19日、民主党は、統一地方選の対策本部を設置した。
本部長の菅首相は、その初会合で「『民主党は政権交代を果たしたが、何もできていない』というムードになっている。重要なのは広報宣伝分野だ」と、広報活動に重点を置く方針のようだ。
もしかしたら、テレビCMかなんかを大々的に打って、またぞろ、"民主アゲ"ムードを演出するのかもしれない。
だけど、民主党が何もできていないのは、ムードなんかではなくて、事実なのだから、単純に広報宣伝したところで劇的な効果があるとも思えない。
口でいろいろ「民主党はやってます」なんて広報宣伝に努めたとしても、CMする傍から、災害対策もできず、増税議論を始められては、「やらなければならないことをできもしないで何をいうか」という反発の方が強くなると思われる。
それに、今や、統一地方選において、民主党公認や推薦を辞退する候補者が続出している。
民主党の党大会が行われた、1月13日の時点で、既に秋田、千葉、東京、神奈川、和歌山、福井の6都県で、党の公認・推薦の辞退や離党が相次いでいることが判明しているし、民主党幹部も「民主党のラベルより、無所属の方が戦いやすいと判断した人もいる」と見ている。
党執行部は、資金面での支援を充実させることで、候補者を確保したいとしているようだから、今度の統一地方選で相当金を使ってくるものと思われる。
マスコミに民主党を応援させ、地元では選挙カーを何台も走らせて候補者の名前を連呼する。こうしたやり方で、どこまで今の逆風を跳ね返せるのか興味深いところではある。
ただ、それ以上に注意すべきは、一旦民主党の公認を辞退して無所属で出馬したはいいけれど、当選した後で、また民主会派入りする議員、すなわち、成りすまし議員が出てこないか、という点。
確かに先の、茨城県議選、西東京市議選での民主党の惨敗振りをみると、"民主党"の旗をあげただけでアウトという空気が流れてる。だから、たとえ、党組織の支援がなくても、無所属で出馬したほうが当選しやすいと考えてもおかしくない。事実、名刺から「民主」を隠す候補者も出てきている。
だけど、民主を隠して当選して、その後民主会派入りするのは、無所属が、単に当選せんがための手段であることを白状することで、有権者を騙したことになる。
こうした"なりすまし"候補者の出現に注意する必要がある。
民主党が政権を取って、これまでよく見えなかった民主党の正体が明らかになったのはいいのだけれど、ちょっと逆風が吹くとたちまち、闇に隠れてコソコソする。全く真摯さの欠片もない。
今回の内閣改造で官房長官を辞めさせられた仙谷氏とて、代表代行という都合の良い役職を得て、早くも「闇将軍」化を始めてる。
内閣改造人事では、当初、仙谷氏の官房長官から国対委員長へシフトという案もあったけれど、野党の反発もあって、代表代行に落ち着いた経緯がある。
それなのに、先日行われた与党国対委員長会談に、仙谷氏が飛び入りして、安住淳国対委員長から「影の国対委員長です」と紹介されたそうだ。
既に、国対控室の横に「仙谷部屋」を確保して、党本部でも岡田氏が使っていた部屋を譲り受けている。
内閣改造前から、たとえ仙谷氏が官房長官を辞めることになっても、依然として、権勢を振るうだろうと述べてきたけれど、やはりそのとおりの動き。
※ 「政権末期に足掻く人達」 「内閣支持は統治能力に与えられる」
唯一違うのは、国会で閣僚席にいないだけ。
統一地方選候補者の"なりすまし"と、仙谷氏の闇将軍化。表に出ない分だけ、昔より、性質(たち)が悪くなっている。
その分、有権者はしっかりと「心眼」で見極める必要がある。


民主党は21日、菅首相を本部長とする「統一地方自治体選挙対策本部」を設置した。
首相は党本部で開かれた初会合のあいさつで、「民主党にとって、追い風とはいえない逆風にあったが、何としても統一地方選で私たちの仲間がしっかり戦い、全員が勝てる態勢をつくってほしい」とげきを飛ばした。
そのうえで、「『民主党は政権交代を果たしたが、何もできていない』というムードになっている。重要なのは広報宣伝分野だ」と語り、広報活動に重点を置く方針を強調した。
また、東京都知事選について、「党独自の候補を出すのか、誰かに乗るのかを含めて、(石原慎太郎都知事が出馬した場合は)対立軸を出す」と述べた。
民主党では、県議選や政令市議選の候補予定者が党の公認を辞退するケースが相次いでおり、党執行部は、資金面での支援を充実させることで、候補者を確保したい考えだ。
(2011年1月21日20時57分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20110121-OYT1T00803.htm?from=y10

「戦いは予想以上に厳しい」――。
今春の統一地方選を前に13日、千葉市で開かれた民主党の党大会。国政の混乱や「政治とカネ」の問題などで党への逆風が続く中、全国から集まった地方組織の幹部からは、菅首相(党代表)の政権運営などへの不満が次々に漏れた。
読売新聞が全国47都道府県連の幹部に取材したところ、少なくとも6都県で、同党からの公認・推薦の予定を辞退したり、離党したりする動きが出ており、地方の候補者選びも苦戦を強いられている。
読売新聞は12、13両日に千葉市の幕張メッセなどで開かれた同党の全国幹事長会議や党大会の会場で、都道府県連幹事長らに実情を尋ねた。
その結果、秋田、千葉、東京、神奈川、和歌山、福井の6都県で、党の公認・推薦の辞退や離党が相次いでいることが判明。このうち福井県では、県議選で推薦する予定だった1人から、今週、辞退の申し出があった。福井県連によると、「地元の都合で推薦は受けない」と言われたという。野田富久・同県連幹事長は「現政権への厳しい評価の中で、有利ではないと判断されたのだと思う」と声を落とした。
(2011年1月14日08時45分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110113-OYT1T01210.htm

