進次郎議員の質疑の特徴

 
進次郎議員が2月7日、8日と立て続けに予算委員会の質疑に立った。

画像


久しぶりに進次郎議員の質疑を見たけれど、相変わらず、上手い質問をしている。まぁ、筆者もそれほど多くの質疑を見ているわけではないけれど、普通の質問では、たとえば報道ではこれこれというのがあるが、そうなのかとか、自分はこう思うがどうか、といった具合に、自分が聞きたいことや、相手に自分の意見を肯定させようとするかのような質問が多い印象がある。

だけど、あまりに直球な質問ばかり続けると、どこかの前首相のように「そういう意味でいったのではない」とか、言われて逃げられてしまう危険がある。特に、菅首相のような、嘘つき宰相とか、追いつめられるとジミンガ-ばかりいう大臣が多い民主党閣僚に対しては、慎重な質問を行う必要があるのではないかと思う。

進次郎議員の質疑は、小さなところからスタートして、ひとつひとつ証拠固めして、逃げ道を無くしておいてから、最終的に聞きたいことを聞く特徴があるように感じている。

しかも、その小さなところの証拠固めは、細かい質問を重ねて、「相手に喋らせる」ことでその証拠にする手を取っている。

相手の答弁が要領を得ないのであれば、いちいち、「これこれこういうことですね」と確認を取って、土台固めをしてから次の質問に進めている。詰将棋でも見ているかのよう。実に手堅い。

そして、進次郎議員の細かい質問は、民主党議員の過去の発言をベースにしているから、質問されたほうも簡単に否定しにくい。今回の質疑では、進次郎議員が閣僚の過去の発言を引き合いに出して、質問したことに対して、答弁にたった閣僚は、いつどこで発言したのかはっきりしてほしいとか、そういう発言をしたのか確認させてほしいなどと逃げを打っていた。特に、蓮舫大臣はそういう態度が目立っていた。

進次郎議員は、それに対してさえも、議員のメルマガからの発言だとか、12月19日の日経新聞に名前付きで載っているとか、その逃げさえも許さない返答と準備をしている。

よほど、優秀なスタッフに恵まれ、準備に時間をかけているのだろう。とても一日、二日でできるものではない。



そうした、進次郎議員の詰将棋な質問によって、年金改革案には財源の裏打ちがなかったことが明らかになった。前から指摘されていたこととはいえ、こうして次々と民主党の欺瞞が暴かれてゆく。

今回の予算委員会で、進次郎議員は一貫して、23年度予算はマニフェスト違反だと指摘し続けている。それに対して民主党の答弁は、4年かけてやるだの、それはマニフェストとは別だのと、マニフェスト違反ではないと否定し続けている。決して謝らない。

民主党にとっては、今の状況でさえもマニフェスト違反ではない、と否定するだけの論理か何かがあるのだろうけれど、あの答弁で国民がそうかと納得するとは思えない。

事実、地方選では民主党は負け続けているし、支持率も低迷。国民の支持はどんどんなくなっている。

2月7日の予算委員会での、進次郎議員の質疑をNHKは中継しなかったようだけれど、民主党にしてみれば、中継されなくてほっとしていることだろう。

ただ、そうやって、国会隠しをして、多少時間稼ぎをしたところで、予算はやっぱり通さなければならないから、いずれ煮詰まることになるし、肝心の国会でさえ、野党の質問にまともに答えずに逃げとすり替えの答弁ばかり繰り返すのなら、予算案に野党が賛成できるはずもない。

本当に予算を通したいのなら、間違いは間違いと認め、改めるべきは改めることでしか進まない筈なのに、民主党は、自分でその道を閉ざしている。

ただ、一点、良いかもしれないと思うことは、自民党が野党に下って、民主党が与党になったお蔭で、漢字テストとか、ホッケの煮つけなどといった下らない質問が無くなったということ。

それも、民主党の政策が甘く、突っ込みどころだらけであるが故の、民主党が酷いが故のことだというのが何とも皮肉なことなのだけれど、それだけが政権交代の意義だったのかもしれない。

