外国人記者 「北朝鮮と中国は脅威か?」
伊波洋一氏 「脅威ではない。脅威なのは米軍。中国とは何千年もの経済・文化の交流がある」6月16日 於:東京・有楽町 海外特派員協会にて
沖縄知事選がいよいよ明日に迫っているけれど、仲井真氏と伊波氏の両候補が激しい接戦を繰り広げている。
琉球新報社と沖縄テレビ放送、そして、沖縄タイムス社と朝日新聞社が行った、2つの世論調査でも、両者の支持は拮抗している。両陣営それぞれ、支持層の殆どを固めていて、無党派層を奪い合う争いになっているけれど、その無党派層でも両者の支持は拮抗しているというから、結果は全く予想がつかない。
以前、沖縄県知事選挙については、過去2つのエントリー
・沖縄県知事選挙について(11/1エントリー)
・「うちなーんちゅ」と「やまとんちゅ」(11/13エントリー)
で、政府と条件闘争を行ったのち、様子をみて県内移設を容認するだろう仲井真氏と、親中国で、日本政府と対立するであろう伊波氏の一騎打ちである、と言ったけれど、拓殖大学客員教授の恵龍之介氏は、沖縄知事選について次のように述べている。
・沖縄県民は本音と建前の使い分けが非常に激しい
・沖縄県は基地関係で合計9000億円を受け取っている
・沖縄県の年間予算は6000億円。うち自主財源は22%
・普天間基地が出来てから、周りに雇用が増えて、人口が増えた
・尖閣事件で、もう有事になっているが、その認識が県民、マスコミにはない
・伊波氏が当選したら、極左政権になって、3年以内に大混乱がおこる
・仲井真氏が当選したら、泥沼の議論がずっと続く
更に、恵龍之介教授は、伊波氏が当選した場合の中国の沖縄工作のシナリオについて、次のように述べている。
・観光客に扮した中国の工作員が沖縄に上陸
↓
・沖縄の左翼と示し合わせて、沖縄独立宣言をする
↓
・反対する人間の言論を封鎖。(携帯、電話を不通にする)
↓
・国連安保理で中国が沖縄独立を支持。ロシアも支持
↓
・「米軍は沖縄を抑圧している」と大キャンペーンを張る
↓
・米軍の動きは大きく制約される
如何にも中国ならやりそうなこと。笑い話では済まされない。
恵教授は、伊波氏が当選した場合の混乱について、米軍の動きが相当制約されると述べているけれど、それが、東アジアにとって、どういう意味を持つか、以下の図を見ていただきたい。
これは、何度か、本ブログで取り上げたことのある地政学を碁に見立てた、「碁の地政学」。内容の詳細については、下記エントリーを参照されたい。
・11/26のエントリー「ちょっと変わったアンケート」の解説
・米中対立と碁の地政学
・沖ノ鳥島が持つ戦略的重要性
今回の図は北朝鮮の砲撃と米韓合同軍事演習、そして尖閣事件を考慮して石を置いてみた。
H7が今回の北朝鮮の砲撃。G7が米韓合同軍事演習。そして、D7が中国の尖閣諸島への示威活動を表している。
白石と黒石で、黄海から沖縄、台湾に掛けて、互いが激しく地を獲りあっている様子が伺える。
碁を知っている方には、是非次の一手を予測していただきたいところなのだけれど、この図で、D6の白石が沖縄に当たる。
先の恵教授の最悪のシナリオ、即ち、沖縄独立宣言を出されてしまった場合どうなるかといえば、このD6の白石が無くなってしまうことに相当すると思われる。なぜなら、いくら沖縄米軍がまだあったとしても、その動きに制約を課されては、白石としての役目を果たせなくなるから。
※この場合はアメリカとしては、沖縄を再占領するというオプションも浮上してくると思われるのだけれど、ここでは触れない。
そのような状況で、中国が大量の移民なり何なりを沖縄に送り込んで、このD6を事実上の黒石にしてしまったとしたら、どうなるか。
D6が黒石になると、D7、D8の黒石と連絡が取れることになり、C8の白石は、周囲との連絡が切れて、殆ど死んでしまうことになると思われる。
このC8の白石は台湾を表しているのだけれど、実は、D6に位置する沖縄が、白石なのか黒石なのかは、盤面左下部分の趨勢を握る重要な位置にある。
防衛省は与那国島に陸上自衛隊の配備を検討していて、2011年度予算の概算要求で、与那国島を含む先島諸島に陸上自衛隊を配備するための調査費を初めて計上しているけれど、これは、丁度C7に白石をおくことに相当するから、C8の白石、すなわち台湾との連絡をつける大きな石になる。
だけど、それもこれも、
その答えが明日、明らかになる。
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2010年06月17日 宜野湾市長「ノーと言い続けることが最大の抵抗」
世界一危険な飛行場と言われる米軍普天間基地を抱える沖縄県宜野湾市の伊波洋一市長が16日、海外特派員協会で記者会見を開いた。市長はグアム移転の妥当性を強調した。
