民主党離党と松木新党


民主党若手議員の離党が相次いでいる。

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12月27日、民主党の斎藤恭紀衆院議員は、消費税増税やTPP交渉参加方針に反対し、離党する考えを表明した。また、千葉7区選出の内山晃衆院議員も同じく消費税増税方針などに反対して離党する意向を固めた。

斎藤恭紀議員については、「中野無双、とくダネを一刀両断」のエントリーでも触れたけれど、TPPについて米韓FTAを引き合いに出して反対している議員。

斉藤議員は離党について、自身のブログで次のように述べている。
民主党は大きく変節してしまいました。次から次へとマニフェストを破り捨て、 マニフェストに書いていない「消費税増税」、「TPP」を推進しています。・・・私はTPPや増税の問題で、相当、党と戦いました。・・・しかし、残念ながら、いまの民主党の方向性、政策は私が国民から負託されたものとは真逆になってしまいました。「国民の生活が第一」という庶民革命を民主党で実現できないのならば、新たな勢力を結集して、行動に移さねばという思いが日に日に膨らんできました。・・・ならば長いスパーンで国を、被災地を考えた場合に「国民の生活が第一」の政治を実行する違う道を考える時が来たと思い、党を離れる決断をしました。

と、民主党が変節したと断じ、離党すると宣言している。そしてこの記事の中で、斎藤議員は「新たな勢力を結集して、行動に移さねば」と述べているのだけれど、この"新たな勢力"とは何を指しているのか。

普通に考えれば、新党結成ということになると思うのだけれど、事実、民主党内議員から新党結成の動きがある。



今年の夏、民主党を除名された松木謙公衆院議員が、消費税増税に反対する同党衆院議員らとともに新党を結成する検討に入ったと伝えられているけれど、松木氏は26日に都内で小沢氏と会談し新党結成の意向を伝えている。その席には他に2人の議員が同席していたのだけれど、その中の一人が斎藤議員。

もう一人の議員は中後淳衆院議員で、中後議員も離党を取り沙汰されている。さらに中後議員は、小沢グループに所属し、斉藤議員は鳩山グループに所属しているから、もしも、松木氏が新党を結成し、中後・斉藤両議員が新党に合流することがあれば、その新党は小沢・鳩山氏のグループと協調行動する可能性もある。

そして、同じく26日に松木氏と民主党若手の3人の衆院議員が会談し、松木氏とともに新党を結成することを目指し、28日にも離党届を提出する方向で最終調整を進めることで話がついたようなのだけれど、状況から見て、その若手3人の議員の中に中後・斉藤両議員が入っていると見てよいだろうと思われる。この3人は他の若手議員にも離党を呼びかけていて、10人程度で、新党を発足させたい考えとされている。

実際、民主党内の若手議員の一人は、27日、共同通信の取材に対して「28日にも集団で離党届を提出する。十数人規模になる」と語っているから、どこまで本当かは分からないけれど、10人規模の新党結成は有り得るかもしれない。

そうでなくとも、松木氏と先日離党届を提出した中島議員に、斉藤・中後議員が離党して合流しれば4名。あと一人で政党助成金が交付される要件である議員5名になる。

政党交付金は、1月1日を基準日として、その時点で要件を満たしているかどうかで支払われるから、逆算すると28日の離党は、新党結成するにはギリギリのタイミング。

だから、松木氏が新党結成を狙っているのであれば、もう水面下での調整が相当行なわれているはずで、このタイミングで離党表明者が出てきていることを考えると、5名以上の新党になる可能性はかなり高いと思われる。

ただ、新党といっても10名や20名程度では、民主与党の衆院過半数を割らせることはできないから、野田政権の致命傷にはならないのだけれど、もしも、この新党が野田政権を揺るがす要因になるとすれば、松木新党の掲げるであろう、「反増税」に求心力が働いて、後から後から、離党者が出て合流してゆく流れになったとき。

