粗にして野にして卑にしてボロボロ

 
7月5日、松本復興担当相が電撃辞任した。理由はもうご存知のとおり、被災地を訪問した際に「知恵を出さないやつは助けない」などと発言して批判された問題の責任をとった形の辞任。

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もちろん、批判が集まったのはそれだけではない。宮城県の村井知事に対して「今、あとから自分が入ってきたけど、お客がさんが来るときは自分が入ってきてからお客さんを呼べ、いいか。長幼の序がわかってる自衛隊ならそんなことやるぞ」などと叱責した件や、テレビ局に対して、「今の最後の言葉はオフレコです。いいですか? 皆さん。絶対書いたらその社は終わりだから」と恫喝紛いの発言をしたことも含まれる。

大臣様はそんなに偉かったのか、とも思うのだけれど、村井知事に対して、自衛隊を持ち出して叱責するなんて嫌味も甚だしい。

村井知事は防衛大学校卒の元自衛官。陸自の一等陸尉までいった人物。ヒゲの隊長こと、佐藤正久議員によれば、自衛隊は非公式の場では先輩を立てるけれども、公的な場では、階級と職務、同じ階級なら先任が序であって、長幼の序ではないそうだ。まぁ、軍の指揮命令系統を考えれば当然のことではある。

それに村井知事は、部屋に約束どおりの時間に入室しただけで、別に瑕疵はない。それを咎めるのであれば、そのようなスケジュールを組んだ人間にこそいうべきだろう。

村井知事は、会見後わだかまりはないといっていたけれど、今後松本復興相が訪問した際には松本大臣バージョンを用意して、公務よりも優先しなければならないといったそうだから、やはり腹に据えかねているものはあったと思われる。

また、マスコミもマスコミで、「書いたらその社は終わり」との脅しに屈して、会談当日の4日には、見事に松本大臣の発言をスルーしていた。

唯一、東北放送だけが、気概を見せて、問題のシーンを報道したのだけれど、それを切っ掛けに、ネットで話題となり、Youtubeで何万回と再生されたりして騒然となった。それを見て、他のメディアでも一斉に右へ倣えして、今回の騒動になったというのが事の顛末。

ただ、松本氏を擁護するわけではないけれど、村井知事との会談の映像を見る限り、松本氏は上から目線で叱責したというよりは、自分が復興相としての力量がないことをよく自覚していて、不安で不安で仕方なく、それを覆い隠すためにあんな言い方になったように見えなくもない。

松本氏は会見場に入って椅子に座るまでの短い間、目が泳いでいたし、極度の緊張からか、唇を舌で舐めていた。テレビカメラで自分を撮られることを"怖がっていた"ようにさえ見える。自分が何も知らないことを見透かされるのではないか、と不安に怯えていたのではないか。村井知事がくる前までは、椅子にも浅く腰掛け、前屈みの姿勢だった。本当に傲慢な人であれば、椅子に深く座って踏ん反り返ると思うし、要望書を受け取るときもキチンと両手で受け取っていた。片手でフンという態度ではなかった。



不安から逃れたい、不安から自分を守りたいという気持ちが引き起こす行動を、心理学では「防衛機制(defence mechanism)」と呼ぶ。

防衛機制が働く場合、その多くは情緒的反応に拠るものが多いとされ、その行動様式の主なものとして、次のように分類される。
1.攻撃(aggression)
欲求が満たされないときの最も基本的な反応で、一時的な緊張の解消が起こることがある。

2.逃避(escape)
これは、その名のとおり、困難な場面や不安な状況から逃げ出すこと。

3.退行(regression)
これは一種の逃避。現在より低い発達段階でのみ許容されるような幼稚な行動をとることをいう。

4.補償(compensation)
自分のある面での欠陥や欠点を、他の面での優越性によって補うことをいう。

5.昇華(sublimation)
社会的に容認される別の形に変形して、それを実現すること。

6.置換え(displacement)
満たされない欲求の対象を他のものに置換え、それによって不満による緊張を解消しようとするメカニズム。

7.抑圧(repression)
不安や破局を招くおそれのある欲求や感情を、意識しないように無意識の世界に押しこめてしまうこと

8.反対構成(reversal formation)
そのままの形で発現することが好ましくない欲求が抑圧された場合に、それと反対傾向の行動をすること

9.固定または固着(fixation)
欲求不満を反復経験すると、問題解決には無益な、特定の行動が、持続的に繰り返されること

10.同一化(identification)
これは自分よりすぐれた人と自分とを同一視することにより、自己の欠点や弱点を補い、不安を減少させ、その価値を増大し、満足を得ようとすること。虎の威を借る狐

