ここ数日のエントリーのコメントを読ませていただいて、少しネガティブに内容が偏ってるのかな、と思いましたので、今日は、ポジティブ視点に重点を置いてエントリーしたいと思います。
福島原発、立て続けの地震と踏んだり蹴ったりの状態の日本ですけれども、驚くべきことに、日本全土がパニックになることもなく、日々を過ごしています。
もちろん、被災地はとんでもない状況ですし、計画停電や、物資の不足など、多々問題はありますけれども、全体としては、まだ安定を保っているといっていいかと思います。
ここにきて、政府はIAEAに対策チーム、米軍、韓国へのホウ素支援等々、なりふり構わず応援要請をして、事態の収拾に乗り出しました。おそらく自分達の限界を悟ったのだと思います。昨日になってようやく、原子炉の製造メーカである東芝が700人規模の支援体制を整え、現地に技術者が駆けつけました。大袈裟にいえば、人類が総力を挙げて事態の収拾に乗り出したということです。
原子炉は燃料を包むジルコニウム合金、燃料棒を包む圧力容器、そしてその圧力容器をさらに囲む格納容器と3重構造になっています。
今、空焚きだ、炉心溶融だと騒いでいるのは、1番目の燃料棒のジルコニウム合金が溶け出しているのではないか、又は、燃料棒を包む圧力容器が壊れたのではないかということですけれども、もしも、3番目の格納容器が破損すると、破損個所にもよりますけれども、内部の放射性物質を含んだ蒸気が外に放出されることになりますから、付近の放射線の値はぐんと高い値を示すことになります。
依然として予断を許さない状況ではありますけれども、ポイントは16日から復旧に着手している緊急炉心冷却装置(ECCS)の立ち上げと、そして、今はこちらのほうが問題が大きいであろう、使用済み燃料棒の再臨界を停止させられるかに掛かっていると思います。多分、今日、明日が正念場ではないかとみています。
ここを乗り越えることができれば、収拾への道筋が見えてくるはずです。兎に角冷却するしか方法がありません。
そして、放射性物質の放出に関していえば、これまでの放射線レベルであれば、という前提ではありますけれども、昨日の各所の放射線測定状況を見る限り、風向きに注意して、風下にはいる時間帯、特に雨のときに外出を避けるようにすれば大丈夫だと思われます。
放射線は、関東地方でも、健康を心配するレベルにまでは上がらなかったですし、風による拡散で相当薄められている感じですから、風向きと時間帯に注意して、なるべく安全な時間帯に行動すればよりベターですね。
そのためにも、コンビニや24時間営業のスーパーに、重点的に食料を回すように手配して、住民が移動可能な時間帯にいつでも食料を買いにいける体制をつくれればと思います。
ただ何度も繰り返しますけれども、福島の避難区域だけはもう少し拡大したほうがよいと思います。せめて50kmくらいまでには拡大すべきです。
あと、机上の空論を言わせていただければ、googleのストリートビューを作るために、上にカメラを載せて、道々の写真を撮っている車がありますけれども、あの車にガイガーカウンターを乗せて、走りながらその道の放射線を計測して、googleマップに何日何時の何処其処交差点の放射能はこれこれだ、と表示できるようにしておけば、住民の安心感も高まるのではないでしょうか。
特に地表付近、それも建物の多い都市部では、風向きも不規則になりますから、実際の放射線量の程度はその場で測ってみないとなかなか分からないところもある筈です。
被曝は、放射線に曝露されている合計時間、すなわち積算で何ミリシーベルトになるかが健康被害の目安ですから、極端なことをいえば、自分で風向きと放射線状況をモニタしながら、放射線が低い地域にちょこちょこ移動してもよいわけです。
けれども、関東に住んでいる人、皆が皆避難するわけにはいかないでしょうから、住んでいる地点からなるべく近場の放射線の状態が分かるほうがいい。そのためにも、定点観測ではなくて、幹線道路単位での放射線測定結果があると良いと思います。
原発事故で放出される放射性物質のうち、原子炉内のほぼ全量が放出されるといわれるキセノン、クリプトンは半減期がそれぞれ2.8時間と5.3日ですから、クリプトンは20時間、キセノンは5~6週間ほどで、元の放射線量の1%以下になりますし、ヨウ素にしても2ヶ月ほどで、元の放射線量の1%以下にまでなりますから、放射性物質の外部発散が収まった後、2~3ヶ月すれば、問題ないレベルに落ち着くはずです。
ただ、厄介なのは、セシウムで、これが半減期が30年ありますから、簡単には消えることがないと考えるべきで、セシウムがどの範囲にどの濃度で撒かれたは注意する必要があります。
15日には、新宿で微量ながらもセシウムとヨウ素が検出されたとのことですから、長距離を飛んでくる可能性があるわけで、せめてセシウムの検出結果は、収束後でもよいですから公表してほしいと思います。
けれども、こんな事態でさえ、被災地で、当たり前に生活を続けている人達がいる。被災しても淡々と日常をおくれることは驚嘆すべきことだと思います。
普通は食料や寝床を争って暴動が起こってもおかしくない。それが、きちんと一列に並んで我慢強く待っている。海外の取材陣はこの光景に驚嘆しています。
それほど、日本人の非常事態に対する現場対応力は強い。
