田中"素人未満"防衛大臣

 
国会で、田中防衛相が野党の集中砲火に遭っている。

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1月31日の衆院予算委員会では、自民党の町村氏がオスプレイによる騒音を調べる試験飛行の必要性を指摘したことに対して、既に、普天間の辺野古移設に向けて、沖縄県に提出している環境影響評価書で、「環境保全上、特段の支障は生じない」としているにも関わらず、田中防衛相は「米側と、必要なら県とも協議のうえ、今後検討したい」と答え、自ら評価書の信頼性を損なう答弁をしている。

尤も、評価書内では既に、オスプレイの飛行による低周波騒音が、防衛省の定めた基準値を超えると予測されている。例えば、辺野古の北東にある安部集落では、オスプレイの飛行時に、睡眠障害などの「生理的影響」の基準値である100デシベルを超え、102.4デシベルを記録すると予測され、圧迫感や振動感を引き起こす「心理的影響」でも基準値を上回るとしていて、更に、障害児の福祉施設を含む辺野古周辺の10地点で、建物の戸などが揺れる「物理的影響」の基準値も超えるとしているから、仮に試験飛行を実施して本当に基準値を超えた場合には、今度は、基準値を超えているのに何故、特段の支障は生じないと判断したのかという新たな追及のネタを提供することになる。

また、同日午後に開かれた参院予算委員会では、自民党の佐藤正久議員から、沖縄駐留米軍の存在意義についての見解を質されたにも関わらず、「普天間の県内移設に長年取り組んできた経緯は、」と質問の意味すら理解していないと思われる答弁をし、山谷えり子議員から、南スーダンに派遣された自衛隊の警護はどの国の部隊が担当しているのかの質問にも答えられず、挙句の果ては、閣僚席を離れ、無断で20分以上も「行方不明」になり、審議が中断するハプニングも引き起こしている。

その時の田中防衛相の弁によれば、「風邪をひいて鼻水が止まらないため、薬を事務所から持ってこさせた」ということだったのだけれど、その後、薬を秘書官に取りに行かせている間、コーヒーを飲みながら議員食堂で待機していたことが分かり、「緊張感がない」と野党の反発を買っている。更には、藤村官房長官からも、「予算委を抜けられるのは基本的に私だけだ。やはり勉強していただくことだ」と記者会見で指摘される始末。



かなり以前の話になるのだけれど、田中防衛相の妻である田中真紀子議員が国会答弁中に「トイレ行かせてください」 と発言して、離席したことがあったように記憶しているのだけれど、コーヒーではなくトイレくらいだったなら、まだここまで叩かれなかったかもしれない。まぁ、田中真紀子議員のトイレ発言ですら当時は話題になって、その後パロディCMが作られたくらいだから、国会審議中の閣僚の離席、それも無断退席は異例だということ。

また、2月2日の衆院予算委員会でも、田中防衛相は、自民党の石破氏の質問にしどろもどろどころか、殆ど答えらず、終いには、「先生の知見を拝聴しながら、よく理解したい」と、石破氏の解説を拝聴する羽目になった。

そして、田中防衛相が1月15日のテレビ出演で、普天間移設問題で代替施設の「年内着工」の意向を口にして問題になっている件について、民主党の若井康彦議員から、真意を説明してくれ、と釈明の機会を与えるという"助け舟"を出して貰ったにも関わらず、「私はその手順書を持っている」と自爆答弁している。

その後、藤村官房長官が、埋め立て申請の時期について「決定した事実はない」とフォローしているけれど、手順書という、日米の「極秘」文書の存在を暴露してしまったことは後々尾を引くだろうし、こんなにポンポンと極秘事項をばらしてしまうのは、素人以前ではないのか。

特に国防に関わる防衛相となれば尚更のこと。軍事機密をペラペラ喋られては堪らない。これでは、官僚その他も田中防衛相に重要な情報が上げられなくなる。

田中防衛相が就任にて、一か月にもならず、国会が開かれて10日経ったか経たないかで、もうグダグダ。田中防衛相は野田政権の足をかなり引っ張っている。



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この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    > 田中防衛相は野田政権の足をかなり引っ張っている。

    どなたかのtwitterで
    「嘘付政権は国民を敵としているのではないか」
    という意見を見た.

    それなら, 増税首相は支持率が何%でも退場しない.
    問題のある大臣が多ければ多いほど間が保てる.
    とすれば, 何をしているのか.

    どうも TPP の時間稼ぎをしているのではないか.

    周知のように谷垣自民党総裁もTPPに反対ではない.
    従って, 米国との間で TPP の話が進んでしまうと,
    例え自民党政権になっても話が消えることはない,
    と米国は判断しているだろう.

    増税首相の不思議な開き直りには米国の支持がある.

    次の選挙で谷垣自民党が勝つから良いとの意見がある.
    しかし, 私には全てが誰かの陰謀と思える.
    日本が独自性を維持したいのであれば,
    自由貿易・均衡財政原理主義者の谷垣総裁を下ろし,
    嘘付政権に全面的な戦いを即時起こすべきだ.

    確かに大きな陰謀はないが, 各々が小さな企みを
    めぐらしている中, ナイーブな外交を行なう国の
    独立性は危うい.

    4年以内に大地震の起きる確率70%の非常事態の国で
    じっくりと構えている方々
    2015年08月10日 15:26
  • NGA

    防衛大臣だけじゃなく他の大臣にも隠れ素人が居るかもしれないが、僕は田中大臣の大人としての責任感がないようにみえる。国防を担う前に社会人としてなってないから防衛大臣としては論外。行方不明になる大臣なんて普通ありえないし、もし有事の際にに同じ様に行方不明になってもらっては困る。そもそも日本人は国防に関してうといところがある。国防に関して学校ではこれ言って授業は無い。大人になればほぼ国防に関して知る機会は興味を持ち自分で調べるくらいしないと誰でも素人。
    沖縄の基地の事も何の為にあるのか知らずにいらないと言っている人もいて、日本人は知る事を知らない。
    もう国防に関しては専門家を集めて国防専門委員会みたいなのを設けてみてはどうだろうか。
    2015年08月10日 15:26

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