自分のことしか頭にない「ひとりぼっち」な首相

 
菅首相は、4日、首相官邸で年頭記者会見を開いて、「平成の開国元年としたい」「最小不幸社会を目指す」「不条理をただす政治」の3つの理念を挙げた。

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今回は特に、会見後の質疑に注目して、その質問と菅首相の答えについて整理してみたい。菅首相の長ったらしい言い訳に惑わされないために、それらを極力そぎ落として、筆者なりに簡素化してみると次の通り。

Q 内閣改造はどうする積りか?

A これから考える。


Q 民主党の小沢一郎元代表の国会招致問題はどうする積りか?

A 国会で説明すべき。起訴されたら出処進退を考えろ。


Q 消費税、社会保障、普天間移設問題についての今後のスケジュールは?

A 消費税と社会保障改革は一体なのでスケジュールはない。普天間は積極的に取り組む。


Q 目標とする時期は?

A 社会保障と財源は、6月頃までを目途にしたい。


Q 予算関連法案が通らなければ解散するのか?

A しない。


Q TPPの交渉参加の是非判断はいつか?またどう対応する積りなのか?

A 最終判断は6月が目途。対策は検討している。


Q 先の臨時国会は野党と話し合いを求めたが、今度の通常国会も同じか?

A 同じ。しっかりと政策を議論していきたい。


Q 小沢氏に"出処進退を明らかにしろ"という発言は議員辞職すべきということか?

A そうだ。


Q 首相は野党時代から情報公開を訴えてきたが、いつやるのか?

A 官房長官と十分相談して対応する。


Q 平成23年度予算案について、調整の可能性はあるのか?

A その必要はない予算として閣議決定したが、国会でより賛成を得たいので調整も考える。


Q 野党とは政策ごとの部分連合を目指すのか、それとも連立政権を目指すのか?

A 部分連合を目指す。


Q 通常国会前に問責決議に対してどのようなスタンスで臨んでいくのか?

A 参院で問責されても解散、総辞職する規定になってない。問責は党や国会で議論する。


Q 開国と農業の再生の両立を図るのなら、国内対策など多額の財政措置も必要になるが?

A 財政的な問題よりも、根本的な農業の構造を開かれたものにしたい。


Q 普天間を辺野古に移設しても沖縄に米軍基地が集中する。これも不条理と考えるか?

A 不条理だ。基地負担を引き下げたい。



この質疑ではっきりしていることは、大きく次の2点になると思われる。

1.小沢氏は起訴されたら議員辞職しろ
2.問責決議されても解散しないが、6月までに諸々の法案は通したい

まぁ、1も2も傍からみれば、なんとも自分に都合の良い話に思えて仕方がない。小沢氏に対して除名処分や辞職勧告をすることはできても、議員辞職するかどうかは小沢氏本人が決めることだし、6月までにいくら法案を通したくても、衆院2/3を使えない限り、野党の協力なしでは通せない。

菅首相の質疑の内容は、自分の都合ばかりで相手の事情や考えに対する考慮がなされていない。確かに記者会見の中で国会運営について、触れていることはいるけれど、その中身は「法案通過に協力してくれ」と「質問は24時間前に出してくれ」のお願いだけ。これでは、とても野党に対して配慮しているとはいえない。

野党が参院で問責決議をした以上、それに対するきちんとした答えがなければ、野党も協力する理由がない。でなければ、苦労して問責決議した意味がない。

それなのに、菅首相は「解散も総辞職もしない、問責は党や国会で話し合ってくれ」と責任逃れする。「野党時代は政局的な解散ばっかり言ってきたことを反省するから協力してくれ」と口ではいうけれど、本当に反省したのであれあれば、問責については、内閣改造なり、仙谷氏、馬渕氏の人事について示唆する発言があってしかるべき。それがない。

こんな態度では、とても野党がはいそうですかと協力するとは思えない。

自分の言っていること、やっていることがチグハグであるのが見えないのか、見ていないのか、それとも見たくないのか。周りの側近が教えてやってもよさそうなものなのだけれど、官邸でひとりぼっちになって昼食をとっている「孤」な首相様ともなれば、もう誰にも相手にされていないのではないかとさえ。

勝手に「ひとりぼっち」になるのは別に咎めやしないけれど、首相の身で行うべきものじゃない。


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画像【首相年頭会見詳報】「平成開国の元年にしたい」 2011.1.4 11:29

