「私が特に重要視していた3つの重要案件がすべて成立したことになります。これにより以前から申し上げておりましたように本日をもって民主党の代表を辞任し、そして新代表が選出された後に首相の職を辞することといたします」菅首相 於:8/26 首相官邸・記者会見
1.最後は「狂」で終わったけものへん宰相
8月26日、参院本会議で再生可能エネルギー買取法案と特例公債法案が可決され、菅首相はようやく「本当に」退陣を表明した。在任期間は、小泉政権以後では最長となる1年3ヶ月。
これで、予定どおり29日には民主党の新代表が選出され、今月中に新首相が今国会で首班指名されることはほぼ確実となった。
菅首相は23日の参院財政金融委員会で、退陣理由について問われ「間違ったことをやったから責任を取るということでは全くない」と引責辞任を真っ向否定した。それどころか、25日には、阿久津政務官が「菅政権が1年3カ月で取り組んだこと」と題した文書を作成し、退陣表明記者会見でも、「やるべきことはやった」と自画自賛してみせた。
確かに、日本を破壊し、衰退させたという意味では、菅首相は見事にやり遂げた。だけど、その評価は彼自身が述べているように、歴史が判断するだろう。
筆者は、菅氏が首相に就任した昨年6月の時点で、菅氏の行動原理を表す一字として、漢字一文字ではなく、偏であるところの「けものへん」がそれであるとした。始めは、彼の行動原理を表す漢字が色々と浮かんでいたのだけれど、中々一文字には絞りきれなかった。
今でも、その理由は分からないのだけれど、当時、思い浮かんだ漢字を書き連ねていると、ふとその"偏"がみな一緒であるいことに気づいた。
「狭」「狡」「狂」「独」・・・ みんな「けものへん」を持っていた。
筆者は、あぁ、これだ、と思い、菅氏の行動原理を表す漢字は字ではなく「けものへん」だとして、その根底に自己保存本能があると述べた。
そして、菅首相は「狡」→「狙」→「独」といった経緯を辿るだろう、と予測したのだけど、菅首相は全くその通りに推移していった。
参院選までは、自分の本性を隠して「狡く」立ち回り、代表選では再選を「狙って」あの手この手を使い、見事再選を果たしてからは「独裁」となった。それと共に、誰も寄り付かなくなって「独り」にもなっていった。
そして6月2日の偽装退陣表明をした後は、根回しなしの思いつき発言を連発し、それこそ「狂った」ように延命を図った。そんな彼もとうとう終わりの時を迎えた。暗黒の政権は終わりを告げた。
だけど、暗黒の政権が終わったからといって、次の政権が明るくなるとは限らない。次の首相は一体誰なのか。今の段階ではまだ分からない。
2.誠司の一字
筆者は、ここ数日、民主党代表選候補7人の行動原理を表す一字を考えていたのだけれど、全然イメージが湧いてこない。もしかしたら、この中には居ないのかもしれないけれど、ただ一人だけ、その一文字が浮かんだ人物がいる。それは前原氏。
今のところ、前原氏は本命候補とも言われているものの、まだ首班指名されているわけではないから、あまり前原氏の一字を考えても仕方ないかもしれない。それでもイメージのまま述べておきたい。
あくまでも現時点でのイメージではあるけれど、前原氏を表す一文字は「裂」。
この「裂」は、対象物を真っ二つに切り裂いてしまうような激しいイメージを持っている漢字ではあるのだけれど、筆者には、前原氏自身が、この「裂」を自分で十全にコントロールできているのかどうか、今ひとつ不安に感じている。
勿論、国益を害する相手に対してこの「裂」を使えば、相手は四分五裂して国益を守る方向に働くのだけれど、それを自分でしっかりコントロールできないと、下手をすれば自分で自分を「引き裂いて」しまうことだってある。
要するに、前原氏は"諸刃の剣"だということ。筆者は前原氏に対して、そうした一種の危うさを感じている。
ここで、前原氏のこれまでの政治家としての実績を少し振り返ってみる。
・民主党代表に就任し1年で、永田メール事件で民主党に壊滅的打撃
・国交相に就任し八ッ場ダム建設中止を宣言するものの、地元から総スカン
・休暇分散化の本部長となるも、纏めきれず
・国交相として、JAL再生タスクフォースを立ち上げるも一ヶ月で解散
・羽田空港ハブ化構想をぶち上げるが、しりつぼみに
・国交相として新幹線技術をフロリダに売り込むが、結局不発
・普天間問題で沖縄北方担当相が名護市前市長と極秘会談し、現市長の反発を買う
・国交相として尖閣諸島漁船問題に強硬姿勢をとるが、中国の反発で一転弱腰に
・外務大臣に就任するも尖閣諸島問題に何もできず
・北方領土問題解決に政治生命をかけると宣言し、外務大臣としてロシアを訪問するも逆に関係悪化
・ニュージーランド地震で被害者家族を政府専用機に乗せると発言するも、段取り付けられず家族から顰蹙
とまぁ、最初の一撃は派手に切り裂いているのだけれど、その後がなく、結局、自分も傷つけてしまっている。
だから、もしも前原氏が首相になるのであれば、優秀なスタッフで周りをガッチリ固めて、前原氏の最初の一撃で切り裂いた相手を、きちんと始末できるだけの体制を作っておかなければ危ないのではないかと思う。
まぁ、前原氏は、菅氏のように周りに怒鳴り散らすことはないと思われるから、スタッフが嫌になって逃げ出すようなことはないだろうけれど、周りにしっかりと支えて貰わなければいけないことには変わりない。
その為には、人の意見にも素直に耳を傾ける姿勢が必要で、時には耳の痛いことをもちゃんと聞かなくちゃいけない。
それに、何度も繰り返すけれど、今の時期に首相になるということは、菅政権の後始末と、震災復興と、外交・経済の建て直し等々、やらなければならないことは、もう山のようにある。しかも、ねじれ国会の中でそれをやらなくちゃいけない状況にある。
それに加えて、前原氏は政治資金問題も抱えている。もしも前原首相が誕生すれば、野党は「誠司と金」を徹底的に追及してくることはほぼ確実。
事実、自民党の山本一太政審会長は、前原氏の代表選出馬を批判して「何の反省もなく表舞台に出ようというのは、バッジを付ける人間としてあり得ないことだ。・・・最初から『政治とカネ』の問題で追及せざるを得ない」とコメントしている。
今後の国会運営を考えると、前原氏は党内に敵を抱える余裕なんて全くない筈なのに、小沢・鳩山両氏を敵にまわして、代表選を戦おうとしている。
だから、前原氏は"首相"になれたとしても、自分の「裂」で相手を切り裂く前に、民主党や自分自身を引き裂いてしまうかもしれない。
菅氏が退陣を正式に表明した26日の午後、関東地方は雷を伴う雨が降った。
天は、菅氏退陣に雨を降らせたもうたのか、それとも次の政権に雷を落としたもうたのか。


