「菅直人さんは、私が首相のときに副総理として、何度も「厳しい局面に立たされたら、別の大きなテーマを示せば、そちらに国民の目が向いて局面を打開できるんだ」と進言してきました。普天間飛行場移設問題で危機に陥ってるときにも「消費税増税を言え」と働きかけました。私は「言えない」と答えました。」鳩山前首相 於:7/11 産経新聞インタビュー
7月25日、ようやく2011年度第2次補正予算案が可決した。
中身は、原子力損害賠償法関係や二重ローン対策などを盛り込んだ総額2兆円規模のものなのだけれど、一番予算を取った項目がなんと、復旧・復興「予備費」の8000億円。8000億円といえば、2兆円の予算の4割を占める。それが予備費にしているということは、具体的に何に使うかが決まってないということ。
まぁ、もともと、2次補正は1次補正の不足分を補う目的だったし、被災地のことを考えて早期成立しなくちゃいけないという事情があるにせよ、使い道が決まっていない予算が全体の4割もあるというのは普通じゃない。逆にいえば、これは何にどれだけの予算が必要になるといった被災地の状況を政府が掴めていないことをも意味するから、復興はおろか、復旧へのプランが明確に描けているのかどうか不安になる。
だから、政府は、2次補正が通ったから終わりではなくて、更に、それをどう使っていくか、一次補正の穴をどう補っていくかを、被災地域の自治体と連携して、早急に詰めていく必要がある。
そうしないと、次の3次補正も場当たりになってしまう可能性さえある。何せ3次補正は、本格的復興予算と位置づけているもので予算も10兆円を超える規模になるとされている。これも場当たりで組まれては堪らない。やはり新しい首相の下で、きちんとした補正を組むべきだし、8月になったら、来年度予算の概算要求もある。
なぜ、菅内閣では駄目なのかというと、やはり、自らの延命のために、次から次へと思いつきで発言しては、国政を混乱させていることが大きいから。消費税増税、TPP参加、浜岡停止要請に脱原発発言。
冒頭に引用したように、菅首相が「厳しい局面に立たされたら、別の大きなテーマを示せば、そちらに国民の目が向いて局面を打開できる」と考えているとするのなら、次から次へと思いつき発言を繰り返しては混乱を招いている事も説明がつく。
だけど、それは、決して局面を打開しているのでもなんでもなくて、単に、眼前の一局から逃げ出しているだけのこと。放置された盤の後始末は一体誰がやるのか。
産経新聞社とFNNが7月23、24日に行なった世論調査でも、内閣支持率は16・3%と、昨年6月の政権発足以来、過去最低。脱原発発言をして、局面を打開しようとしたけれど、結果はより悪化している。最早、菅首相が何を言っても、国民は信じないし、延命策としか受け取らない。
その辺は菅首相自身も自覚があるようで、7月14日、政府の社会保障改革に関する集中検討会議後の懇談会で、菅首相は「政治家は何を言っても信用されない。特に私は口下手で信用されていない」とぼやいている。
でも、それは身から出た錆。自分の状況が苦しくなる度に、別の話題を持ち出して、責任を放棄し続ける人を信用しろというほうが難しい。少なくとも、自分が言ったことはやってのけた小泉元総理は、信用という意味では、菅首相より遥かに上だった。
だから、今の低迷する内閣支持率のまま、菅首相が居座っても、またぞろ、別の大きなテーマを示しては、目の前の盤を放棄して逃げるだけだろう。敵前逃亡の宰相。
今や、菅内閣という対局室は、「1に雇用、2に雇用」盤、「消費税増税」盤、「TPP参加」盤、「脱原発依存」盤、「原発輸出見直し」盤、とそこら中に対局を放棄した盤で埋め尽くされている。
故に、菅首相が延命する限り、ぐちゃぐちゃにされた挙句放棄された盤が増えるばかりで、現場が悲鳴を上げながらその後始末をすることになる。もうそんなことをやっている余裕はないし、そんなのはもう耐えられない。
事実、岩手・宮城・福島3県の県議会議長は、菅首相の退陣を求める緊急動議を、27日に開かれる全国都道府県議会議長会の総会に連名で提案する方針を固めたという。
当の被災地から「首相自身が『復興の足かせ』になっている」と駄目出しされているから、もう、被災地の復興をやる責任があるとかナントカというような言い訳は通用しない。
被災地復興という盤がなくなった今、残るは「再生可能エネルギー特措法案」盤と「特例公債法案」盤の2つ。もうそれ以外の盤を出させてはいけない。
←人気ブログランキングへ
2次補正が今夕成立 被災者支援へ2兆円
参院予算委員会は25日午後、東日本大震災の被災者支援策や福島第1原発事故対応を盛り込んだ約2兆円規模の2011年度第2次補正予算案を与党と自民、公明両党などの賛成多数で可決した。関連2法案とともに25日夕の参院本会議で可決、成立する見通し。
