8月24日、前原氏は、小沢元代表と会談し、ひとまず挙党態勢を築くことで認識が一致したと報道されている。
だけど、会談時間はわずか14分だったそうで、踏み込んだ話はなかったと思われる。会談の内容については、ちらちらと漏れ伝えられているところもあるのだけれど、前原氏側、小沢氏側とそれぞれバラバラで、本当のところはどうだったのかはちょっと分からない。
会談後、前原氏は「考え方にあまり違いはなかった」と言っているのに対して、小沢氏周辺は「まったく話がかみ合わなかった、と聞いている。」と言う。
まぁ、選挙選なのだから、互いに駆け引きで言う部分も多分にあると想定されるから、結局は小沢氏が誰を支持するのかしないのかで判断するしかないだろう。
「辞める菅災 背負う菅災」のエントリーで、筆者は、"もしかしたら、前原氏と小沢氏が手打ちをして、小沢氏が前原氏を推す代わりに、小沢氏の党員資格停止解除と小沢氏を幹事長にするシナリオがあるかもしれないけれど、それは民主党主流派である菅氏、仙谷氏を裏切る行為にならないか"と指摘した。
ところが、この前原・小沢会談の前日の23日夜に、その仙谷氏が小沢氏と会談を設けている。だから、前原氏の小沢氏への接近も仙石氏の承諾済みどころか、積極的に協力を得ていることになるから、単に小沢氏に協力を要請するくらいは許容範囲内なのだろう。
仙谷氏と小沢氏の会談で、仙谷氏が「挙党一致でやりたいんです」と頭を下げ、小沢氏は「それはこっちが言ってきたことだ。あなたたちが私たちを除外してきたんじゃないか」と言い返したとされているのだけれど、注目したいのは、この情報がどこからリークされたかということ。
もしも、これが小沢氏側からのリークであれば、それは、「幹事長ポストをこちらに寄越せ」といった、小沢氏側からの条件闘争のメッセージになるし、逆に仙谷氏側からのリークであれば、「小沢氏は過去のしがらみに囚われて挙党一致を拒否する器の小さい男だ」といった意味合いを帯びる。それはおそらく、中間派の、小沢グループ支援候補へ票が流れるといったことを削ぐ若干の効果はあるだろう。小沢氏周辺は、仙谷氏側からのリークだと言っているけれど、本当のところは分からない。
さて、前原氏が出馬を決めた理由について、独立総合研究所代表の青山繁治氏は8月24日放送のテレビで、前原氏と電話で直接話したとした上で、前原氏が、「出馬の理由は、小沢さん直系の総理が誕生してしまうから」と明かした。
そして、「小沢系議員は処遇するが、条件闘争は絶対しない。それから、小沢さんの党員資格停止処分は続ける」と話している。
これが本当だとすると、前原氏は小沢氏から何らかの人事の要求があったとしても、それを拒否し、人事は自分が決めると突っぱねた可能性が高くなるのだけれど、もちろん24日の前原・小沢会談後に、両者で何らかの水面下の交渉が行われている可能性はある。
その意味では、小沢氏が言ったとされる「あなたたちが私たちを除外してきたんじゃないか」という情報がどちらの側からリークされているのかは、重要な情報になると思われる。
というのは、小沢氏側からのリークであれば、「まだ交渉の余地はあるぞ」というサインだし、仙谷氏側からのリークであれば「貴方の立場はどんどん悪くなりますよ、いい加減折れたらどうですか」という脅しのサインになるから。ただ、もしも、これが仙谷氏側からのリークであれば、焦りの裏返しともいえるだろう。
予定どおりであれば、代表選は27日告示、29日投開票の日程で実施される。
だから、支持候補を明確にしていない小沢氏とて、一両日中には態度を決めなくてはならない。残された時間はもうない。
代表選には、既に立候補を表明している前原氏に続いて、鹿野氏、野田氏、海江田氏が26日中に出馬を表明する見通しで、馬淵氏と樽床氏もまだ出馬を諦めていない。小沢鋭仁氏は、海江田氏と元々の支持層が重なっているとして、トーンダウンしている。
8月25日に、小沢氏は鳩山氏と会談して、「政治主導の原点に回帰するか、菅政権の路線を継続するかの戦いだ」として、マニフェストを重視する候補を見極める方針で一致したという。
