最近、消費税増税議論に絡んで、政局の動きが出てきた。
11月25日、安住財務相は閣議後会見で、「次の選挙がおっかないからなのか、それとも本当に別の理由なのか。それぞれの議員が問われることになる。…党内でぜひ議論してほしいが、純粋な政策論を語ってほしい」と党内の消費税増税に反対する議員を牽制した。
というのも、消費税増税について、小沢氏が自身のグループの会合で「消費税増税を強行するなら、党運営は厳しくなる」と、野田首相を批判し、「今、出撃しても、みんな帰ってこれないと困るよな…」と、消費税問題が衆院解散・総選挙に発展する可能性にも触れているから。
まぁ、一部で囁かれているように、小沢氏が、本当に消費税問題で倒閣運動を起こすのか、はたまた、消費税問題にかこつけて、グループの結束を固めて主導権を奪回するつもりだけなのかは分からない。だけど、消費税問題が解散総選挙につながると見る議員は民主党だけじゃない。
11月24日、自民党の伊吹文明元幹事長は、伊吹派会合で、「消費税問題で民主党は大いに割れるだろうし、解散になる可能性は非常に高いだろう」と、早期に衆院解散・総選挙が実施される可能性が高い見方を示しているし、石破前政調会長も、16日に、党の熊本県連の会合での講演で「任期満了選挙は衆参同時になるうえ、東京都議会選挙もあり各党ともにしんどい。普通に考えれば来年だ。消費税増税とTPPはシンボリックで、自民党としてどうするかが問われている」と、消費税とTPPを争点に、来年、解散総選挙が実施される見通しを述べている。
また、石原幹事長も、22日、福岡市で開かれた「毎日・世論フォーラム」の講演で、消費増税法案について、解散総選挙を約束するのと引き換えに自民、公明両党が法案成立に協力する「話し合い解散」の可能性に言及している。
尤も、石原幹事長は、同時に、消費税問題で、民主党と自民党が割れる、政界再編についても述べているのだけれど、これについては、谷垣総裁から「政界再編の中で自民党が翻弄される道を選ぼうとは思っていない」と釘を刺されている。
ただ、伊吹元幹事長が、この発言に対して、野党の幹事長としてやや失格だ、としながらも、「民主党を混乱させるために瀬踏みの発言をしたのなら、あり得る」と述べていることをみると、駆け引きの一種なのかもしれない。
それでも、こうした政界再編の動きは、全く根も葉もない話というわけじゃない。
11月25日、国民新党の亀井代表は同党の議員総会で「あらゆる日本人の力と知恵を結集していく。政治的にもそういう体制を作っていく努力を喫緊にやらなければいけない」と、新党結成構想の意向を示したと受け止められている。
というのも、亀井氏は、雑誌「月刊日本」12月号のインタビューで「現在の状態のままでは、国内の危機にも、そして世界的な危機にも対応できない。日本全体を再編していく発想が必要だ。新しい時代を作るために、新しい同志を結集し、新勢力を作っていく。今年中には、その形ができてくるだろう」と語り、年内の新党結成構想に触れている。
実際、亀井氏は、石原都知事、大村の両氏と、たちあがれ日本の平沼赳夫代表に新党構想を伝えており、10月24日には都内の日本料理店で、小沢氏と自民党の山崎拓元副総裁との3者会談を行い、小沢グループ若手らを新党に迎えたいとの意向を伝えたという。
更には、民主党の若手と会合を重ね、自民党の一部にも参加を呼びかけていて、11月24日には都内で石原都知事、平沼氏、たちあがれ日本の園田博之幹事長と会談し、新党構想で意見交換し、大阪市長選に出馬している橋下徹前大阪府知事や、大村秀章愛知県知事との連携を模索しているという。
新党は、石原都知事を党首に据え、橋下、大村両氏や平沼氏に党幹部就任を要請する考えで、「保守」と「増税反対」を旗印に掲げ、3大都市圏の知名度の高い首長を党の看板に据えて、都市部の保守層への浸透を狙うと見られている。
亀井氏が年内の新党結成を目指しているのは、勿論、政党助成金をゲットする狙いもあるとだろうけれど、その前提として、亀井氏も、来年総選挙があるとみているものと思われる。
亀井氏は結党の見通しが立てば、国民新党を発展的に解党し、新党に合流する構えで、民主党との連立離脱も視野にいれているそうなのだけれど、新党参加が取り沙汰される議員には慎重な意見も多く、今のところ、実現の見通しは不透明なようだ。
ただ、こうした動きは、当然、自民党の石原幹事長にも伝わっている筈だろうから、それが、先日の「自民党が割れる」発言にも繋がっている可能性はある。
いずれにせよ、来年の総選挙を織り込んで政界は早くも動き出している。


