
風洞発電という発電方法があるそうだ。
これは、風力発電の一種ではあるのだけれど、一般にあるような、高い鉄塔の上に風車が付いているタイプの風力発電ではなくて、六角形のビル型の風洞を作って、そこに風を通してタービンを回すことで発電するしくみ。
ビル型の風洞塔の表面には小さな窓が碁盤の目状に設けられていて、風で押し開けられるようになっている。窓を押し開けて入ってきた風は、集風翼で一方向に圧縮しながら、縦方向に風洞塔内へと集風してゆく。
風洞塔の中身はラッパのような形になっていて、そこを通り抜ける際により強い風となるそうだから、おそらくは風レンズに似た仕組みを使っているものと思われる。そして発電した電力は、隣接する蓄電施設に貯める仕組みとなっている。
風洞型風力発電の利点は何と言っても、その発電効率にある。
普通の風車型の風力発電は、風車の直径分までしか風を受けられないのに対して、風洞発電では、風洞塔が六角形のビル型をしているために、塔全面を受風に使えるのに加え、どの方向から風が来ても、六角形のどれかの面が風を捉えることができるから、風を効率よく発電に使える強みがある。
風車型の大型風力発電は6m/sから25m/sまでの風が発電に使えるのだけれど、この風洞発電になると2m/sから70m/sまでの風が発電に利用できるという。またそれ以上の風が吹いた場合でも風洞塔の天井を解放することで風を逃がすこともできるそうだから、極端な話、台風の最中でも発電できてしまう。
こうした仕組みによって、一般的な風力発電機の年間稼働率が15%~30%程度であるのに対して、この風洞塔は75%~80%と、普通の風力発電の実に4倍の発電力があるという。
また、風洞発電では、発電のためのタービンは地下に設けられており、地上部分にはプロペラの類はないから、野鳥の死亡事故も少なく、プロペラの回転による、いわゆる低周波公害もない。
因みに直径25m、高さ50mの風洞塔を建設した場合の発電量は最大3000kW、実使用ではおよそ2400kW相当だというから、現在日本で一般的な1500kw出力の風車型発電タワーのサイズであるタワー高さ65m~100m、ブレードの長さ35mと比較しても、ほぼ同等のサイズで2倍の出力が出せることになる。
ただ、建設コストは今のところ、普通の風力発電の10倍くらいするから、その普及には償却費を含めたトータルコストを考えた上での判断となるだろう。
ただ、2m/sから75m/sの風で発電でき、低周波公害、野鳥事故などの心配が少ない事、また、タービン部分が地下にあることでメンテナンスがしやすいことなどを考えると、どちらかといえば人口密集地での建設に向いているのではないか。
もしかしたら、風洞塔を市街地の所々に設置して、地下街や地下鉄の換気や空気循環をしながら発電する
ことだってできるかもしれない。
この風洞発電システムを開発した、福岡県久留米市にあるゼナシステム社は、実証実験として、高さ50m、幅27mの風洞塔による発電システムの建設計画を進めているという。
注目したい。

この記事へのコメント
白なまず
自治労の勝利
ケビン・メア元米国務省日本部長の「決断できない日本」(文春新書)
そして今日(8月29日)の民主党代表選挙、これである。
この、一見無関係に見える三つの言葉を貫く一本の線、それは日米関係の
未来がどうなるのか、というテーマである。
8月27日の各紙は一斉に報じていた。外務省が公開した1953年の
秘密文書によれば、日本は米兵らの犯罪については、公務外の犯罪さえも
裁判権を放棄していた、と。
これは度し難い主権放棄である。
しかしケビン・メアは「決断できない日本」の中でこう書いている。
日米安保が重要というのなら、主権を放棄するのは当然だろうと。
米国から自立しようとする小沢や鳩山は安保オンチだと。
そして今度の民主党代表選挙である。
今度の民主党代表選におけるメディアの海江田たたきは異常だった。
それは海江田候補の勝利が予想される今朝(8月29日)まで続いている。
そして海江田たたきは、海江田候補の勝利の直後から更に激しくなるだろう。
海江田叩きとはつまるところ小沢、鳩山たたきである。
米国に顔を向