採決に先立つ締めくくり質疑で、菅直人首相は九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)再稼働をめぐる混乱について重ねて陳謝し、古川康知事と岸本英雄町長に直接謝りたいとの意向を表明。ただ、経済産業省側の説明不足が混乱の一因との認識を示し、新たな安全評価導入に関しては「多くの国民が望んでいることだ」と強調した。
URL:http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011072501000265.html
菅内閣支持16・3%で過去最低 早期解散を望む声6割超 2011.7.25 11:42
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が23、24の両日に実施した合同世論調査で、菅直人内閣の支持率が16・3%と、前回調査(6月25、26両日実施)より6・7ポイント下がり、昨年6月の政権発足以来、過去最低となった。菅首相を退陣させられない民主党への風当たりは強まっており、同党の支持率は前回比3・9ポイント減の14・1%と、政権交代前の平成19年4月調査時点の水準にまで落ち込んだ。
菅内閣の不支持率は73・1%で、初めて7割を超えた。内閣の不支持率が7割を超えるのは鳩山由紀夫内閣末期の22年5月調査以来。菅首相の退陣時期については「今国会が閉会する8月末まで」との回答が、「今すぐ」の28・4%、「今国会の会期中」の36・5%と合わせて64・9%に上った。
菅首相が具体的な退陣時期を明らかにしないことには71・9%が不適切だと回答。平成23年度第2次補正予算案、特例公債法案、再生エネルギー特別措置法案の「首相退陣3条件」が成立しなくても菅首相は退陣すべきだとの回答は76・1%に達した。
菅首相に対しては「言動が政権の延命狙いとみられても仕方がない」73・7%、「首相続投で政治の停滞が生じている」76・4%と厳しい評価が並んだ。
一方、菅首相の「脱原発」方針は64・3%が評価できると答えた。太陽光や風力などの再生可能エネルギーの買い取り制度も71・3%が「導入すべきだ」とした。ただ、菅首相が「脱原発」方針を「個人の考え」と表明したことには75・0%が「無責任だ」と批判。「脱原発」を争点に衆院解散・総選挙を行うことにも58・1%が「適切ではない」と否定的だった。
菅首相や民主党の岡田克也幹事長らが21年衆院選マニフェスト(政権公約)実現の甘さを認めて陳謝したことについては、衆院選のやり直しを求める意見が54・9%に上った。次期衆院選の時期は「なるべく早く」25・7%、「次期政権の発足直後」36・5%と、早期解散を望む声が6割を超えた。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110725/stt11072511430000-n1.htm
被災3県議長、首相退陣求める動議提案へ 読売新聞 7月24日(日)9時5分配信
岩手、宮城、福島3県の県議会議長は、菅首相の退陣を求める緊急動議を、27日に都内で開かれる全国都道府県議会議長会の総会に連名で提案する方針を固めた。
動議案によると、退陣時期を明確にせず、発言が迷走する首相について「信頼を失った政府では復興が進まない」と批判。「首相自身が『復興の足かせ』になっているという風評が出ること自体、極めて遺憾な状況だ」と指摘している。
最終更新:7月24日(日)9時5分
URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110724-00000185-yom-pol
この記事へのコメント
「ど」の字
この二つの盤も出させてはいけないでしょう。
ことに「再生可能エネルギー特措法案」では、民主党は特亜系政商と結び付いて、国民の税金を垂れ流そうとしています。
これ以上、一つだって新しい盤を出させてはいけません。
もう、民主党は(菅総理のみならず全員が)国民のためになることは何一つ実行できないことは明らかになったのだから、国民の手で追い出すべき。
何処の党が政権を取り返しても(と言うか現時点では自民党以外ありえない)、後片付けは大変な難事業になることでしょう。
それを考えるだけで頭が痛いのに、これ以上国難を増やされたらたまりません。
opera
2次補正予算・特例公債法・再生エネルギー法を「一定の目処」などと言っているのは、民主党の現執行部だけであり、スッカラ菅自身もそれに従うつもりはなさそうです。結局、民主党の現執行部は、国民生活に直接関わる重要な政策の成否を、責任転嫁のネタにしていると言うべきでしょう。
そんなにスッカラ菅を辞めさせたいなら、話は簡単。現執行部は総辞職をし、民主党内部で人数を揃えて不信任案を再提出すればよいのです。それができないなら、「国民に信を問え」と徹底的に圧力を加えていく以外に方法は無いのかもしれません。