとより領海を守る任務に命をかけています。その隊員の生命保護を理由にしての接舷とりやめには承伏しかねます」
安倍氏「分かった。それでは前言は取り消す。今回は、政治的・外交的な理由に基づく政治の判断として接舷はしないということにする。それならいいか」
石川氏「それならけっこうです。了解しました」
…現場の海保隊員の使命感は当時も今回も変わらないはずだと思います。また、近頃は不祥事の連続で評価を下げている検察にしたところで、現場の人たちの多くは、法の遵守と適正執行を望んでいるのは間違いないでしょう。今回の漁船衝突事件のように、それを歪めて中国人船長を釈放するのであれば、菅直人首相自身か、せめて仙谷由人官房長官が「政治の判断でそう決めた」と正直に語るべきでしょう。
なのに、現政府は「地検の判断だ」と繰り返し、卑怯にも自分たちで責任を負おうとしないわけです。そしてさらに、衝突のビデオ映像に関しても、「現場が適切に判断するだろう」などと現場に判断を委ねているかのような誤魔化しを続けています。
繰り返しますが、竹島の件の際の小泉政権、安倍氏の判断が良かったとか間違っていたとかいうために上のエピソードを紹介したわけではありません。もちろん私自身の意見、考えはありますが、それを言いたいというよりも、このような政府の意志決定過程を記すことで、現政権の異様さ、卑小さ、低劣さが浮き彫りになる点をくみ取っていただければと思います。最終的責任を政治がとるという前提があってこそ、現場は全力を尽くすことができるだろうに。
昨日、中国にとらわれていた準大手ゼネコンの社員が解放されたことについて、菅首相は「(日中関係は)いろんなことが元通りになっていくのかなと思う」と相変わらず脳天気で戦略的思考のかけらもないセリフを述べていました。卑怯・姑息が骨の髄までしみこんで、そういう自分たちの姿が端からどう見えるか、利害関係国の目にどう映っているか想像もできなくなっているようです。
URL:http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1837194/
尖閣ビデオは非公開、「日中」再悪化を懸念 読売新聞 10月8日(金)5時14分配信
政府・与党は7日、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の様子を海上保安庁が撮影したビデオについて、公開に応じない方針を固めた。
公開すれば日中両国で相互批判が再燃し、4日の日中首脳会談を機に改善の兆しが出てきた日中関係が再び悪化しかねないとの判断からだ。
国会がビデオ提出を求める議決をした場合などは、予算委員会など関連委員会の「秘密会」への提出とし、限定的な開示にとどめたい考えだ。
衆院予算委員会は7日開いた理事懇談会に法務省の小川敏夫法務副大臣らを呼び、ビデオの扱いについて協議した。法務省側は「中国人船長を起訴するか否かの結論が出ていない段階で、捜査資料を出したケースは今までない」と説明し、現時点での国会提出に難色を示した。与党側も慎重な姿勢を示した。 最終更新:10月8日(金)5時14分
URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101007-00001416-yom-pol
【主張】フジタ社員拘束 首相は国民守っているか 2010.10.9 03:13
準大手ゼネコン「フジタ」の日本人社員1人の中国当局による拘束が、9日で20日間に及ぶ。
国家は国民の生命と安全を確保することが最大の責務である。菅直人首相はこのことを忘れてはいないか。
首相は、先の日中首脳会談で日本人の解放を求めなかったことを示唆している。もし、その通りなら、首相としての資質を根底から問われる。日本政府は不法といえる拘束を即刻やめさせるよう、国の総力を挙げるべきである。
依然拘束されているのは、フジタの現地法人社員、高橋定さん(57)である。先月20日、高橋さんら日本人社員4人は、中国河北省で軍事管理区域とは知らずに写真撮影したため、拘束されたとされている。
3人は解放され、帰国し、中国の法律に抵触したことを認めたが、管理区域とは知らずに入ったという。
問題は首相の対応である。6日の衆院代表質問で首相は「フジタの社員の問題については、温家宝首相との話と並行して、身柄の安全確保と早急な釈放を求めて現在も交渉を進めている」と語った。温首相に対し、早期解放を迫らなかったと受けとれる。
