小沢氏の国会招致と変質する「政治と金」

 
「小沢氏は代表選の時に国会で決まれば出席すると言っていた。その約束を守ることが本人、国民にとってもいい」
菅首相 12/13 於首相官邸


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小沢氏の衆院政治倫理審査会への招致問題について、13日に民主党は役員会で出席を改めて求め、応じない場合は党として政倫審出席を決めるとの認識で一致し、その対応を岡田幹事長に一任した。

尤も、当初はその場で多数決をとって招致を決めるつもりだったのだけれど、党の分裂は避けるべきなどの反対意見もあって、結局、幹事長に一任という形となった。要するに先送り。

岡田幹事長は13日の役員会後、党職員を通じて小沢氏に面会を要請したそうだのだけれど、小沢氏側は返答を保留している。

尤も、小沢氏は15日に都内で開いた、自身の政治資金パーティーでの挨拶で「日本のため、党のためになるなら出るが、今はその状況にない」と政倫審への出席はしない考えを示している。

また、菅政権の運営にあたっては「要職にある人は結果責任を取らないといけない」ともコメントしているから、依然として対立モードのまま。

そして、13日の夕方には、小沢氏に近いとされる川内博史衆院議員らおよそ40人が、会合を開き、両院議員総会を開催するよう求める方針を決め、署名活動を始めた。

両院議員総会を開く理由は、表向きにはは、挙党態勢の確立に向けた議論を行うため、となっているけれど、小沢氏系の議員が中心となって両院議員総会を開くということは、小沢氏の国会招致を巡る岡田氏の対応や12日の茨城県議選惨敗の責任を追及する狙いがあることは明らか。

だから、両院議員総会が開かれれば、現執行部や問責決議を受けている仙谷官房長官らの辞任要求が上がる可能性が高い。

民主党の規約では、党所属の国会議員の3分の1以上の要請があれば、両院議員総会は、速やかに招集することになっているから、それだけの署名が集まるかどうかが一つのポイントになる。

なぜなら、両院議員総会の署名の集まり具合で、今の小沢氏の党内影響力がどのくらいあるのか分かるから。

民主党の議員とて、署名するだけであれば、党執行部から睨まれることがありこそすれ、仮に小沢氏が離党する場合に一緒に出て行くといった自身の国会議員としての身分を危うくする選択と較べれば、ずっとハードルが低い。だから、署名自身は割と集めやすいのではないかと思われる。

だから、もしも、これすら集められないようでは、小沢氏の影響力は、相当に落ちているといってよく、最早、事実上「終わった政治家」になっていると見ていいだろう。



小沢氏本人も、少し前までは、如何にも党を割るぞ、なんて構えを見せていたのに、11日に福井県越前市のホテルで行われた、民主党所属衆院議員のパーティーで、「私事で多くの同志のみなさんに大変、ご心配、ご迷惑をおかけしていることを、この機会におわびをいたす次第です」と謝罪しているから、実は相当に求心力を失っている可能性はある。

一方、岡田幹事長側も小沢氏の国会招致の議決を年末の27日に持ってくることで、年内の小沢新党結成を封じる作戦に出ているとの観測も出てきている。

勿論、年末までに新党を結成しない場合は、翌年1月に支給される政党助成金が入って来ないから、その分の足止め効果を狙ってのこと。ギリギリの駆け引きが行われている。

こうした、小沢氏の政治審への招致云々は、例の「政治と金」の問題をクリアするため、となってはいるけれど、今やその「政治と金」というキーワードは、幾分変質しているのではないかと感じることがある。

というのは、今の菅政権の国家運営が「政治と金」の問題そのものを孕んでいると思うから。

菅政権が発足して半年というもの、政府与党は、実績らしい実績は、何一つ挙げていない。所謂、「無策の政治」を行っていたということと、何かと言えば、増税ばっかりの「金」という2つの意味においての、「政治と金」の問題を抱えているのではないか。

特に、増税は深刻な問題。法人税率を5%引き下ると言っておきながら、企業の内部留保に課税するとか、石油石炭税を増税して、環境税に衣替えするとか、果ては、「ペット税」を言いだすに当たっては、思いつきだろうと言いたくなる。

