孤立する宰相

 
民主党内の"反菅"の動きが加速している。

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4月19日、小沢氏に近い山岡民主党副代表が常任幹事会で、統一地方選前半戦での惨敗を受けて、菅首相、執行部の責任をただすための両院総会の開催を要求、川内議員も、復興対策の財源として増税を検討していることに対して反発し、「両院総会で議論すべきだ」と反発している。

また、21日には、ガソリン価格高騰時に揮発油税を引き下げる「トリガー条項」を凍結する菅首相の方針に反発して、大谷啓衆院議員ら数人が関係法案を審議する衆院総務委員会の欠席を宣言。民主党党執行部は造反の恐れがあるとして、総務委員会の委員を差し替えることをしている。

小沢グループは、今のところ、両院議員総会を開催して、菅首相の退陣を要求する動きを見せているけれど、先日、小沢氏が内閣不信任案への同調を示唆する発言をしたこともあるのか、その内閣不信任案についても「民主党内から出すべきだ」と強硬論を唱える議員もいるようだ。

この、菅降ろしの動きは、小沢グループ以外にも広がりを見せ、21日の前原グループの会合で、稲富議員が、前原氏に対して「ご迷惑をおかけしてすみません」と話しかけると、前原氏は「迷惑なんてかかっていないよ。どんどん、やったらいい」と応じたとされている。

稲富議員は、19日に凌雲会や野田佳彦財務相のグループに小沢グループも加えた、「国難に立ち向かうための勉強会」なるものを発足させたのだけれど、45人の議員が参加して、これが「菅降ろし」とからめて報じられたことが、前原氏への謝罪の理由。

だけど、前原氏がこれを容認したということは、もう、前原氏もあからさまに菅首相と距離を置いていることになる。だから、反菅の動きは、小沢グループから徐々に中間派に広がりをみせ、前原グループといった主流派ですら静観を始めている段階になっている。



更に、それと並行して、山岡民主党副代表は20日に、自民党の町村氏と会談して、"一般論"として、「菅首相が自ら辞めない限り、首相を辞めさせるには内閣不信任決議案を可決させる方法しかない」と述べたという。

この発言を聞く限り、たとえ、両院総会で菅首相がリコールされたとしても、首相を辞めることはないだろう、という読みがあり、その時は内閣不信任案を出してでも引きずり降ろすという話がされた可能性があるし、民主党の輿石東参院議員会長も同じく20日に、麻生元総理と会談して、菅首相では復興は覚束ないという麻生元総理の主張に同意したと伝えられているから、水面下で、自民党との連携、すなわち、"内閣不信任決議案の可決"の下準備を始めているのかもしれない。

そして、更に更に、先の統一地方選前半戦での民主党惨敗を受けて、24日の後半戦終了後、複数の民主党地方組織の代表が引責辞任する動きがある。今のところ、辞任の意向を固めているのは、滋賀県連の奥村展三代表、大阪府連の樽床伸二代表、熊本県連の松野頼久代表なのだけれど、そのうちの一人は、「地方が責任を取っている、ということを中央にも感じてもらわなくてはならない」と述べていることから、まぁ、明らかに党執行部への圧力であることは否めない。

今や、主流派である筈の菅首相サイドのグループのほうが少数派に転じてしまう雰囲気さえ漂っているように見える。

国壊して菅が在り 」のエントリーで、筆者は、「"菅直人"と呼ばれている「歩く厄災」を除染しないと日本の春は望めない。」と、まるで放射能か何かのような表現をしたのだけど、震災発生後、菅首相に怒鳴られた秘書官らの間では、「きょうは何ミリシーベルト被曝した」などと言い合っていたと報道されている。事実であれば、既に官邸では「放射能」扱いされていたということ。

それに、産経新聞の阿比留氏のブログでは、官邸スタッフが菅首相のことを何度も「クズ人間」とまで呼んでいたという。人前でここまで言われてしまう宰相とは、一体何なのか。流石に民主党議員も、愛想を尽かしたのではないかと思えてくる。

そろそろ、"歩く厄災"宰相の封じ込められる日が近づいているのかもしれない。


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画像「菅降ろし」拡大で小沢戦略着々 「トリガー凍結」で造反者 産経新聞 4月22日(金)7時56分配信

