「春の統一地方選に向けて、現在審議を始めることになっている予算などでも、例えば5千億円を超える一括交付金というものを実現しました。これは各県が自主的にどういうものに使うか、主に公共事業の範(はん)疇(ちゅう)ではありますが、役所を超えてそれぞれの県が自主的に決めることができる画期的なものであって、私は非常に大きな民主党の考え方の政策だと理解しております。こういったものをしっかり伝えることによって、統一地方選でも大きな支持をいただきたいと考えています」菅首相 1/4 於:伊勢神宮でのぶら下がり会見
菅首相は5日、岡田幹事長と仙谷官房長官と会談し、通常国会前の内閣改造のための調整を始めた。どうやら、問責決議された仙谷長官、馬淵国土交通相を交代させる方向で検討を進めているようだ。
野党のみならず、小沢氏までも仙谷官房長官の交代が必要だとしているから、今後の国会運営を考えると交代もやむを得ないと思われる。
だけど、仙谷氏に対しては、「更迭」ではないことを示すため、代表代行や幹事長などの党の要職に横滑りさせる案が浮上しているというから、本当にそうだとすれば、単なる「形」だけのものである可能性がある。すなわち、「野党の皆さん、貴方達のいうとおり、辞任させましたよ。だから次の国会では審議に応じて法案通過に協力しなさいよ。そして、小沢さん、貴方のいうとおり、交代させたから、貴方も議員辞職しなさいよ」ということ。
昨年12/4のエントリー「政権末期に足掻く人達」でも述べたのだけれど、もしも、仙谷氏が官房長官を辞任して、党の要職に横滑りしたとしても、やはり実情は変わらないと思われる。
なぜなら、仙谷氏は依然として官邸に出入りし、これまでどおり官邸の一切を仕切るだろうと思われるから。
菅内閣を事実上支えてきた仙谷氏を切ってしまったら、とても内閣が持つとは思えないし、民主党幹部の一人は、「仙谷氏を交代させると内閣ががたがたになる」と指摘している。
だから、なんだかんだ理由をつけて、仙石氏を手元に置いておくと思われる。
昨日の年頭記者会見で菅首相は、田中角栄が闇将軍と呼ばれていたことを引き合いにだして、小沢氏を批判していたけれど、仙石氏が闇将軍になる可能性のほうが高いだろう。
仮に、仙石氏を党の要職に横滑りさせて、小沢氏を議員辞職は無理としても、離党させてしまうことができた場合、それで内閣に支持が集まるのかどうか。
確かに、一旦は上がると思う。だけど、昨年9月の代表選直後のように60%近い数字はやはり無理がある。おそらく回復しても40%台くらいで、それも長くは持たないだろうと思う。
なぜなら、今の菅内閣の不支持は、小沢氏だけの問題でもなく、仙石氏だけの問題でもない段階に入っているから。
内閣支持率が代表選直後の高支持率から、今の20%台に低迷した要因を考えてみると、もちろん、仙谷氏の発言問題があったにせよ、尖閣問題はもとより、菅首相の首相としての資質そのものに疑問を持たれている面がある。これはもう隠せないレベルに来ている。
菅首相のすり替えと誤魔化しばかりの国会答弁だけでなく、国際会議での情けない姿は多くの国民が知るところとなった。横浜APECでの胡錦濤主席とのメモを見ながらの会談は、実にみっともないことこの上なかった。
それに加えて、内閣の実務能力にも国民の不満はつのっている。昨年春の宮崎口蹄疫でもそうだったけれど、兎に角、災害に対する国の対応が遅すぎる。
昨年の10月の奄美豪雨災害でも対応できていなかったし、ついこの間の山陰大雪で小型漁船が多数沈没したときでも、対応を地方自治体に任せっぱなしで何もしないし出来ていない。事実上の無政府状態と言ってもいいくらい。
影の首相と言われていた仙谷氏が官房長官にあってさえこの有り様なのだから、内閣改造で仙谷氏が完全に官邸とノータッチになったら、一体どうなるか想像するだに恐ろしい。
やはり、政治に対する支持というものは、最終的には、予算も含めた統治能力に対して与えられるものであって、単に交付金を出したり、予算をつけることによってのみ与えられるものではない。
