菅と共に去りぬ

 
6月5日投開票が行われ、与野党対決となった青森知事選は、自公推薦の現職、三村氏の3選が決まった。

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20時の開票で数分後にはもう三村氏の当確が出るほどの圧勝振りで、得票数は三村氏が349,274票であったのに対して、民主、国民新推薦の山内氏が83,374票だったから、4倍以上の大差。民主退潮の流れは変わっていない。

さて、鳩菅合意を受け、不信任案否決されたあと、退陣の約束はしていないと豹変した菅首相は、次の日の閣議あたりまでは、してやったりと笑みをこぼしていたようだけれど、流石にここまであからさまな詐欺紛いの行為に党内も世論も黙っている筈もなく、批難轟々。

始めのうちこそ早期辞任はない、と菅首相と歩調を合わせていた、枝野長官や安住国対委員長なども、批判の高まりに驚いたのか一転して、夏頃に退陣だと手の平返しを始めた。

6月3日の「お情け宰相」のエントリーで、不信任案否決を機に"お情け宰相"となった菅首相が延命を図ろうとしても、世間も党内も許さないといったけれど、その通りの事態となってきた。

筆者としては、ここになるまでもう少し時間がかかるのではと思っていたけれど、流石にあそこまでのペテンが広く知れ渡ってしまったら、どうにもならない。人心はすっかり離れてしまった。

たとえば、6月3日の参院予算委員会で、自民党の西田議員が質問に立ち、菅首相の外国人献金問題を追及していたときも、与党側からヤジもなく、静まりかえっていた。これまであんなに五月蠅いほどのヤジを飛ばしていた民主党議員がそっぽを向いていた。



裏切られた形の鳩山グループは、両院総会を開催して、菅首相に早期退陣を迫る構えで、4日にはすでに開催に必要な署名が集まったとしている。

両院総会は民主党所属議員、衆参合わせて407人の3分の1以上の要求があるか党執行部の判断で開催することになっているから、署名が集まった以上、開催せざるを得ない。民主党の規約には、党代表の解任規定がないから、ストレートに辞めさせる手段がない。

だけど、鳩山氏側近の中山経済産業政務官は「首相に力ずくでも辞めてもらわないといけない」と発言んしているところをみると、総会で菅首相が退陣を明言しない場合は、解任動議を出される可能性がある。いずれにせよ、大荒れになることは間違いない。

それに、野党は当然のことながら、菅首相の姿勢に猛反発していて、復興基本法案以外の法案審議には応じない姿勢を固めていて、今月内にも、問責決議案を提出する構え。問責が可決すれば、参院で法案は悉くストップすることになるから、もう殆ど国会はストップしたようなもの。

これまでの民主党であれば、法案が通らないのは野党のせいだ、とマスコミの力を借りて「ジミンガー」をい連発するところなのだけれど、今回の辞任表明ペテンによって、菅退陣の大義を与えてしまっているから、そんなことはもう言えなくなってしまった。

既に、マスコミも、夏の退陣が既定路線のような報道をしている。もう庇いきれないと思ったか。



また、それと並行して、民主、自民の大連立の話も動き出している。

6月4日には、仙谷官房副長官は自民党の大島副総裁と都内で会談し、菅首相の早期退陣を念頭に、2次補正や退陣後の政権の枠組みについて意見交換したとみられている。

要するに、菅首相に対する批判が、これまで野党だけだったのが、与党内およびマスコミにも広がって、包囲網が狭まってきたということ。官房長官からして夏までには退陣と言われるようでは終わってる。

最後にはひとりぼっちになってひきずり降ろされることになるかもしれないけれど、あれほど権力に固執している菅氏のこと、降りるにしても、降ろすにしても、一筋縄ではいかないかもしれない。

