「そういった体制の構築は急ぎたいと思います、今作りつつあります。それと合わせてですね、現地のスタッフは自分で責任を持ってやるという覚悟を持ってやってもらいたいです。なにか上の判断を仰がなきゃ決断ができないとかですね、それはもう是非やめていただきたい。先ほど申し上げましたように、一週間二週間、時間との勝負のところもありますので、 自分で判断できると思ったところは判断をしてやっていくという、そういう覚悟を持ってやってもらいたい」平野内閣副大臣 於:3/20 NHK日曜討論
震災から9日たった3月20日の段階で、まだ政府の大臣間の分担や連携の体制が整ってないという。これでは、事実上の無政府状態に近い。
そんな状態であるにも関わらず、平野副大臣は、現場に対して、上の判断を仰がなきゃ決断ができないとかするな、という。これはすなわち、自衛隊や米軍に対する、被災地への支援要請があっても、独自にやれということに等しい。
中央から一元的にいつどこに支援物資のヘリを飛ばす、何処に被災者がいるから救援する、何処のインフラが壊滅しているから整える。物資の搬入・投下などに関する法規制の撤廃や財政面の工面、上の判断がないとできないことが沢山あるのに、政府がそれを放棄してる。自分で無政府状態してどうするつもりなのか。
全体をみて、支援・復旧を差配する人がいなければ、どこの自治体もSOSばかり発信して、受けるほうが手が回らなくなるのは明らか。
米空母ロナルド・レーガンの画像分析者が、艦載機のF-18が上空から撮影した45,000枚以上の被災地の写真をチェックして見逃したSOSサインなどがないかの確認作業を行ったという。また、米軍は、地震後1週間で、初めて支援物資が来たという避難所が2ヶ所あったともコメントしたと伝えられている。
東北への支援物資を送るのに、青森県知事は、なんども政府に生き残った青森港を使って救援してくれと言っても動かないので、自民党に連絡したら、船が着始めたというし、今では、陸路からの物資輸送も財界と自民党と首長の連合軍で進めている。
自民党の河野太郎議員のツイッターによれば、各県と経団連のホットラインを立ち上げ、官邸を通さずに直接要望が産業界に入り、対応できるような体制が立ち上がったのは16日の夜8時半頃。
筆者は16日までは、福島原発はもちろんのこと、機能しない政府に、このままでは国家存亡の危機になると感じていたのだけれど、17日を境に動き始めた、官邸を通さない被災地救援活動の動きと、国民の想いがひとつに纏まり始めたことで、ターニングポイントを超えたと感じている。
もちろん、福島原発は予断を許さない状態が続いているし、被災地の救援もままならない部分もあるのだけれど、大きな流れとしては、復興支援に向けて動き出しているとみている。
ただ、先の政府機能がままならず、地方自治体で勝手にやれという姿勢では、ところどころで非効率な部分が発生するだろうから、その分、復興のスピードは鈍るかもしれないのは残念なこと。
そうした中、20日に、菅首相は自民党の谷垣総裁に対して、副総理兼震災復興担当大臣としての入閣を要請したのだけれど、谷垣総裁は、政策協議もないまま連立政権に参加することはできない、と拒否した。
筆者は、当初、谷垣氏の入閣拒否に関して、菅首相の誠意のなさというか、私心ありまくりの姿勢を嫌ってのことかもしれないけれど、この国難にあたって、無碍に断るのもどうかとも思っていた。けれども、よくよく考えてみれば、無任所大臣たる副総理兼震災復興担当大臣"なるものの権限が曖昧なままでは、復興するものもできないだろうと思うようになった。
というのも、現時点での被災地救援や、復興、原発問題に対応するためには、多くの権限を必要とするから。
もともと、副総理というのは、内閣総理大臣が、事故や何かで"欠けたとき"、暫定的にその職務を代行する国務大臣の俗称であって、正式な官職じゃないから、総理大臣が居なくならない限り、具体的な権限を持たない。
だから、災害復興のためには、具体的に役所や組織を動かす権限がないと何も始まらない。
たとえば、自衛隊を動かすためには、防衛大臣と総理大臣の権限が必要になるし、米軍と連携するなら外務大臣と防衛大臣と総理大臣の権限が居る。
また、物流運搬の許認可には国交大臣や総務大臣の権限が必要になるし、原発対応なら経産大臣の権限が要る。
