タクティカル・ポリスシーパワー
また、ぞろ尖閣が燻っている。
3月5日、尖閣諸島の久場島北西約44キロの日本の接続水域内で、中国の漁業監視船「漁政202」が航行しているのを、付近の哨戒中だった海上保安庁の航空機が確認、海上保安庁の巡視船が領海内に侵入しないよう警告したところ、漁政202は「中国の海域をパトロールしている」などと応答。約1時間半後に尖閣周辺から離れていったという。
また、その3日前の3月2日には、中国海軍のY8情報収集機とY8哨戒機が、東シナ海上空を南下して、尖閣諸島付近の領海から約55キロまで接近している。航空自衛隊がF15をスクランブルさせたところ、中国機は西に方向転換して、領空侵犯にはならなかったものの、防衛省幹部によると、 「中国軍機が尖閣諸島にここまで近づくのは初めてだ」ということのようだ。
じわじわと狙っている。
昨年の尖閣沖衝突事件から半年、中国の態度は全く変わっていない。もうそろそろ、真剣に国土防衛を考えないといけない時期にあると思われる。
どうも、中国の動きを見ていると、国内の不満の目を逸らすために対外的に強硬にでる面もあるにせよ、やはり日本に対しては、日本の政権が不安定になっている時期を見計らって仕掛けてきているようにも見える。
前回の尖閣沖衝突は2010年9月7日と、民主党代表戦の最中に起きたし、今回の接続水域侵入と、領空への接近は、菅内閣が予算で紛糾している時期。
国内政局にかまけて、政治が動き難いであろう時期を選んで、侵入し、既成事実を積み上げている。沖縄だって、「中華人民共和国琉球自治区」や「中華民族琉球自治区」などと言い出しているし、沖縄自身が、米軍に出ていけと声を上げている。
本当は、沖縄でも尖閣を守れ、だとか、日米同盟堅持を謳うデモや集会が行われていたりするのだけれど、それらはちっとも報道されないから、一般に知られない。あたかも沖縄全部が、米軍に反対しているかのような報道を続けるマスコミの罪は重い。
このままでは、確実に尖閣が獲られ、沖縄も併合されてしまう危険が高まる。何処かの商売人のように、「中国が攻めてくるわけないじゃん」というのは、勝手だけれど、為政者がそうした態度でいることは許されない。
ただ、実際問題として、現政権の体たらくと、憲法的、法的縛りを考えた場合、自衛隊が即座に防衛活動に動けるのかどうか、非常に不安が残る。
いみじくも、中国が攻めてくるわけないじゃんと言い放った商売人氏が朝生テレビで指摘したように、現在はいきなり国同士の戦争が行われるよりも、テロとの戦いといった非対称戦に移りつつあり、また、国家間戦争にまで発展するときであっても、その前哨戦として、ごく小さな規模の小競り合いが発生する。
日本でいえば、先の尖閣沖衝突事件のように、漁船を衝突させたり、漁船で島に接舷して上陸するケースが真っ先に考えられる。実際にそういうケースでは、海自ではなくて、海上保安庁が対応している。
近年は、アジアの海洋諸国も、平時においては、海軍力よりも海上警察力がより有効に機能するという認識が広まり、その強化が進んでいるという。
ならば、いっそのこと、尖閣や沖縄、シーレーンの防衛も更なる民営化を進めてみてはどうか。つまり、民間の警備会社に海上の警備もできるように国が後押しすればどうかということ。
セコムとか、ALSOKとか、陸の警備会社は沢山あるのだから、海上専門の警備保障会社もあってもおかしくない。
日本の調査捕鯨船なんかは、いつもシーシェパードと戦っているのだから、彼らをリクルートして、尖閣に近づく漁船を追い払う警備会社があれば、自衛隊を動かすための閣議決定などなんだの時間を食っている間の時間稼ぎにはなるだろう。
なんとなれば、海上警備保障会社に、退役イージス艦や潜水艦を払い下げるとか、タンカーを改造して空母にしてしまうとかしたっていい。
実際、中国が退役軍艦を巡視艇という名で使っているのだから、日本もやれない道理はない。
できれば、技術開発もかねて、船体を海上から浮かせて高速運航を可能とする、テクノスーパーライナー型の超高速船舶を開発・運用して、武装してしまうなんてのも面白い。
もっといえば、海上警備と領空監視を統合運用できるような総合警備会社なんかがあれば、かなりの実効力を発揮できるように思う。
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尖閣諸島近海 中国の漁業監視船が航行 衝突事件後、確認7回目 2011.3.5 12:59