 ■両院議員総会開催へ圧力

 民主党の小沢一郎元代表が「菅降ろし」に向け具体的な動きを見せ始めた。21日にはガソリン価格高騰時に揮発油税を引き下げる「トリガー条項」を凍結する菅直人首相の方針に強い不快感を表明。退陣論は首相支持勢力にも徐々に拡大しており、小沢氏が同調を示唆した内閣不信任案の可決に向けた環境整備が着々と進んでいる。

 「そんなことになっているのか。ガソリンの値段が上がることは被災地からすれば困るな」

 小沢氏は21日、個人事務所で小沢グループ議員からトリガー条項凍結の説明を受け、こうつぶやいた。

 同条項は、民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げた揮発油税などの暫定税率廃止の代替措置として小沢氏の主導で導入された。しかし、東日本大震災からの復興財源として、菅内閣が凍結方針を示したことに小沢系が強く反発。大谷啓衆院議員ら数人が抗議のため関係法案を審議する22日の衆院総務委員会の欠席を宣言し、執行部は委員交代を余儀なくされた。

 小沢グループは首相(党代表)の事実上のリコールの舞台として、両院議員総会開催に向けた圧力を強めている。内閣不信任案提出についても「民主党内から出すべきだ」と強硬論を唱える議員もいる。

 不信任案は約90人のグループ全員が賛成すれば可決するが、小沢氏は政策批判を通じて、さらに同調者を広げる戦略とみられる。

 小沢系以外の議員も、「菅降ろし」の激化に備え始めた。21日の前原誠司前外相の議員グループ(凌雲(りょううん)会)会合ではこんなやり取りがあった。

 稲富修二衆院議員「ご迷惑をおかけしてすみません」

 前原氏「迷惑なんてかかっていないよ。どんどんやったらいい」

 稲富氏ら1年生有志45人は19日、「国難に立ち向かうための勉強会」を発足させた。凌雲会や野田佳彦財務相のグループ(花斉会)に小沢グループも加え、45人を集めた派閥横断の会合が「菅降ろし」とからめて報じられたことを謝罪した稲富氏を、前原氏はすかさず笑顔で激励した。

 首相はこれまで、党内の「小沢アレルギー」を自らの求心力維持に利用してきた。だが、震災対応に右往左往するうちに、逆に「菅アレルギー」が広がり、公然と不信任案への同調論が広まる事態を招いている。

 一方、メールマガジンで首相を批判した桜井充財務副大臣は21日の記者会見で「辞めろとは一言も言っていない」と釈明したが、直接の上司の野田氏からは電話で「筆が滑りすぎないように」と注意を受けただけだったことも明かした。

 民主党の輿石東参院議員会長も21日の会見で、小沢氏の首相批判について「一日も早く国民が安心できる態勢をつくらなければという思いがあるのだろう」と理解を示した。首相の外堀は埋まりつつある。

 実は輿石氏は20日夜、都内で自民党の麻生太郎元首相と会談していた。

 「菅首相のままでは経済や復興はおぼつかない」

 麻生氏の主張に、輿石氏は深くうなずいたという。

URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110422-00000107-san-pol



画像小沢系、両院総会を要求=執行部批判相次ぐ 時事通信 4月19日(火)19時56分配信

 民主党内で19日、小沢一郎元代表に近い議員による菅政権や執行部批判の声が相次いだ。
 山岡賢次副代表は常任幹事会で、統一地方選前半戦での惨敗を受け「総括を両院議員総会でやるべきだ」と述べ、菅直人首相らの責任をただすための両院総会の開催を要求。川内博史衆院議員も、政府が東日本大震災の復興対策の財源として増税を検討していることに反発し、「両院総会で議論すべきだ」と求めた。岡田克也幹事長は特に答えなかった。
 党税制改正プロジェクトチームの会合でも、政府がガソリン価格高騰時に揮発油税などを減税する「トリガー条項」の凍結を決めたことに対し、「被災地でガソリンの値段が上がった時にどう言えばいいのか」(吉田治衆院議員)などの批判が出た。同条項が昨年4月に導入された際、小沢氏は幹事長として関わった経緯がある。
 小沢氏系の中堅・若手による「一新会」も会合を開き、「菅政権ではこの局面は乗り切れない」との認識で一致した。 

URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110419-00000110-jij-pol



画像民主、造反警戒で総務委員など交代 TBS系(JNN) 4月22日(金)20時53分配信

 税制改正法案は、ガソリンの価格が高騰した時にガソリン税を引き下げる特例措置、いわゆる「トリガー条項」の一時凍結を盛り込んでいます。

 この「トリガー条項」はマニフェストで掲げた「ガソリン税の暫定税率の廃止」を見送った代わりに導入された経緯があり、凍結については、小沢元代表を支持する議員を中心に反発が出ていました。

 このため、党執行部は法案採決で造反の恐れがあるとして、衆議院の総務委員会などで委員を差し替える措置をとり、法案は賛成多数で可決されました。

 小沢系議員は「菅降ろし」に向けてまずは政策面での対決姿勢を強めていて、党執行部との間で神経戦が始まっています。(22日13:23).最終更新:4月22日(金)20時53分

URL:http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20110422-00000064-jnn-pol



画像自民・町村氏と民主・山岡氏が会談

 自民党町村派会長の町村信孝元官房長官は20日、民主党の小沢一郎元代表に近い山岡賢次副代表と都内で会談した。

 町村氏は「民主党とは基本政策が一致せず、大連立は不可能だ」と指摘した。山岡氏は「一般論」として、「菅首相が自ら辞めない限り、首相を辞めさせるには内閣不信任決議案を可決させる方法しかない」と述べた。

(2011年4月21日09時02分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110421-OYT1T00176.htm



画像地方代表に辞任の動き=首相責任論拡大も―民主【統一選】 時事通信 4月22日(金)23時59分配信

 統一地方選前半戦の道府県議選などで民主党が惨敗したことを受け、24日の後半戦の終了を待って滋賀県連の奥村展三代表ら複数の地方組織の代表が引責辞任する意向を固めていることが22日、分かった。菅直人首相は同日の記者会見で、東日本大震災への復興対策に全力を挙げるとして、政権維持に強い意欲を示したが、複数の県連で代表が一斉に辞任すれば、首相や岡田克也幹事長の責任を問う声が党内でさらに拡大する可能性がある。
 複数の民主党関係者によると、辞任の意向を固めているのは、奥村氏のほか、大阪府連の樽床伸二、熊本県連の松野頼久の両代表ら。昨年9月の党代表選で小沢一郎元代表を支持した議員が目立つ。
 辞任する意向の県連代表の一人は「(辞任は)『小沢系だから』ということではない」とした上で、「地方が責任を取っている、ということを中央にも感じてもらわなくてはならない」と述べた。 (了)
奥村展三(おくむら・てんぞう)、三井辨雄(みつい・わきお)

URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110422-00000154-jij-pol



画像「東日本つぶれる」「20年住めない」…首相は「歩く風評被害」 2011.4.22 23:11

 東京電力福島第1原子力発電所の事故は、放射性物質(放射能)をまき散らすだけでなく「風評被害」という副産物も生んだ。菅直人首相は22日の記者会見で「外国首脳が日本に駆けつけ『ある部分を除いては外国人が来ても大丈夫だ』『いろんなものを食べても大丈夫だ』と発信してくれている」と人ごとのように語ったが、ちょっと待ってほしい。事態をより深刻にしてきたのは首相自身ではないか。

 「思いつき」だけの軽はずみな発言を続ける首相はもはや「歩く風評被害」というほかない。

 「最悪の事態となったとき東日本はつぶれる」

 「(福島第1原発周辺は)10年、20年住めないのかということになる」

 これまで首相はこんな風評を流した。行政の長でかつ「ものすごく原子力に詳しい」と自負する人がこんな無責任な発言をすれば、国内外で「日本、特に福島県の製品・産品は危険なのではないか」と不安が広がっても仕方あるまい。

 後者の発言について、首相は直後に「私は言っていない」と否定したが、それならば、なぜ発言を流布した松本健一内閣官房参与を解任しないのか。枝野幸男官房長官が「適切な対応を検討する」と解任を示唆してもなおかばい続けるのだから「やはり首相の発言だったのではないか」との疑惑が深まっても文句は言えないはずだ。