 菅直人首相は4日午前、首相官邸で年頭記者会見を開き、民主党の小沢一郎元代表の国会招致問題も念頭に「政治とカネの問題にけじめをしっかりつける年にしたい」と述べた。記者会見の詳報は以下の通り。

【冒頭発言】

「明けましておめでとうございます。今年が皆さんにとって素晴らしい年になることをまず心から祈念を致したいと思います。年頭にあたって私が目指す国の在り方について3つの理念を申し上げます。まず、平成23年を平成の開国元年としたい。最小不幸社会を目指す。そして、不条理をただす政治、この3点であります。今、世界の多くの国が日本に追いつけ、追い越せと、成長を続けています。そういう国々のリーダーと話をすると、自分たちは日本を目標にして、モデルにして頑張ってきたんだと口々に言われます。そうです。これまで多くの国に財政的な援助や技術的な援助をしてきた兄貴分が、わが国日本だと言えます。私はこれからもそうした国々の成長を支援する、同時にそれらの国々のエネルギーを逆にわが国のエネルギーとして、日本の成長につなげていくことが、今必要だと考えております」

「そのためには、貿易の自由化の促進、そして一方では若者が参加をできる農業の再生。この2つをやり遂げなければなりません。平成23年をそうしたヒト、モノ、カネばかりではなくて、明治維新や戦後に続く日本人全体が世界に向かって羽ばたいていくという、そうした開国を進めていく元年としたい。そしてこの開国を進めるためには貧困あるいは失業といった不幸になる要素を最小化することが何よりも必要です」

「社会保障について今後の不安が広がっております。昨年の参議院選挙では、やや唐突に消費税に触れたために十分な理解を得ることができませんでしたが、今、社会保障の在り方とそれに必要な財源を消費税を含む税制改革を議論しなければならないという、そのことは誰の目にも明らかであります。幸いにして自由民主党も公明党もそうした姿勢を示されております。今がまさにその時だと思います。しっかりした社会保障を確立していくために、財源問題を含めた超党派の議論を開始したい。野党の皆さんにも参加を呼びかけます。そしてアジア太平洋をめぐる安全保障についても、わが国のためだけではなく、この地域全体の安全、安定を考えた行動が必要です。日米同盟の深化は、そうしたアジア太平洋地域の安定のためにこそ必要だと、こういう観点で推し進めて参ります」

「このような開国を進めていくにあたって、もう一つ考えておかなければならないことがあります。それは国民の皆さんが『おかしいな』と思っていることに対して、しっかりと取り組んでいくことであります。私は東京都に所在する硫黄島で多くの遺骨が残されていることを知ったとき、『なぜこんなことになっているんだろう』と不思議に思いました。総理になって特命チームを作って、アメリカの公文書館で調査をして、大きな埋葬地を見つけることができました。先日、私も出かけた追悼の式典を行いました。ご遺骨を家族の元に返すことは国の責任です」

「また、若い人が学校を卒業しても仕事がない。子供を産んでも預かる場所がない。あるいはいろいろな難病について十分な手当てがなされていない。こういった問題についてもしっかりと取り組んでいきたい。私自身、特命チームを作り、取り組んでおりますが、これからもこうした不条理と思われる問題で直接、私が取り組むことがふさわしい問題についてはしっかりと新たな特命チームを作って進めて参りたいと、このように考えております」

「そしてもう一つ、不条理ということに関して言えば、『政治とカネ』の問題があります。私が初めて衆議院選挙に立候補したのは、『ロッキード選挙』と呼ばれた選挙でありました。政治とカネを何とかしなければ日本の民主主義はおかしくなってしまうという思いから、30歳の時に初めて立候補致しました。今、なお、政治とカネのことが国民の皆さんから不信の念を持って見られている。これではこれから多くの改革を進める上で、国民の皆さんにも痛みを分かち合っていただくことがとてもできません。今年をそういった政治とカネの問題にけじめをしっかりつける年にしたい。小沢(一郎民主党)元代表にも、自らの問題について国会できちんと説明をしていただきたいと考えております」

