「菅直人首相は確か離党してくださいと言った。普通は、離党しないと言ったら除名になるが、逆に処分が軽くなった」石原伸晃幹事長
共同通信社が2月11~12日に行った全国電話世論調査によると、菅内閣の支持率は19・9%と、とうとう20%を割り込んだ。
ついこの間内閣改造して、梃入れを図ったかと思ったら、もうこの有り様。
政権浮揚したい今の菅首相には、小沢氏を離党させるカードくらいしか残っていない。
菅首相は、その小沢氏と先日会談して、自発的離党なるものを懇願したもののアッサリ拒絶され、除名どころか党員資格停止でお茶を濁そうとしている。
もうグダグダ。何をしたいのかさっぱり分からない。
2月9日の党首討論でも、菅首相は、グダグダと中身の薄い強弁を繰り返していたけれど、それさえも、カンニングペーパーを見ながらのものだということが報道されている。
写真にばっちりと収められた、そのマニュアルには次のように記されていた。
×アンサー・タイム
○クエスチョン・タイム
×詰問・追及・攻撃 ×対決、ケンカ
○真摯に議論したい姿勢でお尋ね
×感情(怒り・苛立ち)を表に
○感情(本当に進めようよ!)を表に
×無難に乗り切る時間にしよう
○国民に示す時間にしよう
×政策の比べあい
○リーダーの器の比べあい
(どちらが国を託すにふさわしいか)
国民に見せたいイメージ
★「大局を見つめる菅」vs「政局しか見ない谷…」
★「真剣に議論を呼びかける菅」vs「拒む谷…」
★「国を考えてる民主」vs「党を考えてる自…」
★「菅の質問に答えず、言いたいことを…」
書かれている内容から明らかに、×はやってはいけないことで、○を表にだすようにというマニュアルかと思われるのだけれど、一体、何の冗談なのか。イラ菅に向かって、"詰問・追及・攻撃"や"苛立ち"を露わにしてはいけないなんて、自己矛盾もいいところ。
そして、おやっと思ったのは、「政策の比べあい」が×になっているところ。
党首討論で、政策について議論しなかったら、一体何のための討論なのか。筆者は、党首討論でこそ、自分の政策を開陳して広く支持を訴えるべきだと思うのだけれど、そうではなくて"リーダーの器の比べあいをせよ"とカンペは指示する。
これを、以前紹介した戦略の7階層に当てはめて考えてみると、「政策」は戦略の7階層では2番目に位置する上位の概念。これより上の概念は、人生観、歴史観、地理感覚、心、ビジョンといった「世界観」しかない。
従って、このカンペのとおりに党首討論に臨むとするならば、菅首相は、日本とは何であって、世界においてこれこれの役割がある、だからこういうビジョンを持っているのだ、などと「世界観」を示さなければならなかった筈なのだけれど、菅首相が語った内容は、「4月に纏める」だの、「6月に案を出す」だの、"仕事の仕方"ばかり繰り返し述べていた。
この「仕事の仕方」は、戦略の7階層に当てはめれば、下から3番目の「作戦」階層にあたり、「政策」階層よりずっと下に位置する概念になる。
谷垣氏が、"本当にやり切る覚悟があるのか"、すなわち「政策(生き方、ポリシー)」であったり、"税の積算根拠になるような具体的な案を出すのか"、すなわち「大戦略(兵站・資源配分)」若しくは「軍事戦略(仕事の種類)」といった、上位概念の質問をしているにも関わらず、菅首相は相変わらず、それより下の階層である「作戦」レベルの受け答えに終始していた。
従って、「政策」や「大戦略」階層の質問に対して、最上位階層の「世界観」を示すどころか、はるか下の「作戦」階層で答える愚を犯してしまったといえる。
まぁ、確かに、谷垣氏の質問の階層と異なる階層で答えることで、カンペの指示どおり、政策の比べあいはしなかったし、菅首相の器が谷垣氏のそれに及ばないという意味での"器の比べあい"をしたかもしれないけれど、カンペの目指した方向とは明らかに反対の方向にいってしまってる。
これでは、党首討論をみた人の多くは、国を託すにふさわしいのは、少なくとも、菅首相ではないと思ったことだろう。明らかな失敗だと思う。
カンペを持ち込むのはもとより、カンペの存在をあそこまではっきりと撮影されてしまう、わきの甘さがあるだけでも、リーダーとしての適性に疑問を抱くのに、カンペを見てさえも、指示どおりに出来ない体たらくともなれば、今後、党首討論をすればするほど、ボロを出すだけなのは明らか。これで、次の党首討論が行われる可能性はうんと低くなったのではないかとさえ。
カンペを作ったのが誰なのかは分からないけれど、がっくりきているのではないか。
ビジョンを示せないリーダーは一国の宰相の器ではない。
3月危機が囁かれる首相の瞳に映るメモリーズラストは一体何だろうか?