国でないと出来ないこと、国がやるべきことを放置しておいて、一括交付金を出したから支持をくれというのは勘違いも甚だしい。
おそらく、国が何もしないことで大きな被害をうけた地方自治体、たとえば、口蹄疫で苦しんだ宮崎とか、大雪災害を受けている鳥取などの山陰の各県は、交付金を出したからといって、それほどの支持はしないのではないか。
県民は、大変な目にあっているところを具体的に助けてくれた議員こそを支持するのであって、上から目線でばらまかれる交付金を支持するわけではない。
ましてや、統一地方選ともなれば、知事や地元の県会議員が何をしてくれたのかがモノをいう。ただでさえ、民主党は地方議員が少ない上に、県民も助けないともなれば、支持が集まるわけがない。


菅直人首相は1日、今月下旬召集の通常国会に備えるため、13日の民主党大会後に内閣改造・党役員人事を行う意向を固めた。参院で問責決議を受けた仙谷由人官房長官の処遇が焦点で、交代させる場合、首相は仙谷氏を党の要職で起用することを検討するとみられる。ただ、首相周辺には、政権の要である仙谷氏が閣外に去れば内閣が弱体化するとの懸念が強い。首相は党内情勢を慎重に見極めた上で、最終判断する考えだ。
首相は、仙谷氏が兼務している法相ポストを補充するなどして、通常国会に臨む方針。通常国会では、2011年度予算案と関連法案の年度内成立が政権の最優先課題となる。しかし、自民、公明両党などは、仙谷氏と馬淵澄夫国土交通相が問責決議を受けたことを理由に、両氏が出席する審議には応じない構え。国会冒頭からの混乱を避けるため、民主党内には「仙谷氏らの辞任はやむを得ない」(参院幹部)との声が広がっている。
仙谷氏を交代させる場合は、幹事長や幹事長代理など党の要職に横滑りさせる案が浮上している。小沢一郎元代表の「政治とカネ」の問題で首相と小沢氏の対立が続く中、人事で「脱小沢」路線を貫くことを党内外に示し、政権浮揚を目指す狙いからだ。
一方、党内には、仙谷氏らを交代させても、予算案の円滑な審議入りが担保されるにすぎないことから、交代に否定的な意見もある。首相自身、重要課題の調整を一手に仕切ってきた仙谷氏を高く評価しており、首相に近い党幹部は1日、「仙谷氏を交代させると内閣ががたがたになる」と指摘した。 (2011/01/01-21:10)
URL:http://www.jiji.com/jc/zc?k=201101/2011010100142

菅直人首相は5日、岡田克也民主党幹事長、仙谷由人官房長官と会談し、通常国会召集前の内閣改造に向けた政府、民主党内の調整を本格化させた。問責決議された仙谷氏、馬淵澄夫国土交通相の扱いが焦点となるが、首相は交代させる方向で検討。時期は13日の民主党大会直後から今月下旬の召集までの間で、小沢一郎元代表の国会招致問題など全体状況を考慮して判断する。
首相は5日夜、都内のホテルで仙谷、岡田氏と会談。改造に加え小沢氏問題の対応をめぐっても協議したとみられる。
これに先立ち、首相は内閣改造に関し「私自身、いろいろ考えなきゃと熟慮中だ」と記者団に述べた。小沢氏が強制起訴された場合には議員辞職するよう4日の記者会見で求めたことについては「全く(発言に)変わりない」と強調した。
URL:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/267259.html

菅直人首相は4日夕、春の統一地方選について「一括交付金をしっかり伝えることによって、大きな支持をいただきたい」と述べた。参拝先の伊勢神宮(三重県伊勢市)で記者団の質問に答えた。
ぶら下がり取材での詳細なやりとりは以下の通り。
【今年1年の政権運営】
--菅首相にとって仮免許から、今年はいよいよ本免許、政策実行の年になると思うが、小沢氏の処遇や予算の成立など国会運営においては問題が山積している。また、ここ数年、伊勢神宮を訪れる首相が毎年変わっている。菅首相は何を祈願し、この1年をどのように政権運営する考えか