安住淳財務相は25日の閣議後会見で、社会保障と税の一体改革に伴う消費税率引き上げに反対する議員に対して、「次の選挙がおっかないからなのか、それとも本当に別の理由なのか。それぞれの議員が問われることになる」と述べ、落選を覚悟してでも取り組んでほしいと呼びかけた。
消費増税について、安住財務相は「(増税しなければ)年金や医療の安定性は担保できない。逆に経済成長や国民生活の安定の土台を崩しかねない」とその重要性を強調。「党内でぜひ議論してほしいが、純粋な政策論を語ってほしい」として、政局に結びつけようとする小沢一郎元代表に近いグループらを牽制(けんせい)した。
また、消費増税の具体設計を盛り込んだ大綱について、12月中にまとめる方針に変わりはないことを示す一方、「会期延長が2週間にもなったら物理的に無理だ」として、年明けにずれこも可能性にも言及した。
URL:http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111125/fnc11112509530005-n1.htm

消費税率引き上げに向けた動きを加速する野田佳彦首相に対し、民主党の小沢一郎元代表が批判を強めている。22日の小沢グループの会合では「消費税増税を強行するなら、(首相の)党運営は厳しくなる」と警告。消費税問題は政権との対立軸になる上、グループの結束に使えると判断したようだ。ただ、「法廷闘争」に追われる小沢氏には、政界での埋没を避けようとする計算も透けてみえる。(山本雄史)
22日、国会内で開かれた小沢グループの中核組織「一新会」の定例会。サプライズで姿を見せた小沢氏は、激しい政権批判を展開した。
「無駄排除の努力が足りない」「外(海外)で言っていることと、中(国内)で言っていることが違う」
小沢氏は、消費税問題が衆院解散・総選挙に発展する可能性にも触れた。そして、「今、出撃しても、みんな(永田町に)帰ってこれないと困るよな…」との懸念を示した。
19日にはインターネットサイト「ニコニコ動画」の番組で「お金がないから消費税、というのは国民に対しての背信行為だ」と指摘。16日の若手議員との会食では「今、衆院選をやれば民主党は50人しか当選できない」と語るなど、最近の小沢氏は「消費増税反対、総選挙回避」路線を突っ走っている。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加問題では、小沢氏は目立った言動を控えてきた。グループ内も推進派と慎重派で二分されていたからだ。しかし、消費税問題ならグループは結束できる。
側近の一人は、小沢氏の言動を「党内の主導権奪還に向けた準備運動だ」と解説する。一部では「増税反対」を旗印に他党を巻き込んだ倒閣運動を展開するシナリオもささやかれる。
一方で、小沢氏には「法廷闘争」という重い足かせがある。政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた自らの公判が、年内だけでも残り7回あり、来年1月には小沢氏本人への尋問が控えている。しかも、党員資格停止中だ。
消費税をめぐっては、細川護煕政権で税率7%の「国民福祉税」を主導、自由党党首としては福祉目的化した上での税率引き上げを訴えていた小沢氏。
「政治は数、数は力」を知り尽くしている男が、消費税という政策課題を利用して、生き残りを図ろうとしているようにもみえる。
URL:
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111123/stt11112309180000-n1.htm

自民党の伊吹文明元幹事長は24日昼の伊吹派会合で、野田佳彦首相が目指す消費税引き上げをめぐり、早期に衆院解散・総選挙が実施される可能性が高いとの見方を示した。
伊吹氏は、消費税を含む税制改正の必要性を強調した上で「消費税問題で民主党は大いに割れるだろうし、解散になる可能性は非常に高いだろう」と述べた。
また、自民党の石原伸晃幹事長が22日の講演で、消費増税に関し「自民党も割れ、新しい政治体制ができるかもしれない」と政界再編の可能性に言及したことには、「野党の幹事長としてはやや失格だ」と指摘した。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111124/plc11112414290008-n1.htm