「最後に国会について申し上げます。私も野党の議員が長く、その時々の政府を厳しく批判して参りました。そのことを通して、国民の皆さんに時の政権の政策の矛盾などを示していきたいと考えたからであります。しかし、今振り返ってみますと、政局中心になりすぎて、必ずしもそうした政策的な議論が十分でなかった場面も党として、あるいは私としてあったのかなと思っております。今、政権交代が繰り返される中で、ほとんど全ての党が与党、野党を経験致しました。その国会が残念ながら必ずしも政策的な議論よりも、とにかく政局的に解散を求める、あるいは総辞職を求めるといったことに議論が集中しているのは必ずしも国民の皆さんの期待に応えていることにはならないと思います。私たちも反省をします。同時に与党野党を超えて、国民の目から、皆さんの目から見て、国会がしっかりと国民のために政策を決定しているんだと、こういう姿を与野党を超えて作りあげていきたいと、野党の皆さんにもご協力をお願いします」

「その中で、特に2点について具体的にお願いしたいと思います。ひとつは国会での質疑の、その質問要旨を、質問をされる、せめて24時間前には提示をいただきたいということであります。先の臨時国会で、予算委員会などでは、前の日のその質疑を翌朝5時に起きて、そしてそれを見て頭に入れるのが精いっぱいという時間の拘束がありました。これでは本当の意味での議論ができません。英国は3日前までに質問要旨を出すというのが慣例になっておりますけれども、せめて24時間前にそうした質問の要旨を出すということを与野党を超えての合意と、ぜひしていただきたいと思います」

「また、国際会議などが大変、重要になっております。トップセールスという言い方も強くされております。そういう閣僚が海外に出ることについて、国益にかなうことであれば、与野党を超えて国会の日程を工夫をして送り出す。このような慣例もぜひ生み出していただきたい。そしてこのことは、国会自身の役割であると同時に、国民の皆さん、あるいはメディアの皆さんの目からみて、もっとそうした国会のあり方についてこうあるべきだと。このことについてぜひ第三者的な目からも積極的に発言をいただければと。このように考えております。以上、年頭にあたっての私の考え方を申し上げさせていただきました。あとは皆さん方からのご質問をいただきたいと思います。ご静聴ありがとうございました」

【内閣改造】

 --内閣改造について首相は通常国会に向け、「強力な態勢を」と言ったが、何に重点を置いた人事をいつごろ行うことを想定しているのか。内閣改造にあたり、現在の内閣からの増員も想定しているのか。また、党人事についても刷新する考えか。野党が審議に応じない姿勢を見せる中、参院で問責された仙谷由人官房長官、馬淵澄夫国土交通相については国会審議に支障になると判断すれば交代の可能性も視野に入れているのか

「通常国会は、国民の皆さんの生活に最も重要な予算の審議の場であります。その予算をしっかりと審議をして、そして、できるだけ迅速に成立をさせ、国民生活にプラスになるようにしたい。その目標に向かって最も強力な態勢を作りたいというのが私の基本的な姿勢であります。それにあたっていろいろな要素を考えなければならないというご指摘はその通りでありますけれども、基本的なそうした姿勢をもって、具体的な問題はこれからさらに熟慮していきたいと。こう思っております」

【小沢元代表の進退】

 --民主党の小沢一郎元代表の国会招致について。小沢氏は国会の状況次第で通常国会の冒頭や予算成立後、衆院の政治倫理審査会(政倫審)に出席するという姿勢を示しているが、首相はあくまで無条件での通常国会前での出席を求める姿勢を貫くのか。小沢氏が条件付きの姿勢を崩さないならどう対応するのか。政倫審での議決や証人喚問も想定しているのか。小沢氏が強制起訴となれば民主党代表として、小沢氏の離党勧告や除名を言い渡すことも考えているか

「小沢元代表は自ら、国会で説明するといわれているわけですから、その言葉通りの行動をとっていただきたいと思います。また、起訴が実際に行われたときには、やはり政治家としての出処進退を明らかにして、裁判に専念されるのであれば、そうされるべきだと考えています」

【社会保障改革・普天間移設問題】

 --消費税改革、社会保障改革、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題は、どんなスケジュールで結論を出すのか

「先ほど申し上げましたように、社会保障と財源、財源の中には消費税を含む税制改革が含まれますが、これは一体的なものだと考えています。わが党の中でもこういう考え方で党の方針を固めておりますし、多くの政党もそうした社会保障と、それに伴う財源問題を一緒に議論しようと。そういう姿勢でありますので、どちらが前後ということではありません」