そして、何より、現地で高濃度放射能被曝という危険にさらされながら、なんとか最悪の事態を避けようと懸命に頑張っている人たちがいる。本当に無事に帰ってきてほしい。切にそう願います。
計画停電が始まってから、天皇皇后両陛下は、京都御所への御遷座をお断りになって、皇居で国民と苦難を共にし、停電も受け入れられ、さらに、地の神を鎮めるための二十四時間御祈祷に入っておられる という話もあるようです。
そして、今、この瞬間に福島原発のメルトダウンを防ごうと命を掛けて汗を流している人達がいて、今、この瞬間に、被災者を救出し続ける人達がいるのです。
世界からも支援物資が続々と届いています。もちろん、日本がないと困ることが沢山あるからというものあるかもしれませんけれども、支援が集まるというのは、やはり有り難いことです。
現時点で、やるべきことは、速やかな被災地への支援や物流のキープだと思いますけれども、国民一人でも出来ることはあります。
節電にしてもそうです。巷では「ヤシマ作戦」と銘打って、団結して節電する動きがあり、皆で節電に努めた結果、東電の予想を上回る電力使用抑制が行なわれて、計画停電がごく一部で抑えられています。
今日なども、まだ7時8時だというのに、商店街のネオンが消えていて、店を閉めているのかな、と思っていたら、看板だけ消していて営業を続けているのを見ました。
また、「ウエシマ作戦」と称して、物資を譲り合うという運動も拡大しているようです。考えられないくらい凄い国民だと思います。
これほど素晴らしい国民を抱えていて、なお日本のGDPを縮小させることができるなんて、これは、もう政権トップが信じられないくらい巨大な「マイナスの才能」を持っているとしか思えません。
こうしてみると、もうしばらくすると、開き直りというか、政府なんぞアテにせず、自分達でなんとかしようという動き、一種の国民的目覚めが起こるような気がしています。
また、マスコミも今は、一方通行の横並びの報道をしていますけれども、逆にそれが個々人の疑問を生んで、自分で情報を探して取っていこうとする能動的な動きを促しているようにも見えます。
おそらく、その行く先は、「本当に大切なものは何か」に気づくことではないかと思います。
ですから、目の前の危機を乗り越えた先には、未来がある。それは間違いないことだと思います。
そして、菅首相が16日の会見後、官邸に戻り「震えるように泣いていた」との話がツイートされていますけれども、筆者はここにほんの僅かな希望を見出しています。なぜなら、良心の呵責というか、今自分が置かれている立場を認識していることに他ならないからです。私心を捨て、素になって、本当に国民のために仕事をするチャンスでもあるからです。
当たり前の生活を護るために
当たり前の未来を拓くために
この瞬間に命を掛けている人達への
感謝と応援
そして、祈りを
それが
奇跡の風となって
復興へのエネルギーとなる
当たり前の未来を拓くために
この瞬間に命を掛けている人達への
感謝と応援
そして、祈りを
それが
奇跡の風となって
復興へのエネルギーとなる
16日の福島には、東から西へと海へ抜ける強風が吹きました。
気象庁はこの強い風が17日まで吹き、18日の昼以降は、南西または南からの弱い風に変わるものの、引き続き内陸部から海側への風になると予測しています。
これに筆者は、天意を感じています。
昨日のエントリーの最後に引用した詩は、某アニメのOPソングですけれども、引用したのは、そんな今の気持ちを表すにはぴったりだと思ったからです。
最後に、件の歌詞の一部の単語に重ねた想いを括弧で示して、終わりにしたいと思います。
天と民が護る国、日本。
この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
だが, 放射能があっても日本がある限りは住み続けるよりない.
天皇が居られる限りは何とかなるのではないか.
settua
このようなサイトをみつけました。
有志の方によって集められた日本各地のガイガーカウンターの数値のまとめです。
almanos
白なまず
ひふみ神示 第06巻 日月の巻 第四十帖
三度 黄泉比良坂(よもつひらさか)の坂本に到り給ひき。坂本なる桃の実一二三(ひふみ)取りて待ち受け給ひしかば、ことごとに逃げ給ひき。ここに伊邪那岐命 桃の実に宣り給はく、汝(みまし)吾助けし如、あらゆる青人草の苦瀬(うきせ)になやむことあらば、助けてよと宣り給ひて、また葦原の中津国にあらゆる、うつしき青人草の苦瀬に落ちて苦しまん時に助けてよとのり給ひて、
おほかむつみの命、
オオカムツミノ命
と名付け給ひき。
ス内パー
今の物不足、どうも政府備蓄の存在が無視されてるのが問題かも。政府発表で大々的に取り崩し発表すれば良いものをこっそり発表じゃあなぁ・・・
日比野
>彼は日本人であるかどうか疑わしいのです。
最早、誰がどうとかという次元ではないと思っています。菅首相がどこの出だろうがどうでもいい。決断できないのなら、現場を邪魔しないで欲しいだけです。
国民は、自分が出来ることは何でもする。今日、明日が正念場です。
クマのプータロー
ここに期待せざるを得ないくらい切羽詰まった状況であることは理解できます。が、菅総理の頭の中を覗くことは出来ないので、期待するのは福島原発が絶対に再臨界を起こさないと期待するくらい楽観的で取り返しのつかない結果が待っていることになると思います。
彼は日本人であるかどうか疑わしいのです。