安全な水 美味しい水

  
7月4日から5日にかけて、トレンド総研が、首都圏(東京・千葉・神奈川・埼玉)在住の23~57歳の女性214名を対象に「水」に関する意識調査をおこなった。

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その結果、より安全な水を求める女性たちの実態が明らかになった。

質問の主なものとその回答は次のとおり。
・日常的に飲む水はどのようなものですか?
 「ペットボトルの水」 50%
 「蛇口型浄水器の水」 15%
 「ポット型浄水器の水」15%
 「ウォーターサーバーの水」14%
 「水道水」        4%

・あなたが飲みたいと思う水はどのようなものですか?
 「安全なもの」    89.7%
 「おいしいもの」   86.4%
 「衛生的なもの」   73.4%

・震災後に水の安全性を意識するようになりましたか?
 「意識するようになった」 90%
   → 震災後に日常的に飲む水を替えましたか?
      「変えた」   30%

・ウォーターサーバーの水は安全性が高いと思いますか?
 「思う」 93%

・震災をきっかけにウォーターサーバーの水に注目が集まるようになったと思いますか?
 「思う」 93%

・今後、ウォーターサーバーがほしいですか?
 「欲しい」 89%

・ウォーターサーバーを選ぶポイントは何ですか?
 「料金」   89%
 「水の安全性」86%
 「美味しさ」 73%
 「衛生的」  57%
 「使いやすさ」53%
 「信頼性」  51%

・ウォーターサーバーを選ぶ際、製品の安全性・信頼性をどこで判断しますか?
 「水の成分」   66% 
 「メンテナンス」 66%
 「配達システム」 48%
 「サーバーの機能」47%

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とまぁ、美味しい水よりも安全な水を求める意識が強くなっているようで、9割近くはウォーターサーバーを欲しいとしている。

そこでトレンド総研は、宅配天然水を扱う有名メーカー5社の「ウォーターサーバー」の水について、商品名を伏せて飲み比べ調査をおこなった。

調査項目は、「まろやかだと思うか」、「のどごしが良いと思うか」、「混じり気がないと思うか」、「飲みやすいと思うか」の4項目について評価してもらったところ、全4項目中、2項目で「ダスキンの天然水」の『スプラッシュウォーター』が最も多い票数を獲得。更に、評価項目の総合ポイントでも1位を獲得したそうだ。

ただ、採水地の安全確認もせずに「天然水」を使っているというだけでは、安全性が保証されているとは限らず、ただの天然水の味比べになってしまっている。回答者達が美味しい水より安全な水を求めているのだから、ペットボトルの水と浄水器の水との含有放射性物質の量の比較とか、安全性にフォーカスした調査もしないと、不十分なように思える。

因みに、「ダスキンの天然水」の『スプラッシュウォーター』の採水地は、東日本と西日本とで2つに分かれていて、東日本は埼玉県秩父市大滝の秩父多摩甲斐国立公園内の荒川源流域から、西日本は広島県東広島市志和町の大田川減流域、三篠川水系の天然水から取っている。

もしも、福島原発事故に起因する放射性物質に対する安全性をも重視するのであれば、これらの地域の汚染度も加味する必要がある。

このように注目を集めているウォーターサーバーなのだけれど、実際に自宅でウォーターサーバーを使っている割合は少なく、今回のトレンド総研の調査では、ウォーターサーバーを使っていると答えた人は1割以下にとどまったという。

また、同じく7月にマイボイスコムがインターネット上で実施した、日本全国の男女1万2108名を対象とする調査結果では、ウォーターサーバーの利用未経験者が導入に至っていない理由のトップに挙げたのは、「電気代やレンタル代などの維持費がかかるため」という金銭的な要因だったというから、値段がネックなのは間違いない。

筆者としては、安全性を再重要と考えるのであれば、RO浸透膜式浄水器や、蒸留水器による水を選ぶべきだと思う。

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RO浸透膜というのは、要するに浸透膜によって不純物を除去した水のことで、理論的には水分子以上に大きい不純物はほぼ除去される。