「伊勢神宮にお参り致しまして、大変心が清められた思いがすると同時に日本に対してしっかりと責任をもって運営していかねばならない。そういう決意を新たにいたしました。また、多くの参拝者の皆様からも力強い激励をいただきました。この1年、日本が元気を復活する、この目標に向かって、全力をあげることを神様の前で誓って参りました」
【統一地方選】
--式年遷宮を控え、伊勢神宮の参拝者が増えているが、背景には雇用や景気、政治への不安が考えられる。景気回復や中央と地方の政情不安をどう取り除いていくのか。特に今年は統一地方選の年で、東海地方では中央官僚の出馬、民主党の相乗り禁止問題が重くのしかかっているのだが。
「春の統一地方選に向けて、現在審議を始めることになっている予算などでも、例えば5千億円を超える一括交付金というものを実現しました。これは各県が自主的にどういうものに使うか、主に公共事業の範(はん)疇(ちゅう)ではありますが、役所を超えてそれぞれの県が自主的に決めることができる画期的なものであって、私は非常に大きな民主党の考え方の政策だと理解しております。こういったものをしっかり伝えることによって、統一地方選でも大きな支持をいただきたいと考えています」
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/110104/plc1101041838029-n1.htm

大雪で多数の小型漁船などが沈没した境港で4日、県、境海上保安部、境港管理組合などが豪雪対策協議会を開いた。引き揚げの手順などを調整し、復旧作業は本格化した。5日の初競りで水揚げがどれほどになるか不安があり、西日本有数の漁業基地は新年から深刻な事態に陥った。
沈没したのは、ほとんどが3トン未満の漁船やプレジャーボート。保険未加入の船が多いという。大半は所有者や連絡先が不明で、被害を知らないプレジャーボートの所有者もかなりの数になるという。
協議会では、沈没船は引き揚げ後の保管場所確保が重要で、参加機関の管理地を借りる案が出された。また、境海保は作業時は流出油の拡散を防ぐオイルフエンスが必要と強調した。
引き揚げは、沈没船所有者が発注するため、自己負担が過重になる零細漁業者の廃業の懸念も表面化。葉狩健一・県水産振興局長は「漁業者が廃業しないような対策が必要。行政としてどこまで支援できるか早急に検討する」と話した。
外江漁港に見回りに来た漁業、遠藤芳成さん(82)は「大みそかの夕方に仲間の船を含め3隻を除雪したが、元旦早朝に来たら2隻は沈没していた。私の船も沈没寸前で、あわてて除雪した。積雪で漁船が沈没したことはあったが、今回の被害が最も大きい」と話した。【小松原弘人】
URL:http://mainichi.jp/area/tottori/news/20110105ddlk31040307000c.html
この記事へのコメント
sdi
「支持率が高ければ官僚も大人しくなるし、マスコミも黙る。小泉政権がそうだったじゃないか。」
とにかく支持率を上げることしか考えてないのは、小泉長期政権を許したあげく郵政選挙で記録的な惨敗を喫したトラウマではないか、と最近思うようになりました。
白なまず
almanos
ちび・むぎ・みみ・はな
> だから、なんだかんだ理由をつけて、仙石氏を手元に置いておくと思われる。
党役員の資格では内閣席に座れないので首相を差しおいて
胡麻化し答弁はできなくなる. だから, 国会の予算委員会
は面白いことになる可能性が大きい. (それとも傍聴席から
駆けつけるのだろうか.)
そうなると, NHKは放送しないだろう.
> 歴代内閣支持率
森内閣は酷かった. 青木氏で輿石氏を思い浮かべる.
小渕氏がもう少し生きていれば, 随分と違った世の中に
なっていると思う. 小沢は本当に日本の厄病だ.