菅内閣不信任案提出

 
6月1日18時、自民公明たち日の3党共同で、内閣不信任案が提出された。

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不信任案の採択は、明日、6月2日に行なわれる見込み。まぁ、とうとうというか、ようやくというかやっと出してくれたか、という感じなのだけれど、民主党内では、採択に際してのギリギリの攻防が行なわれている。

5月31日の夜には、鳩山元首相が菅首相と会談し、民主党を割らないために、自発的な辞任を求めたそうなのだけれど、拒否された。何でも、「会話にならず、物別れに終わった」そうだから、けんもほろろな対応だったのかもしれない。

また、小沢氏は小沢氏で、自分に近い議員に「会談は物別れに終わり、私も腹を固めた」と不信任案に同調の考えをもらし、民主党の若手議員に対しては、これまた自分に近い議員から「取扱注意」と書かれた、「不信任案成立の流れは止まらない」「新政権は不信任案に賛同した者たちで成立する」と書かれたペーパーが配られている。

当然執行部は造反者が出ないように締め付けを強めているのだけれど、このタイミングで小沢氏に近い鈴木副総務相、内山総務政務官ら複数の政務三役が、辞任の意向を明らかにしている。

それにしても、このタイミングでの辞任。まぁ、不信任案賛成のための揺さぶりとはいえ、まるで菅首相に対して、「あんたはもう駄目だ」とばかりに最後通牒を突きつけているかのよう。

今のところ造反議員は60人程度で、可決には20人前後足りないと見られているのだけれど、不信案に反対と見られていた社民党が採決欠席の方針を決めたこともあり、ちょっと情勢は混沌となりつつある。

今日の党首討論では、谷垣氏は、政策論ではなくて、首相の資質について問いただし、駄目出しをしていた。

菅首相は谷垣氏に対し、福島第1発の対応について「思いつきや自分だけの考え方で処理することがいかに危険かということは誰よりも私は知っているつもりだ」なんていっていたけれど、つい先頃まで今国会の会期延長を拒否しまくっていた筈なのに、いざ不信任案で追いつめられると通年国会に延期するという。まず、この発言が思いつきでないことを証明していただきたいもの。



それに、6月11日号の週刊現代に、例の海水注入に当たっての菅首相の動きを報じた「錯乱する総理大臣 病院で一度見てもらいましょう」という記事があるのだけれど、これを読むと、やはりというか、その「思いつきや自分だけの考え方」で処理する危険を自ら犯している菅首相の姿が記されている。

先日、何度も発言を訂正して、問題となった海水注入問題については、やはり当日の14時54分には海水注水止む無しと東電が判断し、15時18分過ぎに海水注入を官邸に連絡したまでは良かったのだけれど、注入の是非について菅首相が決断できず、再臨界に拘り、班目委員長の再臨界はないという助言も聞き入れず、自分で調べようとして、判断を遅らせていたという。その間に海江田大臣ルートで海水注入の指示が出て、海水注入を菅首相に報告したところ「俺は聞いてない、止めさせろ」と激怒したのが顛末のようだ。

丁度これは『長官が放った「ビッグバン・パンチ」 』のエントリーで筆者が憶測として書いたストーリーと殆ど同じであり、やはりそうだったのかと思わざるを得ない。

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正に"無能な働き者"。

これではいくら周りに優秀なスタッフがいたとしても、ただの人形であって、全く意味を為さない。こんな首相で危機管理などできるはずもない。

仙谷官房副長官は、不信任案に対して「政権が代われば何とかなるという簡単な話ではない」と記者会見で述べているけれど、週刊現代の記事を読む限り、政権が代わるどころか、菅首相でなくなるだけで、物事がずっと進む筈。

なぜなら、後任が誰になるにしても、少なくとも菅首相並みに人の話を聞かない人で無い限り、閣僚なり官僚なりスタッフなり、他人の助力が期待できるから。

つい一昨日までは、造反議員が最大50人程度だったところが、今や60人程度と膨れ、反対と目されていた社民党が欠席と状況は非常に流動的になっている。

果たしてどうなるか。その答えは間もなく出る。




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この記事へのコメント

  • sdi

    賛成すると思われていた共産党も「棄権(欠席)する」と意思表示。これで過半数は232人。共産党の9票分、民主党からの離反票に上乗せしないと可決できませんね。
    不信任案採決が政治スケジュールに上って、一気に小沢・鳩山が注目の的になってしまったように思えるのは私だけでしょうか?
    菅・仙谷らの首を取るべく動くことは異議はありませんが、その先をどうするか実のところ展望がみえないのです。
    2015年08月10日 15:27
  • ス内パー

    空き缶の茶番(最低でも年内は続投するお→マスゴミ翻訳→震災にメドついたら辞任する(キリッ )に騙された振りして小沢がハシゴ外しましたね。正直このタイミングでハシゴ外しても得は・・・空き缶に大きな恩を売って裏の主導権を握るつもりなら相手が悪い。ジミンガーなら票に直結するブーメランが突き刺さるからもう少し時期を待ってハシゴ外すべきだし・・・まぁジミンガーだけを考えるならここがハシゴ外すタイミングじゃありますか。
    2015年08月10日 15:27
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    不信任案否決でしたな.
    そもそも嘘付党内の力学に任せればこんなものか.
    自民党はどうするかが問題.
    現執行部の限界が見えたわけだから,
    次の世代にバトンタッチが必要.
    「いわゆる」実力者を選ぶなら期待できない.
    稲田朋美あたりに任せる度量があれば良いのだが.
    2015年08月10日 15:27
  • 日比野

    こんな結末とは。すんごい徒労感で一杯です。ええ。

    でも気を取り直して、なんとか今日のエントリーをアップしましたけど。事実上、これで菅政権は終わりましたから、明日から次期首相の座を巡って、党内での主導権争いが始まるかと思います。
    2015年08月10日 15:27
  • almanos

    出たら最後、可決、否決のどちらでも国会は止まる。或いは政界再編となる。となると空き管はもう詰み。辞任して自分を辞めさせた連中に政権を渡すか? となる。
     空き管の性格を考えると辞めさせられる前に辞める。ついでに道連れ多数の解散を強行するがありそうに思えます。空っぽの癖に虚栄心は人一倍だから不信任案可決で辞職より、先手を打って解散という目もありそうに思えますね。否決でも国会運営のために首を差し出せとなるでしょうし。どっちにしろ回りが引き摺り下ろすというなら道連れ多数を選びそう。回避するためには仙石氏らが空き管を官邸でこっそり総括くらいしかないでしょうし。昼前に解散総選挙の号外が出ても驚けないと思えます。
    2015年08月10日 15:27

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