リビアが緊迫している。
チュニジアで発生した、ジャスミン革命が、アラブ諸国を大きく揺るがしている。
中でも、尤も激しいのがリビア。
リビアはその正式名称を「大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国」といい、通称であるリビアは、ギリシャ神話に出てくる、エパポス (Epaphus) とメンピス (Memphis) の娘、リビュエ (Libya) を由来とする。
リビア、チュニジア、エジプトの3ヶ国は、何百年にもわたってオスマン帝国の領土で、一時期、イタリアの占領下におかれた時期を経て1951年に独立。1963年にリビア王国が成立した。
そして、1969年9月に、当時青年将校だったカダフィ氏らによるクーデターで、リビア国王イドーリス1世は退位し、カダフィ氏を事実上の元首とする現在のリビアとなった。
リビアは歴史的に3つの地域に分かれ、首都トリポリを中心としてミスルータやスィルトのような都市を含む、リビア北西部のトリポリタニア。ベンガジを中心とするデルネ、トブルクなどの都市を含む、北東部のキレナイカ。そして、南部内陸部のチャドにつながる広大な砂漠地帯のフィザーンよりなっている。
この3つの地域は同時に、遊牧部族ごとの、部族意識の差も伴っているとされている。
また、チュニジアとエジプトに挟まれたリビアは、国の西側はチュニジアの、東側はエジプトの影響を強くうけてきた。特に、国の西側に位置する首都トリポリと、東側のベンガジとの距離は1000キロ以上あり、ベンガジにはトリポリの影響が及んでいないとも言われている。
リビアは反政府デモが勃発したチュニジアやエジプトとは違って、石油資源が豊富で、埋蔵量はアフリカ最大ともいわれ、輸出の大部分は石油が占めている。
だけど、リビアの人口は642万人と、エジプトの8200万人、チュニジアの1043万人と比較して少ないため、一人当たりのGDPは12,062ドル(US$)あり、エジプトの2,771ドル(US$)、チュニジアが4,160ドル(US$)とは段違いに大きい。
したがって、リビア国民は他の北アフリカ諸国と比べて裕福であると見られていたのだけれど、カダフィ氏は1969年の実権掌握以来、国民に自らへの個人崇拝を強いるとともに、恐怖政治を敷き、特に、反体制派への対応は厳しく、拷問は常態化していたようだ。
こうした残虐さに加えて、「そのときの気分で命令を下す」カダフィ氏への反発は、軍や政権内だけでなく、部族にも鬱積していたという。
そんな中、2月21日、カダフィ氏は、トリポリや近郊都市で反政府運動を行うデモ隊や市民に、軍による空爆を行い、虐殺し、武力弾圧の姿勢を鮮明にした。自国民に銃口を向けるなど有りえない。酷いを通り越している。
カダフィ氏のこうした武力弾圧命令に腹を据えかねたのか、リビア空軍機2機がベンガジへの空爆命令を拒否し、地中海のマルタ国際空港に着陸、パイロットが亡命を求め、同じく、ベンガジの「稲妻部隊」と呼ばれる治安部隊の一部が武力弾圧を拒否し、カダフィ大佐に忠誠を誓う精鋭部隊と交戦、ベンガジは反政府側の支配下に落ちた。
更に、リビア軍の将校団は、21日、武力弾圧に対する声明を出し、兵士に対してカダフィ氏の排除のため市民と合流するよう呼びかけをおこなった。
この時点で、もう事実上の内戦に突入したといっていいだろう。
また、20日には、アラブ連盟のリビア代表が武力弾圧に抗議して辞任。翌21日には、カダフィ大佐の側近であるアブドルジャリル法相も、「過度な暴力」を理由に辞任した。
この、アブドルジャリル氏は、ベンガジで、東部部族の代表たちと会談し、暫定政権の設立を表明した。
東部自治体の有力者らで構成する自治委員会は、アブドルジャリル氏を暫定政権の指導者に任命し、アブドルジャリル氏は、国軍を離反した複数の司令官らを内閣に登用し、3カ月以内に自由で公平な選挙を実施する方針を伝えている。
また、アブドルジャリル氏は、一連の混乱の責任がカダフィ氏にあると非難する一方、体制を支えてきた出身部族には責任がないとして、国民に和解と連帯を呼び掛けているようで、反政府運動の糾合を狙っているものと思われる。
まぁ、自国民を空爆するような独裁者が相手なのだから、国際的にも、国内的にも、アブドルジャリル氏に支持が集まることはほぼ確実。
21日以降には、世界各国に駐在するリビア大使が続々と辞意を表明して、カダフィ氏の退陣を要求しているし、26日には、アメリカのオバマ大統領がドイツのメルケル首相と電話で会談し、その中で、国連安全保障理事会で、リビアのカダフィ政権に対する制裁決議が採択されたことを歓迎するとともに、自国民に攻撃を加えているカダフィ大佐は、すでに指導者としての正当性が失われているとして、即刻辞任すべきだという考えを伝えている。
現在、トリポリ市内では政府から武器を渡されたカダフィ派住民が監視巡回し、政府の統制下にはあるものの、数カ所で散発的な衝突も起きているという。
まだ、しばらくは、リビア政府と反政府派との戦闘は続くと思うけれど、カダフィ氏の命運はほぼ尽きたとみていいように思われる。
革命によって独裁を敷くものは、いつか革命によって倒される運命にある。

この記事へのコメント
almanos
白なまず
括りとは弥勒の世への進路のマイルストーン、アラブが纏まればいずれエジプトがイスラエルを押さえる。エジプトがイスラエル(神と戦う)へ侵攻すれば、ロシアが追い払う。すでに3000年以上前から計画された括りの導き。イスラエルは古代ユダヤ人の罪穢れを払う為に使われる。古代ユダヤ人の多くは現在のアフリカ北部やパレスチナ、イラン等に潜んでいる。イスラエルの民の行場所は、、、何処だろう。
古代ユダヤの王家の末裔はEUに世界政府を作る計画で、アメリカに渡ったユダヤ人はアメリカに世界政府を作ろうと計画を進めてきた。時節到来すれば、二大勢力の権力闘争に発展する。世界政府の計画は140年前にアメリカの石屋が計画し、その為日本はペリーに恫喝され、幕末になり、ロシア帝国を潰すため、日清、日露戦争へと引きずり込まれ、オマケに戦争の資金を石屋に借りると言う事になり、それでも何とか借金を返したので、これは使えると見込まれて、日本の支配階級にまで石屋の影響下に取り込まれさらにアジアを世界政府の支配下にする為に大日本帝国は使われてしなくても良い戦争を起こ
ちび・むぎ・みみ・はな
これが支那の将来にどんな影響を及ぼすのか.
それはそうと, この世界の混乱期,
あの国の国連事務総長は大丈夫かね?