8月18日、民主、自民、公明の3党の国対委員長が会談し、菅首相の退陣3条件の残りの法案の一つである、再生エネルギー特措法案について、19日の衆院採決を先送りすることを決めた。
というのも、先週末、民主党が、「誤解しないでください 『子ども手当』存続します」と書いたビラ約35万枚を全国の総支部に配ったことが発覚したから。
このビラは、広報委員長を務める藤本祐司参院議員の指示で作成したそうなのだけれど、中身は、民主、自民、公明の3党による合意で、『子ども手当』は存続し恒久的な制度になったとあり、自民から「事実に反している」「極めて不誠実だ」などと猛反発を受けていた。
民主党の岡田幹事長は、自民、公明両党の幹事長に電話で「出すぎたまねをした」と陳謝。また、安住国対委員長も、18日の午前に、自民党の逢沢国対委員長との会談で、「迷惑をおかけした」と陳謝した上で「国会日程に支障が出ないようにしてもらいたい」と求めた。
そして、岡田幹事長は18日の記者会見で「ビラの記述は、今の子ども手当がそのまま存続すると誤解を与えかねない不適切な表現だ」と述べ、今後、ビラを配らないよう、県連などに文書で要請した。
ただ、岡田幹事長が謝罪したのはビラの配布時期だけで「中身は間違ってはいない」としたこともあり、自民党の逢沢国対委員長は「問題は中身だ。納得のいく謝罪になっていない」と反発し、19日の衆参両院での審議を拒否した形となったようだ。
とはいえ、菅首相の退陣はやはり最優先のようで、結局、特例公債法案は24日、再生エネルギー特措法案は26日に成立させることで合意したというから、如何に菅首相の居座りを嫌っているかが伺える。
問題のビラの文面をよく読んでみると、見出しこそ"「子ども手当」存続します"となっているものの、3党合意したという文言の中では、"子供に対する手当"となっていて、「子ども手当」とは書いてない。
これは、おそらく、3党合意の文書の表題が"子どもに対する手当の制度のあり方について"となっているためだと思われるのだけれど、確かに、子ども手当も、児童手当も「子どもに対する手当」だと言われれば、その範疇に入るだろう。
だけど、3党合意文書の中で、法制上の措置として、現金給付については「児童手当法に所要の改正を行うことを基本とする」とあるから、細かい事を言えば、あくまでも、児童手当の復活としての給付であって、子ども手当の存続とはいえない。
岡田幹事長は3党合意の後、この部分に関して、「"児童手当法に所要の改正を行う"とはしているが、中身としては子育て世代に対する大きな支援になっていることは変わりはない…廃止とか一部のメディアには踊っているが、法形式ではそうかもしれないが従来の児童手当とはまったく違う。」として、手当が中学生にまで支給されていることと、金額も原則5千円から1万円に倍増している点を挙げて、中身は別のものだと述べている。
まぁ、この辺りは、民主や自公にとって自党の成果をアピールするために、それぞれの解釈および主張をするのは仕方ないことかもしれないけれど、ビラを撒くのならやはり、法形式に則って、「子ども手当から児童手当に戻りますが、支給年齢、支給範囲は拡充されます」という具合に正確に書くべきだろう。
わざわざ、表題に「子ども手当」は存続しますと書いて誤解を招くような表現をするから野党の反発を受けて、結局配布できなくなってしまってる。
こうした行為を今後も民主党執行部が許すのなら、自公との大連立なんてまず無理。自分から信頼をぶち壊す真似をしておいて、大連立をいうのは筋が違う。
現に、自民党の谷垣総裁、石原幹事長らの幹部は8月17日党本部で協議して、大連立には基本的に応じられないとの認識で一致している。その席上で谷垣総裁は「大連立は例外中の例外だ。3月の震災直後だったら信頼関係をつくれたかもしれないが、これまでの5カ月を振り返るとそういう判断に立てない」と述べ、大連立に前向きだとされている大島副総裁も谷垣総裁の判断に従う考えを示したそうだから、現時点での大連立の確率は、協議後、石原幹事長が記者団に語ったように「大連立の可能性はゼロではないが、ほぼゼロに近い」と思われる。
それに、たとえ菅政権後とはいえ、この時期に大連立を組むということは、菅政権の後始末をやることを意味する。それはすなわち、これまでの民主党政権の失政の責任の一部を押し付けられることにもなるから、それを補って余りあるメリットがないと大連立を組む意味はない。
たとえば、解散時期の確約とか、政権委譲とか。
事実、今年6月には仙谷官房副長官が「谷垣首相」を受け入れる代わりに、自民党に大連立参加を求めたという話があったらしいのだけれど、大連立の可能性があるとすれば、もうこの首相職を自民に譲って、半年から1年程度、菅政権の後始末をしてからの解散総選挙くらいしかないのではないかと思う。
勿論、衆院で300を超える議席を持つ、民主党がそんな条件を飲むとは思えないし、それを纏めるだけの人物が民主党に居るとも思えない。「谷垣首相」を打診したとされる仙谷氏とてそれだけの力があるかどうか。
そんな苦労をするくらいなら、公明やみんなの党と連立を組んで、ねじれを解消したほうがよっぽど楽なはず。
だから、次の新首相が誰になるか分からないけれど、早晩、ねじれ国会解消のために、野党との信頼関係を作るのか、それとも、公明やみんなの党と連携してゆくのかの選択を迫られるのではないかと思う。