更には、財政投融資特別会計の積立金・剰余金に手をつけて、1兆円程度を捻出するとか言っているようだから、とても先々のことを考えているとは思えない。

先日、田原総一郎氏の番組に出演した仙谷官房長官は、田原氏から、こんな滅茶苦茶な予算はあとどれくらい組めるのかと問われ、あと2年だ、と答えたというから、本当にそう返事したとすれば、政府は、その程度しか先のことを考えていないと白状したことになる。

菅首相や仙谷長官は、小沢氏さえ始末すれば「政治と金」の問題から解放されると思っているかもしれないけれど、世論は遠からず、無策と増税という名の「政治と金」の問題に目を向けるようになると思う。




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画像民主役員会:小沢氏招致の採決断念 岡田幹事長に一任

 民主党は13日、党本部で役員会を開き、小沢一郎元代表に衆院政治倫理審査会(政倫審)への出席を改めて求め、応じない場合は党として政倫審出席を決めるとの認識で一致、岡田克也幹事長に小沢氏への説得を一任した。岡田氏は多数決で招致を決める構えだったが、「党分裂を招いてはならない」(輿石東参院議員会長)との意見が大勢を占め見送った。小沢氏の対応が焦点となるが、政倫審開催のめどは立っていない。執行部は来年の通常国会を前に野党との連携に道筋をつけたい意向だが、野党が反発するのは必至だ。

 役員会は、直前に党本部に押しかけた松野頼久前官房副長官ら小沢氏支持の議員が岡田氏を足止めし、開催が約15分遅れた。役員会の冒頭、岡田氏は「党として政倫審の開催という姿勢を示したい」と政倫審で小沢氏招致の議決を目指す考えを示した。続いて横光克彦組織委員長が「このまま放っておくのか何らか前に動くのか、判断が問われている。一番苦労されている幹事長に一任する」と岡田氏の姿勢を支持した。

 これに対し、平田健二参院幹事長は「検察審査会の議決で小沢氏は年明けに強制起訴される」と述べ、国会招致は必要ないと主張。別の役員からは「党を二分してはならない」と党分裂を懸念する声も出た。

 小沢氏に近い輿石氏は「役員会での議決は必要ない。岡田氏が小沢氏と会い、このままでは党で議決しなければならない状況になりかねないと伝えてはどうか」と提案。招致に否定的な輿石氏の収拾案を受け、岡田氏への一任でまとまった。輿石氏は「この問題は(今後)役員会で議題にしない」ともクギをさした。


民主党役員会(13日)での主な発言 菅直人首相に近い岡田氏が招致を急ぐのは、国会のねじれ解消に向け野党と連携するには「政治とカネ」の問題に一定のけじめをつける必要があるためだ。政権浮揚につなげる狙いもある。首相は同日夜、「小沢氏は代表選の時に国会で決まれば(政倫審に)出席すると言っていた。その約束を守ることが本人、国民にとってもいい」と首相官邸で記者団に述べた。

 岡田氏は記者会見で「保証はないが役員会の一任がある。早期に会っていただきたい。小沢氏も国会で決めれば従うと言っているので(役員会の決定は)それに近い状態だ」とし、小沢氏の出席に期待感を示した。小沢氏が応じない場合、離党勧告などの処分については「想定していない」と否定した。岡田氏は同日夜、党職員を通じて小沢氏に再会談を申し入れた。両氏は11月4日に会談したが物別れに終わっている。

 だが、「幹事長一任」を巡る認識は一致していない。党幹部は13日夜、役員会の岡田氏への一任は「制約を受けない」と説明、小沢氏が招致を拒否すれば政倫審での議決を岡田氏が決められるとの認識を示した。そのうえで、役員会の決定を「時間はかかったが前進した」と強調した。一方、参院幹部は「(一任は)小沢氏に(状況を)伝えるだけだ」と語り、解釈はズレたままだ。小沢氏に近い幹部は「小沢氏は岡田氏と会談すると言っていた」と語ったが、小沢氏は出席を拒否する意向と見られる。

 党内対立もくすぶり続けており、松野氏や川内博史衆院議員ら小沢氏側の衆参国会議員約40人は同日夕、国会内で会合を開き、執行部の交代などが可能な両院議員総会の年内の開催を求め署名活動を開始、約40人分の署名を集めた。総会は民主党国会議員計412人の3分の1以上が要求すれば「速やかに招集」するとされており、不穏な混乱は尾を引きそうだ。【葛西大博、影山哲也】

URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101214k0000m010094000c.html