以前「浸透膜発電と混合エントロピーバッテリー」のエントリーで浸透膜発電について取り上げたけれど、RO浸透膜による浄水も基本的には同じ仕組み。

不純物が混ざった濃度が高い水と不純物の殆どない濃度の低い水の間を浸透膜で仕切ってやると、濃度の低い側から水分子が濃度の高い側に浸透膜を介して抜けていく。だけど、そのままでは、濃度の高い側に濃度が低い側の水が流れ込んで混ざるだけなので、濃度の高い側に、外から浸透圧を超える圧力をかけてやることで、濃度の高い側から濃度の低い側に水分子だけを無理矢理"押し出して"やることで、純粋な水を作ることができる。この現象は、浸透圧の逆方向に圧力を加えることから「逆浸透」といい、RO浸透膜のROとは"Reverse Osmosis(逆浸透)"の頭文字をとったもの。

RO浸透膜を使った浄水器は色んなメーカーから出ているけれど、性能の良いものであれば、水に溶けている放射性ヨウ素や放射性セシウムなどを99%程度は除去できるようだ。

まぁ、筆者としては、RO浸透膜の浄水器もいいけれど、値段や定期的な膜交換を考えると、物理的に純水だけを取り出せる蒸留水器のほうが、安全性は高いと思うけれど、不純物が殆どない純水なだけに、水の味はしないし、カルシウムなどのミネラル分も除去してしまうので、美味しい水を飲みたいという人には不向きかもしれない。

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画像震災後、注目集まる家庭用ウォーターサーバー 未導入・利用停止の理由は維持費の高さ 湯木 進悟、 加藤 秀行 2011年09月03日 16:00

家庭用ウォーターサーバーの利用が大幅に伸びている。しかし、依然として維持費の高さを理由に導入を思いとどまる人も多いようだ。

 トレンド総研が7月に首都圏在住の20代から50代の女性214名を対象に実施した調査によると、「東日本大震災後に水の安全性を以前より意識するようになった」との回答者が全体の9割に上った。また、単に意識するにとどまらず、「震災後から日常的に飲む水を替えた」と回答した女性も約3人に1人と高い割合を占めている。

 中でもウォーターサーバーは、震災以降に申込みが激増し、一時は生産が追いつかないという状況のメーカーまで出てきた。ウォーターサーバーへの関心は非常に高く、「震災をきっかけにウォーターサーバーの水に注目が集まるようになったのを実感している」との回答は93%に達した。「ウォーターサーバーの水は安全性が高いと思う」と回答した女性も93%に上っている。ただし、ウォーターサーバーの利用希望者は多いものの、「実際にすでに自宅でウォーターサーバーを使っている」との回答者は1割以下にとどまった。

 一方、同じく7月にマイボイスコムがインターネット上で実施した、日本全国の男女1万2108名を対象とする調査結果では、ウォーターサーバーの利用未経験者が導入に至っていない理由のトップに挙げたのは、「電気代やレンタル代などの維持費がかかるため」という金銭的な要因だった。また、以前はウォーターサーバーを利用していたのに利用を中止した人の間でも、その要因のトップには「維持費がかかるのが好ましくなかった」が挙げられた。

 導入や維持にかかる費用面の問題はあるものの、震災を機に水の安全性への意識には変化がみられ、ウォーターサーバーへの関心はこれからも続きそうだ。

URL:http://moneyzine.jp/article/detail/199040

この記事へのコメント

  • mayo5

    最近水道水が美味しいんだけれど。安全とは別ですけれど。
    水道水4%を見ると、情報操作に弱い人たちに思えます。というのか、何がおしゃれなのかを主体にしているのではないかと。
    ですから、この調査をベースにした論理展開は危ういと感じる。

    それにしても逆浸透方式は凄いものですね。
    2015年08月10日 15:27

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