「誤解しないでください 『子ども手当』存続します」-。民主党が、こんな文章を大書きしたビラの配布を始めた。子ども手当は自民、公明両党が特例公債法案の審議に協力するのと引き換えに、平成24年度からの廃止が決まったばかり。世論の批判を抑える狙いだが、自公両党から反発も出そうだ。
ビラはA4判で、先週末に約35万枚を全国の総支部に配った。「(子ども手当は)廃止になりません」「3党合意により恒久的な制度になりました」としたうえで、旧児童手当より支給額が増えると強調。ただ、マニフェスト(政権公約)で「月額2万6000円」を約束していた経緯には触れていない。
民主党によると、ビラは広報委員長を務める藤本祐司参院議員の指示で作成。“強弁”ともいえる内容だが、党関係者は「読んで判断してくださいとしか言えない」としている
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110816/stt11081620140005-n1.htm

民主、自民、公明3党の国対委員長は18日の会談で、再生エネルギー特措法案の19日の衆院採決を先送りすることを決めた。民主党が「子ども手当存続します」と訴えるビラを配布した問題で、自民党が反発したためだが、同法案については23日に衆院を通過させ、当初の予定通り26日に成立させることで合意した。
民主党の岡田克也幹事長は18日の記者会見で「ビラの記述は、今の子ども手当がそのまま存続すると誤解を与えかねない不適切な表現だ」と述べた。党広報委員会も藤本祐司広報委員長名で党所属国会議員や都道府県連などに対し、今後、ビラを配らないよう文書で要請した。
民主、自民両党は事前の調整で、岡田氏の謝罪を受けて、19日の再生エネ法案の衆院通過を容認することにしていた。だが、岡田氏が謝罪したのはビラの配布時期だけで「中身は間違ってはいない」と一部正当化したため、逢沢一郎国対委員長が「問題は中身だ。納得のいく謝罪になっていない」と反発。19日の衆参両院での審議を拒否した。
ただ、自民党も菅直人首相の居座りは避けたいため、逢沢氏は24日に特例公債法案、26日に再生エネ法案をそれぞれ成立させることに合意した。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110818/stt11081823210007-n1.htm

自民党の谷垣禎一総裁、石原伸晃幹事長ら幹部は17日午後、党本部で、菅直人首相退陣後の民主党政権への対応について協議し、大連立には基本的に応じられないとの認識で一致した。席上、谷垣氏は「大連立は例外中の例外だ。3月の震災直後だったら信頼関係をつくれたかもしれないが、これまでの5カ月を振り返るとそういう判断に立てない」と述べ、極めて困難との考えを表明した。
幹部会合では、小池百合子総務会長や山本一太参院政審会長が大連立への反対論を主張。「ポスト菅」政権への協力に前向きな大島理森副総裁も「既に谷垣総裁が(見解を)言っている」と、谷垣氏の判断に従う考えを示した。出席者から大連立を容認する意見は出なかった。
会合後、石原氏は記者団に「(大連立の可能性は)ゼロではないが、ほぼゼロに近い」と指摘。連立に応じる場合でも、新首相が衆院解散時期を確約することが条件と強調した。
自民党執行部が大連立に否定的なのは、派閥領袖(りょうしゅう)や参院側を中心に、支持率が低迷する民主党を早期の解散・総選挙に追い込み、政権奪還を目指すべきだとの意見が強いためだ。谷垣氏らは新政権に対し、東日本大震災の復興に限定した形で閣外協力する構え。自民党のこうした判断は、大連立を含め、政権の枠組みをめぐる論議が活発化している民主党代表選の行方にも一定の影響を与えそうだ。(2011/08/17-19:27)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011081700703&j4

自民党執行部が、谷垣禎一総裁の首相起用を条件に民主党との大連立を検討していることが分かった。党内には早期の衆院解散・総選挙の障害となる大連立に反対論が強く、解散権を持つ首相ポストの獲得を条件とすることで党内の理解を得る狙いがある。ただ、衆院で圧倒的多数を占める民主党が、首相を自民党に譲る可能性は少なく、実現は難しそうだ。
大連立をめぐっては、自民党の大島理森副総裁、石原伸晃幹事長らが前向きで、民主党の仙谷由人代表代行、岡田克也幹事長と協議を進めてきた。自民党筋によると、6月には仙谷氏が「谷垣首相」を受け入れる考えを示し、自民党に大連立参加を求めた。
このため、自民党執行部は、菅直人首相退陣後の協議でも民主党側が首相ポストを谷垣氏に譲る可能性はあると判断している。
前回衆院選の落選者を多く抱える派閥領袖らは、早期の解散・総選挙に追い込むため、大連立に反対している。執行部は、民主党が首相を出す場合でも早期解散の確約が連立条件となると判断。震災復興を名目に▽2011年度第3次補正予算成立後の年内▽12年度予算成立後の来年夏前-などが具体的な期限として浮上している。
谷垣氏は15日、自らを首相とする大連立について「民主党に政権担当能力がないということであれば憲政の常道である通り、『(政権を)お渡しなさい』ということはあり得えても、それが直ちに大連立ということではない」と述べた。
URL:http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110816/plt1108161146003-n1.htm
この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
嘘付党にはヒトデナシと同じ哲学のものが多数存在.
サボタージュはまだまだ続くものと思われる.