柳田法相の国会軽視の発言を巡って、野党各党が柳田法相の辞任要求で固まった。
国会軽視の発言とは、11月14日、広島市での「法相就任を祝う会」の挨拶で、柳田氏が、国会答弁について「法相は二つ覚えておけばいい。『個別の事案については答えを差し控える』と『法と証拠に基づいて適切にやっている』。これはいい文句だ。分からなかったら、これを使う」などと発言した問題。
確かに、この発言は国会を軽視している。なぜなら、このどちらかを使えば、質問に何一つ答えずに済むから。
こんな発言が許されるなら、国会なんて意味が無くなる。どちらかの台詞を自動で喋るロボットでも立てておけば、それで用は済む。
自民党の谷垣総裁は、辞任しない場合は、参院で問責決議案を出すとコメントしているけれど、問責決議が提出された場合は、公明、みんな、社民、共産、たちあがれ日本、新党改革の6党が賛成する方針を決めているというから、提出されれば、まず可決されるだろう。
少し驚きなのは、社民党さえも、問責決議に賛成しているということ。流石にあの発言は見過ごせなかったのだろう。
それに、問題発言は柳田氏だけじゃない。
18日の予算委員会では、仙谷官房長官が、自衛隊を「暴力装置」と発言したことを撤回、謝罪に追い込まれたし、緊急総合経済対策について、蓮舫行政刷新担当相や岡崎トミ子国家公安委員長に質問しても、事実関係を間違えたり、内容を把握していなかったことから、それぞれ謝罪している。
もう滅茶苦茶。わざと失言しているのかと思うくらい酷い。
特に、仙谷長官の「暴力装置」発言は、現役自衛官の怒りや失望を買っているという。それはそうだろう。厳しい訓練に耐え、日夜、日本を護っている彼らに対する感謝の念がまるでない。
一体、自衛官がどんな想いで毎日勤務しているのか分かっているのか。
フリーライターで、平成19年に予備自衛官になった、岡田真理氏は、自身が予備自衛官になるまでの自衛隊で受けた訓練の日々を、本にしているのだけれど、そこに自衛官の精神を伺わせる一節がある。少し長いけれど、次に引用する。
冬の訓練。
冬なので積もったりします。凍ったりします。吹雪いたりします。
でも、日常は繰り返されます。
駐屯地の朝8時。君が代と共に掲揚される日の丸。この国旗掲揚中は直立不動で、日の丸、君が代に敬礼します。
雪で凍てついたアスファルトでどんだけ足がキンキンしようが、微動だにせず直立不動。どんだけゴウゴウと吹雪いていようが、微動だにせず直立不動。
びゅうびゅうと真横に飛んで来るみぞれが耳の穴直球でバチコーン! バチコーン!と鼓膜に響こうが、微動だにせず直立不動。
背筋を伸ばし、身動きひとつせず、微動だにせず直立不動。
・・・できるワケねぇ。ムリムリ。寒すぎ。いや、やる気はあるんです。「まばたきするな。蜂が飛んできても動くな」の国旗掲揚中のこと、マシンのようにビシッと真っ直ぐ立っていたいんです。
でも体がいうこときかないんです。
奥歯がガチガチ鳴るんです。
足から腰からぶるぶる震えるんです。
全身が勝手に縮こまるんです。
いや、これやる気がないんじゃなくて。体が勝手に。マジで。
しかし不思議なことに、中隊長や区隊長、班長たち現職の自衛官さんを見ると、彼らはまったく震えていません。
風景が冬じゃなかったらどの季節か分からないくらい「なんともない顔」をしています。
休憩時間なんかだと、彼らも「うお~さみ~!!」と言い合ってたりするので、特別寒さに強いわけではありません。
なのに「なんともない顔」をしています。
そんな寒空の下。
大隊長の訓話を受ける機会がありました。
相変わらずガタガタ震えながら、雪の下に整列する予備自補たち。
恰幅の良い、柔和で、それでいて威厳のある顔をした大隊長の第一声は、張りのある大きな声で「武士は食わねど高楊枝!!」。
唐突なその言葉にきょとんとする予備自補一同。
そして続く大隊長の言葉。