「普天間の問題は、(昨年の)5月28日の日米合意を踏まえながらも、しかし、同時に沖縄における基地が長い間、本土に残されているというこの問題。やはり日本全体として受け止め、考えなければならない問題だと考えております。できる限りの負担軽減、このことを合わせて積極的に取り組んでいきたいと考えています」

 --目標とする時期は

「社会保障と、この財源の問題は、できれば、できるだけ早い時期に、与野党を含めた超党派の協議を開始をしたい。そして、6月ごろまでをひとつのめどにしてですね、一つの方向性を示したいと。このように思っております」

【衆院の解散・総選挙】

 --「ねじれ国会」で予算関連法案が通らない状況になれば、衆院の解散・総選挙も選択肢に入ってくるのか

「私の念頭には解散の『か』の字もありません」

【TPP交渉参加】

 --TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加問題は首相のいう「平成の開国」の本気度を図る試金石だ。仙谷官房長官は農業改革の基本方針がまとまる6月前後に交渉参加の是非を判断するのが望ましいと発言した。首相は交渉参加の是非をいつごろまでに判断し、農家の理解を得るためにどう対策をとるのか

「現在、TPPに参加する場合に必要となる農業対策の具体策を検討をしている状況であります。そういう議論を踏まえながら、最終的な判断をまあ、6月ごろまでというのがひとつのめどだと思います。できるだけ早い時期に、そうした状況がうまれればいいと。こう考えております」

【国会運営】

 --首相は先の臨時国会で「熟慮の国会」ということで話し合いを求めたが、今回の通常国会も引き続きそういう姿勢で臨むのか。自民党は対決姿勢を強めていて冒頭から審議拒否を辞さずということだが、そうなった場合は対決型になっていくのか

「基本的には先ほど冒頭も申し上げましたように国会という場がですね、ある程度政党ですから政権を争うという側面があってもそれは致し方ないとこでありますけども、やはり先進国で政権交代を繰り返されているところを見るとですね、例えばイギリスなどでは新たに政権交代が行われれば次の選挙はだいたい5年先ということでですね、議論は行われるけれども、すぐに辞めろとか辞めるなという議論はあまり行われておりません」

「多くの国がある一定期間は政権交代が行われれば、そちらの党が政権を担うと。何年かやってみて次の選挙の機会にそのことを国民に問うと。これが政権交代の建設的な運営の仕方ではないかとこのように思っています。そういう意味で基本的にはしっかりと政策を議論していきたいという姿勢は変わりありません」

【小沢氏問題】

 --小沢元代表の問題について起訴された場合には政治家としての出処進退を明らかにして裁判に専念されるのであればそうされるべきと話したが、これは議員を辞職すべきという考えを示したということでいいのか。不条理をただすということであれば小沢氏の問題について首相はどういう働きをしたいのか

「私は初めて当選した1980年の当時、田中(角栄)元首相が闇将軍と呼ばれておりました。やはりそういう姿をみて私は、日本を政治を変えなければならいないという思いを一層強くしたことを今でも記憶を致しております。そういった意味で、どなたが何をということを超えてですね、もうこういった問題は日本の政治の社会で、カネの問題が何かこう議論しなければならないという状態そのものをですね、脱却したいというのが私の思いです。そういった意味で小沢元代表に関して起訴がなされたときには、ご本人が自らですねそうしたことも考えられて自らの出処進退を決められることが望ましいということを申し上げたところです」

【情報公開】

 --首相は野党時代から情報公開、そして今クリーンでオープンということを訴えていますが、情報公開の観点から官房機密費の公開、記者会見のフェアなオープン化ということを約束したが、これを守っていただく時期はそろそろきたのではないか。この件に関してやるのかやらないのか

「会見のあり方について何度かこの場でご質問といいますか提案をいただきまして、私もできるだけオープン化すべきだという姿勢で私自身の会見は臨んでおります。また閣議あるいは閣僚懇の席でも各閣僚にできるだけそういう姿勢で臨むようにということを申し上げているところです。官房機密費の問題はいろいろな経緯、いろいろな判断がありますので官房長官と十分考え方を合わせて対応していきたいと思っております」

【予算案審議】

 --平成23年度予算案について、昨年末の段階で仙谷由人官房長官と岡田克也幹事長は調整の可能性に言及した。それについては首相も考えを共有しているのか

「予算を作った立場からすれば、最も国民の皆さんにとってふさわしい予算ということで閣議決定をしたわけです。と同時に、国会の場で多くの政党の皆さんにも理解いただき、できればより多くの皆さんに賛成をいただきたいというのも、もう1つの大きな要素であります。そういうことを両方のことを考えながら対応を決めていきたいと思っています」