小沢氏は同じく25日に周辺に対して「前原氏の支持は広がらないのではないか」との見方を示したそうなのだけれど、前原氏が25日夜に自身のグループ外にも参加を呼び掛けた会合を開いたにも関わらず、参加者は37人だけだったというから、小沢氏の見方もそれほど的外れではないかもしれない。
こうしてみると、新聞、テレビなどのマスコミは、ついこの間まで本命だとして持ち上げていた野田氏をあっさり捨てて、前原氏が大本命みたいだなんて囃し立てているのだけれど、内情はそんなに簡単なものではなさそうに思えてくる。
ともあれ、明日、菅首相が"本当に"退陣表明することが大前提。
そこから代表選の火蓋が切られることになる。


民主党代表選で、前原誠司前外相を推す仙谷由人代表代行が23日夜に小沢一郎元代表と会い、代表選後に挙党一致態勢が構築できるよう協力を求めたのに対し、小沢氏が難色を示していたことが24日分かった。「あなた方が一方的にこちらを排除してきた」と述べた。前原氏は24日夕、小沢氏と会談し、出馬決意に至った経緯を説明する。
小沢氏は自身を支持する衆院1回生の会合で「残された時間の中でこれだという候補者を見いだす決意がある。ベストがいないならベターな選択肢もある」と述べ、小沢グループ全体で特定の候補を支援する考えを強調した。
党内主流派の間では、前原氏と野田佳彦財務相の一本化を望む声がある。非主流派内でも鳩山氏のグループに所属する海江田万里経済産業相と、鳩山氏に近い小沢鋭仁元環境相との間で調整するべきだとの意見が出ている。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110824/stt11082414220010-n1.htm

民主党代表選への出馬を表明している前原誠司前外相と、前原氏から支援を要請された小沢一郎元代表が新政権の人事をめぐり、駆け引きを活発化させている。焦点は党のカネと人事を握る幹事長ポストだ。小沢氏側は幹事長ポストを明け渡すことが支援の必須条件ととらえているが、前原氏はここで譲れば実権を奪われ、「小沢院政」になりかねないと警戒。双方が一致点を見いだすことは難しい状況だ。
「要は幹事長ポストで折り合いがつくかどうかだ。政策なんてどうでもいい」。小沢氏周辺は前原氏支援の条件について、露骨にポストを要求してみせた。
民主党幹事長は、国政選挙の公認権を握り、年額170億円近い政党交付金を配分する権限も持つ。菅直人首相が敷いた「脱小沢」路線とは、小沢氏にカネと人事に触らせないことだった。
前原氏が勝利した2005年9月の代表選では、小沢氏が幹事長就任を条件に支援を申し出て、前原氏が拒否した経緯がある。今回も同じ構図だが、小沢氏は党員資格停止中のため、新執行部で即時に役職に就くことはできず、自らの息が掛かった人物を幹事長に据えようとしているとみられる。
小沢氏の意を酌む鳩山由紀夫前首相は、前原氏と会談して以来、同氏の言う「挙党一致」と「挙党態勢」の違いにこだわっている。25日の自身のグループ会合でも「二つの言葉が必ずしも同じように使われていない。われわれが望むのは挙党態勢だ」と力説した。鳩山氏の言う「挙党態勢」とは、菅政権を支えてきた「主流派」からの幹事長ポスト奪還を指しているとみられる。
これに対し、前原氏は同日の有志議員との勉強会で「全員野球のために大事なことは、ただ一点、政策調査会機能をどうするかだ」と強調し、鳩山氏の要求を事実上無視した。前原氏周辺は「向こうが欲しいのは幹事長ポストだろうが、乗れる話と乗れない話がある」と譲る気配はない。
各種世論調査では、菅政権で「脱小沢」路線を主導した前原氏の支持が他を圧倒しているが、小沢氏にひれ伏したと映れば、前原氏への期待がしぼむのは確実。前原氏が人事で妥協する見通しはなく、小沢氏周辺では「前原氏支援はない」(若手)との声が強まっている。(2011/08/25-20:17)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011082500834