果たしてそうなるかは今のところなんともいえない。

それならば、小沢氏や鳩山氏が連携して、一緒に離党して党を割ってしまえばいいじゃないかという考えもあると思うけれど、正直、今の小沢氏と鳩山氏が新党を立ちあげたとしても世論の支持が集まるかどうかは分からない。小沢氏は裁判を抱えているし、鳩山氏は相変わらずルーピー発言を炸裂させている。

だから、小沢氏、鳩山氏にしてみれば、主導権を得るためには、自分達は党内野党として、執行部を牽制して政策決定を遅延させつつ、松木新党に反増税で求心力を発揮して貰ったほうが都合がいい。

12月21日には小沢氏は「新しい政策研究会」を立ち上げ137名を集めているし、26日には、民主党の衆院当選1回生議員有志が消費税増税関連法案の国会提出前に衆院比例定数80削減の法案を提出・成立させるよう求める89人分の署名を樽床伸二幹事長代行に提出している。民主党内でも、増税一本槍に疑問を持つ議員が増えていっている。

小沢・鳩山氏と松木新党が協調行動を取るようなことにでもなれば、内と外の両面から野田政権を揺さぶることになる。

またぞろ政局の風が吹き始めた。



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この記事へのコメント

  • ゴンザレス

    「雛祭り」替え歌

    1.国を売りましょTPP
    税率を上げましょ消費税
    国賊だらけのミンス党
    自殺者増え行く日本国

    2.三度のご飯を二度にして
    娯楽も控えましょ金が無い
    それでも消費税増税だ
    国民いじめのミンス党

    3.買い物を控えましょ消費税
    貧乏暇無し低賃金
    酒もたばこも増税だ
    不景気加速の悪の国

    4.贅沢三昧官僚と
    貴族暮らしの付き合いで
    ロボット政権生き延びて
    若者死に行く行く日本国

    5.年金制度はもう破綻
    おまけに増税ダメ押しだ
    経済政策丸で無し
    不景気で潰れ行く日本国

    6.世襲議員のボンボンと
    贅沢三昧の官僚が
    無能政権を操って
    増税政策に走り出す

    7.朝令暮改の鳩ポッポ
    続いてイラ缶のダメ政権
    とどめは野ダメが出て来たぞ
    ミンス政権泥の船
    2015年08月10日 15:26
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    嘘付党から嘘が嫌になってTPP・消費税増税反対
    で飛び出すものがいると, 自民党の不決断が
    殊更明らかになるのではないか.
    谷垣総裁は果たして彼らほどの決断ができるか.
    残念ながらできないだろう.
    2015年08月10日 15:26
  • ス内パー

    9人離党届け提出ですか。もう少し人数欲しいところですが揺さ振るには充分ですかね。
    2015年08月10日 15:26
  • sdi

    面子といい人数といい、現状では大勢に影響があるとはいえません。そういう面からすると民主党はまだまだ余裕があるのでは?、今の首脳陣は「次の総選挙前のいい口減らしになった」と考えているかもしれません。
    2015年08月10日 15:26
  • ドクター国松

    考えが異なれば別の道をあゆむのは当然の選択
    である。考えが異なるにもかかわらず、議員歳費
    欲しさに党にしがみつくような人種は軽蔑に値する。

    ほとんど全てのマニフェストを反故にし、自民党政権
    時に反対していた消費増税等の国民負担策を採用
    した時点で、民主党は詐欺集団に堕した。

    政治に夢を抱き、国民のために役立ちたいと政治の
    道に飛び込んだ一年生議員は何故まだ民主党議員
    であり続けるのか。

    それでは、詐欺師連中と同罪である。まだ遅くはない。
    今年中に離党に踏み切るべきである。

    人間のクズになるか、新たな理想に向かい行動できる
    人間になるか、民主党新人議員にとって分かれ道は
    今この時である。
    2015年08月10日 15:26

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