「民主党は料理は自民党に作らせ、自分は食べることしか考えていない」自民党幹部
10月13日、民主党の前原政調会長は、自民党の茂木政調会長と国会内で会談し、第3次補正予算案と復興増税に関する民主・自民・公明3党の協議をスタートさせることで大筋合意した。
それを受けて、同じく13日には、自民党の茂木政調会長は、公明党の石井政調会長と、民主党との3党協議を14日に行うことを確認した。
民主党の前原氏と自民党の茂木氏との会談では、茂木氏が、復興債の償還期限が10年では短すぎるとして、延長を求めたのに対して、前原氏は、「柔軟に対応する用意がある」とあっさり受諾。ついこの間、「復興債の償還期間は10年を基本とする」という政府・与党合意を覆した。
前原氏は茂木氏に対して、ひたすら低姿勢で接していたそうで、会談は終始和やかだったという。
先月、自民党が役員人事を行って、野田政権との対決路線を強める方針を取ったとされていた筈なのだけれど、全然対決していない。
筆者は、「野田政権を密室に逃げ込ませるな」のエントリーで、野田政権は密室政治をやろうとしているから、そこに逃げさせてはいけないと指摘し、自民の谷垣総裁も、閣議決定前の協議は「連立政権ではない」と消極的で、石原幹事長も「予算案提出前に3党で話をしてまとまっていたら談合だ」と発言していたにも関わらず、いつの間にか3党協議に引きずりこまれてしまっている。
また、民主党は、たばこ増税などの自公が反発する案件は極力譲歩する構えを見せていて、すっかり、自公両党にしっぽを振っている。
産経新聞などは、この民主党の低姿勢ぶりを「ツンデレ」に喩え、自民はすっかり骨抜きにされてしまったという報道しているけれど、それは当たっている。
産経新聞は、野田首相が「ツンデレ」作戦を取っているのは、自民党の政策立案・遂行能力を最大限利用するだけではなく、復興増税で自公両党に共同責任を負わせた上で、税と社会保障の一体改革に伴う消費税引き上げへの足場を固めたい狙いがあるとしている。
当然それもあるだろうけれど、筆者は、それ以外にもう一段上に狙いがある、とみている。
それは、"ツン"と"デレ"を国会内外で使い分けることで、民主党のイメージアップを図るという狙い。
どういうことかというと、国会では、政府与党としての案を出して、国民に民主党は仕事している、もしくは仕事が出来ない政党ではない、とアピールして、国会の外では、自民公明に平身低頭して、料理を全部作らせる。
国民ウケを維持しながら、手柄も取る。名を捨てないで、実も取る作戦。
国民には、できっこない"虚"を騙り、裏では自公を下請けとして使って"実"を取っていく。
確か、自民の逢沢前国対委員長か誰かが、自民党の支持率が上がらないことについて「復興法案など、自民の法案がほよんどそのまま成立しているのに、国民に理解されていない」と言って嘆いていたように思うのだけれど、国民は結果さえでれば、与党の手柄だと思ってしまうもの。
だから、この「ツンデレ」の罠に野党が嵌ったら、野田政権は長期政権になる可能性もある。
強いて、不安要素があるとすれば、小沢問題及び小沢グループの反乱、又は閣僚の不適切発言などになるだろうけれど、だけど、公判がある小沢氏は、来年春くらいまで動けない。
だから、それまでに、野田首相が閣内と党内をなんとか壊さないようにして、更に、自公にちゃんとした料理をせっせと作らせることができれば、野田首相の勝ち。
冒頭に引用したように、「民主党は料理は自民党に作らせ、自分は食べることしか考えていない」と発言している自民党幹部もいるから、この「ツンデレ」の罠にだから気づいている人はいる筈。
国民にとっては、きちんとした政策をやってくれればそれで良いかもしれないけれど、震災からの復興や山積する外交問題に国防。これらをクリアするためには、限られた予算の中、本当に正しい手を指し続ける必要がある。悪手は勿論、緩手でも危うい。
足して2で割る政治にそれが可能なのか。国家ビジョンを示して国民に信を問うときが近づいている。
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民自公3党協議スタートへ 民主が「ツンデレ作戦」に自民「萌え~」2011.10.13 21:19
民主党の前原誠司政調会長は13日、自民党の茂木敏充政調会長と国会内で会談し、東日本大震災の復興対策を盛り込んだ平成23年度第3次補正予算案と復興増税案に関する民主・自民・公明3党の協議をスタートさせることで大筋合意した。復興債の償還期間は延長し、たばこ増税も見送る構え。最初はつれなく接して、急にデレデレと軟化する「メイド喫茶」顔負けの民主党の「ツンデレ作戦」により自民党はすっかり戦闘意欲をそがれてしまった。(水内茂幸)
