民主全敗の統一地方選

 
「今、内閣不信任案が出たら自分は賛成する。与野党の圧倒的多数で可決するんじゃないか」
小沢氏側近


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4月10日に行われた、統一地方選の前半戦は、なんともはっきりとした結果となった。

12都道県知事選および4政令市長選が行われた結果、与野党対決となった、東京、北海道、三重の3知事選で全敗。41道府県議選でも改選415議席を下回る346議席。全敗となった。

特に、民主王国でもあり、岡田幹事長のおひざ元でもある三重知事選で、前津市長で、民主推薦の松田直久氏を、自民・みんなの党推薦、公明県本部支持を得た、元経済産業省課長補佐の鈴木英敬氏が接戦の末破った事実は大きい。

選挙戦序盤こそ、民主推薦の松田氏が先行していたのだけれど、鈴木氏が猛追して、最後の最後で逆転した。得票数は以下のとおり。
 松田直久氏 369105票
 鈴木英敬氏 379472票

と、双方の差が一万票を割る大激戦。この中で、岡田幹事長の地盤である三重3区での投票結果をみてみると次のとおり。

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岡田幹事長の選挙区でもある三重3区で鈴木氏が競り勝っている。特に、有権者の多い四日市で、1万5千票以上の差をつけたのが大きく結果に影響したものと思われる。

岡田幹事長は11日の記者会見で、この結果について「信任されたと言えないかもしれない。しかし不信任とまで言うのは強すぎるのではないか」とコメントしているから、信任されていないことだけは自覚しているようだけれど、さすがにここまで勝てないと党内の風当りは相当強くなるだろう。

3月7日に前原前外相が辞任したときには、ポスト菅の筆頭に躍り出た岡田幹事長ではあるけれど、今回の敗北で、その目は遠のいたと言える。ただ、それが民主党内のナンバー2を不在にさせ、却って菅首相の延命に手を貸した面も無くはない。

自民党の谷垣総裁は11日午後の記者会見で、「東日本大震災対応への国民の不信が表れた。菅直人首相は国民の厳しい声にどう応えるか、自ら判断すべきだ」と、首相の退陣を求めたけれど、菅首相は支持率1%でも辞めないと言っているのだから、地方選で負けたくらいで辞める気はないだろうと思う。

マスコミは、「菅おろしだ」とか「菅抜き大連立だ」と書き立てるけれど、そのためには、「菅降ろし」で党内を纏めなければいけないし、そんな動きがあろうものなら、菅首相が黙っていない。きっとどんな手を使ってでも、阻止に回るはず。

4月11日に、菅首相は「東日本大震災復興構想会議」を設置して、その議長に防衛大学校長の五百旗氏、議長代理には建築家の安藤忠雄氏、特別顧問として哲学者の梅原猛氏を充て、宮城、岩手、福島3県の知事を加えた計15人を任命している。



ただ、この人選には、菅首相が自分の身を守るための、"人間の盾"ではないのかという見方がある。

たとえば、五百旗頭氏は小泉純一郎元首相に近いし、安藤氏は石原都知事の盟友。そして、岩手県知事の達増氏は小沢氏の後ろ盾がある。つまり、"菅おろし"をしてきそうな勢力の味方となる人物を傍において、"菅おろし"をしづらくさせるのを狙っているのではないかということ。あるいはそうなのかもしれない。

そこまでして、保身に走る御仁を引きずり降ろそうとおもったら、引きずり下ろすほうも、差し違えるくらいの覚悟でないと駄目だろうと思う。つまり、内閣不信任案決議に賛成して、除名あるいは、解散になったとしても構わないくらいの覚悟がいるとさえ。

先日、西岡参院議長が記者会見で「今の状態で国政を担当するのは許されない」と公然と退陣を口にし、小沢氏もそっれに「感銘を受けた」と述べたと言われている。

確かに、今の菅首相に不満を持つ民主党議員はそれなりにいるかもしれないけれど、それを纏めて行動にまで移せる人が、今の民主党にいるのかどうか分からないし、下手に動けば菅首相に潰される可能性がある。小沢氏とて、党員資格停止の身の上だから、表だっては動き難い。(尤も小沢氏は裏の動きこそ得意ではあるが…)

だから、もしも、内閣不信任案決議による退陣があるとするならば、水面下での動きはもとより、やはり民主党議員の大多数が、心の底から菅首相では駄目だと思ったときではないか。その時が何時になるのかは、まだもう少し様子を見る必要があると思う。


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画像民主系先行も自民系猛追、三重県知事選 2011.4.3 22:11