というのも、次期代表および次期首相の座を巡っての党内争いが激化する可能性が高いから。

今回の不信任案にしても、可決の一歩手前にまでいったのは、小沢グループと鳩山氏の連携によるもの。そして、鳩菅会談で、表向きには鳩山氏の尽力で平和裏に辞任の流れになるところだった。菅首相じはそれをぶち壊して党内の反発を招いた。

だから、両院総会などで菅代表を解任できたとして、次の代表及び党執行部には、鳩山・小沢グループの議員になる可能性があるし、仮に世論がそれに反発するのであれば、中間派から選ぶことになると思うけれど、少なくとも、これまで党内で徹底的に排除されていた小沢グループの発言力が増すことは間違いない。

それを、菅首相が諒とするのか。自民党に政権を渡したくないけれど、小沢氏の復権は許したくはない。それは、あの代議士会での辞任発言の中での「若い人に引き継ぎたい」に端的に表れている。

また吹き始めた政局の風。菅首相が官邸から去るまで、もう一波乱、二波乱あるかもしれない。



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画像自公、首相早期退陣へ攻勢 青森知事に三村氏 2011/6/5 20:21

 与野党対決型となった青森県知事選は5日、自民、公明両党の推薦した現職の三村申吾知事の3選が確実となった。両党は菅直人首相の原子力発電所事故対応や東日本大震災の復旧策を有権者が評価しなかった結果とみなし、首相に早期退陣を求めるなど攻勢を強める構え。4月の統一地方選に続く知事選での敗退となった民主党内では執行部の責任を追及する声が強まりかねず、政権の弱体化に追い打ちをかけそうだ。

 知事選は東京電力福島第1原発事故を受けた原子力行政のあり方が争点の一つだった。自民党は「菅政権の原発事故対応の不手際や、復興策の遅れを問う」と位置づけ、党幹部を相次ぎ青森入りさせ総力戦を展開した。

 自公両党は首相の「月内退陣」を求めるとともに、東日本大震災の復興基本法案など震災関連の法案を除く国会審議で対決姿勢を強めるとみられる。民主党が協力を求めている赤字国債発行法案や、子ども手当の修正を巡る攻防が激しくなりそうだ。

 民主党は5月下旬の全国幹事長・選挙責任者会議で統一選の敗北を認め「執行部として強く責任を感じ、反省が必要」と総括したばかり。党内には鳩山由紀夫前首相のグループを中心に、菅首相の早期退陣を求めて両院議員総会の開催を求める動きがある。昨年の参院選や統一選敗退の責任問題を棚上げしていた岡田克也幹事長らの辞任要求が強まる可能性もある。

URL:http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819481E2E7E2E2958DE2E7E2E4E0E2E3E38297EAE2E2E2;bm=96958A9C93819490E2E7E2E2E18DE2E7E2E4E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2



画像「菅包囲網」狭まる=国会停滞、世論離反に危機感-民主

 民主党内で4日、菅直人首相の早期退陣が避けられないとの見方が広がった。3日までと異なるのは、首相に近い閣僚や党執行部から辞任論が上がったこと。首相の発言をめぐり混乱が拡大しており、これ以上放置すると首相への批判が民主党全体に及びかねないとの危機感がある。首相は足元から延命を否定された形で、「菅包囲網」が急速に狭まりつつある。
 退陣をにじませながらあいまいな姿勢を取る首相に対し、自民党は反発。復興基本法案以外の法案審議には応じない姿勢だ。同党の石原伸晃幹事長は4日、今国会の会期延長にも「協力できない」と、当初の方針を転換した。
 「ねじれ国会」の下、野党の抵抗が続けば2011年度予算執行に欠かせない特例公債法案の成立は絶望的。この場合、政府・与党の責任は免れない。民主党の安住淳国対委員長は都内で記者団に「首相が決断すれば、大きな区切りとさせてもらいたい」と強調。党執行部には、首相退陣と引き換えに、重要法案成立への機運をつくりたいとの思惑がある。
 首相の進退をめぐっては、鳩山由紀夫前首相が首相を「ペテン師」呼ばわりするなど、民主党の「醜態」もさらけ出し、党内からは「支持率はがた落ちだ」と悲鳴が上がる。前首相が現職首相を汚い言葉でののしるのは異様だ。枝野幸男官房長官は民放テレビで「(国民に)申し訳なく、恥ずかしく、責任を感じる」と述べ、沈静化に努めた。
 こうした中、首相は4日午後、内閣特別顧問だった笹森清・元連合会長の弔問に出掛けた。混迷政局の中、孤立感が強まる首相にとって、政権運営の指南役を失ったショックは大きかったに違いない。首相官邸を出る際、首相は「(笹森氏に)大変お世話になった」と語ったものの、退陣時期に関する質問には口を閉ざし、苦悩をにじませた。(2011/06/04-22:26)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011060400323



