因果応報ブーメランだらけの国会が始まった。
国会が始まったばかりだというのに、菅首相は自らの発言や行動に対する釈明や謝罪に追われている。
27日午前の参院本会議では、平成11年に成立した国旗国歌法に反対票を投じたことに関して「国旗については法制化に賛成だったが、国歌については反対した」と釈明したかと思えば、28日午前の参院本会議では、日本国債の格付け引き下げをめぐる「疎い」発言について、情報が入っていなかったという意味だと釈明。そして、野党が協議に応じないなら「歴史に対する反逆行為」と発言したことについても、誰かを一方的に非難する言葉ではないと釈明だらけ。
それだけじゃない。所変わって、衆院本会議では、27日、自民党の小池百合子議員の代表質問の一部に答弁しなかったことを謝罪し、その後の公明党の井上義久幹事長の代表質問でも答弁漏れに気づいて陳謝。
更に、法人税実効税率の5%引き下げについての共産党・志位委員長の質問に、法人税「引き上げ」と2回も間違えた上に、TPPも「IPP協定」と読み間違える始末。
これでは、施政方針演説の原稿にデカデカとルビを振ってもらっているのも頷ける。最強内閣だ、最少不幸だなんだ恰好つける前に、もっと基本を押さえておくべきだろうと言いたくなる。
尤も、こうした間違いや抜けについて、公明党の幹部は「首相が確信犯だとか首相に誠実さが足りないのではない。誰も支えていないから。」との発言もあるようだけれど、本当だとしたら、惨めなことであるし、そんなのを首相にしてしまった国民は、自らの選択の結果とはいえ、その不明を恥じる他ない。
菅首相は、28日午前の参院本会議では、川田龍平みんなの党参院議員の質問通告が遅いとなじったようだけれど、そんなのは、自分達が野党時代に散々やってきたこと。何を今更。因果応報。ブーメラン。
また、民主党の広野参院議員による代表質問で、「マニフェストの見直しは早すぎる」「官僚政治が復活しつつある」と痛烈に非難されたりしているのも、必要な根回しや手続きもやらず、党内調整をしなかったが故。
しかも、小沢氏を敵扱いして、散々虐めているのだから、小沢グループ議員からの反発は依然根強い。これも自ら撒いた種。
何事にも原因があって、結果がある。
良き種を撒けば、良き結果を得るけれど、悪しき種を撒けば、悪しき結果を自ら招く。因果の理法は晦ませない。
悪因悪果の連鎖を断ち切るためには、悪しき種を撒くのを止めて、良き種を撒くしかないのに、それでも相変わらず、菅首相や政府与党は悪しき種を撒き続けている。
川田参院議員の質問通告が遅かったことについても、昔、自分たちが散々やってきたことだから、と反論したい気持ちをぐっと押さえて、真摯に答弁を続けるのなら未だしも、「熟議の国会にしたいのなら、答弁を準備できる時間に出してほしい」と反論する。
確かに、質問の通告を直前にするのは、いただけないことではあるけれど、だからといって、自分たちが散々やってきたことを棚に上げて、事前に出して欲しいといわれても、貴方に言われたくない、と思うのが人情。
折角、野党から直前通告でやりかえされても、言い訳せずに真摯に対応することで、自分達のこれまでの悪行を償うチャンスがあったはずなのに、自分でそれをぶち壊してる。
28日に、民主党は、衆院予算委員会を開いて、2011年度予算案の提案理由説明をしたのだけれど、社民党を除く野党4党が欠席したまま行われた。
自民党の小野寺議員のツイッターによると「今日は予算委員会は無いということだったので自民の議員は午後からは地元に帰った人も多かったのですが民主は予算審議を野党各党が居ないまま強行しました」ということだったらしく、開いた口がふさがらない。
これも悪しき種として、国会に撒かれることになる。
菅首相は、なぜこれほどまでにブーメランにあっても、なお悪しき種を撒き続けるのか。
それは、おそらく、菅首相は、釈明や陳謝はしたかもしれないけれど、本当の意味での"反省"をしてないからだと思う。
本当に反省が出来ているのなら、少なくとも、同じ過ちはしないように努めるはず。
菅首相の例でいけば、相手を罵る言い方、これをもっと慎まないといけないし、それ以上に"嘘つき"を直さなくちゃいけない。野党の立場であれば、周りもスルーしてくれていたかもしれないけれど、与党となれば別、ましてや首相職ともなれば尚更。なぜなら、国民の命がかかっているから。権力者が国民を敵視・弾圧したら、国民に抗う術はない。
いくら、自分たちの思いどおりにしたいからといって、悪しき種を撒くことでは絶対解決しない。より大きな悪しき結果となって自分達に跳ね返ってくる。悪しき種ではなくて、良き種を撒かなくちゃいけない。
今までの自分たちの言動の過ちを振り返って、反省し、それを正していかない限り、ブーメランは収まることはない。
自らの過ちを正すことができないのであれば、悪因悪果によって自らを滅ぼすのみ。


