内閣不信任案決議を睨んでの駆け引きが激化している。
野党による不信任案提出時期は、早ければ、来月の党首討論後の2日とも、5日の青森県知事選挙後の6日とも言われている。
ただ、可決については、不透明ながらも否決されるとの見通しが優勢のようだ。
もう報道等でも言われているように、不信任案可決には民主党から81名以上の賛成が必要とされているのだけれど、現実問題としてそこまで与党からの造反議員ができるかどうか定かでないから。
もちろん、小沢氏に近い議員からは不信任案に同調する署名が100人以上集まったといって可決への自信を見せているし、逆に菅首相サイドからは、安住淳国対委員長が、「粛々と否決する自信がある」と述べている。
要するに、駆け引き合戦の真っ最中だということ。
まぁ、小沢グループが集めている署名にしても、それが100人集まったとて、実際にその100人が同調するとは限らないだろうから、いいところ半分くらいではないかと思う。実際、民主からの同調は50人だという話も出ている。
50人も造反するのは、それだけで、与党としては致命的なことなのだけれど、この人数ではまだ可決には至らない。可決のためには、更に、同調者を募るか、採決での欠席者を増やしていくしかない。
ただ、ここまでくると、双方、大方の票読みはできているはずで、小沢氏は、可決に向けての情勢分析を進めると共に、田中眞紀子氏と会談をして、中間派議員の説得工作を続けている。だけど、小沢氏側の動きが目立つということは、やはり、小沢氏側に不利、すなわち否決の公算が高いのではないかと思う。
それでも、まだ、この期に及んで、党執行部から、除名だ、解散だなどと牽制しないといけないあたり、まだ可決される可能性は残されているのではないかと思われる。
同調議員が増えない場合、次善の策として、採決での欠席者を増やすという手が考えられるのだけれど、政治評論家の杉浦正章氏は自身のブログで、可決のケースとして、昨年11月の仙谷氏に対する不信任案での賛成票152をベースに、民主党造反者50人、欠席者70人が出た場合、202対反対194で可決されると述べている。
本当のところはどうなるか蓋を開けてみないと分からないけれど、世論調査で不信任案可決なら総辞職をすべきだが6割を超え、政府の原発発表が信頼できないという回答が8割を超えているし、敗北続きの地方選をみても、民意は菅政権にはっきりとノーを突きつけている。
不信任案可決の鍵はこれまでも述べてきたように、民主党議員の一人一人が「自分を捨てる」ことができるかどうか。その姿勢を示したものが、民主党というレッテルを剥がすチャンスを手に入れるだろう。


東日本大震災の復興体制を盛り込んだ復興基本法案をめぐる与野党の駆け引きが激化してきた。政府・民主党は自民党の対案を丸のみしてでも早期成立を図る構えだが、自民党は内閣不信任案提出の機運に水を差すことになるとの政治判断から、修正協議入りに寸前で急ブレーキをかけた。6月22日の通常国会会期末をにらんだ神経戦は続く。
自民党では石破茂政調会長が法案の修正協議に積極的だったが、24日に開かれた大島理森副総裁、石原伸晃幹事長らを交えた緊急幹部会が転機となった。
「もう少し待て。急ぐ必要はないじゃないか」
幹部の一人が石破氏にストップをかけた。
幹部会では、与党側が30日の衆院震災復興特別委員会で、東京電力福島第1原発事故に関する集中審議に応じるまでは修正協議に入らないと確認。逢沢一郎国対委員長は25日、民主党の安住淳国対委員長と会談しこの方針を伝えた。
安住氏は30日午後に集中審議に応じ、31日に基本法案の衆院通過を図る考えを示したが、逢沢氏は「(午後だけでは)時間が短い」と応じなかった。
実は石破氏は23日夜、民主党の玄葉光一郎政調会長(国家戦略担当相)とひそかに会談し、修正協議入りで合意していた。玄葉氏が、政府案の「復興庁」の権限に「復興計画の実施」を加えるなどの修正案を示し、自民党案を事実上丸のみするとしたからだ。
だが、自民党執行部は、政策論争より不信任案のタイミングに意識が集中している。すでに自民党は31日の衆院予算委員会集中審議を要求している。6月1日の党首討論とあわせ、連日政府側を追及し、不信任案提出に向けた機運を高めたいともくろむ。石破氏も25日の記者会見で「集中審議で原発事故の疑念を明らかにしたい」と述べた。
玄葉氏は24日の党の会合で「政局を絡めることが絶対にあってはならない。こちらが譲るのだから、自民、公明両党も協力してくれるはずだ」と自民党の方針転換に不満を漏らした。
修正協議で不信任案提出の動きを鈍らせ、懸案の特例公債法案成立にも弾みをつけようとしていた矢先だったためだ。民主党が修正案を提示しようとしても自民党側はかたくなに拒絶。目算は外れつつある。
「修正がすんなりいけば不信任案は出しにくくなるのに…。基本法案を早く出しておけばよかった」
民主党執行部の一人は、こうぼやいた。(桑原雄尚、宮下日出男)