自民党の石破茂前政調会長は16日、党本部での熊本県連の会合で講演し、消費税引き上げや環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加の是非を争点に、来年に衆院解散・総選挙が実施されるとの見方を示した。「(再来年の)任期満了選挙は衆参同時になるうえ、東京都議会選挙もあり各党ともにしんどい。普通に考えれば来年だ。消費税増税とTPPはシンボリックで、自民党としてどうするかが問われている」と述べた。
石破氏はまた、「各種報道機関の世論調査をみれば自民党の支持率も下がり、民主党に代わる政党になっていないのは明らかだ」との懸念を示し「民主党の悪口を百回も、千回も言っても仕方がない」と述べた。
TPP交渉参加をめぐる国内農業に関しては「高い関税を設けて外国から農産物を入れないことが日本の農業を守ることになるのか」と持論を展開。その上で「野田佳彦首相が参加すると言った以上、農業対策の実現を要求していかなければいけない」と述べた。
URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111116-00000569-san-pol

東京都の石原慎太郎知事(79)を党首に、国と地方の有力政治家らが結集する大胆な新党構想が浮上している。国民新党の亀井静香代表(75)が主導で、民主党の小沢一郎元代表(69)にも接触。民主、自民、たちあがれ日本に所属する国会議員にも参加を呼びかけ、大阪市長選に出馬している橋下徹前大阪府知事(42)や、大村秀章愛知県知事(51)との連携を模索する。年内結成に向けて、動き出しているという。
「現在の状態のままでは、国内の危機にも、そして世界的な危機にも対応できない。日本全体を再編していく発想が必要だ。新しい時代を作るために、新しい同志を結集し、新勢力を作っていく。今年中には、その形ができてくるだろう」
亀井氏は「月刊日本」12月号のインタビューでこう語った。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)反対が主要テーマだったが、視線はさらにその先を見据えていた。
夕刊フジは先週18日発行の「鈴木棟一の風雲永田町」で、いち早く、「亀井静香氏、新党に動く」「石原都知事を党首に」と報じているが、その詳細が次第に明らかになってきた。
複数の政界関係者によると、新党は「保守」と「増税反対」を旗印に掲げ、亀井氏は結党の見通しが立てば国民新党を発展的に解党し、新党に合流する構え。民主党との連立政権からの離脱も辞さないという。
亀井氏は、石原、大村の両氏と、たちあがれ日本の平沼赳夫代表(72)には新党構想を伝えており、橋下氏にも市長選で支援表明して秋波を送る。10月24日には都内の日本料理店で、小沢氏と自民党の山崎拓元副総裁(74)との3者会談を行い、新党構想を明かし、小沢グループ若手らを新党に迎えたいとの意向を伝えたという。
民主党の若手とは会合を重ね、自民党の一部にも参加を呼びかけている。11月24日昼には都内で石原氏、平沼氏、たちあがれ日本の園田博之幹事長(69)と会談し、新党構想で意見交換した。
新党結成に際しては、橋下、大村両氏や平沼氏には党幹部就任を要請する考え。3大都市圏の知名度の高い首長を党の看板に据えることにより、既存政党への不信感を強める都市部の保守層への浸透を狙う。次期衆院選では、東京、大阪、愛知の3都府県を中心に公認候補を擁立し、政界再編の軸となるよう勢力伸長を目指す。
こうした動きとリンクするのか、石原氏は26日、府知事選と市長選のダブル選挙(27日投開票)が行われている大阪府に入り、橋下陣営の選挙応援を行うという。
ただ、永田町には「石原氏は『小沢嫌い』だから、小沢氏とは組まない」「橋下氏は、みんなの党の渡辺喜美代表(59)との連携を模索している」という見方もある。
どじょう首相が泥に潜っている間に、政治が大きく動き出したのか。
URL:http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20111125/plt1111251135002-n1.htm
この記事へのコメント
ミッキー
ちび・むぎ・みみ・はな
を仕掛けてもろくな事にはならない.
己の野望(郵政民営化取り消し)を遂げるためには
嘘付党とでも組むという定観のなさには呆れる.
石原幹事長が述べているのは亀井氏の仕掛けでは
ないだろう. 自民党を追い出された人に今更
ついていく自民党員が沢山いるとは思われない.
むしろ, 安倍元総理等を中心とする真性保守の
グループが鍵になるに違いない. 安全運転の
現執行部には明確な政策を提言するこのグループ
が脅威だろう. かと言って, 自ら思い切った提言を
すると大抵は評判が悪いことを谷垣氏は良くご存知.
だから派閥均衡で乗り切ろうとする. そこが
自民党に対する国民の評判を落すところなのだが.
国民に真直にアピールできない総裁は過去の遺物.