11.合理化(rationalization)
これは自分の失敗や欠点を認めようとしないで、もっともらしい理屈をつけてこれを正当化すること

12.投射(projection)
自分が押さえこんでいる好ましくない欲求を他人もそれをもっていると思いこむことで解消すること。責任転嫁。

おそらく、松本氏は、自分の不安を見抜かれたくない、悟られたくないという心理状態のあまり、この防衛機制が働いて、村石知事を叱責することで、自分が攻撃されないようにし(1.攻撃)、また、大臣権限を振りかざして自分を守ろうとしたのではないか。(4.補償)



まぁ、考えすぎかもしれないけれど、もしそうだとすれば、松本氏の「知恵を出さないやつは助けない」とか「コンセンサスをちゃんと取れよ」という発言も、「オレは何も分からず、仕事もできないから、こうしてくれというものをしっかり纏めて持ってきてくれ。オレを助けてくれよ」という心情だったのかもしれない。

まぁ、仮に百歩譲ってそうだったとしても、あの場であの発言は有り得ず、批難が集まるのも当然で、辞任も仕方ない。

4日昼までは、辞任はしないと強気の態度を示していた松本氏は、翌5日になって突然辞表を提出した。あまりの急な辞任劇に一部では、菅首相に退陣を迫るための、自爆辞任テロではないかという観測さえ囁かれている。

確かに、松本氏は、復興相を受けるのを一旦断っていた経緯もあるし、元々、復興相なんてやりたくなかったというのはあったかもしれない。

今となっては、その理由は知る由もないのだけれど、あの対応の前までの松本氏の態度は「物静か」というのが永田町での評価だったし、松本氏は辞任会見で、辞任に至った理由を「個人的な思い」とし、「チームドラゴンは無能な私を除いて最高のチーム」とまで言っていたそうだから、やはり自分の力不足を認識していたのではないかと思う。

また、同じく辞任会見で松本氏が「粗にして野だが卑ではない」と語っていたのが印象的ではある。やはり、大臣には大臣になるだけの器が必要であり、それがないものがその立場に立ってしまうと自分も他人も不幸になるということなのだろう。ある意味では、大臣職という責任を受け止められなかった結末なのかもしれない。

ともあれ、これで、益々、菅首相への風当たりは強くなる。今回の件では、野党は元より、与党からも任命責任を問う声が上がっている。

後任人事にもそうとう難航した。何人にも声を掛けては断られ、あまつさえ、仙谷氏にすら声をかけたという。ついこの間、仙谷氏に退陣を迫られて、「俺を陥れようとしているのか」と罵倒したくせに、平然とお願いする無神経さ。別の意味で感心する。

人心はすっかり菅首相から離れている。どんなに延命を図ろうとも、大きな流れで見れば、包囲網はじわじわと狭まる一方。

粗にして野にして卑でもある宰相殿。これからどうするのか。


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画像任命責任大きい=鳩山前首相

 鳩山由紀夫前首相は5日午前、衆院議員会館で記者団に、松本龍復興担当相の辞任について「当然(菅首相の)任命責任は大きい。早く国益のために次の方にバトンを渡すときではないか」と述べた。 (2011/07/05-11:03)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2011070500269



画像就任9日、松本復興相が引責辞任 政権に打撃 2011/7/5

 松本龍復興担当相は5日午前、首相官邸で菅直人首相に辞表を提出し、受理された。東日本大震災の被災地を訪問した際に「知恵を出さないやつは助けない」などと発言して批判された問題の責任をとった。復興対策の要として新設した重要閣僚に就任してわずか9日目の辞任に、与野党内で首相の任命責任を追及する声が広がっている。首相は5日中にも後任を決める考えだが、首相の早期退陣論に拍車がかかるのは確実だ。

