「僕らを含めて、おそらく来られる方も一般人だと思います。普通にお勤めして、普通に家庭を持って、これまで政治活動をしてきたこともないという、何の思想も持たないノンポリの一般国民がフジテレビはおかしいと思って、これだけの人数が集まったということを伝えたい」8.11お台場デモ実行委員会副代表・相沢さん
8月21日、「韓流偏重」などフジテレビの放送が偏向しているとして抗議するデモが東京お台場で行なわれた。
デモの参加は主にインターネットで呼びかけられ、当日は主催者発表で6000人、警察発表で3万人もの参加者があったようだ。
デモ実行委員会は、「2ちゃんねる」を中心に情報交換を行いながら、フジテレビの放送姿勢に疑念を抱いている人たちが集まって組織されていて、8名のコアメンバーを中心として、会社経営者、サラリーマン、OL、主婦、学生など様々な立場の人達、総勢56名が警備班、救護班、誘導班などに分かれて運営したというから、ナントカ市民じゃなくて、本当の意味での国民的運動型のデモになったと思われる。
参加者の中には、家族連れや女子高生や若い男女のカップルなどが多く、当日飛び込みでデモに参加した一般人もいたというから、普段、余りデモが行なわれない日本で、これほど大規模かつ周囲を巻き込む形でのデモは異例と言っていいだろう。
ツイッターその他で、デモに参加した人の感想が上がっているのを見ると、「物凄く整然としていた。」とか「楽しかった」といったのが多く、実に節度正しいデモだったことが伺える。勿論デモの様子はネットで配信されて、10万以上再生されている。
確かにデモ動画を見ても、きちんと5列縦隊で整然と行進していて、これが万の単位で行なわれたかと思うと唸らされる。
これは、韓国や台湾のテレビで大きく取り上げられたのだけれど、日本のテレビ、ラジオ等は全て黙殺した。
沖縄の普天間移設反対デモなら数百人の参加でも報道するのに、フジテレビへの抗議デモは数千、数万人の規模でもなかったことにする。
韓国・台湾が報道しているにも関わらず、自分に都合の悪いことは全くスルーするというのは、利益追求行為であって、公共性を2の次に置いていることになる。この一点で持って、デモの正当性は証明されたといえる。
確かに、放送局とて企業体で在る以上は、利益追求を求めるのは当たり前ではあるのだけれど、公共の電波を使って私腹を肥やす行為を行なうのであれば、放送の許認可をもっとオープンにして、寡占体制を無くし、市場原理、競争原理が働くようにするとか考えなくちゃいけない。
今回のデモで特筆すべきはその抗議内容と構造にある。平たく言えば、既存マスコミとネットとの対決。
というのも、今回のデモの要求は「偏向報道を止めよ」という抗議であって、いわばマスコミがマスコミ本来の役割を要求するもの。公共性の担保に対する抗議。
例えば、フジテレビが偏向してると思えば、日本テレビがそれを批判するとかいう具合に、本来はマスコミ自身が自浄作用として働かせなければいけない種のもの。それをわざわざ一般国民が抗議している。
既にその時点で、マスコミは世論を作る資格を半ば失っている。せめて、デモ帯の抗議文を受け取り、真摯に対応する姿を見せるのであれば、また資格を取り戻すこともできると思うけれど、「批判を受ける謂れはない」などと拒否するに到っては何をか況や。
そして、今回のデモは、インターネットを中心に呼びかけられ、万の数の動員をした。フジテレビが対応を変えない場合は、今度はスポンサーへ飛び火する可能性もある。
今回のデモ抗議が、果たしてどんな形で決着するのかわからないけれど、もしフジテレビなり、スポンサーなりが是正措置をするなり、抗議が受け入れられる形で決着するのであれば、マスコミ本来の役割は、既存マスコミからネットに移ったことになる。
マスコミがただの宣伝装置だと広く認知されてしまえば、誰もテレビを見なくなるから、これは決して軽いものじゃない筈なのだけれど、マスコミの動きは鈍い。
「あやしいお米セシウムさん」騒動の時には、あれほど素早く、謝罪と検証番組および番組の休止を決めたくせに、「韓流偏向」の指摘については何の反応を示さないというのは、対象範囲が余りに広すぎ、尚且つ、予定がしっかり組まれていて、もうどうにも変更できないか、深刻に考えていないかどちらかになると思うのだけれど、どちらにせよ放置すればキズは広がるばかり。