伊波市長が先ず挙げたのは普天間基地の実情と日本政府の認識のギャップである。「『普天間は即時閉鎖すべきである』というのが米国の基準を知る者にとっては常識」。
ところが「岡田外務大臣は『辺野古(滑走路)が出来なければ普天間は動かない』と言って憚らない。危険性を14年間放置しているが、『そのままにしていていいんだ』ということが当り前に語られる、この落差」。
市長は「ここ(落差)をしっかり見つめていかなければならない」と力を込めた。
伊波市長の持論は「米軍再編の流れの中で普天間基地の移設を考える」だ。
「『(グアムの)アンダーセン空軍基地に海兵隊のヘリ部隊が来る』と4月に地元市長が記者会見で明らかにしている。米軍はテロとの戦争のために同盟国との関わりを重視している。日米安保条約は第3国の軍隊を日本の基地に入れることを禁止しており、沖縄では多国籍軍の訓練はできない。米軍は多国籍軍のためにテニアン、グアム、マリアナを中心に基地を作ろうとしている」。
伊波市長は上記の事実を踏まえて「普天間問題」の解決策を鳩山政権に提言したが……。「グアム移転の詳細を明らかにし普天間、辺野古の問題を解決するための資料を(官邸に)提供したが活かされなかった」。
伊波市長によれば、鳩山首相周辺にブロックされて秘書官にも渡らなかったという。
鳩山前首相の「最低でも県外」発言は、寝た子を起こしてしまったと言える。伊波市長は次のように話した。
「基地は容認しないが発展するために受け入れて行こうという自公系の首長が基地反対に変わった。容認派の首長も『基地を支えよう』という心が折れた。今さら受け入れてくれと言っても無理。大きな変化を防衛大臣も外務大臣も官房長官も読めなかった。菅総理はそこをしっかり受け止めて対処しなければ決して前に進むことはできない」。
外国人記者から「北朝鮮と中国は脅威か?」と質問されると、伊波市長は「脅威ではない。脅威なのは米軍。中国とは何千年もの経済・文化の交流がある」。
記者会見が終わった後、筆者は伊波市長に「誰が知事になっても辺野古の『埋め立て許可』のサインはできないでしょう?」と尋ねた。海面埋め立ての許認可権限は県知事が持つ。市長は「県民がノーと言い続けることが最大の抵抗」。基地の島に生まれ育ってきた闘士ならではの答えが返ってきた。
URL:http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/153502664.html
2010/11/26 17:58 沖縄知事選、仲井真氏と伊波氏が大接戦
いよいよ沖縄知事選の投票日が日曜日(28日)に迫った。この選挙の結果は米軍の普天間飛行場の移転問題の先行きを占う、として注目が集まっている。3候補のうち、前宜野湾市長の伊波洋一氏が強く「国外・県外」を主張しているのに対し、現職の仲井真弘多氏は「本土」への移設を基本とする主張をし、激しく競り合っている。
支持を訴える現職の仲井真候補先週行われた2つの世論調査によるとそれぞれの候補への支持は伯仲しており、勝敗はまったく読めないという。(琉球新報社と沖縄テレビ放送が11月20~23日に行った調査はこちら。沖縄タイムス社と朝日新聞社が20、21日に行った調査はこちら)
両陣営は、調査時点で態度を決めていなかった20%への働きかけを強めており、浮動票の帰趨(きすう)が勝負の分かれ目となる。結果が判明するのは29日未明とみられている。
伊波氏は強硬に飛行場の県外移設を主張しているが、仲井真氏は一時、日米両政府が合意した案に柔軟な姿勢をみせていた。このため仲井真氏が当選すれば、何らかの合意が可能なのではないかと両国政府はみている。
伊波氏は共産、社民両党の推薦を受ける一方、仲井真氏は公明と自民県連などの推薦を受けている。民主党はこの選挙と距離を置いている。同党は2009年の総選挙では、基地の県外移転を主張して高い支持を得たが、その後、鳩山由紀夫前政権の迷走によって強い批判を浴びた。
琉球新報社と沖縄テレビ放送の調査によると、普天間飛行場の移転問題については、34.1%の回答者が「国外」を希望、22%が「県外」、18.6%は、移転先が決まらない場合には「無条件撤去」すべきとしている。鳩山前首相とオバマ米大統領が5月に結んだ日米合意通りでいいという回答者はわずか13%だった。
この調査によると、伊波氏は「国外」派の60%、「無条件撤去」派の70%の支持を得ている。一方、仲井真氏は「日米合意通り」派の90%から支持されている。
ただ、米軍基地問題にマスコミの注目が集中しているものの、沖縄タイムス社と朝日新聞社の調査によると、投票する際にもっとも重要なのは地元経済の活性化との回答が49%を占めており、基地問題という回答は36%だった。
幸福実現党の金城竜郎候補は厳しい選挙戦を強いられている。
