小沢の大局観と菅の近視眼(会派離脱宣言の裏にあるもの 補追)

 
会派離脱宣言の裏にあるもの」のエントリーで、sdi様から興味深いコメントをいただきましたので、そのお返事も兼ねて、補追エントリーします。

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まずは、いただいたコメントを次に引用します。
私の今回の印象は「たった15人?」というものでした。比例選出議員故の立場の弱さが最大の動機という指摘は鋭いですが、民主党代議士の1割にも届かない数です。鋼腕殿の差し金としたら、当の本人はまだ条件闘争の余地ありと思っているのでないでしょうか?菅・仙谷らが妥協ないし屈服しないなら会派離脱の人数を増やしていけばよい、という腹なのではないでしょうか。さすが日本一の政局家、といいたいところですが「そんな小手先の術策を弄している段階かな?」と突っ込みたいです。
彼らが自分たち行動・主張について「正統性」(legitimacy)を獲得たいのなら、「鳩山自由党」のように離党ないし分党するのが筋と思いますね。なにしろ、当時の鳩山派に比べて遥かに「正統性」(legitimacy)を得やすい状況です。それをしないの「したくてもできない」のか「最初からやる気がない」のどちらかです。また、小手先術策レベルの思考でいくなら小選挙区選出議員にとって比例オンリーの議員が減れば自分が比例区で復活救済される確率が上がります。「比例でしか当選できないヤツはもっと減ってくれないかな」と内心思っていているかもしれませんよ。
会派離脱宣言の裏にあるもの」 sdi様のコメント


1.両睨みの布石

21日、民主党の会派を離脱した"造反16人組"のうちの8人が、赤坂新たに構えた事務所に集まり、今後の結束を確認した。今後は毎週水曜日に集まるようだ。

造反16人組の1人、石井衆院議員は、19日、地元・茨城の後援会の会合に出席した際、新党結成も勧められていたそうなのだけれど、本人は「ともかく民主党の中で頑張る」と、離党を否定している。

確かに、sdi様の指摘のとおり、造反の意思を明らかにしたくせに、離党しないというのは、離党したときと比べて、自分たちの主張について「正統性」を得るという面では弱い部分があることは否めない。

マスコミも16人組に対しては批判的。

朝日新聞は社説で「異様な行動に理はない」と批判し、産経も「呆れる"権力闘争ごっこ"」と同調。日経は「無所属に転じるか、議員辞職するのが筋」とし、毎日は「会派離脱は筋が通らぬ」、そして読売も「姑息な印象がぬぐえない。いっそ集団離党する方がすっきりする」とぶった切り。

まぁ、全国紙全部、16人組を批判している。因みにこれは地方紙でも大差なくて、秋田魁新聞は「責任政党の自覚を持て」、愛媛新聞は「こうした低次元の騒動が、多くの国民を裏切り、政治不信を増幅させるだけだ」、と手厳しい。

何故、彼らは離党しないで、会派を離脱するという分かりにくい行動を取ったのか。

ここからは単なる推測になるのだけれど、大方が睨んでいるように、彼らの行動が、小沢氏の差し金だったとするのなら、おそらくは、解散総選挙にも、内閣総辞職にも、どちらにも対応できるようにという"両睨みの戦略"ではないかと思われる。

もしも、解散総選挙となれば、先の「会派離脱宣言の裏にあるもの」のエントリーで述べたように、造反16人組は、もともと比例単独での当選者。ただでさえ大逆風の民主党の公認を受けたとて、勝てる見込みはない。それよりは僅かの可能性に掛けて、他の野党に鞍替えするか、あるいは、一部で噂される、鳩山・小沢新党に合流するという線を考えたほうが、まだ望みがある。

また、内閣総辞職の場合は、後継首相を巡って、菅サイドと小沢サイドとの間に、党内の主導権争いが起きると思われるのだけれど、当然、小沢氏にとっては、反菅勢力として自分の側に一人でも多くの議員が居た方がいい。そのために、彼らをわざと離党させないのだと思う。もちろん、彼らを離党させてしまうと、小沢氏の勢力がその分削がれるから。

今後、もしも、菅首相が引きずり降ろされて、総辞職したあと、小沢グループが党内主導権を握ることができたなら、小沢氏は、幹事長職を抑えて党の金を握り、適当な誰かを首相に立てて、選挙管理内閣を作るだろう。そして、政権交代のマニフェストを守ると宣言しながら、裏で糸を引いて、解散させる可能性だってある。当然、菅・仙谷グループの面々には、碌に公認も与えず、抹殺する。それくらいのシナリオを描いているのではないかとさえ。