菅直人首相が28日午前の参院本会議で、川田龍平みんなの党参院議員の質問通告が遅いと批判する一幕があった。質問全文が届いたのは本会議の約1時間半前だったと明かした上で「熟議の国会にしたいのなら、答弁を準備できる時間に出してほしい」と求めた。
首相は4日の年頭記者会見で「24時間前には質問要旨の提示を」と呼び掛けたばかり。ただ民主党も野党時代、審議直前まで質問内容を通告しないことがしばしばあっただけに、与野党間のルールづくりには時間がかかりそうだ。
これに関連し、蓮舫行政刷新担当相は閣議後の記者会見で「質問通告は基本的に24時間前までだが、みんなの党は本会議直前だった。熟議の国会にしたいので真摯な対応をしてほしい」と述べた。
URL:http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/01/28/kiji/K20110128000136820.html

民主党の広野允士参院議員が、28日の参院本会議での代表質問で、与党議員としては異例の政権批判を展開した。
小沢一郎元代表を支持するグループの広野氏は、「マニフェスト(政権公約)の見直しは早すぎる」「官僚政治が復活しつつある」と、小沢氏の主張を代弁する形で菅首相の政権運営を批判。野党席から拍手と歓声が上がる一方、民主党席は静まりかえった。
広野氏はさらに、「政権交代の最大の功労者は鳩山前首相と小沢氏だ。菅政権と党執行部は恩を忘れた政治に陥っている」と小沢氏らを持ち上げた。
首相も負けじと「広野議員も野党にスキを突かれないように」とやり返し、党内では「どっちも大人げない」という声が出た。
(2011年1月28日18時28分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110128-OYT1T00830.htm

衆院予算委員会は28日、社民党を除く野党4党が欠席する中、2011年度予算案の提案理由説明を行った。この後4党不在のまま理事会を開き、菅直人首相と全閣僚が出席して31日と2月1日に基本的質疑を行うことを決めた。ただ、野党側は与党の国会運営に「強権的だ」と反発を強めており、31日からの審議も欠席する構えだ。
自民、公明、共産、みんなの野党4党は、小沢一郎民主党元代表の証人喚問問題で民主党の姿勢が不明確なことなどを理由に、28日の委員会と理事会への出席を拒否した。
4党は31日以降の日程の白紙撤回を求めている。自民党の逢沢一郎国対委員長は記者会見で、基本的質疑について「当然、出席できない」と語り、公明党の漆原良夫国対委員長も「審議に応じる環境にはない」と記者団に述べた。みんなの党も欠席する方針だ。共産党の笠井亮氏は会見で「日程の合意を拒否しているのは民主党だ」と批判しつつ、欠席するかどうかは明言しなかった。
これに対し民主党の安住淳国対委員長は記者団に「欠席は国民の理解を得られない。『政治とカネ』で疑問があるならば、審議の場でただせばいい」と野党側をけん制。野党が欠席しても31日に予算委を開き、予算案の実質審議に入る考えを強調した。 (2011/01/28-23:53)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011012800720
この記事へのコメント
almanos
白なまず
あなたまかせ、よい妻と申してあろうが。神まかせがよい人民であるぞ。この神とみとめたら理解して、マカセ切れよ。太元の神さまにホレ参らせよ。真の信仰の第一歩ぞ。雨降らば雨を、風ふけば風を、一先づ甘受せよ。甘受した後、処理して行かなならん。受けいれずにハネ返すのは大怪我のもと。何回でも何回でも同じことくりかえさねばならんことになるぞ。何か迫り来るのは、何か迫り来るものが自分の中にあるからぞ。内にあるから外から迫るのぢゃ。自分で呼びよせているのぢゃ。苦しみの神、因果の神 呼んでおいて、不足申している者 多いのう。自分で呼びよせながら嫌がってハネ返すテあるまいにのう。同じものでも表からと裏からとでは違ふのぢゃ。同じ目で見ても、ちがってうつるのぢゃ。心得よ。
ちび・むぎ・みみ・はな
> の結果とはいえ、その不明を恥じる他ない。
これは一億総懺悔と同じく, 誰にも責任がないという
ロジック.
責任のあるものは確実に存在する: 自虐世代とメディア.
特にメディアの責任を第一に言わなければならない.
> それは、おそらく、菅首相は、釈明や陳謝はしたかも
> しれないけれど、本当の意味での"反省"をしてないから
> だと思う。
彼の目的は政治を行なうことではないから, 政治で
批判されても動じないのだろう.
むしろ, 日本に対する(反日)工作が主目的だと思う.
表に出ていない部分が問題だ. 民主党職員が政府組織に
入り込んで何をやっているのか.
とおる
自分の非を自覚せず、自分がしたことと同じことでも、相手の非を責めるのも、小学生・幼稚園レベル?
「最強内閣」どころか、「小学校低学年内閣」。
sdi
つまり、「我々は正しい。絶対間違ってない。」「道を間違っているの彼らだ。」という「信念」があるのでしょう。だから反省する必要を感じていない。さすが、全共闘世代。
60年安保世代の方々の「信念」の持ち方も強烈でしたが、それを凌ぎます。もはや「信念」というより「傲慢」とよぶべきかもしれません。
彼らのこの態度はおそらく単なる居直りや開き直りとよぶべきではありません。「闘士たち」特にセクトの中核にいた連中は、70年代の学園闘争以降の新左翼運動の挫折、それ以後の現実社会での扱いから「これほど信念をもって社会を正そうとした自分たちを受け入れない日本社会」への不信や憎悪を精神の根底に澱のように溜め込んでいたのではないかと思います。政権交代を「文化大革命」と思わず口走ったことからも、彼らの本音がうかがえます。