URL:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/508713/

菅直人日本首相の就任1年を来月に控え、日本政界がまた揺れている。野党の自民党と公明党は福島原発事故にきちんと対応できなかったという理由で、来月22日の会期終了までに内閣不信任決議案を衆議院に提出することにした。早ければ来月3日にも菅内閣不信任案が提出される見込みだ。
自民党の石原伸晃幹事長は27日、自民、公明両党の幹事長、国会対策委員長会談を開き、「来週は重要な週になる。足取りを合わせなければいけない」と強調した。自民党の谷垣禎一総裁もこの日の党幹部会議で、「勝負の時が近づいている」と明らかにした。
世論を意識して東日本大震災の復旧に必要な法案処理には協力するものの、その他の法案は否決させるという方針だ。野党側は来月1日の党首討論で首相に圧力をかけ、与野党対決構図である5日の青森県知事選挙で世論を味方につける考えだ。朝日新聞によると、来月2日に菅首相が主要8カ国(G8)首脳会議出席の結果を報告した後、3日に提出する可能性もある。
野党は例年の行事のように会期末に内閣不信任案を提出してきた。しかし今回の不信任案提出は与党内の同調勢力が増えているという点で結果が注目される。産経新聞によると、現在、民主党議員のうち不信任案賛成議員は約50人。このうち相当数が小沢一郎元代表に近い。
小沢氏は27日、ウォールストリートジャーナルとのインタビューで、「一日も早く菅首相を代えるべき」と退陣を求めた。小沢氏は野党の不信任案提出についても「いろいろと考えてみる」と同調の可能性を表した。一部では、小沢氏が自分を支持する議員とともに民主党を離脱し、新党を立ち上げるのではないかという予測も出てくる。
野党の不信任案が可決されるには、与党から少なくとも81人が賛成しなければならない。野党の立場では不信任案が否決されたとしても、10人以上の与党反乱票が出てくれば与党分裂を狙える。民主党所属の西岡武夫参議院議長も今月中旬、読売新聞に寄稿し、菅首相の退陣を要求している。
菅首相はG8首脳会議の帰国記者会見で「小沢氏を含め、各党代表と意見を交換する席を持ちたい」と述べた。その間、内閣不信任案の話が出てくれば「衆議院解散カード」で対抗してきたのとは対照的だ。不信任案に対する立場を尋ねる質問に対し、菅首相は「党が団結した姿を見せる」と党内の不満を収拾しようとした。
岡田克也民主党幹事長は28日、青森を訪問し、「不信任案が提出されれば民主党全員の力で否決させる」と強調した。民主党連立政権の金融担当相を務める国民新党の亀井静香代表は26日、鳩山由紀夫前首相に会い「菅氏と小沢氏を和解させられるのはあなたしかない」と仲裁を促した。
URL:http://japanese.joins.com/article/348/140348.html?servcode=A00§code=A00

内閣不信任案が近く提出される見込みだ。可決されるには相当数の民主党内からの造反が必要だが、仮に可決された場合どうなるのか。「大震災直後のこの時期に解散・総選挙なんてできっこない」との声も根強い。菅直人首相は総辞職へ追い込まれるのか、それとも解散に打って出るつもりなのか。
自民党と公明党は2011年6月上旬にも内閣不信任案を衆院へ提出する構えで詰めの協議を行っている。「小沢一郎・元代表グループ関係者が『可決に必要な(造反)数を確保した』と言っている」「いや、小沢氏らからは離党の覚悟が感じられず、腰砕けになるのでは」――自民・公明両党内でも、民主党造反組の「票数」は読みきれていない。
可決されれば解散か総辞職
菅首相はどう対応するつもりなのか。 衆院で内閣不信任案が可決されれば、憲法69条の定めにより、首相は解散するか総辞職するかを選ばなければならない。今回、不信任案が可決されるには、与党側から何人程度の造反が必要になってくるのか。
単純計算すると、75人から81人もの与党側からの賛成(造反)が必要になる。かなり多い数だ。幅があるのは、野党の社民党が、自公方針には乗らず不信任案に反対するとの見通しがあるからだ。衆院定数は480議席で、与党は民主党だけで300議席を上回っている。
一方、「小沢氏周辺は不信任案可決への賛成署名を50人以上集めた」との情報も伝えられる。約50人の鳩山由紀夫・元首相グループの動向も、小沢氏らと歩調を合わせるのか、と注目を集めている。必要造反数が、「手の届くところ」のようにみえなくもない。
各種世論調査で民主党の政党支持率が自民党に逆転されている中、「解散は困る」民主党議員は多い。さらに、原発事故を含めた東日本大震災後の対応に追われる今、「選挙で政治的空白をつくっている場合ではない」との指摘もある。仮に不信任案が可決したとして、「解散・総選挙」は「あり得ない」選択なのだろうか。
「解散ありうる」は単なる牽制球?