画像岡田が剛腕返し!「小沢切り」延ばし“新党封じ”だ 2010.12.15

 民主党の小沢一郎元代表(68)の衆院政治倫理審査会(政倫審)招致議決問題をめぐり、岡田克也幹事長(57)が、年末の27日にも党として議決決断に踏み切るとの見方が急浮上している。年末ギリギリのタイミングは、年内の小沢新党結成を封じ、2011年度予算編成への影響を避ける狙いだ。これに対し小沢氏サイドは、一年生議員の囲い込みや鳩山由紀夫前首相の「引退撤回要請」に乗り出すなど、なりふり構わぬ勢力固めに躍起となっている。

 「自主出席がかなわない場合、年明けの通常国会までには衆院で(政倫審招致を)議決したい」

 関係者によると、岡田氏は14日夕、首相官邸で、硫黄島から帰ったばかりの菅直人首相にこう報告したという。

 政倫審開催の議決をするためには、数度の審査会や幹事会を開く必要がある。通常国会召集を1月中旬とすると、岡田氏が小沢氏の返答を待てる時間は、そう長くはない。

 しかし、岡田氏が早期決断に踏み切らない背景には2つの理由がある。

 1つは多くの小沢系議員が政務三役として予算編成に参加しており、作業が終わる26日ごろまでは、過度の刺激は避けたいという配慮。

 そしてもう1つが小沢氏らが離党し、新党を結成する芽を摘み取りたいとの思惑だ。政党交付金の額は毎年1月1日を基準日として算出することから、岡田氏が小沢切りを決断するタイミングを年末ぎりぎりまで遅らせれば、それだけ小沢系が年内に新党を準備する時間を削れるのだ。

 一方、包囲網を狭められる小沢氏は、岡田氏からの会談要請を無視しながら、子飼いの新人議員の囲い込みに必死だ。14日夜には、小沢系新人議員らによる「北辰会」の秘書会に出席し、「議員同士も秘書同士も力を合わせることが大事だ」と力説。同夜は自宅に新人議員十数人を招き入れ「いつでも来てちょうだいよ」と誘い水を向けた。

 小沢系幹部も黙っていない。側近の松木謙公農林水産政務官は同日、鳩山氏の事務所を訪ね「勇退の意思をお話しされていましたが、ぜひ撤回していただき、われわれとやっていただかないといけない」と引退撤回を要請した。

 これに対し、民主党を解党の危機まで追い込んだ張本人は「わかった。意見として聞かせていただいた」とまんざらでもない様子。首相辞任の際に述べた「次期衆院選に出馬しない」との公約をほごにし、18日にも地元後援会の会合で、引退撤回宣言に踏み切る構えだ。

 世論から厳しい批判を浴びる鳩山氏もつなぎ止め、数の結集に突進する小沢一派。岡田氏解任などを目指す両院議員総会を開くための署名集めにも奔走している。

 菅首相は「幹事長が党の意志として政倫審出席を要請する意味は大変大きい。一任は一任だ」と「小沢切り」を後押しする構えだが…。

URL:http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20101215/plt1012151650010-n1.htm



画像小沢氏、国会招致に応じず 「野党、本気ではない」 2010/12/15 13:20

 民主党の小沢一郎元代表は15日昼、都内で開いた自らの政治資金パーティーであいさつし、岡田克也幹事長が衆院政治倫理審査会への出席を求めていることについて「日本のため、党のためになるなら出るが、今はその状況にない」と応じない考えを示した。

 出席者によると、小沢氏は「私は逃げているわけではない。(自分が出席することで)国会運営がスムーズにいき、選挙に勝てるなら出席もいとわない」と指摘。「今は野党も本気で言っているわけではない。党内が内輪でもめているのは筋が違う」とも語ったという。

 一方、小沢氏を支持する中堅・若手グループ「一新会」のメンバー10人は国会内で意見交換した。

 菅政権の運営を巡っては、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件などへの政府対応に触れたうえで「要職にある人は結果責任を取らないといけない」との考えを示した。

URL:http://www.nikkei.com/news/special/article/g=96958A9C93819481E3E7E2E2858DE3E7E3E0E0E2E3E29F9FE2E2E2E3;q=9694E3E6E2E1E0E2E3E2E7EAE6EA;p=9694E3E6E2E1E0E2E3E2E7EAE6E1;o=9694E3E6E2E1E0E2E3E2E7EAE6E0