 民主党の岡田幹事長のお膝元、三重県の知事選は、序盤は民主推薦の松田が知名度のある県中部などでやや先行した。だが自民、みんな推薦の鈴木は36歳の若さをアピール、無党派層も取り込み始めており、激しく追い込んでいる。

 県内8市町の首長が応援する松田は、津市長として市町村合併をまとめた手腕などを強調する。保守層の厚い県南部も積極的に回り切り崩しを進める。県北部が地盤の岡田幹事長も、震災対応の合間に応援に入っている。

 鈴木は街頭活動を重ねて名前の売り込みを図る。自民は岡田の地元で民主推薦候補を倒そうと、党幹部や首相経験者を続々と送り込んで追い込みに懸命だ。県本部で支持を決めた公明も県議選と連動して支援を呼び掛ける。

 共産推薦の岡野は、民主や自民の批判票取り込みを狙うが厳しい戦い。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110403/elc11040322140009-n1.htm



画像谷垣氏、首相退陣を要求=「国民の厳しい声、自ら判断を」【統一選】

 自民党の谷垣禎一総裁は11日午後の記者会見で、統一地方選前半戦の民主党惨敗について「東日本大震災対応への国民の不信が表れた。菅直人首相は国民の厳しい声にどう応えるか、自ら判断すべきだ」と述べ、首相の退陣を求めた。
 谷垣氏は「震災対応など協力できることには徹底的に協力する」と重ねて強調。一方で「健全野党として国家国民のためにならないことには断固筋を通す。政策論のない野合は国民への裏切りだ」と述べた。自民党内で菅首相への不信感が強いことを踏まえ、首相続投を前提とした民主党との「大連立」は拒否する考えを示唆した発言だ。 
 復旧・復興のための2011年度補正予算案の編成に当たっては、子ども手当など民主党マニフェスト(政権公約)の主要政策を撤回し、財源に充てるよう要求。「メンツにこだわって、そこまで踏み込めないということがあってはならない」とけん制した。(2011/04/11-17:09)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011041100559&j4



画像狂犬カンダフィめ!卑劣“菅”復興会議を「人間の盾」扱い2011.04.07

 菅直人首相(64)が「ぶら下がり」取材の廃止を検討していることが7日、分かった。歴代首相が一問一答で追及されて苦しんだだけに、逃げたい思いがうかがえる。一方、東日本大震災の復興ビジョンを練る「復興構想会議」は、国会議員ではなく有識者で固める方向という。その人選に潜む思惑。自らは陰に隠れて延命を図る“人間の盾”作戦なのか。

 菅首相は6日夜、官邸を出る際、「もうぶら下がりはしないのか?」との記者団の問い掛けに、「ご苦労さん」とだけ語り、返答しなかった。

 もともと、菅首相は一問一答の取材に消極的。昨年6月の就任会見で「取材を受けることで政権運営が行き詰まるという状況も感じている」と述べ、それまで1日2回だったぶら下がりを、1日1回に減らした。

 3月11日以降は、「震災対応を優先する」との理由で、一度もぶら下がりに応じていない。1週間に1回、一方的にメッセージを発するだけで、本格的に記者の質問に答えたのは今月1日の記者会見のみ。

 こうした姿勢は周囲も懸念しており、枝野幸男官房長官は6日の会見で「国民の皆さんに首相から直接さまざまな発すべきメッセージを出されるのが望ましい」といい、菅首相に取材を受けるよう諫言したが、返事がないことを明らかにした。

 民主党の小沢一郎元代表に近い若手議員は「菅首相が『忙しいから』と取材に受けないはおかしい。延命のために、自分に都合のいいことだけをしゃべりたいだけでは」と憤った。

 一方、菅首相は7日までに「復興構想会議」の議長に防衛大学校の五百旗頭真校長を充てる方向で調整に入った。メンバーにはほかに、建築家の安藤忠雄氏、政治学者の佐々木毅学習院大教授、被災自治体首長として、岩手県の達増拓也知事らの名前が浮上している。

 豪華メンバーだが、永田町事情通は以下の見方を披露した。

 「巧妙に考えた人選だ。五百旗頭氏は、自民党の小泉純一郎元首相に近い。安藤氏は東京都の石原慎太郎知事の盟友。佐々木氏は民主党政権が発足した直後、内閣府特命顧問になった人物。達増氏は小沢氏の後押しで岩手県知事になった。党内外の『反菅』勢力が攻撃がしづらくなる。いわば人間の盾作戦だ」

 「人間の盾」とは、敵の攻撃対象近くに民間人がいることを知らせ、攻撃を思いとどまらせる卑劣な戦術。内戦状態のリビアでは、独裁者のカダフィ大佐率いる政府軍が、地元住民を「人間の盾」として使い、多国籍軍の攻撃に対抗している。カダフィ大佐も、テレビなどで一方的にメッセージを発するだけだ。