画像





画像 ←人気ブログランキングへ

画像衆院予算委の質疑要旨

 衆院予算委員会で8日行われた「マニフェスト(政権公約)の財源問題」に関する集中審議の要旨は次の通り。

 【予算・関連法案】
 泉健太氏(民主=京都3区) 年度内に成立しなければ国会に責任がある。

 菅直人首相 与野党が責任を分かち合っている。予算委でしっかり議論したい。場合によれば、どういう形であれば合意できるのか、そういう形の議論に進んでいくことを期待している。


 【民主党マニフェスト】
 茂木敏充氏(自民=栃木5区) 明らかに破綻している。
 首相 基本的な方向としては順次実行している。今年秋ごろまでには全体を検証した上で、さらに進めるもの、実行中のもの、どうしても難しいものを(整理して)国民に伝えたい。

 茂木氏 消費増税分を子ども手当に使うのか。
 与謝野馨経済財政担当相 (2009年度)税制改正法の付則は、消費税を目的税とし、年金、医療、介護、子育てが対象となると書いてある。子育ては当然入る。

 小泉進次郎氏(自民=神奈川11区) 子ども手当は全額国庫負担でというのが地方の声だ。
 首相 今までの負担をこの1年、2年はお願いしたい。(年少扶養控除の廃止に伴う地方)税の増収をどう扱っていくかは、自治体の皆さんとしっかり相談したい。

 坂口力氏(公明=比例東海) 最低保障年金は年収200万円以下を対象にすべきでは。
 首相 どの年収世帯までを対象にすべきかは、必要な財源と大きく関わる。大変参考になる案だ。頭に入れながら案をまとめていきたい。

 【社会保障と税】
 坂口氏 社会保障費は伸び率の抑制を第一に考えるか、増加はやむを得ないと考えるか。
 首相 多少の負担が増えても、安心できる社会をつくることが望ましい。伸びは多少やむを得ない。

 坂口氏 消費税を目的税化に近い考え方でやっていくのか。
 経財相 医療などは、そんなに大きな額ではないにしても、倹約、効率化するところが出てくるだろう。自分の払った消費税が、時間差はあるけれども、そのまま自分のところに社会保障という形で戻ってくるという確信がないとなかなかお願いできない。社会保障目的税にして、国民が出したものは国民に戻るという確信を持っていただくことが大事だ。

 【衆院解散・総選挙】
 茂木氏 国民に信を問うべきだ。
 首相 今、社会保障と税の一体改革、経済連携と農業改革の問題に本格的に取り組もうとしている。今この段階で解散とかは全く考えてない。

 棚橋泰文氏(自民=岐阜2区) 国民をだましたのだから、選挙をやり直すべきだ。
 首相 他の国の政権交代を見ると、少なくとも5年、4年はやって、その結果を国民が判断するのが次の総選挙だ。

 【北方領土】
 田中康夫氏(新党日本=兵庫8区) 北方領土返還要求大会で「返還に政治生命を懸ける」と発言したが、「口先番長」と言われない覚悟は。
 前原誠司外相 政治家として、この問題の解決に努力していきたいという思いを述べた。(2011/02/08-19:54)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011020800881

この記事へのコメント

  • グー

    醜いですね~。大臣の言い訳答弁に民主党議員から起る拍手が・・・なんとも。知性の欠片も、品性も失われていますね。
    2015年08月10日 16:47
  • almanos

    進次郎議員並の準備が出来るスタッフを抱えないと今後の国会議員はやってられなくなる事を願うばかりです。特に民主党みたいなのにはつらいでしょう。何せ、はぐらかしと言い逃れ以外をやれる知性を議員自身が持っていないのですから。ま、自民党議員も同じのが多いかもしれませんけど。良いスタッフとスタッフが支えるに足る知性と弁舌の持ち主が今後の議員の最低基準になり、その具体例が進次郎議員となってほしいものです。
    2015年08月10日 16:47
  • とおる

    国会で、菅首相が、答弁をはぐらかしたりした時に、「疎いんですか?」と聞いて欲しい。
    首相公認の「疎い」という言葉なので、委員長から「疎いという言葉は使わないで下さい」とは言われないでしょう。(中井委員長は、「詐欺フェスト」などの発言に対して、「詐欺などという言葉は使わないで」と発言)
    2015年08月10日 16:47

この記事へのトラックバック