「寒そうにするな!!」
寒くても寒そうに見せるな。
寒そうにしていたら敵につけこまれる。
寒そうにしていたら国民に頼ってもらえない。
だから、どれだけ寒くても寒そうにするな。
武士は食わねど高楊枝。「いざ志願!おひとりさま自衛隊」 岡部真理著より
岡田真理氏はこの体験で、動作が揃っていない部隊は強そうに見えない、敵にナメられる、というのは聞いたことがあるけれど、「国民に頼ってもらえない」というのは目からウロコだと述べている。
言われてみれば、確かにそのとおり。普段から規律正しくビシッとしていればこそ、国民も、有事の時には、助けてくれるだろうと安心していられる。これが、だらだらした軍だったら、自分達より先に逃げ出すのじゃないの、と不安がられてもおかしくない。
それほどの思いで24時間昼夜問わず、日本を護っている自衛隊に対して「暴力装置」はない。いくら、本音では自衛隊を嫌っていたとしても、政治家として、しかも政府閣僚ならば、決して口にしてはならない言葉。撤回したって許されるものじゃない。あまりにも配慮が無さ過ぎる。
それに比べれば、吉田茂元首相が昭和32年に防衛大学の卒業生に語った言葉は、自衛官に対する配慮と感謝があった。次に引用する。
君達は自衛隊在職中
決して国民から感謝されたり
歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない
きっと非難とか叱咤ばかりの一生かもしれない
御苦労だと思う
しかし
自衛隊が国民から歓迎されちやほやされる事態とは
外国から攻撃されて国家存亡の時とか災害派遣の時とか
国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ
言葉を換えれば
君達が日陰者である時のほうが
国民や日本は幸せなのだ
どうか、耐えてもらいたい吉田茂
民主党政権になって、わずか1年と少し。自民党にお灸を据えた積りが、実は、据えられたのは自分達。そのお灸も、最早、お灸レベルを超えて、轟々と燃えさかっている。
そして、政治家の資質というものが、如何なるものであるのかを、これでもかというくらい見せつけられ、考えされられている。
やはり、政治家になる人には、それなりの資質が要求されるのだと思う。
他者への愛情と謙虚さ、そして責任感。人として当たり前の資質の筈なのだけれど、とてもそうは思えない人達が閣僚席に座ってる。
人としての当然の資質に欠ける人は、選挙に立候補すること自体、問題なのではないかとさえ思ってしまう。
たとえば、国政選挙に立候補する為には、「自衛隊の訓練を一週間以上受けていること」というのを条件に入れたらどうか。
そうすれば、少なくとも、国旗に敬礼しない政治家なぞ居なくなるだろうし、「暴力装置」などど暴力発言する政治家もいなくなるに違いない。


柳田稔法相の国会軽視発言をめぐり18日、自民党をはじめ野党各党が柳田氏の辞任要求で足並みをそろえた。野党が多数を占める参院で問責決議案が提出された場合、可決する見通しだ。民主党内からも辞任はやむを得ないとの声が公然と出始めたことから、同氏の辞任は避けられない情勢となった。
自民党の谷垣禎一総裁は記者会見で「柳田氏は辞任すべきだ。辞任しない場合は、問責決議案や(衆院での)不信任決議案を考えなければならない」と述べ、同氏が直ちに辞任しなければ来週早々にも問責決議案を提出する意向を示した。
公明、みんな、社民、共産、たちあがれ日本、新党改革の6党も問責決議案に賛成する方針を決めた。社民党の重野安正幹事長は記者会見で「法相の発言は到底容認できない。自ら職を辞すべきだ」と述べた。社民党は連立離脱後も政権寄りの姿勢を取ってきたが、柳田氏への対応では他の野党と歩調を合わせた。
民主党からも、護憲派グループ「リベラルの会」世話人の今野東(あずま)参院議員が記者団に「思い切って更迭した方がいい」と述べた。