 民主党内には菅首相をカダフィ大佐になぞらえて「カンダフィ」と呼ぶ声もあるというが…。

URL:http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110407/plt1104071147000-n1.htm



画像被災者も呆れた…菅“卑怯”な延命工作 放逐へ蠢く小沢&仙谷 2011.04.11

 菅直人首相率いる民主党は統一地方選前半戦(10日投開票)で大惨敗を喫した。国政での与野党対決型となった東京、北海道、三重の3知事選では民主党系候補が完敗。道府県議選でも大幅に議席を減らし、公認候補の4割が落選した。これまでの政権運営に加え、東日本大震災や福島第1原発事故での後手後手の対応が否定された形だ。党内外から「菅降ろし」の声が強まるなか、菅首相は卑怯な延命工作に乗り出している。

 「統一選惨敗は事前に分かっていたため、少しでも衝撃を和らげようと別のニュースをぶつけてきたのだろう。ただ、このタイミングでやっても拍手を送る人はゼロ。国民はまったく評価しない」

 政治評論家の小林吉弥氏はこう語る。「別のニュース」とは、統一選投開票日に合わせるかのように突然動き始めた菅首相の行動を指す。

 菅首相は10日、3度目となる被災地視察にわざわざ出かけたうえ、翌11日には、有識者を集めた「復興構想会議」を立ち上げ、第1次補正予算の与野党協議も開始。さらに、福島第1原発から半径20キロ圏内としている避難指示の範囲を広げることを枝野幸男官房長官が明らかにした。これら一連の行動が、あからさまな“延命工作”というのだ。

 報道各社の出口調査などで「大惨敗」が濃厚となった10日夜、菅首相は官邸で、民主党の岡田克也幹事長や輿石東参院議員会長らと会談し、復旧・復興のための2011年度第1次補正予算案の取りまとめや、その後の国会運営に関し、野党と丁寧に話し合う方針を確認した。

 その後、岡田氏は選挙結果について、「地方選挙なので、直接政権に対する批判とは受け止めていない」「震災で、政府・与党はそちらに重点を置かざるを得なかった」などと記者団や報道番組で語ったが、一般的な受け止め方とはほど遠い。12都道県知事選や4政令市長選、41道府県議選、15政令市議選という統一地方選前半戦の結果は、まさに「菅政権への審判」だからだ。

 このため、野党・自民党の自民党の石原伸晃幹事長は「人心が離れた政権が国難に対処できるのか。菅首相は国民の声を聴いて謙虚になるべき」と述べ、退陣を迫った。

 連立与党である国民新党の下地幹郎幹事長までが「政権交代(の成果)と復興対策が争点だったが、両方とも国民の信任は得られなかった」と厳しく指摘した。

 菅政権は今後、被災地のがれきの除去や仮設住宅建設など緊急措置が中心の1次補正について4兆円規模とし、5月の大型連休前の成立を目指す。その後、本格的な復興対策を盛り込んだ2次補正を6-7月に提出する段取りを描いている。

 衆参ねじれのなか、菅首相は「国難打開」の体制強化のため、自民党との「大連立」をなお模索するとみられるが、今回の統一選大惨敗で菅政権への逆風は裏付けられた。

 勢いづく自民党は、「5Kを撤回・排除せよ!」と要求している。5Kとは、「バラマキ4K」(子ども手当、農家の戸別所得補償、高校無償化、高速道路無料化)に、菅首相自身(1K)を加えたもの。補正賛成や大連立に向けた最大の障害は、菅首相自身というわけだ。

 民主党内でも「菅降ろし」が始まっている。

 反主流派といえる小沢一郎元代表のグループは虎視眈々と「菅降ろし」を狙っている。複数の民主党幹部は、小沢氏が「菅抜き」の大連立に向けて、自民党サイドと接触しているとされる。

 小沢氏の懐刀、松木謙公前農水政務官は10日、「僕の意見は変わっていない。菅首相は1秒でも早く辞めればいい」と言い放った。

 「影の宰相」こと仙谷由人官房副長官の動きも怪しい。仙谷氏の官邸復帰で閣僚や官僚が「仙谷詣で」を繰り返したため、誰かれ構わず怒鳴りつける菅首相はさらに孤立化し、両氏の関係は芳しくないというのだ。仙谷氏は周囲に「もう少し待て」と意味深長なセリフをもらしている。

 こうした党内外からの攻撃に対し、菅首相が政権維持のために繰り出した狡猾な策が、冒頭に挙げた「震災対策」というわけだ。

 ただ、こうした延命策は「戦略性なし。菅首相は切羽詰まってきている」(小林氏)と分析する政治のプロたちだけでなく、被災地の避難民らも見透かしている。宮城県石巻市で避難生活を送っている男性は「菅首相は『頑張ってください』というだけ。一体何をしにきたのか…」とあきれ果てた。これが、国民の大方の意見だろう。

URL:http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110411/plt1104111605004-n1.htm

この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    > 4月10日に行われた、統一地方選の前半戦は、

    民主党の敗北ではありますが, 単に浮動票が流れたに
    過ぎないように思われる. 何があっても民主党と言う層
    が明確にあるようだ.

