「全体を見て戦略的にパスを回せるミッドフィールダー(MF)になってほしい…私も含め得点を狙うセンターフォワード(CF)になりたい人はいっぱいいる」野田首相
9月2日、野田内閣が発足した。
閣僚の面々は、民主党代表選での論功を考慮しつつ、同時に党内融和をここでも重視する布陣となった。
まず、官房長官には、長年活動をともにしてきた「盟友」の藤村修氏をあて、防衛大臣に一川保夫氏、国家公安委員長には、山岡賢次氏と小沢氏に近い両名を入閣。
震災からの復旧・復興、原発事故の収束については、継続性をみて、細野豪志原発事故担当相、平野達男復興対策担当相を再任。
決選投票で、野田氏を支持して勝利を決定づけた、鹿野氏は農水相再任、更に鳩山グループから鹿野グループに移ったとみられる前田武志を国土交通相に起用。更に、代表選を支えた岡田氏に近い議員として、玄葉外相、安住財務相、中川正春文部科学相、鉢呂吉雄経済産業相の4人が入閣。
驚きなのは、玄葉外相、安住財務相の両名で、玄葉外相はこれまで外交経験がない上に各国との人脈も乏しいとされていて、実力は未知数。また、安住財務相も、これまで財政、為替、その他の経済政策に関する過去の発言が少なく、市場もどう反応してよいか困惑しているようだ。
市場関係者の中には、野田首相は、安住氏を財務相にしたけれど、細かいところは野田首相が口を出すことになるというむきもあれば、来週フランスで開かれるG7での発言で市場の印象が決まるのだ大事だ、という声もある。
ただ、経済財政担当相に元大蔵官僚の古川元久氏を当てていることと、安住財務相と鉢呂経済産業相がそれぞれ国会対策委員長を経験し野党とのパイプ役を期待されることから、復旧復興事業に注力する布陣だと評価する見方もあるようだ。
冒頭に引用したように野田首相は、パスを回せるミッドフィールダーになって欲しいなんて言っているけれど、正直、重要ポストの閣僚の経験不足は否定できず、サッカーでいうなら、U22世代でJでもレギュラーを完全に勝ち取っていない選手をいきない日本代表に呼んでいるような印象を受ける。
しかも、玄葉外相や安住財務相などのように経験の全然ないポストに配置するあたり、本来DFの選手をMFにしたり、GKをFWにしたりするようなもので、果たしてこれで機能するのか甚だ心許ない。
或いは、わざと不慣れなポジションに置いて、いちいち官僚という名のコーチやスタッフに一から教育を受けざるを得ない状況にすることで、勝手に変なことをさせないような縛りを掛けたのかもしれない。
まぁ、まだ、副大臣や政務官の人事が残っているから、そちらにベテランをあてる可能性もあるのだけれど、政権の顔となる閣僚に大幅に初選出の選手を大量に選んだ以上、その理由を国民に分かるように説明するか、実際に結果を出して納得させるしかないと思われる。
だけど、こうした思い切った布陣は、フレンドリーマッチでやるなら兎も角、国難というワールドクラスとの対戦を前にこうした起用をして、どういう試合展開を描いているのか、正直、勝つイメージが涌いてこない。
それでも、国民の期待は大きいようで、共同通信が9月2~3日に実施した全国緊急電話世論調査によると、野田内閣支持率は62.8%。政党支持率も民主党が27.2%で、自民党の23.6%を上回っている。
ただ、興味深いのは、小沢氏の党員資格停止処分を「解除しない方がよい」は77.3%で、「解除した方がよい」の15.9%を大きく上回っていること。
党のナンバー2である幹事長となった輿石氏は小沢氏の資格停止処分の解除を主張しているし、幹事長代行の樽床氏も代表選のときには、「処分の解除は代表選の争点にすべきではない。みんなが力を合わせるにはどうするか、新体制の中で考えるべきだ」と処分見直しを示唆する発言もしているから、野田首相が党内融和を重視した人事を行っていることを考えると、処分解除の可否については何らかの方針を示す必要があるだろう。
