7月21日の参院予算委員会が大紛糾した。
菅首相の「外国人献金問題」で、理事会が求めていた返金時の領収書提出を菅首相自身が拒否したから。
事の発端は、今月7日の同委員会で、自民党の礒崎議員が「104万円を返金したというが、現金か振り込みか? いつどこで返した? 領収書はあるのか?」と質問し、菅首相は「3月14日に弁護士から現金で返した。領収書は弁護士が預かっている」と答弁。これをを受けて礒崎氏が領収書の委員会提出を求め、理事会で協議した後、菅首相側にこれを伝達していた。
これを前提とした上で、21日の参院予算委員会で、この領収書提出に関して質問に立った、自民党の山谷議員と菅首相のやりとりを簡単に整理すると、次のとおり。
山谷氏「在日韓国人系金融機関の元理事、外国人から菅首相は献金を受けていた、政治規制法違反、刑事告発されている。7月7日の委員会で磯崎委員が領収書を出してくれと通告している。お金を返したと仰られたからには当然領収書を持っていますね?」
菅首相「領収書は収支報告書に添付して提出する。あえて要求するのなら、各委員会、各会派で議論してくれ」
山谷氏「領収書提出は理事会要求だ。私も事前通告している。もう一度答えて。」
【紛糾…5分間ストップ】
委員長「もう一度簡潔に質疑をして首相に答えていただきます」
山谷氏「もう一度答えてください」
菅首相「返金は私の政治団体からの支出ということになる。支出を報告するのは収支報告書だから、領収書はそこに添付する」
【紛糾…2分間ストップ】
委員長「菅首相。もう一度お答えください。」
菅首相「7月7日の磯崎さんの質疑の議事録では、領収書の提出については理事会で協議するとなっている。返金手続については、政治資金規正法に基づいて添付する。議事録では、この場で領収書を出す約束にはなってない。要求するのなら、各委員会、各会派で議論してくれ。」
【紛糾…2分間ストップ】
委員長「菅首相に言います。理事会で協議した結果、(領収書提出を)申し入れている。現時点で明らかにできる資料を精査して、理事会に報告してください。」
菅首相「議事録に沿って説明している筈だが…。」
委員長「理事会を代表して、森筆頭が申し入れた筈です。それについて答弁願います。」
菅首相「森筆頭から理事会の話は聞いている。更に検討した上で、森筆頭理事に報告する。」
山谷氏「検討する必要はない。領収書はいつ出すのですか。」
菅首相「この件については、森筆頭理事に報告する。」
【紛糾…1分半ストップ】
委員長「菅首相、もう一度、委員長の要請について答弁願います。」
菅首相「森筆頭理事に、この件についての考え方と対処について報告する。」
【紛糾…1分間ストップ】
山谷氏「その検討結果はいついただけますか?」
菅首相「週明けのなるべく早い段階で報告したい」
山谷氏「14日に弁護士を通じて返金したと仰ったが、実は10日に保土ヶ谷P/Aで返したとも言われている。日付が違うこと、或いは何らかの理由で領収書を出せない。いつまでも引き続き検討ということで、私たちは何度も誤魔化されてきた。今の答弁では納得できない。」
【紛糾…1分間ストップ】
委員長「もう一度質疑をお願いします」
山谷氏「私は質問しました。答えるのは菅首相の番です」
菅首相「筆頭理事に週明けの早い時期に報告する」
【紛糾…2分間ストップ】
委員長「予算審議を進めるために、両筆頭に場内協議を続けるように要請します。協議を続けます。」
【紛糾…1分半ストップ】
山谷氏「今日中に間違いなく出していただくことでよろしいですか」
委員長「ただいまのことについては、両筆頭においてそのように進められるように協議を続けてください」
【紛糾…1分半ストップ】
予算委員会・休憩に
【6分半休憩】
委員長「理事懇談会の協議の結果について報告します。菅首相の報告については、本日夕刻までに報告されることを要請します。」
とまぁ、単純に新聞記事だけ読むと、記事にすると質問と答弁がスムースに行われているように見えるけれど、実際のやりとりを聞いていると、事前に要請されていた筈の領収書の提出をいつ出すかという、至極単純なことを決めるだけで、どれほどの粘りで質疑をしたのか、どれだけ時間がかかっているのかよくわかる。全く呆れる他ない。
だけど、逆に言えば、今回のように、委員会が紛糾するくらい粘りに粘って、ようやく夕方までに報告させるように持っていけたのだとも言える。
もしこれで、山谷氏が簡単に引き下がっていたら、菅首相は報告のことなんて、しらんぷりしていつまでも逃げていたと思う。
だけど、ここまでして、本日中の報告をさせるようにしたにも関わらず、菅首相の答えは「領収書を出す義務はない」。ここまで拒否するということは、領収書が存在しないか、或いは、後ろめたい何かがあるのではないか。
いつもそうだけれど、菅首相の答弁は、「法律でこうなっているから」とか、「議事録でこうなっているから」とか手続き論の観点の答弁ばかりで、なぜ法律がそう決められているのか、といった、立法の趣旨、法の精神の部分がすっぽり抜け落ちている。特に自分の都合の悪いことはそれで逃げようとする傾向が非常に強い。
法に触れなければそれでよし。だから、モラルがないし、恥もない。都合の悪いことは、全て知らなかったで済ます。
だから、こうした"法律でこうなっているから"ですべて逃げるような御仁に対しては、徹底的に違法行為であることを追及する他ないだろう。
