ガソリン価格とEV車と街路灯
今日は簡単に…
ガソリンが高騰している。3月14日、石油情報センターが発表した市況調査によると、レギュラーガソリンの店頭価格は、全国平均で、1リットル当たり152.6円で、前の週から3.4円上昇。
その理由は勿論、イランへの経済制裁を背景とした国際原油価格の高止まりの影響で、国内の石油元売り各社は卸価格を毎週引き上げていて、小売価格の上昇はしばらく続くと見られている。
次のグラフは、レギュラーガソリンの全国平均価格の推移なのだけれど、直近高値は2008年8月の185.1円。
これは、サブプライム問題で、大手金融機関がサブプライムから撤退し、その資金が石油市場に向かったためとされている。ガソリンが高騰すると、売上が伸びてくるのが、ハイブリッド車や電気自動車。
トヨタの3月1日の発表によれば、2月のアメリカ自動車販売台数の伸び率は12%で、ブルームバーグがまとめたアナリスト7人の予想平均8.2%を上回っているのだけれど、その内、ハイブリッド車「プリウス」の販売台数は52%増の20589台と、ハイブリッド車「プリウス」が売り上げ増に寄与したとしている。また、「トヨタ」と「レクサス」のハイブリッド車販売も合計で60%増えており、燃料高を背景に3月も販売を押し上げると予想している。
何でも、全米平均レギュラー・ガソリン価格が4ドルを超えると、一般庶民の消費にブレーキがかかってくるのだという。
このガソリン価格が上がると、ハイブリッド車が急に売れる傾向は、過去も同じで、2008年の販売台数ランキングでは、「プリウス」の2008年頭のランキングは15位くらいだったものが、ガソリン価格がリッター180円辺りになった8月では、6、7位にランクインしている。
だから、今後、石油価格が高騰又は、高止まりが続くのであれば、ハイブリッド車は電気自動車がどんどん売上を伸ばすと考えられる。
では、こうした次世代自動車が今後どれくらい普及してゆくのか。
2009年11月、経済産業省は、自動車業界のトップらを集めて次世代自動車戦略研究会を発足させ、2010年4月に「次世代自動車戦略2010」という報告書を公開している。
その報告書では、国内普及は、燃費規制や物流対策、補助金、そしてインフラ整備の強弱によって、その普及度合いが異なり、仮に自動車メーカーが燃費改善、次世代車開発に最大限の努力をしたとして、次世代車の普及割合は2020年に20%未満、2030年でも30~40%程度としている。
2008年7月、政府は「低炭素社会づくり行動計画」として、2020年までに新車販売のうち2台に1台の割合で次世代車を導入するという目標を掲げているのだけれど、これについて、報告書では、政府による、補助金、税制、インフラ整備といった、積極的なインセンティブ施策が求められるとし、2020年に20%~50%、2030年には50%から70%を普及目標としている。
まぁ、政府が本当にここまで頑張ってくれるのかどうかは分からないけれど、民間ではぼつぼつ、次世代車に向けた準備が始まっているようだ。
松井電器産業とマジケ合資会社は、先日、EV充電機能付LED街路灯なるものの一般販売を開始している。これは、高性能LED照明を搭載しているのだけれど、電気自動車への充電機能があり、更に周辺の監視カメラとしても使える多機能カメラを搭載した、新しいスタイルの街路灯。
街路灯には200Vの充電用コネクタが2つあり、同時に2台の充電が可能で、1コイン投入で1時間充電できる仕組み。補助バッテリーを内蔵し、電源なしでも、最大100時間稼働という優れもの。また、搭載されている監視カメラも、無線LAN対応で、ブラウザ経由でのカメラ制御や映像確認、および、動体センサーによって、カメラに写った物体が動くごとに静止画として撮影できるという。
こうしたものがどんどん普及するのは、電気自動車普及の後押しになることは確か。注目したい。
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