
「ただ、願わくば友好的な宇宙人であってほしいけれど、他力本願はアテにならないからね。だって人じゃないから!」矢追純一
UFOディレクターで有名な矢追純一氏が、公開中のSF映画『スカイライン-征服-』を鑑賞後、宇宙人が人類に作らせた警告映画の可能性があると述べたのですけれども、ちょっと面白そうなネタなので、これについて。
1.凶悪宇宙人が地球征服を狙う理由
『スカイライン-征服-』もそうなのですけれども、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』といい、『SUPER8/スーパーエイト』といい、今年のSF映画は宇宙からの侵略ものが多いような気がしないでもありません。そういえば、マンガから映画化された「GANTZ」もそうかもしれませんね。
それはさておき、矢追純一氏が言うように、もし、これらの作品が、「宇宙人が人類に作らせた警告映画」なのだと仮定したとすると、そこには何らかの目的があるはずです。それは何か。
件の作品の内容が"宇宙人による地球侵略"である以上、そのメッセージは「凶悪宇宙人による地球侵略に気をつけろ」というようなものになるかと思うのですけれども、地球よりはるかに優れた科学文明を持つ宇宙人になすすべなくやられる地球人を描いておいて、一体何を警告するというのでしょう。
矢追氏は「僕はあきらめて寝ていますよ。だからこういう映画を観ながら、心構えをするだけしかないかな」とコメントしていますけれども、「宇宙人が地球を侵略しに来たらもうどうしようもないから、諦めろ」とでもいいたいのでしょうか。
仮に、凶悪宇宙人が地球を侵略しに来たとしましょう。その時、彼らの目的として何が考えられるかをいくつか列挙してみます。
1.地球にしかない何らかの資源を奪いにきた
2.何らかの理由で地球に移住する必要があった
3.地球人および地球上の動植物を自分達の食糧にするため
4.地球人を何らかの研究素材、または自分達の奴隷として手に入れたい
とまぁ、こんな理由があると仮定した場合、凶悪宇宙人にとって、1と2は、地球に地球人がいることが邪魔になる可能性があると思われるのですね。つまり、地球にしかない資源を奪ったり、地球に移住する場合、地球に地球人が居なければ、なに気兼ねすることなく、勝手にできるのですから、地球人がいない方が楽なはずです。
また、3と4が目的だとすれば、逆に生死は兎も角として地球に地球人が居て貰わなくては困るわけです。
仮に、凶悪宇宙人が地球を3日で征服できるくらいの科学力を持っていたとするのなら、いきなり問答無用で征服したほうが手っ取り早い。ある日突然、地球を侵略したほうがずっと話が早い筈で、わざわざ、面倒な警告映画を作らせて、地球人に警戒させてしまうのは非合理的です。
とすると、何が考えられるかというと、やはり、「宇宙人が地球を侵略しに来たらもうどうしようもないから、無駄な抵抗はやめて、諦めろ。素直に侵略されろ。」ということだと思うんですね。つまり、地球人をビビらせて、戦わずに降伏しろ、と迫っているわけです。
宇宙人のくせに、随分と人間っぽいやり方ですね。要するに、侵略者のくせに戦うのは面倒だ、できれば戦うことなく、征服したいと思っているということです。
2.地球人を洗脳する利点
仮に地球人に戦わせずに、自分達の言うことを聞かせたいとするのなら、どういう方法が有り得るかというと、次の2つの方法が考えられます。
A)宇宙人が自分達が地球人の神なのだと騙って、信じ込ませ、地球人に使役させる
B)自分達の力を見せつけて、地球人をビビらせて、言うことを聞かせる
A)についてですけれども、木を擦り合せて火を熾していたくらいの昔であれば、それこそ、UFOに乗って天から飛来して、レーザーかなんかで火を熾してみせれば、それだけで天の神だと信じてくれたかもしれませんけれども、今はそのような単純な手は通用しないと思われますから、もう少し凝ったアレンジをしてくると考えられます。
たとえば、地球人は、我々が遺伝子操作で創造したのだ、とか何とか言って、人類の創造主を気取るというか、そんなやり方が予想されます。そのためには、何らかの証拠を見せてやらないといけない筈です。…何やらどっかで聞いたようなシチュエーションですね。