世論の支持率が高いのに、小沢氏の党員資格停止処分の解除に反対が多いということは、野田首相に、幹事長の反対をも押し切って、処分継続するというように、ビシッとしたリーダーシップを発揮して貰いたいと思っているということ。
これは、足して2で割るやり方では解決しづらい。
だから、今回の野田内閣人事といった、代表初選出の選手を大量に読んで、しかも本来のポジションで使わないというやり方は、そうとう「監督の手腕」が問われる布陣であり、一歩間違えば、パス交換ひとつできずに大敗してしまう可能性すらある。
3日には、一川保夫防衛相が「安全保障は素人だが、これが本当のシビリアンコントロールだ」と発言していたことが分かり、自民党からの批判が相次いでいる。早くもパスミスしている。
野田首相が監督として、チームを纏め、かつ、いきなり迎える本番の試合で結果が出せるかどうか。サポーターもいつまでも我慢してくれるとは限らない。


共同通信が2、3両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、野田内閣支持率は62.8%だった。政党支持率も民主党が27.2%で、自民党の23.6%を上回った。挙党一致を掲げた野田政権への国民の期待が表れた。不支持率は18.1%。
民主党の小沢一郎元代表の党員資格停止処分を「解除しない方がよい」は77.3%で、「解除した方がよい」の15.9%を大きく上回った。
東日本大震災復興費用を賄うための増税に「賛成」「どちらかといえば賛成」は58.7%、「反対」「どちらかといえば反対」は38.3%だったが、社会保障と税の一体改革での「2010年代半ばまでに消費税率を段階的に10%に引き上げ」に、「賛成」「どちらかといえば賛成」は49.7%、「反対」「どちらかといえば反対」は47.0%だった。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110903/plc11090316100018-n1.htm

■命運握る岡田-玄葉ライン
新内閣の布陣は「ノーサイド」を掲げる野田佳彦首相が2日の記者会見で「言葉だけでなく人事でも心を砕いた」と述べたように民主党代表選での論功を考慮しつつ、小沢一郎元代表のグループから新任で2人起用するなど党内融和に向け配慮を示した形となった。一方でかつて同じグループに所属し、袂(たもと)をわかった松本剛明前外相の再任を認めない厳しい一面も見せた。(坂井広志、千葉倫之)
◇
誤算
岡田克也前幹事長は官房長官の要請を断った。組閣作業が長引いたのも、内閣の要のポストを決められなかったからだ。
「さわやかに一兵卒で頑張ります」
岡田氏は記者団にこう語った。これまで対立してきた小沢氏を意識してか、同氏の専売特許ともいえる「一兵卒」を使った。
「私は幹事長として厳しい仕事をし過ぎた」
岡田氏は1日付夕刊フジのコラムでこうつづった。岡田氏は小沢氏の党員資格停止処分で責任者を務めた。100人以上の最大勢力の小沢グループを敵に回しての党内運営は決して容易ではなかった。
今回は身を引きたいとの思いに加え、首相が幹事長に小沢氏に近い輿石東参院議員会長を起用したことについて、岡田氏には事後報告だったことも拒否する原因との指摘もある。
ただ、岡田氏に近い議員として玄葉光一郎外相、安住淳財務相、中川正春文部科学相、鉢呂吉雄経済産業相の4人が入閣した。岡田氏は自前のグループを持たないが、玄葉氏はグループを形成しつつある。首相の座を狙う岡田氏の気持ちは今でも不変で、岡田-玄葉ラインが野田政権の命運を握る可能性は高い。