要するに、現時点で、 災害復興に適切に対応するためには、総理大臣が、防衛大臣、外務大臣、国交大臣、総務大臣、経産大臣と蜜に連携をとり、役割分担を明確化した上で、最善と思われる手段を優先順位をつけて行う必要がある。
だけど、先の平野内閣副大臣のコメントのとおり、今でもその体制が出来ていない。そんな状態で、野党に震災復興担当大臣として入閣させられても、震災の責任を負わせられるだけだと考えたとしても無理からぬこと。
だから、もし本当に、菅首相が今の震災対応が自分達の手に余ると思うのならば、総理大臣、防衛大臣、外務大臣、国交大臣、総務大臣、経産大臣と官房長官を野党に全部明け渡す覚悟がある。だから、どうにかして日本を救っていこうというべきだと思う。そうした調整も何もなしで、電話一本で、ただ入ってくれ、というのは少々虫が良すぎるのではないか。
民主党との大連立に積極的だとも言われている、加藤紘一氏は20日、「新報道2001」に出演して、菅首相の谷垣総裁への入閣打診について、平成7年の阪神大震災への対応の経験を踏まえた上で「当時の(村山富市)首相はよくここまでやったというくらい障害を越えてやったが、今、民主党はやっていない。自民党総裁を入れてというくらいでは決心が足りない」と述べているから、やはり、この辺りのことも念頭に入っているように思われる。
今、日本を支え、救っているのは、現場の人たち。
単に報道されていないだけかもしれないけれど、今回の震災対応で、国会議員の活躍の姿がさっぱり見えない。国難にあたって、政治家が目立たないというのは寂しいというほかない。
とはいえ、やはり政府機能がちゃんとしたほうが、救援・復旧が進むことは間違いない。一刻も早い無政府状態の解消を望む。
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この記事へのコメント
とおる
・武田邦彦 (中部大学) 原発 緊急情報(16) 法を破った国と専門家・・自衛しよう!
http://takedanet.com/2011/03/16_3882.html
より、
そうすると、福島市の状態は「放射線の仕事をして測定をし、健康管理をするという条件のもとで認められている男性でも被爆が許されない放射線の強さ」なのである。
このような放射線の状態が続いているのに総理大臣、知事、市長であっても独自に判断してはいけない。法律違反で逮捕されるはずである。
almanos
大和
いい放題の話ばかり
いつからそのような世の中になったのか
いつの世も上と下はあったし、これからも続くのです
菅直人も政府もどうしようも無い
が、しかしこの時に声高にそれを論じて何?
自民が何をしている?
谷垣、石原の動きも見えない・・・・・一緒に復興何故出来ない
谷垣が副総理になって菅が無能なら総理辞任させれば良い
その腹も無いのでは誰でも同じだ
和を持って今の緊急事態を乗り切りこと
そして復興に向けた手を打つこと何故出来ない谷垣
・平野の発言は今死にそうな人がいるときに政府判断ではない
すぐにやれることそれをやってほしいというものだ
それ以上でも以下でもないとおもう。
ちび・むぎ・みみ・はな
> 見えない。国難にあたって、政治家が目立たないと
> いうのは寂しいというほかない。
災害時に注目すべきはトップですね.
それ以外が目立っても仕方がない.
結局, 菅氏はあらゆる面で失格だということ.
それにしても, 内閣支持率が30%迄上がったとのこと.
民主党命の自虐世代は状況判断ができないようだ.
自虐ですからね.
トマヤ
白なまず
今の世は頭と尻尾ばかり、肝腎の胴体ないから力出ないぞ。従ふ所へは従はなならんのざぞ、と申してあろ、時節に従って負けて勝つのざぞ、負けが勝ちぞ、判りたか。お詑びすれば誰によらん、許してよき方に廻してやるぞ、口先ばかりでなく心からのお詑び結構いたしくれよ。ダマシタ岩戸からはダマシタ神お出でましぞ、と申してくどう知らしてあろがな、ダマシて無理に引張り出して無理するのが無理ぞと申すのぞ、無理はヤミとなるのざぞ、それでウソの世ヤミの世となって、続いてこの世の苦しみとなって来たのざぞ、こうなることは此の世の始から判ってゐての仕組、心配せずに、此の方に任せおけ任せおけ。八月四日、一二⦿ 。