今回のお台場デモ実行委員会は、これで解散で、次回の予定は特にないそうなのだけれど、だから、これで終わりと思うのは甘いと思う。
「あやしいお米セシウムさん」騒動のように、明らかに報道被害が出るだろうと思われるケースと違い、「偏向報道」という判り難い抗議テーマに対して、ネットの呼びかけだけで、万の単位で人が集まり、十万の単位で動画を視聴される事実は決して無視できるものじゃない。
また何かの切っ掛けがあれば、一気に火を噴く。
マスコミは、自分達がマスコミの役目を果たすか否かの分水嶺にいることを、そして、それを衆目に見られていることを忘れちゃいけない。
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この記事へのコメント
sdi
「なんが目的でフジテレビを糾弾するのか」
それを忘れて、手段が目的化したら70年代末に極左が「闘争のための闘争」に堕ちた愚行を21世紀に繰り返す羽目になります。
ブログのコメント欄で、よそのブログ記事を紹介するのはマナー違反かも知れませんが、この件については日本情報分析局(@FumiHawk)の2001年8月19日づけの記事以上のことを付け加えることはありません。
日比野
>手段が目的化したら70年代末に極左が「闘争のための闘争」に堕ちた愚行を21世紀に繰り返す羽目になります。
ここなんです。私が今朝の通勤電車で考えていたことは…
ご指摘の日本情報分析局でも指摘されているように、デモ中で暴力行為、もしくはそれに類する行為があれば一気にデモの正統性が失われていきます。今回のは上手く統率できたようですけど、一部の梯団で危ないのもいたという噂もありますね。
とはいえ、「偏向報道」という分かりにくいテーマで万単位で人が集まってしまうのですから、水面下のフラストレーションには相当なものがあるとみるべきで、本来はBPOなりしかるべき機関が動くべきでしょうけど、それもありません。
その意味では結構危ういというのは、そのとおりで、問題はここから個々人がメディアに対する態度をどうしていくかを考えるべきだと思います。
「嫌なら見なければいい」というのは確かにその通りなのですけれども、そのためには選択の自由が必要で、大手5系列では少し数が少ない気が個人的にはしています。
せみまる
ちび・むぎ・みみ・はな
中にあると考えなければなりませんな.
その工作は支那と半島からが目立つが,
米国からの工作もある.
早い話しがTPPだ.
最近, メディアはTPPを話題に上げないし,
嘘付党次期党首の問題でもせいぜい増税問題だ.
しかし, 増税問題は国内問題であり,
何時でも修正できるのに対し,
TPPは参加表明した時点でアウトに近い.
成果は何一つないと評価されるオバマ大統領は
TPPを何としても成功させたい.
一度でも利益のために国民を裏切ったメディア
は外部工作に対する免疫を全く失ってしまう.
どうも, ここに来て前原が出てきたのには
理由があるらしい.
とおる
「言論の自由」を掲げているはずのフジテレビが、相手の言論を聞く耳を持たないというのは、「お前は既に死んでいる」状態です。
また、テレビ局・新聞社(新聞社とテレビ局は同一資本で系列化)が、このようなデモを報道しなかったというのは、日本の「報道の自由」は「既に死んでいる」状態。
テレビ局の電波利用料が安く、テレビ局の社員は高給なので、電波利用料を高くすべし。
八目山人
つまり日本の全テレビ局は談合して、自分達に都合の悪い事を国民の目から遠ざけているのです。
今回のことはCNNやAPFも報じなかったようですが、どうしてでしょう。
また皇民党が褒め殺しに来た件などは、フジがやったのだとすれば、背後には相当グロテスクな巨大な物が有る事を感じさせます。
また「嫌なら見なければいい」というのは、韓流ドラマに就いてならそう言えますが、クイズやバラエティやワイドショーや討論番組で長々と韓国ageのことを言ったり取り上げたり、日本人が優勝しても表彰式をカットしたり、ダービーで国旗掲揚になるとCMが入ったりするのは、見るなとはいえませんからね。