つまり、造反16人組を温存することで、解散にも、総辞職のどちらにも睨みを利かせられる布石として、彼らを打っているように見える。16人を攻めにも守りにも使っている。




2.小沢の大局観 菅の近視眼

傍からみれば、造反16人組は、小沢氏の別動隊、悪い言葉でいえば、"使い捨て"、あるいは"捨て石"にしか見えないのだけれど、彼らは比例単独で次がない、という弱みを抱えている。だから討死覚悟で突撃するしかない。まぁ見ようによっては"可哀想"だと言えなくもない。

小沢氏は、まず彼らを布石として打っておいて、様子を見ながら、次の石を打つように思われる。なぜなら、解散権や党の実権は、依然として、反・小沢グループである、菅・仙谷ラインが握っているから。

権力自身は彼らのものなのだから、焦って勝負に出ても、潰されてしまう危険がある。だから慎重に事を運んでいる、とみる。

では、どうしようとしているのか。

権力を持たない小沢氏が、権力のある菅政権を打倒しようと思ったら、その方法はただ一つ。党内外の多くの議員を味方につけて、数の論理で引っくり返すしかない。だけど、今の野党は小沢氏の証人喚問を求めていることから分かるように、「反・小沢」のスタンスでいるから、表だった協力は当てにできない。とすると、民主党内の勢力を増やすしか当面方法がない。

そのためには、自分におおっぴらに従わないまでも、状況の変化によって、菅首相から距離を置くように仕向けばいい。すなわち、菅政権の求心力が落ち、このままでは、次の選挙に勝てない、むしろ、反・菅政権の立場のほうが票になる、と思わせるように仕向けるだろうということ。

おりしも、ねじれ国会で、ただでさえ法案が通らないところに、菅首相の度重なる失言や統治能力の無さが露呈して、どんどん支持率が落ちている。そこへきて、社民との連携は頓挫し、造反16人組によって、衆院2/3の再可決の目も潰された。

そして、小沢氏は、弱ってのたうちまわる菅首相に向けて、第二、第三の矢を放ってくると思われる。実際、小沢グループは、政務三役の集団辞任などを念頭に置いているとも囁かれている。

そうかと思えば、返す刀で、2月8日には、名古屋市長の河村氏、愛知県知事の大村氏と会談して連携を確認し、21日には、原口前総務相と会談して、河村たかし名古屋市長の政治団体「減税日本」など地域政党との連携を強化していく考えを打ち出した。

小沢氏は、解散になっても、こちらの方が勝てる見込みがあるぞ、と着々と布石を打っている。

こうして、ゆっくり、じっくりと、菅サイドにいる議員を減らしつつ、小沢サイドになびく議員を増やそうとしている。だから、今のままで、時間が経てば経つほど、小沢氏側につく議員が増えないまでも、菅首相の下を去ってゆく議員が増えていくだろうと思われる。

この小沢氏の戦略に対して、民主党執行部は何ら有効な対策を打っていない、或いは、打てていないように見える。

「どんな嵐来ても頑張る」などと、口だけは威勢がいい首相様は、また内閣改造して、国民新党の亀井代表を副総理として再入閣させるプランを検討していると言われているけれど、いくら亀井氏と小沢氏の中がいいからといって、亀井氏を入閣させれば、小沢氏が協力するとでも思っているのだろうか。あまりにも、その場しのぎで近視眼的。小沢氏の手と比べるとあまりにも稚拙に過ぎる。

大局観と近視眼の戦い。

菅首相が小沢氏の狙いに気付いたとき、彼は、対抗意識を剥き出しにして、解散に打って出る可能性もあるのではないかと思っている。




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画像会派離脱を宣言した民主党議員16人、新事務所で今後について会合 あらためて離党否定