一方、同党の輿(こし)石(いし)東(あずま)参院議員会長は記者会見で「柳田氏は『迷惑をかけたが、これからは真剣に取り組んでいく』ということだから、それでいい」と述べ、辞任の必要はないと強調。菅直人首相は参院予算委で「本人には強く注意した。さらに頑張ってもらえると思っている」と述べ、罷免の考えはないと強調した。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101118/stt1011182224018-n1.htm

18日の参院予算委員会で、菅直人首相と仙谷由人官房長官ら4閣僚、計5人が自民党の追及を受け、発言の撤回や謝罪にそれぞれ追い込まれた。1日の委員会審議でこれだけ撤回、謝罪が相次ぐのは異例だ。
まず、柳田稔法相が同日午前の質疑で、国会を軽視したと取れる自らの発言について「心から反省する」と改めて陳謝。その柳田氏を17日に厳重注意したばかりの仙谷長官が、自衛隊を「暴力装置」と語り、質問した自民党の世耕弘成氏の抗議を受け、直ちに発言を撤回、謝罪した。
この後、同党の丸川珠代氏が首相に、仙谷氏の発言に関し「自衛隊の最高指揮官として謝罪すべきだ」と迫り、首相は「私からもおわびしたい」と述べた。
さらに、自民党の林芳正氏が政府の緊急総合経済対策について、蓮舫行政刷新担当相や岡崎トミ子国家公安委員長にただすと、事実関係を間違えたり、内容を把握しておらず答弁が不十分だったりしたことから、それぞれ「心から謝罪したい」(蓮舫氏)、「申し訳なかった」(岡崎氏)と頭を下げた。
こうした菅内閣の閣僚の失態に対し、自民党の谷垣禎一総裁は記者会見で「まさに政権末期状況だ」と指摘した。
◇首相と閣僚の撤回・謝罪発言
柳田稔法相 (国会軽視と取れる発言について)心から反省し再度おわびしたい。
仙谷由人官房長官 (「暴力装置でもある自衛隊」と発言し)撤回して実力組織と言い換える。用語として不適当だったので謝罪する。
菅直人首相 (仙谷長官の発言を受け)内閣全体の責任者として、自衛隊の皆さんのプライドを傷つけることになったことは、私からもおわびしたい。
蓮舫行政刷新担当相 (蓮舫氏が答弁した緊急総合経済対策に盛られた予算の一つの使い道は、施設整備だと指摘され)機器整備との発言は撤回して、心から謝罪したい。
岡崎トミ子国家公安委員長 (初動警察体制を整備する地域について)観光地だけと言ったつもりはなかったが、そのように聞こえたのなら申し訳なかった。
(2010/11/18-20:35)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&rel=j7&k=2010111800840

仙谷由人官房長官が18日の参院予算委員会で、自衛隊について「暴力装置」などと述べた後に撤回した問題で、国防の第一線に立つ現役の自衛官からは、怒りや不快感、失望の声が挙がった。
陸海空の自衛官の最高位に就く折木(おりき)良一統合幕僚長はこの日の会見で、「国会の議論は整斉(せいせい)とやっていただいていると思うが、われわれとしてはやることをきちんとやっていくということ」と述べ、任務に徹する考えを示した。
一方、30代の男性航空自衛官は「官房長官たる人がいくら撤回したとはいえ思想の中で『暴力装置』だと思っていることが非常に残念。(謝罪をして『実力組織』と)言い換えても思っていることに変わりない」と怒りをあらわにした。
50代の男性陸上自衛官は「本音の部分ではいろいろと思うところはあるが、制服組なので政治的発言は控えたい」と前置きした上で、「国会で答弁が行われている間も、われわれは山の中に入ったりして訓練をしている。それは何のためかといえば国の平和と安全を守るためだ。命を賭(と)して国を守っている自衛隊員への発言として、いい気持ちはしない」と切り捨てた。