画像今夏中の退陣、政権中枢で拡大=民主国対委員長が表明-首相の判断焦点

 民主党の安住淳国対委員長は4日、菅直人首相の進退について「早晩、重大な決断をすると思う。夏を区切りにするというのは一つある」と述べ、今夏中には退陣するとの見通しを明らかにした。内閣の要である枝野幸男官房長官も同様の認識を示唆、政権中枢で「今夏中」の首相交代で事態を収拾する動きが広がった。岩手県の達増拓也知事も被災地の立場から、「一日も早い」辞任を要求。退陣表明しながら具体的な時期を明言しない首相の判断が焦点だ。
 安住氏は都内で記者団に「首相が政治決断をするなら、当然野党には財政的に不安定な歳入の部分も安定させて、大きな区切りとすることが重要だ」と指摘。首相退陣と引き換えに、2011年度予算執行に不可欠な特例公債法案や税制関連法案の成立へ野党の協力を取り付けたいとの考えを示した。岡田克也幹事長も宮城県白石市で「首相は長く居座ることはないと確信している」と記者団に語った。
 岩手県の達増知事は4日、首相官邸で開かれた復興構想会議に出席した後、記者団に「本人も(辞任を)言っているのだから、早くそうすればいい。東日本大震災の復旧・復興を力強く進められる態勢を一日も早くつくってほしい」と述べた。(2011/06/04-19:27)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011060400195



画像菅首相、8月退陣の意向 民主、9月代表選へ

 菅首相は4日、遅くとも今年8月には退陣する意向を固めた。首相周辺や民主党関係者が明らかにした。内閣不信任決議案採決前の退陣表明から一転し年明けまでの続投意欲を示したが、党内の反発を受け長期の政権運営は困難と判断した。執行部は代表選の9月実施で調整。後継に野田財務相(54)、仙谷官房副長官(65)らが浮上している。ただ党内では退陣時期をめぐる混乱を踏まえ、月内退陣を迫る声が広がっており、一連の日程が前倒しされる可能性もある。

 自民、公明両党は菅首相が退けば与野党協力は可能としており、3党による「大連立」をにらんだ水面下の協議も一気に加速しそうだ。

URL:http://www.47news.jp/CN/201106/CN2011060401000657.html

この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    例へ議員総会で決議が出ても, サポーターの意向を理由
    に, 役立たず菅は辞任拒否をするのではないか.
    民主党としては閣僚総辞任を突き付ける必要がある.