URL:http://jp.wsj.com/japanrealtime/2010/11/26/%E6%B2%96%E7%B8%84%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E9%81%B8%E3%80%81%E4%BB%B2%E4%BA%95%E7%9C%9F%E6%B0%8F%E3%81%A8%E4%BC%8A%E6%B3%A2%E6%B0%8F%E3%81%8C%E5%A4%A7%E6%8E%A5%E6%88%A6/
政府、南西諸島への陸自配備を検討 尖閣沖漁船衝突を受け
【9月29日 AFP】29日の日本経済新聞(Nihon Keizai Shimbun)は、沖縄県・尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島)沖で7日に発生した海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突を受け、陸上自衛隊の南西諸島への配備を政府が検討していると報じた。
これによると、防衛省は日本最西端の与那国島に陸上自衛隊の配備を検討しており、2011年度予算の概算要求で、与那国島を含む先島諸島に陸上自衛隊を配備するための調査費を初めて計上した。現在この地域で自衛隊が常駐しているのは、在日米軍の主要基地がある沖縄本島のみ。
与党・民主党(Democratic Party of Japan、DPJ)の一部の国会議員は尖閣諸島への陸上自衛隊の常駐と、漁業中継基地などの構築を政府に求めているが、これについて北沢俊美(Toshimi Kitazawa)防衛相は慎重な姿勢を示している。(c)AFP
URL:http://www.afpbb.com/article/politics/2762180/6262720
沖縄の陸自倍増4千人に 新大綱で防衛省
防衛省が年末の新「防衛計画の大綱」に明記する陸上自衛隊の定員を15万7千人程度とする方向で財務省と再調整していることが分かった。現行の15万5千人より2千人多く、増加分は中国の軍備増強に対抗し、南西諸島に配備する計画。同諸島での陸自部隊は現在、沖縄本島の約2千人で、倍増の4千人となる。16万8千人に増員するとした当初の案を見直して下方修正した。複数の防衛省・自衛隊関係者が21日、明らかにした。
これに関連し、財務省は自衛隊の人件費を抑制する独自案を防衛省に示した。前線任務に就かない「事務自衛官」を新設し、現在の自衛官より低い一般公務員の給与を適用して人件費を抑制する構想。防衛省はこの制度の導入を含む人件費の削減により、経費負担増を避けながら定員を増やせないか検討している。
ただ陸自の増員には政府内でなお否定的な意見が根強い。財務省は14万8千人が適正との試案を示しており、調整は難航しそうだ。年末に閣議決定する新大綱では財務省との調整の結果、現在より数千人の削減か最大でも現行水準に落ち着くとの見方も消えていない。
南西諸島では、中国が領有権を主張する尖閣諸島(沖縄県石垣市)への対応を視野に、防衛態勢が手薄とされる同県の宮古島以西への部隊配備を検討している。
2010/11/22 02:02 【共同通信】
URL:http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010112101000478.html
この記事へのコメント
ス内パー
へぼ碁打ちとして打ち手は過去に伝えましたのでそれ以外の面から碁的に。
まず今の黒石は碁打ちとして100%死なない石なので100人が100人戦おうとはしないでしょう。ただ中国人の個人主義を理解してれば黒石を(できれば複数)白石に変えようとするでしょうね。地震で壊滅状態の四川やインド~南アジアと国境接してて比較的テロ組織への武器支援が効く石辺りが狙い目ですかね。
あとモンゴルが白石になると中国の石はまとめて発展性のほとんどない閉塞した石になります。中国はこれを防ぐためにはなりふり構わないでしょうね。たとえば朝青龍とか・・・
almanos
白なまず
沖縄はD6ですよね。
また、沖縄にある久高島をはじめ沖縄近海の龍宮城は復活しているので、それこそ神業で最後は守られると思っています。
日比野
>沖縄はD6ですよね。
m(__)m
ちび・むぎ・みみ・はな
> とは何千年もの経済・文化の交流がある」
無知ほど恐いものはない.
案山子
米軍基地があるのは、何も沖縄だけではありません。厚木基地の近くに住んでいますが、私達は沖縄のように米軍に反感はもってません。
なぜなら、日米同盟とアメリカ軍の存在意義を理解しているから。
同じ日本に住みながら、なぜ沖縄だけ特別扱いされるのか、疑問に感じます。
沖縄の美しい自然からは想像できない、ごね得で、住民エゴの、真っ黒な腹黒さを感じるのは、私一人だけでしょうか?