■戒律と取引コスト
諸般の都合で、過去エントリーを再掲します。(一部修正)
経済学用語で「取引コスト」というものがある。
「取引コスト」とは、「交換されたものの価値を計るための費用と、権利の保護や契約の遵守と執行のための費用」のこと。
たとえば、商品の輸入ひとつとっても、それが確かな商品であって、約束の期日に契約した数量がきちんと納められて、支払も完全に行われることが前提となっている。こうした取引をつつがなく完了させるための費用が取引コスト。
日本人にとってはこんなの当たり前。こんなことに費用が発生し、また相手や場所によってその費用に大きな差があるなんてことは意識しない。
先年来の毒餃子事件は、この取引コストの意味を痛感させた。中国製品の取引コストが相当に高いことが知られてしまった。
今後、中国産食材を安全に仕入れるためのコストは今以上に高くなるのは確実。
取引コストを安くさせる最も効率的な方法はひとりひとりのモラルを上げること。当たり前の話。戒律でいうところの「戒」。自分で自分を律する心。
日本は伝統的にこの「戒」の基準が高くかつ広く浸透していたから、取引コストは限りなく低かった。納期を守るなんて今でも常識中の常識。
火にかけると鉛やカドミウムが漏れ出す土鍋とか、マラカイトグリーンが残留する鰻とか、釘の入った松茸なんかが、平気で流通しているような社会では、その取引コストはうんと高くなる。
そんな粗悪品を全品検査するとなったら、大変な費用がかかる。だけど、従業員ひとりひとりのモラルが高くて、明文化されない「戒」がしっかりしていると、最初から粗悪品なんてつくらないから、検査費用からして必要なくなる。
国民ひとりひとりのモラル、「戒」って結構社会を支える重要な要素。
フランシス・フクヤマも、インフォーマルな規範は、経済学者が「取引のコスト」と称するものを大きく下げてくれる、と指摘している。
中国に進出している日本メーカー、特に食品関連メーカーは中国人従業員向けに人権教育にもっと力をいれるべきだと思う。
現実に今、中国は自国製品と食品で品質問題を起こしているけれど、要は人権を軽視する考えが根本にあるから、いい加減なものを作っているだけのこと。自分の命は大切にするけれど、他人の命なんて知ったこっちゃないというのが問題の出発点。
今や日本から中国に数多くの企業が進出してる。建前上、品質向上や安全性確保のための教育は咎めにくい。そこに人権教育を混ぜればいい。
中国政府にいちゃもんつけられたら、人権侵害する国で安全管理はできないといえばいい。中国は人権を十分に尊重している国ではなかったかと反論しておく。現実はみんな嘘だとわかっていても。
中国人自身のモラルをあげない限り、問題はなくならない。
「戒」であるインフォーマルな規範が十分機能している日本と、「律」であるフォーマルな調整機能、契約や法制度すら満足に働かない中国。これらの差を埋める努力が、結局は中国の民度を上げ、品質を向上させる一助になる。
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この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
訳には行かない. 大人だったら洗脳しかないが,
洗脳で心のタガを締め直すのは無理. それでは
小学校くらいから教育すれば良いかと言うと,
支那で生活する限りは無理. 半島ではそれで
酷い目にあった日本人が沢山いる. 結局,
小学校位から日本で生活させないとダメだろう.
愛信
元淳(ウォンスン)ソウル市長は9日、ソウル外信記者クラブで記者会見し、「従軍慰安婦」を支援
する団体が在韓日本大使館前に記念碑建立を計画している問題について「過去を完全に清算
しなければ将来も足かせになる」と発言。日本政府は元慰安婦の女性に補償すべきだとの考え
を示した。
朴市長は市民団体が2000年に東京で開催し昭和天皇を「有罪」とした「国際女性戦犯法廷」
で自ら検事役を務めたことに触れ、「日本政府は前向きに被害者の心、気持ちを慰める視点を
持つべきだ」と主張。記念碑については「(団体が)どのような動機で、どこに建てるのかよく
分からない。もう少し調べてみる」と述べた。
一方、北朝鮮問題については「(南北)関係が政治的に閉塞(へいそく)しているとき、スポーツ
や文化芸術交流で和ませることもできる」と指摘し、ソウル市と平壌市の非政治的交流の活発化
に前向きな姿勢をみせた。対北人道支援についても「拡大が望ましい。政府の膠着(こうちゃく)の
解決に役立つもの(支援)はないか、慎重にアプロー
株の初心者
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。