危機回避へ

 
「1号炉から4号炉までの表面温度はいずれも100度以下とみられることが確認されました」
3月19日 北澤俊美防衛大臣

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危機的状況が続いていた、福島原発だけれど、ようやく光が見えてきた。

19日から本格化した放水作業が効果を上げている。

東京消防庁が派遣した、ハイパーレスキュー部隊など緊急消防援助隊139人が頑張った。ハイパーレスキュー部隊は、地上22メートルから放水が可能な屈折放水塔車や、毎分5トンの放水が可能な大型化学車、海や河川から送水できる遠距離大量送水車、NBC(核・生物・化学)災害に対応する特殊災害対策車、そして、40メートル級のはしご車など計30台を投入し現場の状況を検討した結果、無人のまま自動放水できる屈折放水塔車を投入した。

なんでも、敷地内の道路は、津波の影響でほとんどの道路が大型車両の入れる余地がなかったらしく、風向きや放水位置など、どこに停車すれば効率いいか調査して決めたという。

屈折放水塔車による放水は、40人の隊員が、約800メートルのホースを連結して、くみ上げた海水を放水することとし、16人の隊員が放水角度などを調整して、正常に放水されていることを確認した後、自動操縦に切り替え、19日午後2時ごろから、3号機の使用済み燃料貯蔵プールへむけて放水を開始。連続放水は20日の午前3時40分まで続けられた。

当初の7時間の連続放水の予定が、政府の要請で、延長、再延長をして、結局連続13時間半の放水、のべ2000トン以上の放水を行った。これは、燃料プールの容量が1400トンであることを考えると命中すればプールを満たすのに十分な量であり、東京消防庁の会見によれば、放水直後に放射線の濃度がゼロに近いくらい下がり、プールに命中しているなと思ったそうだから、上手くいったのだろう。見事なもの。

3号機の冷却がうまくいけば、少なくとも、プルトニウムを含むMOX燃料の爆散という危機は回避できることになる。本当によかった。冷却チームの皆様、本当にありがとうございます。無事に帰ってきてください。

また、送電線の接続や敷設などの作業も同時並行で進んでいて、作業は、1、2号機と3、4号機、5、6号機の3系統に分けて進められている。

まず、東電などの復旧チームが1号機近くに止めた車両の仮設配電盤から、2号機タービン建屋にある配電盤兼変圧器までケーブルを接続し、敷地内に長さ約1・5キロのケーブルを敷設する作業が完了。1、2号機の電源が復旧した。4号機への電源接続も20日中に完了を目指している。

また、5、6号機では、復旧チームが非常用ディーゼル発電機で貯蔵プールの熱交換器を動かすのに成功し、冷却機能が回復。5号機のプールの水温は約20度下がり、48度になった。6号機には、震災後も稼働していた1台とは別の非常用発電機があってそれが復旧したそうだから、燃料プールも冷却できると思われる。



現在は、貯蔵プールの状態が懸念される4号機に対して、自衛隊が地上放水を検討しているのだけれど、ただ、4号機の貯蔵プールの状態については、アメリカの原子力規制委員会が、プールに亀裂が入っていて冷却水が漏れているのではないかという指摘がある。

また、アメリカの無人偵察機グローバルホークの赤外線センサー計測および、衛星からの情報を分析した結果、4号機の使用済み核燃料の保管プールの外に強い発熱体があるとみられているそうだから、或いは燃料棒が爆発時の衝撃か何かでプールの外に出ている可能性がある。

日本政府側は4号機の燃料プールの亀裂については、否定していて、また、グローバルホークの偵察結果も公表していないから、真相は分からない。ただ、本当に燃料棒などがプールの外に出ているのであれば、放射線がもっと出そうではある。

3号機への放水を開始してから、放射線量は、19日の午後9時には2906マイクロシーベルトと、放水が始まる前より500マイクロシーベルト余り下がって、減少傾向にあるそうだけれど、もちろん、これだけで、4号機が放射線を大量に出していない証拠にはならない。

グローバルホークが検知したという、発熱体の温度にもよるのだけれど、なんとなれば、発熱体の周囲を土嚢や砂、或いはコンクリで固めてから冷却するなど、別の方法が必要になるかもしれない。

とにかく、今は、4号機の燃料プールの冷却が最後のヤマになるように思われる。

上手くいくことを望む。


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この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    4号発電棟に入れなければ建物に何らかの方法で穴を
    開ける必要がある. 重機関砲の精密射撃の出番では
    なかろうか.

    いずれにしても, 現場の作業には言葉もない.
    2015年08月10日 16:47
  • とおる

    > 「1号炉から4号炉までの表面温度はいずれも100度以下とみられることが確認されました」
    > 3月19日 北澤俊美防衛大臣

    「100度以下とみられる」根拠は、「水を掛けたので、沸点より下だ」なのか。
    水から遮蔽されている場所に熱源が無いのか。
    政府は、憶測・希望観測で発表しているような感じです。
    2015年08月10日 16:47
  • 日比野

    とおる様、コメどうもです。

    100度以下は、一応、自衛隊が上空でサーモグラフィで検査した結果と報道されていますね。
    http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011031900333
    2015年08月10日 16:47
  • 白なまず

    春マケの峠は2つとお伝えしましたが、どうやら最初の峠は何とかなりそうですね。次の峠は最近富士山の周りで地震が起きていて、地震雲の動画等もUPされているようですね。得に注意が必要です。もし、富士山が噴火するような事態が起きても冷静に対応しましょう。因みに神示に富士(二二)の仕組みと言うのがあり、これにより日本人の冷静(霊性)が発現されると思います。

    ひふみ神示 第05巻  地つ巻 第三十六帖
     二二は晴れたり日本晴れ、てんし様が富士(二二)から世界中にみいづされる時近づいたぞ。富士は火の山、火の元の山で、汚してならん御山ざから臣民登れんやうになるぞ、神の臣民と獣と立て別けると申してあろうが、世の態(さま)見て早う改心して身魂洗濯致して神の御用つとめて呉れよ。大き声せんでも静かに一言いえば分る臣民、一いへば十知る臣民でないと、まことの御用はつとまらんぞ、今にだんだんにせまりて来ると、この方の神示(ふで)あてにならん だまされてゐたと申す人も出て来るぞ、よくこの神示読んで神の仕組、心に入れて、息吹として言葉として世界きよめて呉れよ。
    2015年08月10日 16:47

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