「野党の意向を聞いた方がいい。しっかりした議論ができる国会にしてほしい」菅首相
1月5日、京セラの稲盛和夫名誉会長は京都市内で開かれた経済4団体による新春年賀交歓会で「政権交代がまったく期待を裏切ることになり、大変残念」とコメントした。
昨年の1月は「温かい目で見守ってほしい」と言っていたのに、今年は真逆のコメント。とうとう財界からもダメ出しを出されてしまった。
ダメ出しされた菅首相は、1月5日にテレビに生出演して、1月下旬のの通常国会前に内閣改造を行う方針を明言した。
ただそれでも、焦点になっている仙谷官房長官の処遇に対しては明言を避けていたから、なんとも煮え切らない。
テレビなどでは、仙谷氏の能力を高く評価していることに加えて、仮に仙谷官房長官を交代させたとしても、野党の協力が得られないかもしれないとを懸念しているからだと報道されている。
前回、柳田前法相を更迭したとき、野党と調整を行っておらず、空振りに終わった経験から、流石にそのは学習したというところだろうけれど、本来は、柳田法相で失敗した時点から野党と調整を進めていって、もうとっくに済ませておかなければならないことではないのか。
参院で野党過半数のねじれ国会では、本予算は、衆議院の優越で可決、関連法案は、衆院2/3を使っての再可決に踏み切る場合だってある。それを考えると一日でも早く予算案は衆院を通過させたい筈。
通常国会の召集は1月28日が有力視されているようだけれど、仮に、野党の協力が得られたとしても、殆ど2月といっていいスタートで、3月までの2ヶ月で予算審議して通過させられるアテがあるのか甚だ疑わしい。
徹夜の連続で、集中審議を繰り返し、なんとか辻褄を合せるのかもしれないけれど、無理をすればするほど、与党への風当たりは強くなるだろう。
しかも、通常国会では、影の首相様だった仙谷氏の助けが無い可能性が高いともなれば、まともな審議ができるのかさえ疑わしい。
たとえ、支持率回復のために小沢氏を切り、国会運営のために仙谷氏を交代させたとしても、それは、菅首相にとって、両手両足を切り捨てて、ダルマのようになった自分を、さらけ出すことに他ならない。
4列目の男が最前列に立つことになる。もう逃げられない。
そして、更に懸念されることは地方への対応。
昨日のエントリーでも触れたけれど、民主党政権の実務対応能力、特に危機管理能力の無さは致命的レベルに達している。
特に問題だと思うのは、昨年の事業仕分けで、災害対策予備費を削ってしまっていること。どんなに優秀な官僚や政治家達が集まって、有効な対策を考えたところで、予算がなければどうにもならない。
唯でさえ、危機管理能力のない民主党は、自分で自分を、更に無能へと追いやっている。
今は、大雪災害で山陰の地方自治体がてんやわんやだけれど、4月の統一地方選までに、また別の自然災害が起こらないとも限らない。
そういうリスクを抱えたまま、春の統一地方選を迎える菅政権。まさに丸裸のダルマとしか言い様がない。
菅首相は、テレビ出演で、消費税に政治生命を賭けるとか言ったみたいだけれど「格好よく言っちゃったけど、よく考えてなかった」を、また繰り返すような気がしてならない。
菅首相の足元は、あっちへ行ったり、こっちへ来たり。思いつきばかりでちっとも定まらない。
フィギュアスケートでは、ターンと同時に右足から左足、左足から右足に踏み変えて、体の向きを変える難易度の高い「チョクトー(Choctow)」という技があるそうなのだけれど、足を踏み変えるターンが綺麗に見えるのは、フィギュアスケートだからこそであって、政治家が、自分の軸足を踏み変えてターンする姿はみっともない以外の何物でもない。
尤も、"丸裸のダルマ"ではターンする足もないから、その心配は要らないかもしれない。
ダルマの菅チョクトーは、国会でどんなステップを魅せるのか。


京セラの稲盛和夫名誉会長(日本航空会長)は5日、京都市内で開かれた京都商工会議所など経済4団体による新春年賀交歓会で記者団に対し、菅直人首相による民主党政権について「政権交代がまったく期待を裏切ることになり、大変残念」と失望感をあらわにした。
稲盛氏は「現在の混迷がしばらく続くと思う。新しい秩序ができるまで時間がかかるかもしれないが、それを待つよりほか仕方がない」と述べた。
稲盛氏は民主党の小沢一郎元代表らと親交が深く、昨年1月の同じ年賀交歓会では「(鳩山由紀夫政権=当時=を)温かい目で見守ってほしい」とエールを送っていた。
また、会社更生手続き中の日航の再建については、「今年が(会長就任から)2年目となり、正念場と思っている。必ず素晴らしい業績を挙げて再生を実現したい」と意欲を示した。
URL:http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/110105/fnc1101051607014-n1.htm

菅首相は5日夜、テレビ朝日の番組に出演し、消費税を含む税制と社会保障制度の一体改革について、「国民にある程度負担拡大をお願いしても、安心できる社会を作ることが必要だ。政治生命をかけて、覚悟を決めてやっていきたい」と表明した。
首相は前日4日の年頭記者会見で、消費税率引き上げを視野に入れた社会保障制度改革を進めるために超党派の協議を開始し、6月をめどに結論を出す考えを示した。首相としては、自ら「政治生命」という言葉を持ち出して不退転の決意を示すことで、野党に協議への参加を促す狙いがあるとみられる。
これに先立ち、首相は5日、東京都内で開かれた連合や経済3団体の会合で、同席した野党幹部を前に、「社会保障を考える上で安定した財源を考えなければならないことは誰の目にも明らかだ。ぜひとも党を超えて議論をスタートさせたい」と述べ、超党派の協議の開始を呼びかけた。
首相は同じ番組で、内閣改造・民主党役員人事について、「通常国会前までに、政策を実現するために最も力が発揮できる党と内閣の態勢をしっかり作っていきたい」と述べ、1月下旬に召集予定の通常国会前に行う方針を明言。具体的な人選については「熟慮している」とする一方、「少なくとも、野党にもしっかり議論に出てきていただいて、国民にプラスになる政策を決めていける国会にしたい」と語った。
(2011年1月6日03時02分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110105-OYT1T01096.htm
この記事へのコメント
白なまず
almanos
ちび・むぎ・みみ・はな
> ができる国会にしてほしい」菅首相
眠り菅 人ごとの様に言う
> 京セラの稲盛和夫名誉会長は京都市内で開かれた経済
> 4団体による新春年賀交歓会で「政権交代がまったく
> 期待を裏切ることになり、大変残念」とコメントした。
昨日のファン 今日の敵
> ダルマの菅チョクトーは、国会でどんなステップを魅せる
> のか。
「ボクチャ悪くないもん」ワルツで「ヤトーガ」ステップ?
> 3月までの2ヶ月で予算審議して通過させられるアテ
> があるのか甚だ疑わしい。
青山氏は, 予算全面組み換えも覚悟の公明党抱き込みがある
と指摘している. 大人なら自民党と取引だが, ボクチャンは
それがイヤなのだろう.
> そして、更に懸念されることは地方への対応。
下部組織に突き上げられると, 公明党単独協力は難しくなる.
だから, これからの主戦場は地方か?