その後、首相は「あまり細かい点まで申し上げることは控えた方がいい」と一般論で答えている。真相を語らないまま、やり過ごすことは認められない。
フジタ社員の拘束は尖閣諸島周辺での中国漁船衝突事件で9月19日に中国人船長の勾留(こうりゅう)を延長した直後に行われた。政府は衝突事件との関係については否定的な見方を示したが、中国側の「報復措置」との印象も与えている。
衝突事件の状況を海上保安庁が撮影したビデオの公開を、政府が引き延ばしているのもきわめて問題だ。主権や権益の拡大を図ろうとしている中国は、ごり押しによる不当なやり方が国際社会に知れわたり、批判を受けることを警戒しているはずだ。
衝突事件で中国側に非があることを示す決定的証拠を、国益に資するよう、有効に活用しなければならない。国会は改めて政府に公開を迫るべきだ。
日本人の拘束も、中国はビデオを公開させないための取引材料にしているふしもあるが、このことも国際社会にアピールして、即時解放させねばならない。
URL:http://sankei.jp.msn.com/world/china/101009/chn1010090315001-n1.htm
中国がフジタの高橋さん釈放 邦人拘束19日ぶり決着
【北京共同】中国国営通信の新華社によると、中国国家安全当局は9日、河北省石家荘市で軍事管理区域に許可なく侵入、不法に撮影した疑いで拘束し取り調べていた建設会社フジタの中国現地法人副部長高橋定さん(57)の「居住監視」を解き保釈した。同事件では、フジタと現地法人の日本人社員計4人が拘束されたが、他の3人は既に釈放されており、高橋さんの事実上の釈放で9月20日の発生から19日ぶりに決着した。
北京の日本大使館によると、中国外務省領事局から9日午後「(高橋さんの)居住監視の解除を決定した。石家荘を離れるには法的な手続きが必要」と通知があった。石家荘の空港から上海に向かう際に高橋さんと面会した大使館員は、高橋さんは元気な様子だったと語った。日中関係筋によると、10日午前にも、日本に向け上海を出発する見通し。
菅直人首相と温家宝首相がブリュッセルで4日に会談し、沖縄県・尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件を受け悪化した日中関係を改善させる方針で一致。中国当局はこうした情勢を受け釈放を決めたとみられる。
2010/10/09 19:49 【共同通信】
URL:http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100901000431.html
フジタ:「私が撮影していたから」高橋さん、解放遅れ推測
中国河北省石家荘市で軍事管理区域に許可なく侵入したとして取り調べを受けた建設会社「フジタ」(東京都渋谷区)の日本人社員4人のうち唯一拘束が続いていた高橋定さん(57)が10日帰国し、同社で会見した。他の3人より解放が遅れたことについて、高橋さんは「私がビデオ撮影をしていたからではないか」と述べた。
冒頭、高橋さんは「国民の皆様に心配をかけ、申し訳ありませんでした」と緊張した表情で謝罪。帰国の感想を問われ「大変うれしく思っている。会社で妻や娘と会い、喜び合いました」と話した。
高橋さんらは先月20日、遺棄化学兵器の処理関連事業の調査のため訪れた石家荘市で、レンタカーから街の風景などを撮影し当局に拘束された。撮影をしていた高橋さんは、立ち入りを禁止する「軍事禁区」の看板に気付かなかったという。
高橋さんは「解放のあてがなく憂うつだった。もっと長くとどめられるだろうと思っていた」と、不安な気持ちを語った。3人が解放された後の取り調べについては「より好意的で、食事や運動などを勧めてもらった」と述べた。
会見に同席した土屋達朗取締役は、高橋さんの保釈保証金として5万元(約60万円)を中国当局に支払い、軍事管理区域と気付かず撮影したことについて始末書を提出したと明らかにした。【松谷譲二】
URL:http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20101011k0000m040055000c.html
高橋さん解放、独自の「中国ルート」で働きかけ