B)については、こちらはもっと直接的で、我々のUFOをみたら、もう諦めて素直に降参しろという強圧的なやり方です。今回の映画はこちらの路線に入るかと思われます。
具体的には、地球の巨大建造物なり、地球人にとって象徴的な何かを破壊・消滅させて、抵抗する気を無くさせ、全面武装解除させるとか、そんなやり方をしてくるかもしれません。これなんか、もう、ハリウッドのSF映画的な手法ですね。
たとえば、自由の女神とか、ホワイトハウスなんかを一瞬で、オーストラリアかどこかにテレポートさせてみるとかしたら、それはもうデモンストレーション効果は抜群でしょうね。
地球侵略の目的が、資源を奪ったり、移住したりすることであれば、別に地球人が死滅してしまっても構わないのでしょうけれども、人類を餌にしたり、自分達の奴隷にするためなのであれば、地球人に下手に抵抗されて、勝手に死んで貰っては困るわけです。なるべくなら、無抵抗で降伏して欲しい。そのためには、脅すのが一番効率がいい、ということです。
ですから、凶悪宇宙人が人類に警告映画を作らせるのは、「宇宙人には敵わないから諦めろ」的な映画を沢山見せることで地球人を洗脳して、少しでも地球侵略を楽にしたい、地球人に無抵抗で武装解除させたい、という隠れた意図があると想定することだってできるのですね。
3.科学力と精神性は比例しない
けれども、地球人的な感覚からすれば、いくら科学力が発達しているからといって、原住民を無視して、いきなり侵略にかかるというのは、やっぱり野蛮じゃないのとも思うわけです。科学力を誇示して威圧してくるのは、やっぱり精神性が低いのではないか、そう思う心もあっていいと思うんですね。
科学力と精神性は必ずしも比例しない、ここが大事な視点だと思います。なぜなら、たとえ地球人が科学力で劣っていたとしても、精神性の高さがあれば、心が折れることがないからです。
仮に、侵略宇宙人が地球人に死なれては困る形の侵略を考えているのだとすれば、やはり何らかにのデモンストレーションをして力を見せつけることで、心を折りにかかってくるわけですから、それに対抗しうるだけの心を持っていればよいのですね。
そのためには、やはり、自分なりの哲学なり、神なり、なんらかの心のよすがとなるもの、信仰するものを持っている必要があると思いますね。
まぁ、侵略宇宙人が持っているのかどうか判りませんけれども、仮に宇宙人が信じるもの、信奉する考えがあったとして、それが自分達の信仰や教えと比較してどうかを検証する必要がある。そう思います。
もしも、地球人が、自分の哲学や神を持たず、唯物論や科学信仰だけしか持っていないと、侵略宇宙人のように、科学力で上回る存在が出てきたら、それに屈して奴隷になるしかなくなってしまう。だから、それだけだとやはり脆いところがあると思いますね。
科学力では劣るかもしれないけれど、心は地球人とて捨てたものではない、そうした部分ですね。それを持っておく必要がある。要するに、幕末維新で、西洋文明に相対した日本の侍達、当時の日本人の精神ですね、あの時の対応が参考になるのではないかと思います。
幕末にペリーがやってきたとき、当時の人々は「和魂洋才」を主張して、積極的に西洋文明を取り入れましたけれども、魂は屈しなかった。劣っている部分は学べばよい、そうした精神が要ると思うのです。
幕末・明治期の思想家、西周は、文久二年五月十五日付の書簡で次の一文を残しています。
「小生頃来、西洋の性理の学また経済学などの一端を窺い候ところ、実に驚くべく公平正大の論にて、従来学ぶところの漢説とは頗る端を異にし候ところもこれ有る哉に相覚え申し候。尤も彼の耶蘇教などは今西洋一般の奉ずる所に之有り候らえども、毛の生えたる仏法にて、卑陋の極取るべきことこれ無しと相覚え申し候。ただヒロソヒーの学に而、性命の理を説くは程朱にも軼き、公順自然の道に本き経済の大本を建てたるは所謂王政にも勝り、合衆国英吉利等の制度文物は彼の暁舜官天下の意と周召制典型の心にも越えたりと相覚え申し候。」