枝野幸男・官房長官は、「(大震災は首相の解散権に)全く影響するものではない」との認識を5月27日の会見で示した。こうした「解散もあり得る」とする発言については、「本気ではなく、造反への単なる牽制球だ」との声もある。
元時事通信編集局長で政治評論家の杉浦正章氏は、不信任案が可決された場合でも、「99%解散はできない」という。政党支持率を見ても「自民に負ける選挙」になってしまうからだ。
不信任案が通るかどうかは、「政治は『はずみ』で大きく動くものなので、現段階では論評できない」が、仮に否決されても「菅政権は長くない」とみる。案を提出されること自体が問題だし、そもそも一連の大震災対応が「保身とパフォーマンス」に堕しており、「菅首相の存在自体が国難」だからだという。
一方、菅首相をめぐっては、大震災発生前から「3月危機」や「5月危機」が唱えられ、解散して選挙に勝ち目はなくても、「イラ菅」と称される性格から「やぶれかぶれ解散」に踏み切るのでは、との見方が広がっていた。2010年11月には、小沢氏が会合で「菅首相のやぶれかぶれ解散」を懸念する考えを示したことが、報じられている。
「解散は怖い、でも解散がないなら不信任案に賛成してでも菅首相には退陣してほしい」――そんな与党議員は、どんな行動をとるのか。
URL:http://www.j-cast.com/2011/05/30096922.html?p=all

民主党は30日の役員会で、自民、公明両党が近く提出する内閣不信任決議案に党内から賛成、欠席者が出た場合は除籍(除名)処分も含め「厳正対処」で臨む方針を決めた。同調の動きを見せる小沢一郎元代表支持派をけん制した形。一方、倒閣の意向を明言した小沢氏は田中真紀子元外相に続き鳩山由紀夫、羽田孜両元首相と相次ぎ会談した。不信任案への対応を協議したとみられる。自公両党も幹事長会談で、早ければ6月2日を視野に提出のタイミングを計ることを確認し、政局は緊迫の度合いを増した。
民主党の岡田克也幹事長は役員会後の記者会見で、不信任案が提出されれば「あまり引き延ばすことは賢明ではない」と述べ、日を置かず衆院本会議で否決したい意向を示した。安住淳国対委員長は造反への対応に関して、記者団に「除名を含めた厳しい態度で臨むことになる」と強調した。
枝野幸男官房長官は会見で「東日本大震災の復興、復旧に遅れが出ないよう、(不信任案を)与党で粛々と否決していただけると確信している」と表明。「こんな時期に首相を代えようとすること自体が困難だ」とも述べた。
一方、自民、公明両党は31日の衆院東日本大震災復興特別委員会の集中審議や6月1日の党首討論で、菅直人首相の福島第1原発事故対応の不備や震災対応の遅れを追及し、早期提出の環境を整えたい考えだ。
谷垣禎一総裁は青森市の街頭演説で「菅首相の下ではこれ以上、復興は進められない。野党として責任を果たし『私たちが代わってやる』という意思を示す」と述べ、不信任案提出への意欲を重ねて示した。
公明党の井上義久幹事長は自民党の石原伸晃幹事長との会談で、31日から不信任案の共同提出に向けた党内手続きに入ることを伝えた。小沢氏らの動向をめぐっても意見交換した。
URL:http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201105300148.html

退陣を求める民主党内の反首相勢力に、欧州から帰国した菅直人首相が反撃を開始した。党代表経験者との会談をちらつかせて若手を牽(けん)制(せい)したかと思えば、内閣不信任決議案には、欠席でも「厳重処分」とハードルを上げた。首相の手に握られているのは、たたいても、揺らしても起き上がってくる民芸人形「起き上がり小法師(こぼし)」。政権を手放さないという執念が、その人形から伝わってくる。(小島優)
「不信任の話があるが党が一致して否決する。賛成や欠席なら厳重に対処することを役員会で確認する」
岡田克也幹事長はわざわざ官邸で首相と会談し、造反者を厳重処分する方針を確認。首相もうなずいた。