茂木氏「償還期間が10年とは短すぎる。単年度あたりの増税額を減らすためにももっと長くすべきだ」
前原氏「政府・民主党三役会議で私が一任を受けている。柔軟に対応する用意がある。具体的な要望を聞かせてほしい」
前原氏は茂木氏にひたすら低姿勢で接し「復興債の償還期間は10年を基本とする」という政府・与党合意もあっさり覆した。
このベタ折れぶりに茂木氏も気をよくして「なるべく早く返答したい」と応じた。会談前に伊吹文明元幹事長ら自民党重鎮に「3次補正予算案の国会提出前に3党で合意するな」とネジをまかれたことはすっかり忘れてしまったようだ。
会談は終始なごやかな雰囲気で進み、14日午後に公明党の石井啓一政調会長を含めた3党政調会長会談を開くことも決まった。
13日の会談で議題にならなかったが、前原氏はたばこ増税など自公が反発する案件は極力譲歩する構え。公明党は「スピード感を持って復旧復興にあたりたい」(井上義久幹事長)と3党協議にもともと前向きなだけに、自民党はこのままでは逆に孤立しかねない状況に追い込まれた。
会談後、茂木氏は記者団に「一度大枠を打ち返し、その後詳細をつめていくことになる」と述べ、14日の会談が3党協議の事実上のスタートになるとの考えを示した。ここで自公両党は償還期間のあり方を含めた「中間的考え」を求めるというが、これに民主党が応じれば実質的な協議入りはもう止められない。
最初はわざとハードルを上げ、途中から譲歩する籠絡術は、前原氏というより野田佳彦首相の「十(お)八(は)番(こ)」だ。自民党になお強い影響力を持つ中曽根康弘元首相を訪ね、深々と頭を垂れて教えを請うたのも3党協議入りの地ならしだったと言えなくもない。
だが、首相が3党協議を最優先させるのは、自民党の政策立案・遂行能力を最大限利用したいからだけではない。復興増税で自公両党に共同責任を負わせた上で、税と社会保障の一体改革に伴う消費税引き上げへの足場を固めたいとの思惑も見え隠れする。
「民主党は料理は自民党に作らせ、自分は食べることしか考えていない」
自民党幹部はこう警戒するが、自民党の谷垣禎一総裁の危機感は薄い。13日の記者会見でも「震災の復旧・復興に協力するのが基本姿勢だ。いたずらに引き延ばすことは毛頭考えていない」と語った。自民党執行部はじわじわとどじょうの術中にはまりつつある。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111013/stt11101321190008-n1.htm
この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
なるのではないの?
おしなべて谷垣総裁不適任説は評判が悪く,
某ブログで「荒し」マークまで付いてしまったが,
結局は対決できない秀才君の限界なのだ.
秀才君は状況維持には向いているが,
状況打破には全くの不適.
嘘付党を崩すための早道は谷垣総裁を
若くて戦闘的な保守の人材に代えること.
自民党にはそんな人材がゴロゴロしている.
人材が無いなんて言うのは全くの嘘.
特に女性議員は恐いのばっかり居るではないか.
とおる
「官僚主導から、自民党主導へ」
愛信
核燃料が完全に溶け落ちて、格納容器の底部を大きく侵食する最悪のケース
(チャイナ・シンドローム)を想定した試算を、事故発生から2週間後の3月25日以降、
ひそかに行っていたことが14日わかった。
注水できなくなった場合、2、3号機は、厚さ約3メートルのコンクリートへの侵食が
10日以上続き、1号機の侵食は8日間で1・8メートル進んで収まるとした。
保安院や東電は当時、燃料の状態について「一部損傷した程度」と説明していた。
保安院が試算を指示した独立行政法人の原子力安全基盤機構が同日公開した。
炉心が溶融して、圧力容器底部の制御棒貫通部などから格納容器にすべて落下し、
その底部にあるコンクリート製の床「ペデスタル」をどの程度まで侵食するかを試算した。
全炉心が一瞬で落下する場合や溶融燃料がジェット状に噴出する場合なども想定した。
ソース
読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111014-OYT1T01458.htm?from=m