 松本氏は閣議前に首相に会い「今後の国会運営を考えると迷惑をかけるわけにはいかない」と述べ、復興相と防災担当相の辞表を提出した。首相は慰留したものの「残念だ」と受理。松本氏はその後の閣議も欠席した。

 首相は閣議後の閣僚懇談会でこうした経緯を紹介。そのうえで「電話でも話があり、直接会って話も聞いた。強く慰留したが、意志が固かった」と閣僚に説明した。

 松本氏はその後の記者会見で「被災者に寄り添っているつもりだったが、言葉が足りなかったり、荒かったりしたのは不適切だった」と釈明。ただ辞任の理由については「個人的な都合だ」と詳細を語らなかった。

 枝野幸男官房長官は閣議後の記者会見で「首相も私も辞表を提出されることは寝耳に水だった」と突然の辞任だったことを説明。同時に「大変残念な事態だ。できるだけ早く後任を決めたい」と強調した。首相の任命責任を巡っては「復興の基本方針や赤字国債発行法案など課題が目の前にある。その責任から逃れることも無責任だ」と述べ、松本氏の辞任に伴う首相の退陣を否定した。

 大震災の復興は菅政権の最重要課題。先月中旬の復興基本法の成立を受け、復興対策本部の発足と復興相の新設が決まった直後の担当閣僚の辞任は復興にも悪影響を及ぼすのは確実だ。首相の任命責任を問う声は5日午前、与野党に広がった。

 与党内では鳩山由紀夫前首相は都内で記者団に「当然、任命責任も厳しく追及されることは間違いない」と首相の早期退陣を求めた。国民新党の下地幹郎幹事長は「早い決断は良かった」としながらも「政権へのダメージは大きい」と語った。

 松本氏は3日、岩手、宮城両県を訪問。達増拓也岩手県知事に「知恵を出したところは助けるけど、出さないやつは助けない」「九州の人間だから東北の何市がどこの県かわからない」などと発言し、被災者や野党から批判が上がっていた。

URL:http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E2E7E2E29F8DE2E7E2E5E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2



画像「チームドラゴンは無能な私を除いて最高のチーム」辞任会見要旨 2011.7.5 10:47

 松本龍震災復興担当相が5日午前に行った辞任表明記者会見の要旨は次の通り。

 「今日午前8時45分に首相に震災復興担当相、防災担当相の職を辞する報告をした。(防災担当相就任から)300日余りだったが、環境と防災の大きな仕事をまかされ、奇跡をみたり、地獄をみたりした」

 「(東日本大震災の被災地で)3月12日に自衛隊が90人の子供たちを救出した。当時(防災担当相として)私も少しは役に立ったのかなと思い、涙が出た」 「私は被災された皆さんたちから離れません。松本龍、一兵卒として復興に努力をしたい。岩手でキックオフして3日後にノーサイドになった。相変わらず嫌いな与野党ですが、心を合わせて復興に取り組んでほしい。松本龍も復興に向けて汗をかいていきたい」

 --首相は辞表を受け取ったのか

 「はい」

 --昨日は辞任を否定していた。なぜ心境が変化したのか

 「個人的な思いがある。前を向いて復興のために努力していくのは変わらない」

 --個人的な思いとは

 「話せません」

 --被災災者への気持ちは

 「言葉が足りなかったり、荒かったりして被災者の心を痛めたことを本当におわび申し上げたい。私は去るが、世界最強の復興本部のチームドラゴンは無能な私を除いて最高のチームなので必ず復興のために努力してくれる。ですから、被災者のみなさん、どうぞ安心してください」

 --首相から慰留の言葉は

 「こんな私でも慰留していただいた。『残念です』という言葉だ。首相には、環境と防災で引き立ててくれたことに感謝申し上げると伝えた。後任の人選についての話はしていません」

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110705/plc11070510480016-n1.htm