    > やはり民主党議員の大多数が、心の底から菅首相では
    > 駄目だと思ったときではないか。

    民主党議員の本能は保身ですからね. 人のせいにして
    ぎりぎり迄粘るんでしょうな. で, 結局, 有効な手は
    何も打たれないと言うことになる.

    自民党の決断力のなさが目についてきている.

    「マルキスト阿呆」枝野がまた経済の手足を縛るような
    ことを「明言」しましたな. 経団連は何時まで付き合う
    積もりなのだろうか. 「TPP命」経団連も相当な
    「売国阿呆」です.
    2015年08月10日 16:46
  • 白なまず

    P230
     最初で最後の大掃除が迫っているこの時期は、そなたがしていることをそなたにハッキリと気づかせねばならんから、文句や不満やグチを言ったり、外の責任にしたり、コントロールしようとしたりするとますますそういう状況を体験するようになるのぞ。この方の言う通りに、人のせいや価値判断をやめて素直に行動すれば、嬉し楽しをハッキリと体験することができるのぞ。今までより早く、苦も喜びも来るのぞ。そなたがしただけのことは清算しなければならんが、清算すれば責任を取れば喜びが来るのであるぞ。掃除も大変であるが、オカゲも大きく来るのであるぞ。こんなに善い時期はかつて無かったのであるぞ。そなたがこのチャンスを使うか使わないかはそなた次第であるぞ。やれば嬉し、やれねば苦し、どっちにしてもこの方の言う通りになるから存分に試してみるがよいぞ。天国を創るこの方のやり方が分かったらそこから切り換えればよいぞ。最後の最後ですべてが明らかになるからそれまではお好きなようになさっているがよいぞ。そなたのしたことはすべてそなたに返るだけであるからな。地獄でも天国でも好きなものを貰うがよいぞ。
    2015年08月10日 16:46
  • 清高

    民主党は、確かに中央レベルで、首長の選挙を結構不戦敗にしており情けないです。しかし、昔は、自社相乗りvs共産党っていうのもありましたからねぇ。とりわけ、41道府県議選(岩手、宮城、福島各県、千葉県浦安市を比較の対象から除く)においては、民主党は334→346人、自民党は1,137→1,119人。民主躍進、自民退潮が正しいですね。
    2015年08月10日 16:46
  • sdi

    菅・仙谷枢軸は「統一地方選の後半戦でなんとか挽回しよう」と企んでいる可能性は絶無ではないでしょうが、そこまで状況判断が斜め上とは考えにくい。
    民主党内における反菅・仙谷勢力の動向ですが、ここまで惨敗していると彼らも解散・総選挙につながるような動きはできない。総選挙やったら落選して次期衆院選候補者という名前の失業者に逆戻りです。ですから内閣不信任案が通さないでしょう。もしくは内閣不信任案を可決して菅内閣総辞職後、首班指名で自党から候補を立てて再び政権を握るという挙に出るの可能性があるかもしれません。
    でも一番無難なのは総理の首だけ挿げ替えてあと2年間、石にかじりついてでも与党の座にしがみつく手でしょうね。
    2015年08月10日 16:46
  • almanos

    地方選の結果は各国会議員の選挙を支える地元基盤の強さの元です。それがここまで惨敗したとなると例え、管、仙石サイドの議員でも「次の選挙大丈夫かよ? 」という状況でしょう。空き管は何が何でもしがみつこうとしてますから、正攻法である内閣不信任案で降ろすしかない。ただし、ここ一幕加わるのではないでしょうか。国政選挙でも今回の震災特例で延期できる変則的措置を可決し、矢継ぎ早に内閣不信任案を提出、可決する。例え空き管が解散を宣言しても変則的措置が聞いている間は首は保たれる。その間に必死で役に立つ所を見せて次の選挙で延命を図る。こういう措置が国政選挙で可能かという事がクリアできればあり得るのではないでしょうか? 或いは管首相が急病で人事不省となり代行に替わって交代する。まあ、実態は仙石氏等による学生運動の十八番「静かな総括」ですけど。どちらかに推移していく様に思えます。現状だと仙石氏等による総括が一番ありそうですが。
    2015年08月10日 16:46

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