 15日には、風評被害払拭を求めて首相官邸を訪問したJA福島の代表団からイチゴとキュウリを差し出され、いきなりこう尋ねた。

 「このまま食べても大丈夫ですか?」

 「悪気はなかった」と信じたいが、まるで野菜の放射能汚染にビクビクしているかのような言いぐさではないか。これでは風評被害を払拭するどころか、助長しかねない。

 「福島ナンバーの車が止まっていると『どけ』といわれる。福島県から他県に避難した子供が学校で『放射能がついているんじゃないか』といわれる」

 衆院福島3区選出の玄葉光一郎国家戦略担当相はこう訴えた。私事で恐縮だが、私も自家用車は「いわきナンバー」で義父母は福島県に暮らす。首相はこの窮状をどう受け止めているのか。江田五月法相は「根拠のない思い込みや偏見で差別することは人権侵害につながりかねない」と風評被害を断罪したが、この言葉をそのまま首相にぶつけるべきではないか。

 首相は22日の記者会見で東日本大震災を「危機の中の危機」と断じた。そう認識しているならば毎日国民の前に姿を現して風評被害の根絶を訴えるのが筋だといえる。日本の食料品や製品に海外から疑惑の目が向けられることにも「政府の情報発信のあり方が不信を招いているのではないか」と自問し、誤解を解く努力をすべきだろう。

 にもかかわらず首相は大震災発生以来一度もぶらさがり取材に応じず、官僚や政治家の足が遠のいた首相執務室で、次々に内閣官房参与に起用した原子力専門家らと連日「雑談」に興じているそうだ。自らの説明責任を果たさないまま、参与らを通して風評被害を垂れ流すとは…。

 震災発生後1週間ほど首相が周囲を怒鳴り散らしていたことは有名だが、怒鳴られた秘書官らは「きょうは何ミリシーベルト被曝(ひばく)した」と言い合っていたという。

 極めて不謹慎なジョークではあるが、首相がもはや官邸で「放射能」扱いされていることだけは疑いようがない。(阿比留瑠比)

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110422/plc11042223130035-n1.htm

この記事へのコメント

  • sdi

    小沢派はじめ「反菅」な民主党の方々のの主張は
    「内閣不信任案には賛成するけど、政権は渡さないし下野するつもりもないよ」
    ということですね。
    真っ当な議会政党なら、内閣不信任案が通った時点で政権運営をあきらめて下野するか、解散総選挙により有権者に信を問うかどちらかなんですが、民主党は「どっちもヤダ」と言ってるわけです。確かに「内閣不信任案が可決されたら、内閣総辞職するか解散総選挙を実施しなくてはならない」旨が法に定められていますが、「内閣総辞職したなら政権を野党側にわたさなくてはならない」という条文はありませんからね。
    菅首相の首と引き換えに、政権交代を拒否するのでしょう。
    2015年08月10日 16:46
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    「マルキスト嘘付」党の魑魅魍魎が蠕き始めている.
    小沢氏といい, 前原氏と言い, 輿石氏と言い, 下手に
    「役立たず」氏を助けると火の粉が降り掛かる連中.
    それに自民党リベラルが合い乗りする可能性がある.
    今回の日独決議の顛末から, 自民党リベラルは
    民主党と同じようなことをやることが分かった.
    日独決議賛成を示し合わせた現執行部を変えないと,
    自民党は変化の中に正道を見つけられないだろう.
    2015年08月10日 16:46
  • almanos

    江戸時代よろしく馬鹿殿は押し込め蟄居ならぬ空き管はゴミ箱に封印に向けて動き出したという所でしょうか? 最大の問題は空き管の解散権行使を如何に封じるかですね。押し込められる位なら城に火を放ってやるという所でしょうし。民主党としては如何に押し込めるか? 城に火を放って道連れにという手を如何に封じるか? という所でしょう。こうなると四月中に空き管が「先手を打ってやる。俺を降ろそうとするのが悪いんだ」と25日の国会冒頭で内閣総辞職と衆院解散をぶちかましたりして。「居座れないなら壊してやる」といった所でしょうか? 補正予算も大事だけど、空き管をゴミ箱に入れる方が先になりそうに思えます。
    2015年08月10日 16:46

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