画像菅と刺し違え狙った?松本龍に囁かれる“自爆テロ”説 2011.07.05

 松本龍復興担当相(60)が5日午前、退任の意向を表明した。一連の暴言問題で被災地や野党陣営の猛反発を受けており、6日からの国会正常化を前に責任を取った格好だ。松本氏は東日本大震災の被災地復興に取り組む看板大臣として先月27日に就任したばかり。わずか9日間の超短命大臣だった。野党各党は「菅首相の任命責任を追及する」と攻撃姿勢を強めている。支持率が「退陣水域」まで落ちた菅政権にとって、深刻なダメージとなりそうだ。

 記者団「辞意を固めたのか?」

 松本氏「はい」

 5日午前、松本氏は官邸に菅首相を訪ねた。会談後、記者団に囲まれた松本氏はこう語った。菅首相も退任を了承したという。

 国会は翌6日から正常化し、「特例公債法案」や「再生エネルギー特別措置法」「第2次補正予算案」など重要法案の審議が始まる。

 衆参ねじれの中、自民党の山本一太参院政審会長は「許せない暴言だ。すぐに辞めてもらいたい」と批判するなど、松本氏の暴言問題が野党の徹底攻撃を受けるのは確実だった。松本氏個人としてだけでなく、政府与党として早めに手を打ったといえる。

 それにしても、松本氏が宮城県の村井嘉浩知事を恫喝するような映像の威力はすさまじかった。4日にテレビやネットで流れると、宮城県庁には200件を超える電話やメールが殺到した。

 「発言は許せない。知事は負けずに頑張れ!」「ヤクザまがいの物言いだ」「被災地、被災者をバカにしている」「被災地を分からない復興相が職務をまっとうできるのか」

 県民らの怒りの声を受け、宮城県議会は「発言が高圧的で当事者意識に欠けている」として5日以降、直接抗議することを決めていた。

 こうした中、新たな事実も判明した。

 松本氏は、村井知事が出迎えず、数分間待たされたため「お客さんが来るときは、自分が入ってからお客さんを呼べ」とブチ切れていたが、村井知事は予定に遅れておらず、対応も通常通りだというのだ。

 県庁関係者は「会談は3日の午後2時15分から設定されており、知事は時間通りに入室している。通常、知事の来客がある際は、誰であっても先に応接室へ入室してもらうのが一般的。相手の準備を邪魔しない配慮もある。他県も民間企業も同様の対応を取っているはずだ」という。

 松本氏の一方的な思い込みだったのか。

 昨年9月に環境相兼防災担当相として初入閣した直後は「物静か」「存在感が薄い」といわれた松本氏だが、最近は一種独特、こわもての言動が目立っていた。

 6月2日、菅首相は民主党代議士会で「早期退陣」を示唆し、内閣不信任決議案を否決に持ち込みながら、同日夜の記者会見では「(原子炉の)冷温停止」を持ち出して続投意欲をあらわにした。これにカチンときたのか、松本氏は現職閣僚ながら翌3日の記者会見で「復旧復興を急がないといけないということから言えば、(菅内閣は)1日も早く退陣した方がよい」「6月いっぱいというのが私の中にはある」と、菅首相に公然と反旗を翻した。

 同28日の復興担当相就任会見も異様だった。サングラス姿で臨み、自ら率いる被災者支援チームを「チーム・ドラゴン(龍)」と命名し、「(大震災があった)3月11日以来、私は民主も自民も公明も嫌いだ。政局の話はしない」と言い放った。

 松本氏は1951年、福岡市生まれ。中大法学部を卒業後、父の松本栄一参院議員の秘書を経て、1990年の衆院選に社会党から出馬して初当選した。その後、旧民主党結党に参加。当選7回。養祖父の松本治一郎氏は「部落解放の父」と言われる元参院副議長。

 「政界屈指の資産家」として知られる。菅内閣の閣僚では、松本氏は総資産約7億6000万円と断トツ。4日公開された2010年分の国会議員の所得報告でも、所得総額7143万円で衆参両院で5位。閣僚ではやはりトップだった。「福岡市内に土地を保有しており、その賃料などが多いと聞く」(民主党関係者)という。