政府は9日、中国国内で拘束されていた中堅ゼネコン「フジタ」の社員全員が解放されたことで、日中関係の改善の兆しがより確実になったとみて歓迎している。
複数の政府関係者によると、解放に至る過程では、菅首相や仙谷官房長官らが、独自の「中国ルート」を駆使して戴秉国(たいへいこく)国務委員を中心とする中国側に働きかけを行ったという。
「いろんなことが元通りに戻っていくと思う」
菅首相は9日夜、首相公邸前で記者団に対し、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で悪化した日中関係がようやく正常化に向かうとの見通しを示した。
日本政府関係者によると、4日に実現した日中首脳会談で、中国の温家宝首相は「フジタ」の高橋定さんの解放については直接言及しなかったが、会談の調整段階での中国側の対応から、日本政府は「解放は近い」との感触を得ていた。
中国側は「尖閣とフジタの問題はリンクさせない」との立場のため、日本政府は「解放は首脳会談の直後ではなく、数日間かかるだろう」とみていた。ただ、具体的にいつ解放されるかは、9日午後に堀之内秀久中国公使が中国外務省に呼び出されるまで、把握できなかった。
菅政権の「中国パイプ」はひそかに築かれた。間に入ったのは、副首相級の戴秉国国務委員に通じる人脈を持つ仙谷氏らの知人だった。こうした仲介を受け9月下旬に訪中した民主党の細野豪志前幹事長代理らを通じて、菅首相の下には、中国側の「本音」の一端が伝えられた。中国は、首相が中国の「謝罪と賠償」要求には「全く応じるつもりはない」などと発言したことについて、「あんなことは言わせないでほしい」と不満をぶつけてきたという。
これを踏まえ、首相はまず、1日の臨時国会での首相の所信表明演説で、尖閣諸島問題について直接言及するのをやめた。さらに、4日のブリュッセルでのアジア欧州会議(ASEM)首脳会議での演説では、草案にあった「(尖閣諸島問題では)国際的な世論は日本を支持している」といった記述を丸ごと削除し、中国側に間接的なメッセージを送った。
効果はてきめんだった。ブリュッセルでの演説から数時間後、衝突事件後初の日中首脳会談が実現し、その後、フジタ社員が解放された。
だが、日中対立の火種はなお残っている。前原外相は9日、岡山県玉野市内で記者団に対し「これほど長い間、監視に置かれていた理由が全く判明していない。中国側に詳しい理由の説明を求めていきたい」と強調した。
(2010年10月10日03時04分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101010-OYT1T00025.htm
中国の漁業監視船2隻、尖閣周辺から退去
海上保安庁によると、9月24日から沖縄・尖閣諸島の周辺海域に出現していた中国の漁業監視船「漁政201」と「漁政203」の2隻が、6日未明、北向きに航行を始め、早朝には領海の外側約22キロの接続水域を出た。
中国に向かっていると見られ、それ以外の監視船は尖閣諸島周辺で確認されていない。
2隻の漁業監視船が尖閣諸島に現れたのは、中国漁船衝突事件で逮捕された中国人船長を那覇地検が釈放することを決定した先月24日で、それ以降、接続水域内にとどまっていた。海保の巡視船が24時間態勢で2隻を監視し、領海内に入らないよう呼びかけていたところ、接続水域内の別々の場所にいた2隻がほぼ同時に、中国に向け航行を始めたという。海保では今後も警戒を続けるとしている。
仙谷官房長官は6日午前の記者会見で、「11日以上にわたる接続水域内での徘徊(はいかい)があったが、海保巡視船が警戒等を行っていたので、領海内への侵入はなかったという報告を受けている」と述べた。
(2010年10月6日12時20分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101006-OYT1T00530.htm
この記事へのコメント
almanos
ちび・むぎ・みみ・はな
> 野党共同で全面公開要求決議が出て「拒否するなら
> 内閣不信任案を出します」と言いきられてしまえば
> かなり危うい。
公明党がおりますので, そうは問屋がおろしません.
自民党時代でも, 油田に対して強い姿勢をとろうと
した自民党を牽制したのは公明党. 公明党は民主党の
同類であることをお忘れなく.