| 使い方は? 菅総理大臣は26日午後から記者会見し、正式に退陣を表明しました。一方、民主党の代表選では、小沢元代表が誰を推すのか、それとも独自候補を擁立するのかが焦点です。
居座り批判を受け続けた菅総理ですが、やるべきことはやったとして、国民に感謝の気持ちを述べています。
菅総理大臣:「本日をもって民主党の代表を辞任し、そして新代表が選出された後に総理大臣の職を辞することといたします。まず、国民の皆さんに申し上げたいと思います。昨年の6月8日に総理大臣の職に就いて以来、国民の多くの皆様から多くの叱咤激励(しったげきれい)を頂きました。温かい激励、厳しい批判、そのすべてが私にとってはありがたく、うれしいものでありました」
その菅総理の後任を決める代表選は、小沢・鳩山グループの調整が続いています。26日午後から小沢元代表と鳩山前総理大臣の会談が始まりました。海江田経済産業大臣と小沢元環境大臣の一本化となるのか、また名前が取り沙汰されている原口前総務大臣や西岡参議院議長になるのか、決定は夜遅くになりそうです。また、小沢氏側近からは「西岡氏はない」という声も出ています。また、馬淵前国土交通大臣が正式に出馬を表明する一方で、樽床元国対委員長は出馬の意向を取りやめました。前原前外務大臣への対抗馬を模索する小沢元代表ですが、27日の立候補者締め切りを控えて、いまだに次の総理候補を決められないという状況に陥っています。
URL:http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210826041.html

菅首相の退陣にあわせて、首相官邸が菅政権の成果を自画自賛する文書を作成したことがわかった。
「菅政権がこれまでに取り組んできたこと」と題された文書では、「新たなステージの政治主導」、「浜岡原発の停止」などが成果として掲げられている。
ただ、「最小不幸社会の実現」の項目に「諫早湾干拓排水門の開門」が、東日本大震災の項目に「がれき処理の迅速化」が盛り込まれたほか、外交面では、中国やロシアとの関係が充実・強化されたとうたうなど、首をかしげざるを得ない「成果」も羅列されている。
その菅首相は25日夜、飲食店を2軒はしごし、2軒目の旧知の元国会議員らとの懇談は、退陣表明前夜の解放感からか、深夜まで及んだ。
URL:http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20110826-00000204-fnn-pol

民主党代表選挙を巡り、統一候補の擁立を模索していた小沢元代表と鳩山前総理は、海江田経済産業大臣を一致して支持することを決めました。
小沢・鳩山両氏は、27日に告示される代表選に向けて、マニフェストを堅持できる候補者を連携して擁立するため、断続的に協議してきました。そして、最終的に、小沢氏が海江田氏を支持することを決めたため、鳩山氏もそれに応じ、一致して海江田氏を支援することになりました。
こうした一本化への調整を受け、これまで出馬に意欲を見せていた小沢元環境大臣は出馬を見送り、海江田氏支持に回ることを表明しました。
海江田氏は小沢グループの会合に姿を現し、「未熟ですが、戦わせていただきます。小沢さんと一緒にやりたい」と協力を求め、まもなく、東京都内で出馬会見を行います。(26日21:32)
URL:http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4811309.html
この記事へのコメント
sdi
私は「避」「逃」当たりですかね。「闘う」もしくは最後まで「闘い続ける」ことが出来ないか、「闘う」ということが本質的に嫌いな方なのではないかと考えおります。
白なまず
松心となれよ、何時も変らん松の翠(みどり)の松心、松の御国の御民幸あれ。十二月十八日、ひつ九のかみ。
ちび・むぎ・みみ・はな
残りものとしては良くやったのだろう.
ヒトデナシが狂っているのではない,
70年前のプログラム21世紀まで温存して動かした
マスメディアが狂っていると言うこと.
特に, NHKの狂い方は半端ではない.
前原氏はやはり考慮に値しない.
増税反対にふらっとしたが,
良く考えれば, それ以外では×ばかり.
×が並んだ過去の実績も十分にある.
「生まれ変わった」の虚言を信じて選んでみたら
何も変わらん, と言うのは世の真理.
人間は過去の実績で判断すべし.
それしか信頼できるものはない.
almanos
この際、空き管が民主党を落とす壊れた土管になって解散してくれと願うばかりです。民主党を政権から落としてくれたら、最後に「空き管は汚水管になって初めて役に立った」と言う事が出来ますしね。