「ノーサイド」を繰り返す首相だが、代表選候補者の明暗がクッキリしたのも特徴だ。決選投票で首相を支持した鹿野道彦農林水産相は再任。鹿野グループからは「自分たちが野田首相を作ったのに再任では納得いかない」と牽制(けんせい)する声が組閣前に上がっていた。鳩山由紀夫元首相のグループから鹿野グループに軸足を移した前田武志氏を国土交通相に起用したのも、不満に配慮したといえる。
裏腹に鹿野氏同様、対立候補だった海江田万里前経産相と馬淵澄夫元国交相の名はなかった。
投票日前日に海江田選対に姿を現した松本前外相も詰め腹を切らされた一人。今年3月に就任したばかりだが、首相率いる「花斉会」を去った過去のある松本氏に容赦はなかった。
菅前政権の屋台骨だった前原誠司元外相のグループの仙谷由人前官房副長官や弟分の枝野幸男前官房長官を外したのは、小沢グループへの最大の配慮だ。「反小沢」の急先鋒(せんぽう)は他ならぬ仙谷氏だったからだ。
冷遇
「気はつかっているんだろうな」
小沢氏は人事について一定の評価をした。側近の山岡賢次国家公安委員長が就任を報告すると、小沢氏は「そりゃあ、よかったな」と応じた。三井辨雄(わきお)前国交副大臣は見送られたが新任で2人入閣し「挙党態勢の最低限の条件は満たした」(小沢グループ若手議員)としている。
小沢氏は当面執行部と対決姿勢はとらない方針だ。その一方で、側近が「いまはいざ鎌倉のときに駆け付けられる兵を養う時だ」と語るように、小沢系3グループの一本化構想を進めるなど、代表選敗北から立て直しを図ろうとしている。
対照的なのは鳩山グループで登用はゼロ。党内最大勢力には配慮するが、「小鳩枢軸」を形成してきた約30人の鳩山グループへの配慮はまるでなかった。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110903/plc11090309110013-n1.htm
この記事へのコメント
opera
『ダメだこの内閣・・・
総相 川端達夫 在日韓国人法的地位向上議員連盟
法相 平岡秀夫 在日韓国人法的地位向上議員連盟
外相 玄葉光一郎 まぁ普通
財相 安住淳 人権擁護法案推進派
文科相 中川正春 在日韓国人法的地位向上議員連盟
厚労相 小宮山洋子 在日韓国人法的地位向上議員連盟
農水省 鹿野道彦 外国人参政権について「どちらかと言えば賛成」
経産相 鉢呂吉雄 在日韓国人法的地位向上議員連盟
国交相 前田武志 在日韓国人法的地位向上議員連盟(後に反対表明)
防衛相 一川保夫 在日韓国人法的地位向上議員連盟
官房長 藤村修 在日韓国人法的地位向上議員連盟
公安委員長 山岡賢次 「参政権付与は選挙が終わったらやる」
金融相 自見庄三郎 国民新、まぁ普通
国家戦略相 古川元久 パチンコ協会政治アドバイザー
行政刷新相 蓮舫 「2位じゃダメなんですか?」
復興相 平野達男 「青山繁晴を逮捕せよ!」 』
almanos
ちび・むぎ・みみ・はな
町内会のアンチャンを集めて世界大会を目指すと
宣言した訳か.
首相が全職を兼任した方がましではないか?
尖閣諸島を支那にとられる確率はぐっとアップ
したことは確か. 若い隊員達の命が失われる確率も.
それ以外に何を期待せよと?
sdi
玄葉外相というのは「なんで?」と思われがちですが、当時は外相は「政治的経歴に傷を付けたくない人物を閣内に入れるためには適当なポスト」ということになっていました。「外交で失敗しても選挙には影響しない」というのが常識でしたから。玄葉外相はそういう含みのポストでしょう。次はともかく次の次あたりに党首候補に上がるのでは。
日本の行政府の体制を考えると、総理は監督というよりプレイングマネージャーのほうが近い。自分から動かなければ新しいことは何もではない。するつもりがないなら別ですが。