説明不足の野田政権

 
11月21日、参院本会議で2011年度第3次補正予算案が可決した。

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歳出総額は12兆1025億円で、その内、復興関連の予算は9兆2438億円を占める。復興対策は、被災地の自治体支援に重点が置かれ、自治体が復興関連の事業に活用できる「東日本大震災復興交付金」の創設に1兆5612億円、更に、自治体への交付税の加算分が1兆6635億円、そして、被災した学校の復旧などの公共事業費として1兆4734億円が計上された。

また、放射性物質の「除染」に2459億円および放射線被害に対する治療のための医療施設の整備に687億円を充てるなど、原子力災害への対応として合わせて3558億円が盛りこまれた。

政府は、平成27年度末までの5年間を震災からの「集中復興期間」とし、19兆円の財政出動を行う方針を出しているけれど、第1次補正で4兆円、第2次補正予算で2兆円、そして今回の3次補正で9兆円と、合わせて15兆円手当したことになる。

ようやくこれで、本格的な復興の端緒がついたといえる。

この日の参院予算委員会で、賛成討論に立った、自民党の赤石清美議員は、「この補正予算の成立を持って、我々自民党の協力は終わります。」と宣言した。何を改めてそんな宣言をするのか、とも思うのだけれど、自民党に言わせれば、これまで成立した復興対策の法案は、ほとんどが自民党の提案をベースにしているのだそうだ。

これが本当であれば、復興対策は自民党の協力なくしては成り立たなかったことになるのだけれど、同時に、この3次補正で自民党は協力を終わると宣言されたからには、これからは、法案審議はもとより、法案提出さえも満足に進まなくなる可能性さえある。

特に、世論調査でも、国民から説明不足だと言われているTPP関連の議論は難航するだろうし、増税議論も控えている。



同じく、この日の参院予算委員会で、公明党の浜田昌良議員から、内閣支持率が急落している理由はどこにあると思うかという質問があり、野田首相は「基本的にもっと説明しろということ」だと答えているから、本人も説明不足であるという自覚はあるようだ。

そして、外交交渉においては、国民、世論の後押しがないと難しい、とも述べているのだけれど、ならば、国民・世論の後押しを得られるように十分な説明と議論が必要なはず。

そのためには、国内と海外でそれぞれいうことが違うなんてのはあってはならないし、先日、野田首相がISD条項をよく知らないなんて答弁したように、条約の中身も知らないなんて話にならない。

今後、野田政権が、TPPを含めて国民にしっかりと説明するのは当然なのだけれど、それ以前に大前提として守らなければならないことがある。

それは、自身の言葉に「信」を得ているということ。

これまでの野田政権は、情報は出さない、議論しない、国内で言わないことを海外で勝手に約束する、といった具合に、自分で自分の信頼を落とす真似を続けている。

身内に何一つ相談しないで、外で勝手なことを言いふらす人の言葉をどうやって信頼しろというのか。基本的なことが出来てない。

野田政権が、本気で世論の後押しが欲しいのであれば、海外で勝手な発言をするのを止めて、まず国内に向けてしっかりアナウンスすべきだろう。

2011年11月12日、TPPに反対する学習会を開く実行委員会が主催する学習会が川崎市の総合自治会館で行われたのだけれど、そこで講師として招かれた、東京大学大学院の鈴木宣弘教授が、「震災直後に官邸の人から『これで6月に(TPP参加を)決めるのは無理になったが、11月に強硬的に参加出来ればいい。情報を隠して議論などせずに、強硬突破するという人が半数以上いる』と聞いた」と述べている。

情報を隠して議論などせずに、強硬突破するなんてのは、これはもう、耳を疑うような発言だと思うけれど、もしもこれが本当なのであれば、そして、そういう発言をした人が半数以上もいるのであれば、現政権は民主国家として極めて深刻な問題を抱えていると言わざるを得ない。

既に、国民は野田政権は情報を出さない政権であると見做している。

野田首相はしっかりと国民に対して説明すると言っているけれど、その前に、国内と海外でいうことが違うというところから直さないと、いくら説明したとしても、国民は納得しないだろう。

野田首相のステルス・モードは、早くも通用しなくなりつつある。




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この記事へのコメント

  • とおる

    > "情報を隠して議論などせずに、強硬突破する"

    「民主主義とは、期間を区切った独裁」というような発言をした菅首相の内閣の野田財務相。(それに異を唱える訳で無く、閣内一致で責任を共有)

    次のように、「前提」という言葉さえも無意味にしてしまう野田首相。
    ・「経済好転が前提でない」消費税引き上げで野田総理
     http://www.home-tv.co.jp/news/index.php?news_id=211121010
    より、
     自民党・礒崎陽輔参院議員:「(所得税法)附則104条には、『経済情勢の好転を前提として(平成)23年度に法的措置を取る』とあるから、好転しなければ(消費税について)法的措置を講ずる必要はない」
     野田総理大臣:「経済の好転が(消費税引き上げの)前提条件になっているかというと、104条は決して前提ではないというふうに思います」
     消費税引き上げについては、2009年度の税制改正の附則104条で、経済状況の好転を前提に法案を提出することになっています。しかし、野田総理は、経済状況とは関係なく法案を提出する考えを強調しました。
    ・所得税法等の一部を改正する法律(平
    2015年08月10日 15:26
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    ずっと「良き」嘘付党幹部であったから,
    嘘付に決まっている.
    何をか言わんや.
    2015年08月10日 15:26

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