 それにしても、「物静か」だった松本氏がどうして突然、「目まいがするくらいひどい対応」(民主党幹部)に豹変したのか。菅首相は、復興対策本部発足に当たり、松本氏に一度就任を打診して断られたが、再度強く要請したという。

 前出の党関係者は「松本氏は政権にしがみつく菅首相に心が離れていた。強く要請されて復興担当相を受けたが、一度断ったことを見ると本意ではなかった。自らが捨て駒になって自爆テロを仕掛けたのではないか。つまり、菅首相との刺し違えを狙ったということだ」と分析する。

 大臣の暴言問題というトゲは抜いたが、菅首相には、自民党の浜田和幸総務政務官の引き抜き問題や、拉致容疑者の親族周辺団体への献金問題など、数々の難題が待ち構えている。菅政権のタイムリミットが迫ってきた。

URL:http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110705/plt1107051133002-n1.htm



画像松本復興相には特別バージョンの対応必要……村井宮城県知事2011年7月5日(火) 01時39分

 「今の最後の言葉はオフレコです」「書いたら、もうその社は終わりだから」
 松本龍復興担当相が、村井嘉浩宮城県知事と会談した際にそう話したにもかかわらず、東北放送が一部始終をニュースとして報道。この時の松本復興相の言動が問題になっているが、そのニュース映像がYouTubeに投稿され64万回以上も再生されるなど、ネットでも波紋を呼んでいる。

 4日、村井宮城県知事は当時のやりとりについて報道関係者の質問に答えた。

 知事は「大臣の強い意気込みは伝わってきました」としながらも、国と地方自治体は主従関係にはなく対等な関係でパートナーだということが明確に示されているとコメント。「民主党政権になりましてからは、国と地方の協議の場も作っていただき、まさに国も地方自治体も仲間として、パートナーとして取り組んで行くということを示してくださっていた。したがいまして、お話をするときには、できれば命令口調ではなく、お互いの立場を尊重したような話しぶりのほうがよろしいのではないかという気はいたします」と答えた。
 
 その上で、「おそらく被災者のみなさんは、国と県と市、町が協力して手をつないで、自分たちのためにしっかり対応をしてくれるのだろうかと不安に思われたかもしれません」とし、国と市町村と県が力を合わせているということを示さなければいけないと詫びた。

 報道では、応接室で待つ松本復興相のもとに村井知事が入室し、それに対して復興相が「今、あとから自分が入ってきたけど、お客がさんが来るときは自分が入ってきてからお客さんを呼べ、いいか。長幼の序がわかってる自衛隊ならそんなことやるぞ」などと叱責した件に関しては、次のように答えた。「実は、私は遅れて入ったわけではございませんで、定時に入室をしました。決められた時間、お約束した時間に入ったということでございます」。知事は、この対応が社会通念上正しいと思っているとし、今後もお客様に対しては、同様に対応するつもりだとコメントしたが、今後松本復興相が訪問した際には松本大臣バージョンを用意し、公務よりも優先しなければならない、とチクリ。しかし、「最後は玄関までお見送りをいたしました。最後は握手をしてお別れをいたしましたので、大臣と私の間でわだかまりというのはございません」と付け加えた。

 また、今後大臣の対応に望むことを問われた知事は、「軋轢を生じたならば、被災者の方にご迷惑を生じることになります。今後、国と調整しなければならないことが山ほどございます。したがって、大臣にお願いをしたいのは、我々が気軽に相談しやすい環境を是非作っていただきたいうこと。敷居が高くなったならば相談に行きたくても、なかなかできなくなってしまいます」「やはり権限、財源をもっている国の方から私たちのほうに降りてきてくださる、敷居を下げていただかなければいけません。是非、国の方から歩み寄っていただきたいと思います」と答えた。

 この日、県の電話はなりっぱなしで、その数は「分からない」ほど。内容は「大臣の対応に問題があったのではないか」というものばかりだったという。

URL:http://www.rbbtoday.com/article/2011/07/05/78598.html



画像松本復興相、被災地放言で辞任 後任要請を仙谷氏固辞

 松本龍復興対策担当相(60)=衆院福岡1区=は5日、東日本大震災で被災した岩手、宮城両県を訪問した際に「知恵を出さないやつは助けない」などと発言した責任を取り、菅直人首相に辞表を提出し、受理された。震災対応を強化するため新設した閣僚の辞任は、迅速な復興を最優先に掲げる菅政権にとって大きな打撃。首相の政権運営が厳しさを増すのは必至だ。野党は首相の任命責任を追及する構えで、退陣時期に影響が及ぶ可能性もある。