菅首相退陣論に火をつけた「16人の反乱」から4日。週明けも政界を揺らし、攻防は緊迫の度を増している。
会派離脱を宣言した16人が新たに構えた東京・赤坂の事務所に21日午前、半分の8人が集まり、今後も結束して行動していくことを確認した。
渡辺 浩一郎議員は「ぜひ皆さん、同じ気持ちで、結束して、これからいろんな場面に対応していきたいと思います」と語った。
一方、菅首相は21日朝、いつも以上に元気な声で記者のあいさつに応じていた。
予算委員会で菅首相は、身内民主党の村越祐民議員から「政権の維持が自己目的化してしまっている。そういう批判を受けてしまっても仕方がないと思う」と言われ、「社会保障と税の一体改革をやらなきゃいけない。この時期に政権を預かった。その歴史的使命を感じて頑張り抜きたい」と、社会保障改革に向けた政権維持に強い意欲を示した。
菅首相は18日、党の内外に広がる退陣論に対して、「(解散の選択肢は?)国民にとって何が一番重要か、必要か。それを考えて行動します」と述べ、衆議院の解散を否定しないことで、解散カードをちらつかせた。
内閣を支える江田五月法相も20日、「総理大臣の一番の武器は解散ですから。何も自ら手を縛る必要はない」と述べた。
こうした中、連立を組む国民新党の下地幹郎幹事長は、21日の委員会で、「自民党が『解散した方がいい』というときは、解散しないのが当たり前。絶対に解散しないで頑張る」と、今は解散すべき時期ではないと、菅首相に直接くぎを刺した。
これに対し菅首相は、「大変貴重なアドバイスいただきました。ありがとうございました」と述べた。
今回反乱を起こした16人は、いずれも先の衆院選で比例単独候補として当選していて、もし今、解散総選挙となれば、小選挙区などの地盤を持たない彼らが国会に戻ってくるのは困難とみられている。
16人のうちの1人、石井 章衆議院議員は19日、地元・茨城で今回の行動について説明した。
石井議員は「われわれの議員の中でも、菅さんの下ではなかなか選挙を戦えないと」と述べた。
石井議員も、政権を奪取した2009年の総選挙で、北関東ブロック31位ながら、民主の風に乗って当選した。
地元後援会の会合では、新党結成も勧められていた。
石井議員は「約束守っていない菅さんとか、あの方々が民主党から出ていってもらいたい」と述べた。
菅首相が解散カードをちらつかせていることについて、渡辺委員は「僕らは比例区ですから、何ともわからないですから。地元があるわけではないので。ともかく民主党の中で頑張る」と、あらためて民主党離党を否定した。

URL:http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00193445.html



画像民主・会派離脱議員会合へ 菅総理“辞任”に結束(02/21 11:53)

 「菅降ろし」と「解散風」が交錯し、党内が緊迫化するなか、その菅降ろしの発信源となった「会派離脱」議員らの初会合が21日に行われます。

 会派離脱を表明した議員が事務所に集まってきています。菅総理大臣を総辞職に追い込むため結束を図ります。小沢グループは、「菅総理は解散できない」とたかをくくっています。さらに、「二の矢、三の矢がある」と自信を見せていて、政務三役の集団辞任などを念頭に置いています。一方、菅執行部は、22日にも小沢元代表の処分を正式決定します。数少ないカードの一つ「小沢切り」で支持率回復を狙っています。
 民主党・村越祐民議員:「例え合法であっても、国民の皆さんから見て不当な問題、国民の皆さんの理解が得られない問題がいくつかある」
 菅総理大臣:「私もその通りだと思っています。かつて、金権政治と言われたような時代のあった自民党のように、金で政策や人事が動くようなことがあってはならない」
 菅総理は周辺に「絶対に辞めない」と明言していて、菅降ろしを主導する反執行部と党内抗争は分裂含みの様相です。

URL:http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210221015.html



画像小沢氏が河村氏らの地方政党との連携強化

民主党の小沢一郎元代表は21日夕、原口一博前総務相と都内で会談し、河村たかし名古屋市長の政治団体「減税日本」など地域政党との連携を強化していく考えを表明した。

 小沢氏は、河村氏のほか、大村秀章愛知県知事や橋下徹大阪府知事に言及。「民主党の原点を大事にしながら広く糾合していくことが大事だ」と強調した。

 別の小沢氏支持議員との会談では2011年度予算関連法案について、社民党などが反対している現状では成立は厳しいとの見方を説明。「政府、与党としては何としても通さなければならない。どうすればいいのかみんなで考えないといけない」と強調し、「ここ1、2週間が正念場だ」とも指摘した。(共同)

URL:http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20110221-739791.html



画像首相「どんな嵐来ても頑張る」解散武器に決意

 菅首相は20日午後、首相公邸で民主党菅グループ座長の江田法相と約1時間半会談し、社会保障と税の一体改革の実現などを目指し、引き続き政権運営にあたる方針で一致した。