陸自に所属する30代の男性自衛官も「『暴力装置』とはマイナスイメージの言葉で、社会悪のようなイメージ。まるで自衛隊は存在してはだめだと言いたげだった。おそらく自身の経歴からにじみ出た軍隊観だと思うが、一国の官房長官にここまで毛嫌いされているのかと思うと、悲しいし、むなしい」と肩を落とした。
また、ある自衛隊幹部は「官房長官は『実力組織』と言い換えているし、言葉の問題だけに目を向けるのではなく、冷静に受け止めるべきだ」と一歩引いた見方を示した。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101118/plc1011181837017-n1.htm

私のおバカの前で 怒らないでください そこに日本有りません 守ってなんかいません
管の盾に 管の盾になって あの大きな国に 売りわたしています
[ 2010/11/13 07:43 ] 名無しさん@ニュース2ちゃん [ 編集 ]
URL:http://2nnlove.blog114.fc2.com/blog-entry-3302.html
この記事へのコメント
白なまず
「暴力」の意味には「無法な力」と言う解釈がありますが、この点はどうお考えでしょうか?自衛隊は法を無視して行動していますか?、警察はどうでしょうか?
例え「暴力装置」と言う言葉が「専門的な用語」としても、一般人の理解できない言葉は公の場で言葉を選ぶなり、補足するなりの配慮が必要ではないでしょうか。
もし、そうではなく、自衛隊、警察が暴力その者だと仰るのでしたら、法は無いと解釈されていると思われても仕方ないでしょう。また、そもそも自衛隊は憲法違反だと仰るのでしたら、シビリアンコントロール等と言う考え方も成り立たないので、実権を握った権力者の言うことは無視して自衛隊の正義に従って実力行使を行えば良いし、そうなれば、本当の暴力装置でしょうが、しかし、世の中が大変な事態になり、国会などで議論する時間が無い場合、自衛隊は国民を守るために自衛隊の正義に従い実力を直ちに行使して頂きたいし、その時救済された人々は暴力をふるわれたと思わないと思いますが。如何でしょうか?
ちび・むぎ・みみ・はな
求める必要がある.
政府・議会で何らかの役職につく場合には全ての経歴を
信条を明らかにして評価を受ける必要がある.
同様に, 帰化申請でも国家と国旗と国への敬愛を求める必要がある.
almanos
自衛隊に関する官房長官の発言は「自民なら辞職もの、しかも議員として辞職もの」です。右翼が仙石氏らに対するテロを実施し、成功したとしたらテロに賛同する人が増えそうな展開にちょっと憂鬱です。民主党政権は「いわゆるリベラルと左翼の化けの皮がはがれ、国民に彼らに対するアレルギーを植え付け、普通の国へと舵を切るきっかけとなった事が唯一の業績」と評価されるでしょうねぇ。本人達は泣いて嫌がるでしょうが。
個人的には学校教育の過程で自衛隊による実技訓練とかをいれた予備役訓練を大々的に取り入れて良いと思うのですが。日本
せみまる
とおる
・自民党の最後の質問者は、法相と指揮権についての勉強会をしていました。「外国の外交官が事件で被害者になった場合は、法相が指揮権を取れるが、日本国において、主権侵害などの重要性があった場合には、指揮権を取らないのか?、取れるように政令(訓令?)を変えるべきじゃないのか?」という質問に対し、法相は、「法と証拠に基づく検察に政治介入してはいけない」と返答。那覇地検が「法と証拠だけでなく、判断したことと矛盾してるじゃないか?」と質問。
・防衛省事務次官通達で、「一般国民への言論統制じゃないか?」の件で、民主党は「人権擁護法案」(実態は人権弾圧法案と言う人あり)を今まで出してきていて、人権を重視しているはずだったのに、人権抑圧を平気で行う体質。