今日の菅首相の答弁は酷いものだったけれど、予算委員会だったから、NHKで放映された。以前「菅抜き集団指導体制」のエントリーで、「国会で答弁を求めるときは、例の拉致容疑者親族周辺への献金問題など、国家政策とは切り離した部分だけを追及して、それ以外は一切質問しないという手はあるかもしれない。」といったけれど、この際、献金問題に絞って、それこそ菅首相が居座る限り、半年でも1年でも菅首相を追及し続けるのは有効な手立てではないかと思う。
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崩壊寸前!菅が拒絶する“領収書問題”の深い闇 2011.07.21
菅直人首相の「外国人献金問題」で、21日午前の参院予算委員会が大紛糾した。理事会が求めていた返金時の領収書提出を、菅首相が異常なほど強く拒んだのだ。政治資金規正法に抵触する外国人献金を「外国籍と承知していなかった」と釈明しながら、なぜ、正々堂々と出さないのか。永田町では「菅首相は窮地に立たされつつある」という声が広がっている。
都内でパチンコ店を経営する在日韓国人から、菅首相の資金管理団体「草志会」が104万円を受け取っていた問題。前原誠司前外相は同じ問題で引責辞任しているが、菅首相の場合、発覚が東日本大震災の当日(3月11日)と重なったこともあり、居座り続けてきた。
領収書の問題が初めて浮上したのは今月7日の同委員会。自民党の礒崎陽輔議員が「104万円を返金したというが、現金か振り込みか? いつどこで返した? 領収書はあるのか?」と聞いたところ、菅首相は「3月14日に弁護士から現金で返した。領収書は弁護士が預かっている」と答弁。礒崎氏は領収書の委員会提出を求め、理事会で協議した後、菅首相側にこれを伝達していた。
このため、21日の同委員会では、自民党の山谷えり子議員が改めて領収書提出を求めたのに対し、菅首相は「領収書は政治資金収支報告書に添付して総務省に出すので…」「これまでの前例を踏まえて…」などとグタグタいい、提出をイヤがったのだ。
山谷氏は「(与野党関係なく)理事会として提出要求している」「(返金日は)14日ではなく、(震災前日の)10日に神奈川県の保土ヶ谷パーキングでこっそり返却したという情報もある。一体どちらなのか。領収書を出せない理由でもあるのか」などと詰め寄った。
それでも菅首相が領収書提出を明言しないため、「逃げているのか」「やましくなければ提出すればいい!」といったヤジが飛ぶなど、委員会は大紛糾。この日、NHKがテレビ中継しており、通常、与野党とも予定通りに質疑を進めるのを原則としてきたが、約40分間も中断した。
自民党関係者は「理事会の要求を、ここまで拒否するのは異常だ。出せない理由があるのだろう。菅首相と在日韓国人がトラブルになっているという話もある。この問題は東京地検に告発状が提出されているが、自民党としても徹底追及する」と語っている。
URL:http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110721/plt1107211655006-n1.htm
外国人献金で予算委紛糾 首相、領収書の提出応じず 2011/7/21 12:08 (2011/7/21 13:16更新)
21日午前の参院予算委員会は菅直人首相の資金管理団体が受け取った在日外国人からの献金問題を巡って紛糾した。自民党の山谷えり子氏が献金を返した際の領収書の提出を求めたが、首相が「検討したうえでどうするか、報告したい」と難色を示したため、審議が約30分間中断した。
首相は同日昼、民主党理事に「領収書を出す義務はない」と、提出に応じない考えを伝えた。
首相の資金管理団体「草志会」は2009年までに在日外国人の男性から計104万円を受け取っていたが、今年3月に発覚した後、返金した。
政治資金規正法は外国人からの寄付を受け取ることを禁じている。
URL:http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E0E3E2E29C8DE0E3E2E5E0E2E3E39790E3E2E2E2
この記事へのコメント
opera
自民党は、役割を分担して国会審議を行なっているだけでしょう。的外れで時宜を得ない執行部批判は、自民党に対する甘えの裏返しか、出来の悪い工作活動にしか見えませんよ。
この問題、NHKを始め、多くのマスメディアは報道しない自由を絶賛発動中ですが、このグダグダが長引けば、意外に深刻な問題に発展するかもしれませんね。スッカラ菅首相をどうするかという問題は、現時点では民主党にボールがある状態ですが、今のままでは民主党内部から不信任案を再提出すること以外、打開策が見当たらないような気がします。
この点で、民主党の有力な支持母体である連合等が、どのような考え方をしているのか、気になるところです。
ちび・むぎ・みみ・はな
この程度のことは谷垣氏や石破氏が既に何度も
国会のあちこちでやっていなければならないはず.
「インテリ」には山谷氏のような信念がない.
谷垣氏や石破氏のように追求の手心を加えると,
正しいことがどうでも良いことのようになる.
それが民主主義のモラルを崩していく.
「何で一人で正義を主張するのか」と忠告する
良い人ばかりになるから, 論理破綻した嘘付党
が政権を持つのを不思議と思わなくなる.
「論理性の破綻」は現代日本人の最大の難点.
日教組教育による破綻でもある.
いずれにしても, 山谷氏にできることが
できない自民党首脳はさっさと後進に道を
お譲りになっては如何だろうか.
sdi
空き缶殿は開き直ったというか開き直りきったのでしょうか。「そんなにオレを辞めさせたいなら辞めさせてみろ。」という心理に陥ってるように見受けられます。