アースバック工法
昨日の新建材繋がりで建築工法についてのエントリーです。
アースバック工法というものがある。英語では、『Earth Bag Tech(地球袋工法)』というそうなのだけれど、ぶっちゃけていうと、土嚢を積み上げて家を作るユニークな建築方法。
土を詰め込んだ土嚢をブロック代わりにして、アーチ状に積み上げて、ドーム型やかまぼこ型の家を作る。この方法は、中東で、1000年以上前から実践されてきた家造りの方法だそうで、中東の建築に詳しい、イラン生まれの建築家ナダー・カリリ氏が、この技術をまとめ、発展させた。
土嚢袋の素材には、『バーラップ(粗い黄麻線維)』か『ポリプロピレン』の袋が使われるのだけれど、バーラップ(黄麻)は、長期間の湿気を受けると、腐って破けてしまうし、ポリプロピレンは、長期間の直射日光を受けると、線維が弱まり、破けてしまう。
従って、ただ土嚢袋を積み上げるだけじゃなくて、積み上げたあと、漆喰などで覆ってやることで、風雨や直射日光を避けているのだけれど、保温性が高いので、夏は涼しく、冬は暖かい。また、土の代わりに、「スコリア」と呼ばれる火山性の砕石を使えば、さらに断熱効果に優れる『ハイブリッド・アースバック』も可能だという。
そして、アースバック工法は、一般的なコンクリートの建築物に比べ、4倍もの強度があるとされ、自然災害にも強い。
ナダー・カリリ氏は、厚めの粘土を壁に塗って、火を焚いて焼き固める「素焼き」に近い方法で家の壁を造るのだそうだ。
アースバック工法での家の作り方は、まず外壁にあたる部分に土嚢を敷き詰め、叩いて平らにする。平らにしたら、その上に滑り止めとして鉄条網を2列に敷いて、また、その上に土嚢を乗せてまた叩く、平らにしたら、また鉄条網を敷いて土嚢を乗せてをくり返すという至ってシンプルなもの。
土嚢が1mまで積み上がったら、1mの鉄の棒を打ち込んで、土嚢が崩れ落ちないようにする。1m以上の高さでは50cm毎に鉄の棒を打ち込む。屋根はログハウスの技法で造るのだけれど、草屋根にすることも可能。壁は土壁と漆喰で仕上げる。
小さな家くらいだと、大体20日かそこらで枠組みは出来るというから、相当に早い。
アースバック工法は、原則、アーチ構造なので、ドーム型やかまぼこ型の家になるのだけれど、アースバック工法で建てられた家がいくつも並ぶと、まるでガウディが何かの建造物を見ているような錯覚に捉われてしまう。
この工法だと、木をほとんど使わずに、どこにでもある『土』を材料にすることができるので、世界中のどの土地でも、建築できるという強みがある。
何でも、NASAでは、月面基地の住居をアースバックで造ることが、検討されているという。
日本でも、アースバック工法で建てられた建築物として、長野県の『穂高養生園』があるし、沖縄県の伊良部島では、アースバックの作り方を学ぶワークショップを開催しているそうだ。
まぁ、さすがにこの工法で、何十階建てのビルを建てるのは難しいかもしれないけれど、PKOの一貫として、こうした建物を紹介し、建てる活動も悪くない。
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この記事へのコメント
真実を隠蔽する自称保守ブログ
日本の農業を破壊・壊滅させた原因が戦後の経済優先しか考えてこなかった世襲利権自民党の東京一極集中化政策にあり、農協等を補助金つけで選挙票獲得の手段でのみ利用してきたことにある。
すなわち、戦後の経済政策が自国農業を切り捨てたということなのですが、農民の立場を強調するなら、日本の農業を守るゆえで一番大事な当時、あなたの親が必死になって農業をしていた当時、あなたは世襲利権自民政府の農業壊滅化政策に一言も異議を申さず、原発安全神話なるデマの風評を撒き散らす原発利権さえ疑問を持たず、今回の福島第一原発事故を想定外かつすべての原因を民主党に向けたことを思うと、本当に日本の農業を考えてきたのか甚だ疑問が起きるのです。
右翼活動家を自負し、農民の立場を強調するあなたは、あなた自身が20代から40代の時期に農業事業者としていかなる活動をしてきたのか一度記事にして全国の読者に教えてあげてこそ、農民の立場に説得性を持たすことができると思います。
いわゆる高度成長時代からバブル崩壊前までは民間経済が強く、外交は米国の言うままでよかった時代であることから、誰が首相
日比野
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