一体改革の大綱を閣議決定

  
2月17日、野田内閣は、税と社会保障の一体改革の素案を大綱として決定した。

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大綱は、税制、社会保障、政治・行政改革の3つを柱とし、主な内容は次の通り。
1)消費増税など税制改革
 消費税を14年4月8%、15年10月10%に引き上げ
 経済状況等を総合的に勘案し、引き上げの停止を含め所要の措置を講ずる規定を法案に盛り込む
 今回の改革では消費税は単一税率を維持する
 消費税収は全額社会保障に充てる
 消費税の逆進性の問題を踏まえ、給付付き税額控除等、再分配に関する総合的な施策を導入

2)社会保障改革
 「所得比例年金」と「最低保障年金」を組み合わせた新しい年金制度を創設。13年の国会に法案を提出
 年金の受給資格期間を現在の25年から10年に短縮
 高所得者の老齢基礎年金は国庫負担相当額を上限に引き下げる制度を創設
 共済年金制度を厚生年金制度に合わせる方向を基本として被用者年金を一元化

3)政治・行政改革
 議員定数削減や公務員総人件費削減などを実施した上で、消費税引き上げを実施すべきである
 衆院議員定数を80削減する法案を早期に国会に提出し成立を図る

まぁ、これまでマスコミなどで取り上げられている内容だから、改めて指摘することはないけれど、元々の政府素案と殆ど変っていない。

ほとんど素案のまま、大綱として閣議決定したということは、建前上は、与党内の意見が素案通りで固まっているということになるのだけれど、実際は既に広く知られてるように、小沢・鳩山の両氏を中心として、党内で消費税増税反対派を抱えている。

足元が定まっていないのに、与野党協議を呼びかけるといっても、野党からしたら、自分のところを纏めてから言え、となる。

今回の、社会保障の一体改革の大綱決定について、公明党の石井氏も「(大綱が素案と)一字一句変わらないなら、素案を作ったときと事態は変わらない」とけんもほろろだし、自民党の谷垣総裁も「事前の談合はお断りだ。国会で堂々と議論する」と強調している。



それに、いくら与野党協議をしたところで、そこで決まったことを反故にされてしまうようなことがあれば、協議自体が意味のないものになる。

2月13日の衆院予算委員会で、自民党の下村博文氏が、去年の8月に高校無償化に関して「政策効果の検証を基に、必要な見直しを検討する」という3党合意がされた筈なのに、野党側から、何度協議を申し込んでも無視し、2012年度予算にも全く反映されていないことをを取り上げ、3党合意が守られていないと追及した。

この質疑に対して、答弁に立ったのは、当時、民主党の幹事長で、3党合意の当事者だった、岡田副首相だったのだけれど、あろうことか、今は党の役職を離れて、副首相だからどうなっているかは知らない、与野党でよく話し合ってくれ」と他人事発言をして紛糾し、その日の午後の予算委員会が流れたという事実がある。

確かに、岡田氏は、野田内閣発足時に、幹事長を辞していたから、予算編成の時点ではタッチしていないといえばいえるけれど、3党合意から辞任まで1ヶ月近くあった。だから、3党合意文書に書いてある通り、"誠実に履行"する気があるのであれば、引き継ぎを含めてちゃんとやっているはず、普通であれば、党3役が決まった段階で、一度与野党協議の場を設けて、後任者と共に出席して、後のことを調整して置くくらいの事はやらないといけない。誠実とはそういうことではないのか。

この件については、2月13日の予算委員会が流れた後、民主党の輿石幹事長が、自民党の石原幹事長に対して電話で謝罪し、同じく、民主党の城島国対委員長が自民党の岸田国対委員長の下を訪れ、謝罪したようだ。

民主党は17日になって、高校無償化3党協議開始し、また、国家公務員給与の削減についての自公案をほぼ丸のみして基本合意したようだけれど、いくら、今回の閣議決定についての与野党協議をしてほしいからといっても、都合が良すぎる。

野党側から協議を申し込んでもほったらかしにしていたくせに、いざ自分が困ると擦り寄ってくる。自己中にも程がある。与野党協議して、合意したところで、人が代われば後は知らないよの態度では、纏まるものも纏まらない。

国家公務員給与の削減の3党基本合意にしても、民主党は自身の最大支持母体である連合から猛反発を受け、確執を残している

内にも外にも敵ばかりつくっている民主党。いずれ、しっぺ返しを食らう日を迎えることになる。


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画像一体改革大綱 閣議決定 消費増税や議員定数削減 2012年2月17日 夕刊

 政府は十七日午前の閣議で、消費税率引き上げを含む社会保障と税の一体改革大綱を決定した。消費税率を二〇一四年四月に8%、一五年十月に10%に引き上げると明記。増税前に、衆院議員の定数八十削減や国家公務員総人件費削減に関する法案の早期成立を図る方針も示した。

 政府は消費税増税関連法案を三月末までに国会に提出する方針。野田佳彦首相は閣議で野党に協議をあらためて呼び掛ける考えを示した。民主党は来週にも野党に協議入りを求める考えだが、野党は拒否する構えだ。

 政府は与野党協議を経て大綱を閣議決定したい意向だった。しかし、野党が協議の呼び掛けに応じないため、関連法案作成に一カ月程度かかることも考慮した上で、政府・与党が一月に決定した素案の内容を踏襲して決定に踏み切った。