    小沢勢力には過敏になる必要はないのではなかろうか.
    小沢氏は政治家としては既に終っている. だから,
    小沢派が復活しても小沢氏が復権するわけではない.
    谷垣政権が大連立に否定的だったのは小沢氏への
    私怨が影響していると聞く. 政治に「私」を持ち込むのは
    国を誤る原因だ. ただひたすら国の将来を思って
    決断できるトップが欲しいものだ.
    2015年08月10日 15:27
  • sdi

    今回の不信任案提出の最大の原因はもちろん菅政権の統治能力のなさですが、直接のきっかけは何かというと「二次補正予算を出さずに国会閉会」しようとしたことにあります。一次補正予算案の規模と東日本大震災の被害額を比較すれば「これで十分」といえる人はそう多くないでしょう。
    では何故、二次補正予算を出すことを拒否したのか?。「国会論戦からの逃避」だの「政局に利用されるのがいやだった」だのは二次原因です。最大の原因は「今、二次補正予算案を出すと増税できない」からです。復興税創設も消費税税率アップも間違いなく間に合いません。国債発行を迫られます。「財務省が大反対しているのでしたくない(できない)」ので通常国会を閉会して時間稼ぎしようとしたのでしょう。財政及び金融政策について、現政権は「政治主導」どころか「財務省主導」であるということを自ら証明してしまいました。
    2015年08月10日 15:27
  • 白なまず

    ふざけた話です。許せん。

    http://www.youtube.com/watch?v=sraQ7NjFRr8
    【原口前総務相】福島第一原発の安全装置は小泉政権が撤去していた
    2015年08月10日 15:27
  • 日比野

    白なまずさん。
    >【原口前総務相】福島第一原発の安全装置は小泉政権が撤去していた
    これは駄目ですね。動画を見る限り、安全装置というのは、
    http://kotobukibune.at.webry.info/201105/article_8.html
    で取り上げているRCICのことだと思いますけれども、撤去していたとは話になりませんね。
    2015年08月10日 15:27
  • SHIN

    原発促進に一番多大な影響力を行使したのが、天下り官僚と利益分配談合を成立させて結託した自民党政治家たちである。

    地元の青壮年に犠牲者を含む放射能大量被曝者を発生させた東海村JCO臨界事故の後、白砂青松の美しく貧しい東海村の郷土へ若き日に「クリーンで安全な」原発を誘致した郷里を無限に愛する自民党重鎮政治家梶山清六は、「とんでもないことをしてしまった」と断腸の思いにさいなまれた挙句原発絶対反対派政治家へと君子豹変したが、その途端に原発廃止政策を打ち出す暇も無く「自民党重鎮七奉行乱世の梶山清六」と呼ばれた働き盛りで急逝した。

    息子がただちに父親の無念の遺志を継いで国会議員の後を襲ったが、奇怪なことにこちらも議員活動開始後半年も経たぬうちに父親より遥かに若くして急逝している。

    梶山親子の地盤を手中にして衆議院議員に初当選した自民党額賀福志郎はその後防衛大臣に就任している。

    金王朝よりも歴史のある世襲利権に弄ばれている保守こそ国賊者なり。
    2015年08月10日 15:27
  • とおる

    政権政党のトップが、2代続けてルーピーだけで無く、ペテン師でも有ったとは、なんと醜い政党か!
    騙されて代表に選んだのか、国民を騙して議員になったのか?
    そういえば、マニフェスト(詐欺フェスト)もペテンの材料でした。
    2015年08月10日 15:27
  • almanos

    こうなると、空き管の首を取った後以外に話が進む展開はない。で、後釜はとなると閣外協力云々なら最低でも与謝野氏の首を切って財務、防衛、公安と官房長官は渡さないとならない。で、空き管は若い世代と言っているがこれは岡田、前原には渡さないという意味もあるのでしょう。臑に傷がしっかりついているし。何よりも自分を見捨てたから。多分、首相から落とされるなら解散という火を放つでしょうからね。自民党はそこら辺を織り込み済みでしょうし。つまり、空き管が総辞職でも、解散総選挙でも良い。この場合はペテンかました空き管に全ての非が集中するから。両院議員総会で解任は恐らく避けられない。で、党首ですらない首相はどうなるか? 解散権以外の武器はなくなるから躊躇う理由もなくなりそうですけどね。被災地以外で総選挙という展開で落ち着きそうに思えます。
    2015年08月10日 15:27

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