いよいよ年の瀬も迫ってきましたけれども、今日は雑談風に取り留めのない駄文を…。
日本経済新聞社とテレビ東京が今月23~25日に共同で実施した世論調査で、野田内閣の支持率は36%と前回調査から15ポイント下落し、不支持率は14ポイント上昇の53%となっています。
内閣発足から3カ月強で支持率が30ポイント以上も下落するのは、あの下り最速の伝説、菅政権をも上回る下落振り。まぁ、菅前首相の場合は、2010年6月に内閣発足して、3ヶ月後に民主党代表選というイベントがありましたから、そこで少し盛り返したこともありましたけれども。
それにしても、この下落振りは尋常ではありません。
野田首相が誕生した直後の8月31日に、筆者は「野田首相の一字」というエントリーをアップして、野田首相は、慎重に周りの様子を伺いながら、アクセルとブレーキを絶えず調整して、「足して2で割る」政治手法を取り、行動原理を表す一字は、「定」ではないかとしました。
振り返ってみると、確かに内閣発足から、慎重に周りの様子を伺って安全運転に勤め、復興法案や三次補正などを「定」めていったように思います。
ところが、TPPと消費税増税になって、アクセルを踏み出した途端、足して2で割れなくなって、党内に軋みが出始めてきています。最近の支持率の低下をみて、泥鰌が土に潜ってばかりだと駄目だとばかり、12月4日には、全国71紙の新聞に『すべての国民の皆さまへ---社会保障と税の一体改革について』と題した政府広報を出してみたり、金正日死去で流れてしまいましたけれども、新橋で街頭演説をやろうとしてみたり、後手後手というか、周りの反応に対して"リアクション"の動きをしているように見えますね。
現代ビジネスの12月26日付け記事「人気急落 すごく焦っているノダ どじょう 新聞社に「血税3億円」バラまいたノダ」 によると、この政府広報の経緯について次のように述べています。
「もともとはTPPについて、大手広告代理店の電通を使って大がかりなテレビCMを制作する予定だったのですが、党内すらまとまらないのでこの話はお蔵入りになったんです。でも、消費税についてだけはどうしても広報するという総理の強い要望もあり、電通とも相談した結果、テレビよりはじっくり読んでもらえる新聞のほうがいいという結論になりました。
ただし、税金を使って大々的に消費税を上げるための宣伝をするわけですから、批判が上がるのは必至。そこで最初のプランでは、社会保障・税一体改革担当でもある古川(元久)国家戦略担当相に出てもらう予定でした。ところが、野田総理の数少ない側近である藤村(修)官房長官が、『消費税だけは総理が直接言わなきゃ駄目だ』と主張し、野田総理本人が登場することが決まったのです。実際の対談は11月22日に行われました」
とまぁ、消費税増税のための宣伝を電通と組んでやったということですね。
けれども、増税については、党内の反発も強く、離党者も出ている。小沢氏は勉強会を立ち上げて137名もの議員を集めてプレッシャーを掛けているのに加え、内閣支持率がここまで低下してしまうと、消費税増税はどんどん難しくなっていきますね。
おなじく、先の現代ビジネスの記事によれば、財務省は危機感を募らせ、勝栄二郎事務次官を中心に、電通や博報堂の幹部に連絡し、『税と社会保障の一体改革について、もっと広告展開してほしい』と依頼していて、電通社内は新聞やテレビはもちろん、携帯電話やネット広告を使った広報ができないかと必死で知恵を絞っているようです。
要するに、官邸+官僚+マスコミがタッグを組んで、なんとか増税するように世論を持っていこうとしているわけです。
筆者は、野田首相が誕生した8月31日に、日比野庵の裏日記に野田政権の行方の予想として、次のように書きました。
野田首相の一字は「定」ですかね。表の日比野庵にエントリーしました。
風呂に浸かりながらゆっくり考えていたら、ふと浮かんで・・・・。