新人五人による争いが確定した二十日告示の愛知県知事選。民主、自民両党は選挙戦初日、幹部を投入するなど、国政選挙並みの態勢で支持を訴えた。二十三日告示の名古屋市長選と合わせ、四月の統一地方選を左右する重要な選挙。二大政党は厳しい戦いに突入した。 (関口克己、三浦耕喜、宮尾幹成)
茨城県議選など最近の地方選で惨敗が続く民主党。菅直人首相は二十日夜、首相官邸で記者団に「今度の選挙は、首長と議会の関係が争点の選挙ではないか」と、淡々と分析。これに対し、現地入りした岡田克也幹事長は、名古屋市で記者団に「しっかりと勝っていかないと、日本全体に影響が及ぶ」と、危機感をあらわにした。
一連の選挙を統一地方選に向けた反転攻勢の好機と位置付け、全国会議員に現地入りを指示し、総力戦で挑むが、好材料は見当たらない。
十九日には、首相を本部長とする党統一選対策本部を設置。ただ、逆風の中、各地で立候補や公認の辞退が相次いでおり、党幹部は「民主党のラベルより、無所属の方が戦いやすいと判断した人もいる」と頭を抱える。
今回の選挙で厳しい結果が出れば、政権与党として積極的に候補者を擁立するとした統一地方選の戦略見直しが、現実味を帯びることになる。
一方、自民党は、事実上の分裂選挙を強いられている。
大島理森副総裁は二十日、愛知県豊橋市での応援演説で、「自民党も全面的に一緒に戦う」と強調した。
だが、河野太郎氏や菅義偉氏など中堅・若手は対立候補を公然と支援。支持率が低迷する民主党政権にとどめの一撃を加えたいところだったが、党内の一体感を欠く戦いぶりにもどかしさがある。
執行部は党内の亀裂が表面化するのを避けるため、「造反」を半ば黙認している。その上、候補者の推薦を求めた県連に対し、谷垣禎一総裁が総務会で「支持」を報告しただけで、正式な手続きさえ踏んでいない。
谷垣氏は「菅政権を解散・総選挙に追い込む」と息巻くが、足元のばらつきをさらけ出している。
URL:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/scope/CK2011012102000041.html

民主党の小沢一郎元代表(68)の衆院政治倫理審査会への出席問題が長引く中、「反小沢」で固まっていた党執行部内に亀裂が生まれつつある。小沢氏に対する離党勧告も視野に入れる最強硬派の仙谷由人代表代行(65)と、軟着陸を探る岡田克也幹事長(57)の間で路線対立が起きているのだ。
「実質的に党の代表でございましょう。官房長官として政府を牛耳り、今度は党を牛耳っていかれる実力者だ」
自民党の大島理森副総裁は18日、党本部にあいさつにきた仙谷氏をこう揶揄した。いまの仙谷氏の立場を表すのにふさわしい表現といえよう。
仙谷氏はこれに先立つ与党国対委員長会談にも飛び入り参加し、驚く国民新党側に安住淳国対委員長が「影の国対委員長です」と紹介する一幕も。すでに国対控室の横に「仙谷部屋」のスペースを確保し、党本部でも岡田氏が使っていた部屋を譲り受けた。
小沢氏の処分に関しては、仙谷氏と枝野幸男官房長官は「政倫審出席拒否」と「強制起訴」の合わせ技で離党を迫る意向とされる。脱小沢に政権浮揚を賭ける菅直人首相も後押ししている。
一方の岡田氏は「小沢さんにきちんと説明してほしいということで、疑惑が晴らされればそれで終わる話」と話し、政倫審での説明を一定のけじめとして、徹底した小沢氏排除には二の足を踏んでいる。
小沢氏のクビをめぐる仙谷vs岡田の対立。民主党関係者は「ポスト菅のさやあてだ。仙谷氏は、前原誠司外相のグループ『凌雲会』のオーナーとして、前原-枝野と政権をつなぎたい。一方の岡田氏は勉強会程度の仲間しかいないが、この集団は、岡田-野田佳彦財務相の順番を想定している。そのためには、党内融和の可能性を残したほうが得策だと考えているのだろう」と解説した。
URL:http://news.nifty.com/cs/headline/detail/fuji-zak20110119006/1.htm
この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
> マスコミに民主党を応援させ、地元では選挙カーを何台も
> 走らせて候補者の名前を連呼する。
正にファシストの手法ですね.
> 唯一違うのは、国会で閣僚席にいないだけ。
しかし, 仙谷氏が閣僚席にいないだけでも答弁の状況が
相当に変わるような気がする. 枝野氏が「我々は―」と
やると流石に国民も引いてしまう.
ポスター: 塗りつぶしでも鳩山氏は憎たらしいですな.
sdi
私は「仙谷官房長官を国対委員長に」という話を聞いたとき「自分のやらかした事による国会空転のツケを自分で払わせるとは、空き缶殿も意地が悪い」と思ったものです。野党の議会における攻勢の矢面に立つことにになりますから。
「野党」ではなく「本人」の意向で国対委員長就任が取りやめになったというのは邪推ですかね。