画像窮地に立つ小沢氏に迷い 「同志に迷惑をかけた」と謝罪 離党後の展望開けず 2010.12.12 00:35

 国会招致問題で渦中の小沢一郎元民主党代表は11日、同党衆院議員のパーティーで「同志に迷惑をかけた」と珍しく謝罪した。岡田克也幹事長らとの亀裂が決定的となりつつある中、離党-新党結成も視野に入れているという小沢氏。だが、多くの野党は小沢氏との連携に冷ややかで、離党後の展望は開けない。逆に党に残っても政治資金規正法違反事件で強制起訴されば求心力の維持は厳しく、進むも退くも苦難が待ち受ける。そんな小沢氏の迷いが謝罪の言葉となってにじみ出たのかもしれない。

 これまで小沢氏は「司法の場で説明する」と国会招致に応じない考えを繰り返してきた。国会招致問題が本格化してからは公の場で謝罪したこともなく、強気だった。だが、この日、福井県越前市のホテルでの同党所属衆院議員のパーティーで、あいさつの終盤にさしかかると、急に神妙な面持ちになって頭を下げた。

 「私事で多くの同志のみなさんに大変、ご心配、ご迷惑をおかけしていることを、この機会におわびをいたす次第です」

 一方、岡田氏らには、小沢氏の招致によりクリーンな姿勢をアピールし、政権浮揚を図る思惑がある。岡田氏は11日、一歩も引かない姿勢を強調しており、小沢氏との溝は埋まらない。斎藤勁(つよし)国対委員長代理が同日、首相公邸で菅直人首相に役員会での「激突回避」を要請したが、首相から明確な返答はなかった。

 「こういう状況で連立するのは、小沢さんの延命策になる」

 自民党の森喜朗元首相は11日のテレビ東京番組で、民主、自民両党の大連立に小沢氏が関与するのなら反対する考えを示した。

 小沢氏は8日の会合で新党結成を視野に入れた発言をしたが、多くの野党は小沢氏との連携に否定的だ。自民、公明両党幹部は11日、政倫審よりも強制力のある証人喚問への小沢氏出席を求めた。

 「民主党の政権を何としても成功させたい」「国民の生活を大事にする政治を民主党政権で実現したい」

 小沢氏はパーティーで「民主党政権」の維持を強調した。自らの置かれた窮地を悟った小沢氏が、離党説を打ち消そうとしているようにも見えた。

 側近の平野貞夫元参院議員も11日、「新党を作ったりすることはない。菅さんに挙党態勢を作る気があれば、知恵、力を貸す気持ちがある」と、小沢氏の胸中を推し量りつつ、歩調を合わせた。(宮下日出男)

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101212/stt1012120036000-n1.htm

この記事へのコメント

  • 白なまず

    政治=自我=蘇我、金=唯物=物部、、、自我は平和を指向するが悪平等を生み、唯物は戦争を手段とするが安息を目指している。政治や金(蘇我や物部)では世の中は治まりません。

    ひふみ神示 第27巻  春の巻  第二十帖
     他力の中の自力ぢゃ。ぢゃと申して、まかせきったと申して、ふところ手ならん。自力大切ぢゃ。まつりは常住坐臥にあるぞ。拝むばかりではならん。【拝むまつりはまつりのカタぢゃ】。カタから入るのが入り易いが、この程度の境地では戒律いるぞ。カタに囚われてはならん。戒律の世界にいつ迄もいてはならん。十年たてば十才になるぞ。恩、知らねばならん。恩に報ひなければならんぞ。人民、天地の恩 忘れているから、喜び少ないのぢゃ。ものの順序わきまえねばならん。悪平等ならん。政治や経済は裏、二義的のもの。

    第四十三帖
     与へよ、与へよ、与へよ、与へる政治と申してあろうが。戦争か平和かと人民申してゐるなれど、道はその二つでないぞ、三が道と、くどう申してあろう。水の外道の武器と火の外道の武器の他に、新しき武器気づかんのか。神示よく読めば示してあるのであるぞ。ほかに道ないと きめてかかるから判らんのざ。生れ
    2015年08月10日 16:47
  • almanos

    子分を養うカネがないですからねぇ。だけど、現執行部で先があると思っているのはいない。先への不安を利用してどこまでいけるか?でしょうね。無能と悪党のどちらがましか?どちらが先を見ているのか?で決まるのでしょうね。
    2015年08月10日 16:47

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