菅直人首相(民主党代表)は26日、退陣を正式に表明する。首相の後継を決める民主党代表選に向け、各陣営は25日、多数派工作を繰り広げた。前原誠司前外相は都内で陣営の組織固めの集会を開催。野田佳彦財務相、鹿野道彦農相はそれぞれ衆院当選1回生と会合した。党内最大グループを擁する小沢一郎元代表は議員会館で鳩山由紀夫前首相と会い、26日にも支援する候補を公約重視で絞り込む考えで一致した。
元代表と鳩山氏は25日の会談で「政治主導の原点に回帰するか、菅政権の路線を継続するかの戦いだ」との認識を擦り合わせた。「原点回帰し、力を結集する環境をつくる」として、2009年衆院選マニフェスト(政権公約)を重視する候補を見極める方向となった。元代表は25日、周辺に「前原氏の支持は広がらないのではないか」との見方も示したという。
前原氏は同日の党有志議員の勉強会で菅首相が復活させた政策調査会の機能強化に言及。09年衆院選マニフェストで掲げた内閣への政策決定一元化に一線を画す考えを示した。
こうした状況を受け、出馬に意欲を示している小沢鋭仁元環境相と海江田万里経済産業相の一本化調整が進む可能性もある。海江田氏は鳩山、田中各氏と会談し、支援を求めた。羽田孜元首相を支持するグループは25日、自主投票を決めた。
首相は26日、退陣のメドに掲げた赤字国債発行法案と再生エネルギー特別措置法案が参院本会議で成立した後に、正式に退陣を表明する。これを受け、民主党は「27日告示、29日投開票」の代表選日程を確定させる。
URL:http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E0E7E2E0828DE0E7E2EAE0E2E3E39F9FEAE2E2E2;at=ALL

民主党代表選で、小沢一郎元代表(69)が、前原誠司前外相(49)を支援しない可能性が高まってきた。小沢氏は24日夕、前原氏と直接会談したが、前原氏からは、国家を牽引する理念も実力も感じられなかったようなのだ。党内最大グループが「反前原」に回れば、選挙戦の構図は一層混迷しそうだ。
「美辞麗句ばかりで、中身も覚悟もない。世論調査の支持率が高いだけ。自民党末期から、わが国は『首相選び=人気投票』にして失敗してきた。現在、日本は被災地復興や経済低迷、緊迫する世界情勢など、歴史的危機を迎えている。前原氏では難局は乗り越えられないということだ」
小沢氏周辺はこう語る。
前日の23日午前、小沢氏は、前原氏の有力後援者であり、自身とも親しい京セラの稲盛和夫名誉会長と会談。同日夜、前原氏の後見人である仙谷由人官房副長官(65)とも長時間話し合った。
一部メディアは「小沢、前原氏を支援か」と報じたが、実際の小沢・仙谷会談は、長年の対立関係もあり、緊張感の解けないものだったようだ。
小沢氏周辺は「まったく話がかみ合わなかった、と聞いている。それより、許せないことがある」といい、こう続ける。
「新聞などで、仙谷氏が『挙党一致でやりたいんです』と頭を下げ、小沢氏が『それはこっちが言ってきたことだ。あなたたちが私たちを除外してきたんじゃないか!』と言い返したと報じられているが、すべて仙谷氏側のリーク。仙谷氏は『小沢が挙党一致を壊した』という形を作ろうとしているのではないか。旧社会党らしい謀略だ」
小沢氏と共同歩調を取る鳩山由紀夫前首相(64)も24日夜、前原氏と会談後、「融和より自分の思う人事を行うという発想が見えた。挙党態勢とはいえないとの認識を感じた」と批判した。
気になるのは、小沢氏の今後の動き。
小沢氏は24日のグループ議員との会合で、「残された時間の中で、これだという候補を見いだす決意がある。ベストがいないならベターな選択肢もある」と語った。
前出の小沢氏周辺は「前原氏をはじめ、代表選に名乗りを上げた全員が、小沢氏の考える国家リーダーのレベルに達していない。新たな独自候補がベストだが…。26日に結論が出るだろう」と語っている。
URL:http://news.nifty.com/cs/headline/detail/fuji-zak20110825002/1.htm
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