 大綱は、消費税を年金、医療、介護の給付と少子化対策の財源に充てる「社会保障目的税」と明記。基礎年金の国庫負担の二分の一への引き上げや子育て支援などに充てる方針を示した。

 年収に応じて保険料を支払い保険料に応じた年金を受け取る所得比例年金と全額税で賄う最低保障年金を組み合わせた新年金制度を創設するための関連法案を一三年に国会提出する方針を掲げた。

 また「身を切る改革を実施した上で、消費税引き上げを実施すべきだ」として、政治改革や行政改革に取り組む決意を示した。

URL:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012021702000198.html



画像大綱は「マニフェストと180度違う」 自民・谷垣氏が批判 密室談合はお断り 2012.2.17 13:14

 自民党の谷垣禎一総裁は17日午前、政府が消費税増税を含む社会保障と税の一体改革大綱を閣議決定したことについて「民主党マニフェスト(政権公約)と180度食い違う内容なので、国民との信頼関係をもって進めていく態勢ができていない。ガラス細工みたいなところもあるし、与党の中で統一ができていない」と批判した。党本部で記者団の質問に答えた。

 野田佳彦首相が意欲を示す与野党協議に関しては「(与党内で)詰めずに協議してくれと野党に求めてくるのは与党としての責任放棄ではないか。国会で堂々と議論していきたい。事前に密室で談合しろという意味ならお断りだ」と述べ、政党間協議は拒否する考えを改めて示した。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120217/stt12021713170007-n1.htm



画像政策効果を検証 高校無償化3党協議開始 2012.2.17 12:25

 民主、自民、公明3党は17日午前、3党幹事長が14日に交わした確認書に基づき、高校無償化の政策効果を検証するための実務者協議の初会合を国会内で開いた。

 会合では民主党実務者の田島一成衆院議員が、昨年8月の3党合意に基づく政策効果の検証作業が行われなかったことについて陳謝。3党で検証作業を進め、平成24年度予算案の衆院採決までに検証を終えて結論を得ることを確認した。当面、特定扶養控除の見直しによる影響や朝鮮学校への支給に関する状況といった10項目の資料の提出を順次、文部科学省に求めて検証を進める。

 会合後、自民党実務者の下村博文元官房副長官は「政策効果の検証がどうでるか見極めながら判断するが、予算案の修正や組み替えを求めるべく精力的に検証を行いたい」と述べた。

 高校無償化をめぐっては、下村氏が13日の衆院予算委員会で「昨年8月の3党合意に基づく見直しが行われていない」などと政府・与党を批判。15日の再開まで予算審議が空転した。

 高校無償化は民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた看板政策の一つで、平成22年4月にスタートした。公立校では授業料を徴収せず、私立高生らには1人当たり年11万8800円が基本の就学支援金を支給する内容で、関連法の成立時には公明、共産両党も賛成している。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120217/stt12021712260006-n1.htm



画像政府・民主、自公案丸のみ=与野党協議なお遠く

 政府・民主党は国家公務員給与の削減をめぐり、自民、公明両党の対案をほぼ丸のみした。消費増税の前提である「身を切る改革」で実績づくりを急ぐ事情もあり、増税協議に野党を引き込むには大幅譲歩はやむを得ないと判断した。しかし、自公両党は態度を軟化させることはなく、野田政権の決断は空振り気味だ。

 17日の3党政調会長会談。民主党の前原誠司氏は合意文を交わした後、10日に公表した年金抜本改革の財源試算について説明し、「与野党協議をお願いしたい」と改めて要請した。
 しかし、自民党の茂木敏充氏は、政府が17日に閣議決定した社会保障と税の一体改革大綱について記者団に「社会保障改革はすべて先送りで、これでは議論を深めることは難しい」と批判。公明党の石井啓一氏も「(大綱が素案と)一字一句変わらないなら、素案を作ったときと事態は変わらない」とにべもなかった。

 政府・民主党は、給与削減法案の処理に際し、国家公務員に協約締結権を付与する公務員制度改革関連法案を置き去りにしないよう、最大の支持団体である連合から再三、クギを刺されていた。だが、3党合意では「審議入りに向けて環境整備を図る」とするにとどまった。自民党からは「今国会中の成立は難しい」(幹部)との本音が漏れており、連合の反発は避けられそうにない。民主党にとって、今回の譲歩は高くつきそうだ。(2012/02/17-21:08)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012021700976&j4

この記事へのコメント

  • とおる

    次にあるように、野田首相は、民主党代表に選出された時に、「3党合意堅持」。でも、合意なんて簡単に捨て去ってしまいます。
    ・野田新代表、3党合意堅持する考え伝える 日テレNEWS24
     http://www.news24.jp/articles/2011/08/29/04189517.html
     野田氏は挨拶回りの中で、子ども手当見直しなどでの3党合意について「約束はしっかり守る」と述べて堅持する考えを伝えた。

    その場限りの適当な事を言っている人が、また格好いいことを言ってます。
    ・総理ビデオメッセージ「社会保障と税の一体改革について」 -首相官邸ホームページ-
     http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201202/17message.html
     「今さえよければいい」という無責任なことは、もうやめるべきだと私は思います。
    2015年08月10日 15:25

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