欠席でも厳重処分-。これは岡田氏の提案だが、党の正式方針に格上げし、引き締めを本格化させた。不穏な議員への「各個撃破」にも着手した。安住淳国対委員長は国対役員会で「仲間ときちんと話して、同調が起きないように努力しよう」と号令をかけた。
首相は28日、訪問先のブリュッセルで、鳩山由紀夫前首相や、小沢一郎元代表ら党代表経験者に会談を呼びかけると表明した。首相退陣論を公言する小沢氏はもちろん、同氏に近い鳩山氏をも取り込みたい考えを示した。
だが、これを聞いた小沢氏が先手を打った。首相の会談申し入れを前に、30日午後に羽田孜元首相と会談すると、夕方には都内の事務所に鳩山氏を訪ねて、不信任案への対応で連携する考えを確認した。さらに、小沢氏支持グループの会合に姿をみせた小沢氏は「党内が穏便に収まるよう努力する。それでもダメなら決断する」と述べた。
小沢氏の発言は、首相が自発的に退陣しないなら、退陣への動きを加速させる考えを示したものと受け止められた。
一方の自民、公明両党は幹事長・国対委員長会談で、内閣不信任案の週内提出で最終調整する方針を示した。6月1日の党首討論、2日の衆院本会議での首相の主要国首脳会議(仏ドービル・サミット)報告を経て提出する。自民党の大島理森副総裁は30日、政府の震災対策への不信について「何か隠しているのではないか、と国民は思う。内閣の言葉は信頼を失った」と力を込めた。
菅内閣のインターネットサイト「KAN-FULL BLOG」には、29日付の首相の寄稿が掲載されている。都内にある福島県のアンテナショップを訪れた際に、同県の民芸品「起き上がり小法師」を購入した話だ。
首相は、「小法師」をサミットに持参し、首脳会合時には、上着のポケットに忍ばせていたとつづった。
「倒れても必ず起きあがる小法師の精神は『日本は必ず復活する』という私から各国首脳へのメッセージに、確かな力を与えてくれました」
帰国した首相は、今度はもう一つの戦いのために、ポケットに、再び起き上がり小法師を忍ばせているに違いない。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110530/stt11053020530008-n1.htm
この記事へのコメント
自暴自棄
被災地の方々が選んだのは・・・
衆議院
岩手1区 階猛(民主党)岩手2区 畑浩治(民主党)岩手3区 黄川田徹(民主党)岩手4区 小沢一郎(民主党)
宮城1区 郡和子(民主党)宮城2区 斎藤恭紀(民主党)宮城3区 橋本清仁(民主党)宮城4区 石山敬貴(民主党)宮城5区 安住淳(民主党)
宮城6区 小野寺五典(自民党)
福島1区 石原洋三郎(民主党)福島2区 太田和美(民主党)福島3区 玄葉光一郎(民主党)福島4区 渡部恒三(民主党)福島5区 吉田泉(民主党)
ですからこのままカンチョクト政権でイイよ。
それで復興が進まなくても自業自得でしょ。
カンチョクトと小沢とルーピーの「政治とカネ」問題での内閣不信任案提出には大賛成です。
とおる
管内閣を信任する議員は、後世、歴史の批判を覚悟すべし。
sdi
1.菅直人が首相辞任→辞任後の首班選出投票で民主党の勝ち
2.菅内閣が総辞職→総辞職後下野。自・公が少数与党
3.解散総選挙→民主党が著しく議席を減らす。自民が第一党になれるかは不明
いっちゃあなんですが、どれをとっても楽しい未来図とはなりえません。3については私は自民が第一党になれるかかなり際どいとみています。これほど民主党政権が評判を下げているのにもかかわらず、自民党支持率がそんなに急上昇したように見えないからです。果たして総選挙になったとき自民等は民主党に勝てるというか勝ちきることができるのか?日本史上初の衆参同時選挙の引き金となった大平内閣不信任案可決のとき民社党(当時)では、賛成票を投じるか議論があったと聞きます。福田派・三木派が不信任案審議時に欠席する公算がかなり高かったからです。あの当時の福田・三木派の動きに比べれば小沢系の動向は遥かに不明瞭です。私は現時点では彼らはあてにできないと思っています。