4月13日、福島大は福島北部エリアの372地点で測定した、1時間当たりの放射線量を示した地図を発表した。
測定は、3月25~31日に、原発の20キロ圏内を除く浜通り、中通りの地域、原発から20 kmから概ね70 kmの範囲で行なわれ、対象範囲を、2キロ四方に区切った各区域の中の1カ所から数カ所を選び、測定領域全体の分布を均質な条件で調査するために、アスファルトの道路隅の地表から高さ1mの地点で、NaI (Tl) シンチレーションサーベイメータによる測定を行った。(図面はこちら(PDF))
値の採取は、検出器の値が安定するのを確認してから、30秒ごとに5回測定したのだけれど、大きなばらつきが存在しなかったというから、放射性物質が薄く均質に大気中にばら撒かれているか、地表に均等にばら撒かれているかのどちらか、または両方の影響ではないかと思われる。
今回の測定は採取したデータから半減期を考慮して算出した30日時点の放射線量図になるのだけれど、これをみると、原発から北西方向に放射線が高濃度に分布しているのだけれど、これはSPEEDI によるシミュレーション結果とよく一致している。
また、4月5日から7日にかけて、福島県内の各種学校の校庭などで行われた線量率の結果もネット等で公表されているのだけれど、それは次のとおり。
これもやはり、原発から北西方向に高濃度のエリアがあることが分かる。これによると、1uSv/h以下の低濃度ではあるものの、猪苗代湖から西の区域、すなわち、会津地方にも、拡散していることが分かる。
アメリカの国務省は14日に在東京米大使館職員の家族に対する日本国外への自主避難勧告を解除して、原発に関しては、原子炉冷却作業がうまくいっており、電源や水の供給なども一部回復してきた、とコメントしている。
また、ロシアの政府機関である医学生物学庁のウラジーミル・ウイバ長官は15日の記者会見で、都内のロシア大使館敷地内の放射線量が0.07~0.10uSv/hで、モスクワの半分の水準であるとして、日本への渡航制限を解除するようロシア外務省に勧告するようだ。
元々、日本は自然放射線量のレベルが低い国で、世界平均の2.4mSv/yと比べて、日本の平均は0.99mSv/y。全国一放射線量の高い岐阜県でも1.19mSv(0.136uSv/h)、全国最低の神奈川県だと、0.81mSv/y(0.092uSv/h)しかない。だから、まぁ、要するに都内の空間放射線量レベルは、だいたい岐阜県レベルになった程度だということ。
従って、まだまだ予断を許さないものの、原発がなんとか冷却方向に向かい、爆発的な放射性物質の放出がなければ、大気中の線量は沈静化方向に向かうと思われるから、今後は、地表部分の放射性物質の蓄積とその除染に中心が移ってくるものと思われる。
地表部分の放射性物質に関していえば、ネット等でいろんな人がアップしたりしているけれど、都内でも地表付近だと、空間線量の数倍以上の高いレベルの放射線を観測しているから、たとえば、土煙等を吸い込んだりすると、それだけ高い放射線を浴びることになる。
だけど、逆にいえば、外はそれさえ気をつけてしまえばよいということになるし、都内及び空間線量が0.13uSv/h程度の地域に限っていえば、飲食等で放射性物質を取り込む、いわゆる内部被曝を別にすれば、大きな問題はないと思われる。
因みに、放射線ホルミシス効果が謳われている、秋田県の玉川温泉の鳥居付近の地面の放射線量は4.0uSv/hくらいはあるようだから、無理矢理ポジティブに捉えれば、都内は玉川温泉になったのだ、と言えなくもない。まぁ、24時間そこで暮らしてどうなのかは分からないけれど。
この、地表の高い放射線がヨウ素131によるものなのか、セシウム137によるものなのかどうかは、ある程度時間がたってみないと分からないところはあるけれど、このまま上手く収束してくれれば、酷いことにはならないように感じている。


福島第1原発事故で、福島大は13日、浜通り、中通り地方の372地点で測定した1時間当たりの放射線量を示した地図を発表した。実測データに基づいて詳細な放射線量の分布が示されるのは初めて。放射線量の高い地域が原発の北西方向に帯状に広がっている状況が裏付けられた。
共生システム理工学類の山口克彦教授は「放射線量を面的に示し、放射性物質の飛散状況が把握しやすくなった」と述べた。飛散の経路や仕組みについて気象条件と地形を踏まえて解析する。
測定は3月25~31日、原発の20キロ圏内を除く浜通り、中通りの地域で実施。2キロ四方に区切った各区域の中の1カ所から数カ所で行い、半減期を考慮して算出した30日時点の放射線量を示した。測定値が同レベルの地点を等高線のように結んで飛散状況を把握しやすいようにした。
地図を見ると、放射線量は原発から約25キロ離れた浪江町津島付近の約70マイクロシーベルトを最高に、原発の北西方向に高い地域が分布している。福島、郡山両市周辺では周囲より放射線量が高めの地域があり、山口教授は「放射性物質は複数のルートで流入しているのではないか」と推測している。
URL:http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20110414_04.htm

米国務省は14日、東日本大震災で在東京米大使館職員の家族らを対象に出していた日本国外への自主避難の勧告について「福島第1原発で続く原子炉冷却作業がうまくいっており、電源や水の供給なども一部回復してきた」として、解除すると発表した。
一方で「依然として状況は深刻で、不測の事態が起こりかねない」として、原発から80キロ圏内の避難勧告については維持した。(共同)
URL:http://sankei.jp.msn.com/world/news/110415/amr11041512120009-n1.htm

放射線障害などを研究するロシアの政府機関、医学生物学庁のウラジーミル・ウイバ長官は15日、都内の大使館で記者会見し、同館敷地内の放射線量が毎時0.07~0.10マイクロ・シーベルトで、モスクワの水準(同0.17~0.20マイクロ・シーベルト)の約半分にとどまるとの調査結果を公表。
「東京の放射線量は人体に悪影響はない」と述べた。これを受けウイバ長官は、観光を目的にした日本への渡航制限を解除するようロシア外務省に勧告する意向を明らかにした。
福島第一原発の事故を受けロシア政府は同庁の専門家グループを東京に派遣、15日までの1週間、放射線量の測定と大使館員や在住ロシア人約200人の健康調査を行った。この結果、甲状腺の放射性ヨウ素の値が基準を上回った例はなかった。
(2011年4月15日20時33分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110415-OYT1T00975.htm
この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
「マルキスト役立たず」氏がまだいますからね.
もう一つ何かが起きる気がする.
ところで, 大学の新入生十数人に聞いたが,
政府東電は何かを隠しているというのが
大部分でしたね. 若者は私が冗談で書く様な
ことを真剣に心配しているようだ. マルキスト
が本当のことを言わないと言う点で一致した.
白なまず
【原子炉外付け冷却検討…建屋内の装置稼働進まず】
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110416-OYT1T00710.htm
ス内パー