 焦点の後任復興相について首相は5日、仙谷由人官房副長官に就任を打診したが、仙谷氏は固辞した。民主党関係者が明らかにした。

 松本氏は5日朝、首相と首相官邸で会談後、記者団から辞意を固めたかと聞かれ「はい。いい経験をさせていただいた」と応じた。松本氏は5日午前の閣議を欠席。その後、記者会見し「言葉が足りなかったり荒かったりして被災者の心を痛めたことを本当におわびしたい」と述べた。また辞任決断の理由については「個人的な都合」として詳細を明らかにしなかった。今後の震災対応について「相変わらず嫌いな与野党だが、心を合わせて復興に取り組んでほしい」とした。兼務する防災担当相も辞任する。

 自民党の逢沢一郎国対委員長は5日の党会合で松本氏の辞意について「任命責任も厳しく問われなければいけない」と述べ、首相を追及していく考えを示した。民主党の鳩山由紀夫前首相は記者団に「任命責任も当然出てくる」と述べ、菅首相の早期辞任は避けられないとの見通しを表明。国民新党の下地幹郎幹事長は「早い決断は良かった。政権へのダメージは大きい」と述べた。後任の早期人選も求めた。

 松本氏は3日、岩手、宮城両県で達増拓也知事、村井嘉浩知事とそれぞれ会談。達増氏に「(私は)九州の人間だから東北の何市がどこの県か分からない」「知恵を出したところ(自治体)は助けるけど、知恵を出さないやつは助けないぐらいの気持ちを持って」と話した。

URL:http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201107050160.html

この記事へのコメント

  • sdi

    映像での、松本「元」復興相の心理分析、面白く拝見しました。
    私は単純に「ああ、この人『下馬威(役人などが着任時に相手を威圧し驚かせて優位を示す行為)』やろうとして失敗したな」と映像を見て思ったのですが、そういう見方もありますね。
    なにかトラブルがあったら「怒鳴る」「机を叩く」等々の態度で相手を威圧し萎縮させるなど「虚喝」を対人折衝の手段に用いるのは、内に弱みを抱えているから外に向かって強がる、というわけですか。、
    2015年08月10日 15:27
  • almanos

    民主党に人材無しですな。小沢氏が自民との大連立を福田政権時に持ちかけた際に言った「民主党に政権担当能力はない」が事実である事を、何度目か忘れましたが再確認する事になった訳ですか。こうなると空き管総括以外に活路がない。国会で総括するか、官邸で総括するか? まあ、次の選挙でこの御仁はしっかりと落選させて欲しいものです。脅しで誤魔化す以外に能がない人に大臣職を渡すなんて、マスゴミが散々叩いた自民党でもなかったと思いますけど。
    2015年08月10日 15:27
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    皆同じ考えだと思うが, 居るべきで無い地位に付いて
    しまったのは嘘付民主党全体.

    民主党が駄目なのは実は恐いからだ, と言うのは
    確かにふに落ちる.
    2015年08月10日 15:27
  • クマのプータロー

    自分の力量不足を自覚しているのなら、大臣ポストは適任だったと言う事です。その時の対処がまずかったという所まで考えが至れば人間的にも問題はなかったのですが、20代30代ではないのですから非常に重要な何かが欠落している人なのでしょう。
    力量不足を自覚しているのなら、するべき対処はただ一つ、当たり前の事を人に聞く事です。ただ謙ればよいのです。
    2015年08月10日 15:27
  • あきつしま

    「震災の瓦礫処理の特別法案が国会に提出され、成立する見通しになったが、これは、松本の利権が成立するということ。なので、いつ辞めてもOK」というのが、裏事情のようです。その上での茶番かと。
    2015年08月10日 15:27

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