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小沢氏処分「軽くなった」=石原自民幹事長-社民は民主対立懸念
自民党の石原伸晃幹事長は14日、民主党が小沢一郎元代表の党内処分を「党員資格停止」で決着させようとしていることについて「菅直人首相は確か(小沢氏に)離党してくださいと言った。普通は、離党しないと言ったら(党を)除名になるが、逆に処分が軽くなった」と批判した。
また、「決めるべきなのは証人喚問だ」と引き続き小沢氏の証人喚問実施を求めていく考えを示した。党本部で記者団に語った。
共産党の市田忠義書記局長も記者会見で「(小沢氏の)党員資格がどうなろうと、国会での説明責任を免れるものではない」と述べた。
一方、社民党の又市征治副党首は民主党との予算修正協議で、小沢氏の処分に反対する立場から、「党として本当に予算を成立させる気があるのか。真剣さが伺えない」と述べ、2011年度予算関連法案の採決で小沢系議員の造反に発展しかねない民主党の動きを懸念し、苦言を呈した。(2011/02/14-22:03)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011021400748
内閣支持、最低の19%に 79%が与野党協議支持
共同通信社が11、12両日に実施した全国電話世論調査によると、菅内閣の支持率は19・9%と先月中旬の前回調査から12・3ポイント下落し、発足後最低となった。20%を割り込んだのは鳩山内閣が退陣直前に記録した19・1%以来。野党が参院で過半数を占める「ねじれ国会」への対応に加え、支持率急落で菅直人首相の政権運営は一層厳しくなるのは確実だ。
社会保障と税の一体改革に関し、79・8%が野党も与野党協議に応じるべきだと回答し、政治資金規正法違反の罪で強制起訴された小沢一郎民主党元代表の対応をめぐっては52・8%が議員辞職を求めた。
内閣不支持率は前回53・9%から63・4%に上昇した。理由として「首相に指導力がない」が30・5%と最多。次いで「経済政策に期待が持てない」の27・4%で、内閣改造直後の前回から5・2ポイント増となった。
一体改革の与野党協議で「野党は応じなくてもよい」と回答したのは13・3%。一体改革に伴う消費税率引き上げでは「どちらかといえば」を含め賛成が55・9%、反対が41・9%だった。適当だと思う税率では「8%程度」が47・3%と最も多く、「10%程度」33・5%、「15%程度」4・7%と続いた。
2011/02/12 20:34 【共同通信】
URL:http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021201000359.html
菅首相 党首討論に「×詰問 ○真摯に」などのカンペを持参 2011.02.14 10:00
首相就任から8か月、菅政権で初めてとなる党首討論でのこと。自民党の谷垣総裁から「マニフェスト破綻内閣」「税制改革の前に解散しろ」と、矢のような口撃を受けた首相は、「議論もしないで解散しろというのは、国民の利益より党の利益を優先した提案ではないですか」と、“真摯な姿勢”で“お尋ね”した。
さて、そんな首相の手元をご覧ください(写真)。どうやら「国民に見せたいイメージ」があったようです。
「国を考えてる民主vs党を考えてる自民」「大局を見つめる菅vs政局しか見ない谷垣」「真剣に議論を呼びかける菅vs拒む谷垣」――。
なんともセコすぎる“菅ペ”。
そんな“初党首討論マニュアル”には、「×詰問 ○真摯に」「×無難に乗り切る時間にしよう ○国民に示す時間にしよう」「×政策の比べあい ○リーダーの器の比べあい」なんて大変貴重な手ほどきまで書いてありました。
子ども手当も沖縄問題も、なんにもマニフェストが実現されていない民主党政権に、もう国民はみな「感情(怒り・苛立ち)を表に」し始めておりますよ、総理!
撮影■太田真三
※週刊ポスト2011年2月25日号
URL:http://www.news-postseven.com/archives/20110214_12689.html
この記事へのコメント
白なまず
almanos
sdi
最近の民主党支持者が地方行政レベルの話ばっかりして、国政についての話題に話が持っていかないようにしている現場に遭遇しました。内心「やれやれ」と辟易しながら話だけは聞いてあげましたよ。
白なまず
【「誠の神がかり」とは、「本心100%」】
http://jinga123.blog118.fc2.com/blog-entry-229.html
「本心」は、心の中の「最も強い思い」とは一致しないことがあります。
「最も強い思い」とは、「最も強い欲望」とも言えます。
「最も強い欲望」で動く時、「欲心100%」になっています。
ヒトではなく、ケモノになっています。
「これが本心かどうか」は、自分自身しか分かりません。
ス内パー
あれも開国した人間がどうなったかを知ってれば皮肉にしか見えない代物ですが
本当に馬鹿にされてるというか皮肉がわかってない感じですな。>カンペ