【連立政権構想】

 --昨年末に、たちあがれ日本との連立話が浮上したが、たちあがれ側は連立を拒否すると確認して終わっている。なかなか野党の連携は難しいと思われるが、連立は断念して政策ごとの部分連合という道を目指すのか。連携できる野党と連立政権を組む道を目指すのか

「昨年のいろいろな動きも政策的に一緒にやっていけないかということの話を基本として進めてきたと、こう理解しています。その姿勢はどの党に対してもこの国会でも変わりません」

 --先ほど内閣改造について具体的なことはこれから熟慮したいと言ったが、仙谷官房長官の問責をすでに可決している。現段階で本予算を審議する通常国会を前に問責決議に対してどのようなスタンスで臨んでいくのか

「いろいろな記者の皆さんからですね、いろいろな考え方を私に参考になるのではないかということで示していただいているケースもあります。一つの例を申し上げますと、衆議院ではいわゆる内閣不信任案というものがあって、それが可決すれば総辞職するか、それとも一方では衆議院を解散することができるという規定はもちろん皆さんご存じの通りです。しかし参議院の問責については、例えばそれが成立、内閣に対するものが成立したとしても、総辞職をするか解散をするという形にはなっておりません」

「つまり参議院に対しての解散ということは憲法上規定されておりません。ということはもし参議院が問責をしたときに、それが即辞任をしなければならないということになるとすれば、それは衆議院よりより大きな権限を持つことになるのではないかと。これは今の憲法の構造からして必ずしもそういうことを今の憲法は予定していないのではないかと。こういう意見もいただいております。いずれにしても、そういったいろいろな意見をですね、やはり党の方、あるいは国会の方で議論していただく場面もあっていいのではないかと思っております」

【農業政策】

 --先ほど開国という言葉を使ったが、開国と農業の再生の両立を図る観点で言えば今後、国内対策など国民負担を含めて多額の財政措置も必要という考えが出てくるかもしれないが。そうした点も議論になっていくのか

「日本の農業を再生するという目標に向かってあらゆるそれにかかわることを議論する必要があると思っています。同時に先ほども申し上げましたが、現在日本の農業が抱えている問題は、例えば就業している人の平均年齢が66歳というですね、若い人が農業に従事をしたくてもなかなかする機会が持ちにくい。そういった問題もあります。また同時に6次産業化といわれるような経営のあり方についてもですね、もっと推し進めなければなりません」

「そういった意味でいろいろな財政的な問題ももちろん議論として、あるいは必要となる場面はあり得ますけど、ただ、それで物事が進むというよりも、根本的な農業の構造をどのようにすれば世界に開かれたものになっていくのかですね、私本当に感じるのはですね、多くの外国の人がやってきて日本の料理ほどおいしいものはないと、日本の食べ物ほど安心しておいしいものはないということを口々に言われます。そういう意味では、農業も開かれた農業にしていくことは私は可能だとこう考えています」

【沖縄の基地負担】

 --昨年5月の日米合意通り米軍普天間飛行場を辺野古(沖縄県名護市)に移設しても沖縄に米軍基地が集中する状況は変わらない。このことについて不条理と考えるか。どのようなことに取り組めば負担軽減になるのか

「私も多少でありますけれども、沖縄の歴史などにふれた書物を拝見させていただきました。戦後に限ってみても日本へ復帰された後においてもですね、本土における沖縄以外の米軍基地が大きく削減された中で、沖縄の基地があまり減らされなかったというこのことは私にとっても政治家の一員として大変慙愧に堪えない思いを致しておりまして、このことは沖縄でも申し上げたところです」

「そういう意味で不条理という言葉で言い尽くせるかどうか分かりませんが、その1つだと考えおります。そういう思いをしっかり私自身持ちながら、それでは具体的にどのようにしていくかということで、先だって沖縄で私なりの考え方を申し上げさせていただきました。何としても全体としては沖縄の基地負担を引き下げる方向で、できることをできるだけ迅速に進めていきたいというのが基本的な姿勢です」

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/110104/plc1101041130015-n1.htm