 首相は党内から退陣論が出ていることに関し、「こういう時こそしっかり立っていることが大切だ。どんな嵐が来ようが頑張る」と述べ、政権維持への決意を強調した。江田氏は会談後、記者団に「(首相とは)毅然(きぜん)として頑張っていこうということで一致した。(衆院を)解散しようとかそういう話はない。ただ、首相の一番の武器は解散だ。自ら手を縛るような必要はない」と語った。衆院の「解散カード」をちらつかせることで退陣論をけん制したものだ。

 民主党の岡田幹事長は20日、三重県伊勢市で記者会見し、首相退陣と引き換えに野党に2011年度予算関連法案成立を求めることは「全く考えていない」と否定。「我々が選んだ首相を支えなければ、国民の信頼を失う。とことん支えぬく姿勢を党所属国会議員に求めたい」と強調した。衆院解散に関しては「予算関連法案を中途半端にして解散はあり得ない」と語った。

(2011年2月21日07時26分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110220-OYT1T00733.htm



画像菅包囲網に打開策?亀井氏再入閣で副総理?(02/21 18:16)

 菅降ろしが広がっていますが、菅総理大臣はどう対応するのでしょうか。

 最新情報では、与党幹部から「内閣を改造して局面を打開しよう」という仰天プランが浮上しています。具体的には、国民新党の亀井代表を副総理として再入閣させるという案です。亀井氏は、社民党や小沢元代表とも良好な関係を続けています。亀井氏を閣内に入れることで、再可決に必要な3分の2の議席を確実にしようというものです。これに関連する動きなのか、北沢防衛大臣が亀井氏の事務所を1時間にわたって訪れていました。北沢大臣は、先月の与謝野大臣の入閣をめぐっても菅総理の密使として動いていました。ただ、わずか1カ月でもう一度内閣を改造するというのは明らかな奇策で、裏を返せばこんな話が浮上するほど菅政権が弱っている証拠でもあります。菅総理としては、局面打開のための明確な戦略が描けていないというのが現状です。

URL:http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210221033.html

この記事へのコメント

  • itukyuu

    >生き残って何をするのか.
    オザワ・最近の顔は、一時の迷いが見えた先日迄と、極端に変化。
    【吹っ切れた】感じが、漂っている?・・・と看破します。
    残るは、<塀の中に入らない事>。是は確実に可能と認識しています。
    何故なら<金・竹・小>のラストを締め括る、ニラミの材料が未だ存在する?と認識しています。政局に持ち込み、駆け引きするには、管理人さんの論理は正解。時間が稼げる立場が、勝負に強いとの認識は同じです。
    空き缶は【最後まで権力の座に固執】。引きのタイミングは既に失なっています。結論は解散・崩壊<伸子夫人が引いているのがその根拠>。
     マヌケな亭主の思考・判断は、年上の優秀な頭脳を持つ女房を観察していれば判断できる筈。鳩ポッポのシャボン玉・女房と比較すれば【歴然】。
    2015年08月10日 16:47
  • almanos

    裁判で動きにくいと言う事も考えると、両方に対応した形を取るのが当然なのでしょうね。ただ、一手一手詰めていくとしても相手は空き管。いざとなると解散という盤面をひっくり返しでご破算に追い込むリスクもある。それに、小沢氏の地元はともかく小沢氏の臭いがする候補者を先生にする地元が果たしてどれくらいあるか? そこが難しいでしょう。空き管はもう後がない。解散した時選挙で公認を受けられる見込みは既に無い。要するに後を考えた手を打つ余地は既に残っていないのではないでしょうか? ならば道連れだに着々と近づいている。そう思えます。日本にとっては良い事ですけど。
    2015年08月10日 16:47
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    > 大局観と近視眼の戦い。

    泥船の中の戦い.

    尖閣にしても沖縄問題についても何もコメント
    しない, あるいは, できない時点で小沢氏は
    終っていると思う.

    原口氏にしても河村氏にしても小沢氏と本当に
    組むと大変になることを知っている. それらしく
    広めているのは小沢氏サイドだろう.

    菅氏にしても, 小沢氏がアウトなのは本能的に
    分かっていると思う. 彼が考えているのは
    小沢氏とは関係のない生き残りプランではないか.

    2012年に小沢氏は70歳. 小沢氏は自分の生き残り
    で必死なのだろうが, 生き残って何をするのか.
    2015年08月10日 16:47

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