5日午前8時ごろ、沖縄・尖閣諸島の久場島北西約44キロの日本の接続水域(領海の外側約22キロ)内で、中国の漁業監視船「漁政202」が航行しているのを、付近の哨戒中だった海上保安庁の航空機が確認した。
第11管区海上保安本部(那覇市)の巡視船が領海内に侵入しないよう無線などで警告したところ、漁政202は「中国の海域をパトロールしている」などと応答。9時38分に接続水域を出ると、北向きに航行し尖閣周辺から離れていったという。
海保によると、昨年9月の漁船衝突事件後に中国の漁業監視船が尖閣諸島の接続水域内で確認されたのはこれで7回目。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110305/plc11030513020007-n1.htm
中国画策、沖縄を「琉球自治区」に 海軍機が尖閣接近 2011.3.3 21:12
中国海軍機が2日、沖縄・尖閣諸島に接近し、航空自衛隊がF15戦闘機を緊急発進(スクランブル)させる事態が起きた。領空侵犯はなかったが、同国の領土拡張への野心は無視できない。実際、中国系の新聞や雑誌、インターネットなどには「中華人民共和国琉球自治区」や「中華民族琉球自治区」といった文字が多く見られるようになっているという。(夕刊フジ)
「中国軍機が尖閣諸島にここまで近づくのは初めてだ」
今回の事態を受け、防衛省幹部は苦々しげに語った。同省統合幕僚監部(統幕)によると、中国海軍のY8情報収集機とY8哨戒機は2日昼すぎ、東シナ海上空を南下、日中中間線を越え、尖閣諸島付近の領海から約55キロまで接近。その後、西に向けて方向転換した。空自南西航空混成団は、F15戦闘機をスクランブルさせたという。
GDP(国内総生産)で日本を抜いて世界2位となったことで増長しているのか、最近の中国の言動は傲慢きわまりない。「月刊中国」日本語版の主編、鳴霞氏は次のように言う。
「香港の知人から届いた月刊誌には『中華民族琉球自治区』援助準備委員会設立の公告が載っていました。ほかの中国系メディアにも出ています。関係者は『世界に向けて、中華琉球をアピールしていく』と話していました」
中国語のサイトにも「中華人民共和国琉球自治区」や「中華民族琉球自治区」の文字が躍っている。一体、中国は何を狙っているのか?
中国人犯罪者と対峙してきた元警視庁捜査官で「日本が中国の『自治区』になる」(産経新聞出版)の著書があるノンフィクション作家の坂東忠信氏は最近、「中華人民共和国琉球自治区の設立 琉球群島1000年の国家戦略の開始」という論文を翻訳した。それは驚くべき内容だ。
《中国は1000年の発展のため、琉球群島(=沖縄諸島など)を回復し、中華人民共和国琉球自治区を成立させなければならない。『カイロ宣言』と『ポツダム宣言』は法律上、中国が琉球の主権を持つことを保障している。(琉球を)国防のための巨大な鋼鉄の長城となし、太平洋に向かう前進基地としなくてはならない》《中国は琉球を建設し、日本軍と米軍を東海(=東シナ海)から遠ざけ、琉球は中国の安全のための防波堤となるのだ》
歴史も現状も無視した、ひどい内容というしかない。
坂東氏は「中国政府はすでに『尖閣諸島は中国領だ』と公言している。人民解放軍の中には、日本への侵攻計画を呼びかける高級幹部もいる。『琉球自治区』の動きは民間(の論調)を装っているが、今後、世界中の中華民族と連携して圧力をかけてくる可能性もある。日本の政治家やマスコミはもっと警戒すべきだ」と語っている。
URL:http://sankei.jp.msn.com/world/news/110303/chn11030321130006-n1.htm
この記事へのコメント
白なまず
参照URL http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110221/plc11022101000000-n1.htm
ちび・むぎ・みみ・はな
「平和団体」が反対アピールしたと言うニュースが...
何が平和なんだろうか?
尖閣諸島が押えられたら石垣島への旅客機の連絡
だって危なくてできないだろう.
市長も大変だ.
sam
せみまる
ところで、国境警備の民間委託は、財政難の折、かなりの反対にあいそうですが、「日本の調査捕鯨船なんかは、いつもシーシェパードと戦っているのだから、彼らをリクルートして」って、これはかなりの暴言ではないでしょうか。