この記事へのコメント

  • 日比野

    sdiさん。

    >「狡」から「弧」へ。とうとう漢字がケモノヘンで無くなってしまいました。ケモノヘンの感じでいくなら「独」のほうがいいような気もします。「独り善がり」の「独」でもありますし。

    あ、間違えました。「独」の積りでした。(笑)

    菅首相は完全に「独」ですね。で、「独」の次のけものへん漢字は何?と言われても、どうしてもイメージが湧かないんです、実は。ということで、先は長くなさそうな気がしています。
    2015年08月10日 16:47
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    > 勝手に「ひとりぼっち」になるのは別に咎めやしない
    > けれど、首相の身で行うべきものじゃない。

    日比野庵殿の言葉に尽きる. マルキスト達は共通の
    悪だくみは一緒にできるが, 正答を一緒に探すことは
    できない. まあ, 議論のできない危ない子供達だ.

    それにしても, 菅氏の言う「開国」の意味が不明.
    例えば記事では,

    > 多くの外国の人がやってきて日本の料理ほどおいしい
    > ものはないと、日本の食べ物ほど安心しておいしい
    > ものはないということを口々に言われます。
    > そういう意味では、農業も開かれた農業にしていく
    > ことは私は可能だとこう考えています

    何で「そういう意味」なのか?
    どうも外国人が日本で好き勝手に振舞えるようにする
    としか考えられない.

    結論: マルキストはマルキスト. 自虐的反日運動家以外
    の何ものでも菅氏はない.
    2015年08月10日 16:47
  • 「ど」の字

    あけましておめでとうございます。

     まあ何とも空気が読めない(ネガティブな現実だから直視したくないのか?)年頭記者会見をしてくれたものです。日本の品性まで問われかねない醜態には呆れ果てます。
     日本憲政史上最低首相の汚名を(それまでの村山総理から)更新してくれた鳩山前首相も大概でしたが、同レベルの愚劣振りを見せられようとは。
     末期では「一人与党」になるというお笑い状態の国政で韓国を停滞させた、あのノムヒョン大統領を笑えなくなってしまいました。

     マスコミの偏向扇動に乗せられて民主党に投票した人々に、今の混迷した日本についての感想を聞いてみたいものです。
    「警告する人は幾らも居たのに、こうなることが分からなかったのか?」と文句の一言も添えて。

     あと、小沢氏についてですが、この人もベクトルが違うだけで日本に対する破壊力は鳩山・菅の両総理と変わらないと思いますよ。
     小沢氏は、田中角栄の汚い部分の手法だけは取り込めましたが、その目指す政治も人格も何ら学び得ませんでした。
     彼はただの選挙参謀です。未だに選挙参謀をしているつもりなんです。
    2015年08月10日 16:47
  • almanos

    ここまで独りよがりなのは歴代首相でもいないでしょうねぇ。国会開会を送れさせたい訳です。小沢氏よりでなくても「これなら一か八かにかけるしかない」と内閣不信任案に賛成する造反議員が出てもおかしくない。馬鹿殿の押し込めを民主党がやらないと一緒に全滅しますねこれは。両院議員総会で代表を引きずりおろされても首相をやりそうです。「首相は代表でなくてもできるから」といって。マジ内閣不信任案可決以外に道無いでしょうね。これは。総会までに何人まだ小沢がマシと逃げるか楽しみです。
    2015年08月10日 16:47
  • sdi

    「狡」から「弧」へ。とうとう漢字がケモノヘンで無くなってしまいました。
    ケモノヘンの感じでいくなら「独」のほうがいいような気もします。「独り善がり」の「独」でもありますし。
    空き菅殿のファンは、私が見聞きした範囲では結構多かったのです。厚生大臣のとき、厚生省内部の部局間の対立を利用してガサ入れをして血液製剤についての文書を発見したときの「偉業」を今でも称える人がいるくらいです。(当時はもっと多かったでしょうね。時事ネタの風刺マンガでは英雄でした)
    空き菅殿の年頭会見、「ひょっとして、本人は初心に帰ったことを表明して支持を集めるつもりなのか?」と動画を見て思いました。状況判断のための情報収集ルートがあまり偏っていて、本人やその周辺が「斜め上」の判断をしまくっているのか?ということもありえるかもしれません。
    2015年08月10日 16:47
  • 白なまず

    「独」の次は「狼狽」→「抜かす」→「黙る」ではいかがでしょうか。
    2015年08月10日 16:47

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