西周は、西洋学問の優秀さに驚きながらも、耶蘇教、つまりキリスト教は、仏教に毛の生えたようなもので、特に取り上げるものはない、と言っているのですね。
また、幕末当時、二度目の来日をはたしたペリーが、将軍の代理に会ったときでさえ頭を下げず、周囲を威圧しながら歩いていたそうなのですけれども、唯一、佐久間象山にあった時、思わず会釈してしまったというエピソードが伝えられています。その場に居合わせた幕臣の川路聖謨が「ペリーが頭を下げたのは貴殿だけであろう」と言ったそうですから、よほどの気迫というか、ペリーをして圧倒せしめた、何らかの身にまとった雰囲気というものがあったのだと思います。
このように、西周にしても、佐久間象山にしても、西洋文明に触れても、心が折れなかった。この辺りが宇宙人と接触(コンタクト)する際のひとつのヒントになるように思うのですね。
4.友好的宇宙人とのファースト・コンタクト
さて、ちょっと暗い話になったので、バランスを取るために話をポジティブ側にも振ります。
仮に、地球侵略を狙う宇宙人がいるとしたならば、その反対に、地球を護ろうとする宇宙人も当然、可能性としてはあるわけです。
友好的宇宙人が、地球人と友好条約を結ぶときにいかなる行動にでると考えられるのか。
以前「宇宙人が地球に遊びにくるとき」や「地球人と宇宙人を繋ぐもの」でも述べましたけれども、友好的宇宙人は、地球人に対して、まず敵意がないことを示し、また、地球人に警戒させないようにする必要がありますから、外見はおそらく非常に人間に近い姿をとって現われてくる可能性が高いと思います。
つまり、友好的宇宙人が何種類かいたとしても、その中から、人間に近いタイプの宇宙人をコンタクティとして派遣してくるだろう、ということです。
ただ、別の惑星に住んでいるにも関わらず、人間と全く同じというのも、その惑星での環境適応という面からも考えにくいので、多少は地球人と違っている可能性はあると思います。
たとえば、「スタートレック」に登場するMr.スポックみたいに耳が尖っているとか、又は、猫耳がついているとか。あとは、髪や瞳の色がブルーとかグリーンとか、地球の人種ではちょっと見ない色だったりするかもしれません。
とはいえ、世界各国が公式に宇宙人の存在を認めてない以上、今の段階で「宇宙人でござい」と登場するのは、やはりパニックを呼ぶ可能性がありますから、今しばらくは、UFOをこれ見よがしに飛ばして、なんとなく匂わせる手段をとってくるのではないかと思われます。
まぁ、最近は、UFOの目撃談も増えてきていますし、しかも、これまでにはあまりなかった、白昼堂々と、大勢の人の前での目撃例も出てきていますから、その意味では、友好的宇宙人も自分達の姿を表す前のデモンストレーションを行っているのかもしれません。
ここから先は、ちょっと「あっち系」の話になりますので、そのつもりで読んでいただきたいのですけれども、北米航空宇宙防衛司令部の退役将校で、2010年12月19日に他界した、スタンリー・A・フルハムという人物がいます。
この人は、友好的宇宙人とのコンタクトルートがあったらしく、生前、自分の著書で、2010年10月13日に、UFOがニューヨークを訪れると予言して、本当にその日にUFOがマンハッタン上空に現れたのですね。案の定大騒ぎになって、フルハム氏に注目が集まりました。
フルハム氏によれば、なんでも、宇宙人達の中で、プレアデス、オリオン、シリウス、うしかい座、ケンタウルス座α星、レティクル座ゼーター星、Comsuil、Pousetiの8つの星の宇宙人たちからなる、「カウンシル・オブ・エイト」という審議会なるものがあって、それが地球への介入を決定したというのです。
このままだと地球人の種の存続が危ないというのが、介入の理由らしく、地球環境の浄化に協力し、2014年に、プレアデス星人がカウンシル・オブ・エイトを代表して、国連で演説することになっているとか。
そして、2017年には同じく、カウンシル・オブ・エイトの宇宙人と会議を持つ予定だとフルハム氏は述べていたそうです。