その後、記事を書きながら、「定」に当てはまるか考えていっても、やはりそうかな、と。
少なくとも、リーダーシップを発揮してぐいぐい引っ張っていく感じにはなりそうにないですね。それでも、逆にいえば、足して2で割る片方の要素である野党と世論でプレッシャーを掛ければ多少はマシな方向に引っ張ってこれる可能性はあります。
私的には、野田首相は国民に対する政策発信力、説明説得能力に疑問がありますので、官僚+マスコミが流す、"誘導世論"にどこまで国民が乗せられるか、または乗せられないか、そのあたりがカギを握りそうです。
ただ、震災によって、現実の生活が脅かされていることは事実なので、実効力のない政策をすると、たちまち支持率は落ちていってしまうでしょう。党内に小沢グループを抱え、民主党そのものが懐疑の目で見られている状態で、この国難に立ち向かわなければならないのですから、野田首相の手腕はまだよく分かりませんけれども、上手くいく確率はそう高いとは思えないですね。
まずは、菅政権の後始末で3ヶ月から半年、一国会丸々掛かるかと思いますから、それまでは震災復興、3次補正が中心で、増税議論はあまり進まないことを期待します。
その間に行き詰って、解散総選挙、これがベストシナリオでしょうか。「日比野庵日記 0831」より
と、野田首相には政策発信力がないこと、官僚+マスコミが"誘導世論"を流すであろうこと。3ヶ月から半年は震災復興、3次補正が中心で、増税議論はあまり進まないこと。その間に行き詰って解散総選挙がベストシナリオだと予想しました。
現実に3ヶ月経って、増税議論以外は大体当たっているのではないかと思っているのですけれども、正直、野田首相がここまで急いで、且つ、執着して増税議論を進めるとは思っていませんでした。
けれども、議員定数削減とか、公務員給与削減とか、自ら身を切る姿勢を示さずに、増税一本槍で一方的に国民に負担を求めるやり方には、やはり無理があります。
先日の新橋での街頭演説では、集まった聴衆からの物凄い怒りの声がぶつけられましたけれども、演説に立った民主党議員はどう受け止めたのでしょうか。
実は、YOUTUBEに、演説の様子がアップされているのですけれども、民主党議員の一人が演説し終わったあと、ぽろっと「これはほとんど仕込みだな」と呟いているのをしっかりマイクが拾っているのですね。よっぽどショックだったのでしょう。
まぁ、仕込みと思うのは勝手ですけれども、今の民主党に向けられた国民の怒りを本心で「仕込みだ」と思っているのなら、民主党の先行きは暗いと思いますね。
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この記事へのコメント
とおる
> …
> 電通とも相談した結果、テレビよりはじっくり読んでもらえる新聞のほうがいいという
だから気持ち悪いほど、テレビ・新聞の論調が、TPP賛成プロパガンダだったのですね。
「国民目線」というより、「自分(民主党)目線」・「マスコミ目線」。
> 実は、YOUTUBEに、演説の様子がアップされているのですけれども、民主党議員の一人が演説し終わったあと、ぽろっと「これはほとんど仕込みだな」と呟いているのをしっかりマイクが拾っているのですね。
そりゃ~、自分ら(民主党世間)が、マスコミを使って「仕込み」をやってれば、そう思ってしまうわな。
ちび・むぎ・みみ・はな
今年の感想は,
「これほど劣悪な馬鹿を揃えた党が実在するか?」
いや本当. 事実は小説より奇なり.
嘘付党が与党になった時点で格段に酷い事態を
想像したのだが, ルーピーとヒトデナシが
なぜ左巻きは左巻きなのかを理解させてくれた.
市民なんたらネットワークの中身がこれなのだな.
自民の政治家をけなしていた時代が懐かしい.
嘘付政治家をけなしても無意味だし,
自民をけなすと弱いもの苛めの様に言われる.
自民党よ国民の期待を背負って全面対決を!
国民は待っているぞ!
キリヤカイ