俄かには信じがたい話ではありますけれども、本当であれば、世界規模、地球規模で、非常に大きな事件になることは確実ですから、「あっち系」の話とはいえ、心の片隅に留めておいてもよいかもしれません。


謎の侵略者による地球征服3日間の黙示録を描くSF映画『スカイライン-征服-』を鑑賞、“UFOプロデューサー”として本作のCMにも登場した名ディレクターの矢追純一氏が、本作には宇宙人が人類に作らせた警告映画の可能性があることを指摘するとともに、宇宙人の地球征服が始まれば超意外な矢追マニュアルでやり過ごすつもりであることを明かした。
本作は、『AVP2 エイリアンズVS. プレデター』のグレッグ&コリン・ストラウス兄弟がメガホンを握ったVFX満載の映画で、ロサンゼルスを舞台に異星人に侵略された人類の恐怖を描くSFムービー。これまで異星人による侵略や地球崩壊の大災害などが数多くの映画で描かれてきたが、それらは宇宙人の指示で一種の啓蒙ムービーを人類が作らされているという都市伝説とともに語られることも多かった。
「大いに可能性はある」と肯定的な見解を示した矢追氏は、「ぶっちゃけて言えばNASAだけでなく、各国の首脳も宇宙人の存在を知らないわけがない。昔は酔っぱらいのたわごとで済む話だったけれど、今はケータイなどのデジタル機器で誰でもカンタンに撮れてしまう。そこに映っている以上はいるわけで、集団心理などでごまかせる話ではない。しかも宇宙船などの造型が、人類のそれとはまったく異なる。のっぴきならないわけだよね」と国家が宇宙人の存在を全否定できない状況であることを説明した上で、「ただね、存在を認めれば、世界中がハチの巣を突いたような大騒ぎですよ。社会が根底から崩壊しちゃうから、こうやって映画で慣らしているというわけですよね」と都市伝説の信憑性を理論的に説明。そして、「『エイリアン』、『宇宙戦争』、『第9地区』、いろいろとありました。僕らは少しずつ長い年月をかけて慣らされているわけですよ」とこれまでの歴史が鮮やかに物語っていることも付け加えた。
しかし、映画で慣れたところで実際に侵略が始まれば、ひとたまりもない。この点、矢追氏も同調する。「この映画と同じでね、戦争をしかけられたら勝てっこない(笑)。だからといって、彼らと仲良くしたらもっと怖い。宇宙人と遭遇すると大変なことになるから会わないほうがいいと宇宙物理学者のホーキング博士も言っていることです。文化交流? こっちから与える者は何もないわけね。つまり、高度に発達した文明が流れてきて、地球上のあらゆる産業が潰れちゃう可能性がある」。すなわち、経済的な“征服”の恐怖なのだ。
では“Xデー”が到来したら人類はどうしたらいいのか!? 矢追氏は超意外なコメントを返した。「僕はあきらめて寝ていますよ(笑)。だからこういう映画を観ながら、心構えをするだけしかないかな(笑)! バタバタ逃げることは愚の骨頂だよね。映画の人間たちは高級マンションで寝ていればいいものを、外に出てヒドイ目に遭っているじゃない(笑)」といささか捨て鉢気味のUFOプロデューサー。「血を吸われようが逆さ吊りにされようが、なるようにしかならないよねえ(笑)。ただ、願わくば友好的な宇宙人であってほしいけれど、他力本願はアテにならないからね。だって人じゃないから(笑)!」と最後は冗談で恐怖を薄めてくれた矢追氏。宇宙人はいるのか!? 『スカイライン-征服-』は啓蒙映画なのか!? 連綿と続くSF映画の数々と矢追氏の大胆な見解をアナタはどう受け止めますか?
映画『スカイライン-征服-』は、大ヒット上映中
URL:http://blog.movie.nifty.com/blog/2011/06/9-deb3.html
この記事へのコメント
白なまず
土佐のくじら
すごいです。
さすがです。
恐れ入りました。
sdi
すなわち「そこに地球(太陽系)があるから」です。地球(太陽系)が彼らが是非とも掌握したい位置(スペースオペラ的用語でいう「銀河ポジション」)にあるので、このポジションを完全掌握するにあたって不安要素を「除去」するため攻撃をかけてきた、というものです。どこぞの半島国家の宿命みたいですね・・・orz。
こたつがめ
カウンシル・オブ・エイト。
宇宙連合ですか。